所感
タイトルが情報サイトみたいになっちゃってますが。
見始めました、とっても楽しみにしてました♪
みるアジアでは、毎週3話ずつ公開のようで、まず3話分が配信されてます。
全38話なので、10月いっぱいまでかかるのかな。
冒頭は1930年の上海だったので、映画「無名」やドラマ「偽装者」、舞台は台湾だけど映画「返校」の時代より10数年前ってことになるのね。このドラマが何年分を描くことになるのか分かりませんが。
あ、「返校」は1960年代でしたっけ。
ま、いずれにしろ、あの時代です。
1912年に愛新覚羅溥儀が退位して清朝が崩壊した後から、1921年に創立された中国共産党が中華人民共和国を設立した1949年まで、中国本土にあった中国国民党による政府が中華民国。その後、蒋介石によって逃げるように台湾に遷都される訳ですが。映画「返校」の舞台は、その後の台湾ね。
その間、1940年から1945年まで、南京を首都とした汪兆銘政権ができます。
映画「無名」やドラマ「偽装者」の舞台はこの時代、国民政府の首都は重慶に遷都しており、南京には日本が介入していた汪兆銘政権があり、延安には1937年からそこに拠点を定めた中国共産党があり。
確か映画でもドラマでも、南京、重慶、延安って地名で、それぞれを指してたよね。
でもこのドラマの時代は、まだ汪兆銘政権はなく、国民政府の首都は南京です。
1931年に中国共産党は江西省で中華ソビエト共和国を樹立しますが、この江西省というのがね、このドラマの主人公、魏若来(ウェイルオライ)の出身地な訳です。
共産党の根城である江西省の出身だから、共産党と関係があるかもしれないからと、国民党政権下にある中央銀行は、若来の類まれなる才能を認めつつも正式採用に難色を示したし、学校は卒業証明書を発行してくれなかった。
既に気の毒。
とはいえ彼の周辺にも、彼の知らないところで共産党に入っていた人物はいる訳ですが。
本人はまだ、政治的なイデオロギーに関心はありません。日々を生きるために精一杯だし。
出身地のせいで差別されているのは自覚していて、その中でなんとか自分を認めて貰う術を探して、いろいろ頑張ってるってところ。
ただこの3話の間にも、武装蜂起している共産党と国民党政府サイドとの武力抗争も描かれます。
この時代の物語は、結果として全て共産党に行き着くというのは分かってはいるものの、当時はこうして信念のために自ら命を投じた若者がどれだけいたのだろうってところは、ちょっと考えちゃうよねえ。
日本だって、戦時中とかはそうだった訳だけど、徴兵された一般の国民はイデオロギーのためになんて戦ってなかったと思うもんなー。
ネットに落ちている写真等を眺めるに、若来が人民服みたいなのを着ているので、パリッとスーツの銀行マン姿は、中頃まで続けばいいくらいなんでしょうかね。仕事上、なんだこりゃな国民党政府の腐敗を目の当たりにしてしまって、転向してくんだろうな。バカ正直で真っ直ぐっぽいもんな、るおらい。
貧しい農村出身だけど際立って秀でた頭脳を持つ青年が、有力者に気に入られて職を得る。
こうきたら、困難を乗り越え実力を発揮して、金融界の大物に成り上がるというストーリーでもいいのになあと思ってしまうけど、かの国のあの時代で、それはないんだよなあ。そもそも国民党政府は倒れることが分かっている屋台骨だから。
なのできっと後半、日本人にはプロパガンダ臭を強く感じるかもしれないけど、それは仕方ないでしょね。同じ「みるアジア」で配信されている「理想の輝き」も顕著だったし。イボくんは28話の主人公です。
だけどそれが母国の思想なんだから、それを創るのも演じるのも当たり前なので。
七宝街っていう貧困街のアパートで、みんなとわいわいしながら、日々を懸命に生きている貧しい青年の姿が愛おしいです。メイクのせいもあるんでしょうが、本当に何も持っていない、へちょっと眉の下がった素朴な青年の顔なのよ。もー、かっわいいのよ。
だけど部屋には、金融関連の新聞の切り抜きみたいなのが壁いっぱいに貼ってあって、情勢の勉強もものすんごくしている努力家で。
血だらけになる切ない今後の流れがあるらしいですが、ううう、頑張って見るよ。
既に出て来ていますが、警察の工作員なのかな、今後立ちはだかる役になるんだろう林樵松(リンシャオソン)は、「黒豊と白夕」の豊蘭息(ほうらんしょく)のお兄ちゃんや「軍師連盟」の辟邪(へきじゃ)演ってらした張天陽(チャンティエンヤン)なんですよねえ。ちょっと最初分からなかったわー。
うるうるもぬるぬるもしてない(言い方)彼を見るのは初めてなので、別の意味で楽しみ。
そういえば、張天陽さんてば、イボくんを拷問したシーンが放映された後、SNSに、若来くんを拷問しちゃってゴメンよ謝罪動画をアップしてたんですね。笑っちゃう。お茶目な人なんだな(^m^)
と、単純に日本人は思っても、もしかしたらあちらではそれだけではない意味もあるかもしれないと、少々うがった見方もしてしまうけどね。周囲見回してしっかり身を守らんとな…
毎度異様に話を大きくしてしまうファンダムの年齢域って、めっちゃ若くていろいろ抑制のきかない年頃なのかしらね。
あ、いわずもがなな感じですが、沈図南(シェントゥーナン)は王陽(ワンヤン)、沈近真(シェンジンジェン)は李沁(リーチン)で「慶余年」のお2人。
銀行話なので、おじさん達がいっぱい出て来て、見分けがつくかどうか分かりませんが、「陳情令」の江楓眠(ジャンフォンミエン)の中の人や、「紳士探偵L」のサボイ部長の中の人もいらっしゃる模様です。
週3話、じっくり見進めよう♪
あらすじ
1930年の上海。中央銀行の一般職員となった魏若来(ウェイ・ルオライ)は、優れた能力を買われ、上級顧問の沈図南(シェン・トゥーナン)の信頼を得ていく。やがて沈図南の妹・沈近真(シェン・ジンジェン)と出会った魏若来は、金融界の多くの腐敗と闇を目の当たりにし、迷いと苦悩の中である決断をする…
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作品情報
- 制作 2024年発表 全38話
- 監督 姚暁峰
- 脚本 翁良平
- 旧タイトル 長風破浪
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