あらすじ
張鳴泉は軍法処トップの康少捷経由で、林樵松に強盗事件を調査させる。虞世清と張鳴泉は沈図南の暗殺をはかり、発起人である彼の不在を理由に関税自主権返還の投票実施を阻止しようとする。しかし魏若来が沈図南の代理で関税自主権返還を呼びかけ、沈図南も傷を負いながら会場に到着したため投票は成立、賛成多数で可決となる。
みるアジア
ネタバレ感想
関税保管権の採否投票の見込み数を、沈図南に報告する若来。
賛成54票、反対39票、31票は無回答ですって。
全然足りないと沈図南は言います。賛成票も、虞世清(ユーシーチン)次第で反対に転じるんだって。無回答は反対票だと。
毎日央銀に来て妨害工作をする人達もいるらしく、黄秘書は沈図南に、警戒すべきですと言います。
いよいよ、暗殺の危険が本格的になってきたかー。
でも沈図南は、財政部や宋(ソン)先生、蒋(ジャン)主席が後ろ盾だ、誰が手を出せると強気の姿勢。この間、若来には危険だぞって言ってたけど、黄秘書には態度が違うの?これも相手を見てのことなんでしょうか。例え危険だとしても、後には引けないんだぞって話かな。
張鳴泉(ジャンミンチュエン)は金塊を持って、淞滬(しょうこ)警備司令部軍法処の康少捷(カンシャオジエ)の元へ。あら、灰皿で殴っても無事に生きてるのね(^m^)
金で引き入れる気ですな。沈図南は突っぱねたけど、康処長は取り込まれるんだろなあ。この人の林樵松(リンチャオソン)への態度は、変なコンプレックス混じりにも見えるこの人の裏側だから、どういうつもりだ、バカにしてるのかとは言ってるものの、多分、利に転ぶよね。
恥ずかしながら先日強盗に遭い、懐中時計に財布、拳銃まで盗られた、他の物はどうでもいいが、時計は虞会長に貰ったものだから、なんとしてでも取り返したいと言う張鳴泉。
うわ、財布だけにしとけばよかったなー。あの時計かー。
そういうことなら警察局へ行けと康処長。この人たちの組織は、特高みたいなもんだもんね。
でも金を目の前にして更に煽てられた康処長は、有能な者を貸そうと承諾しちまったよ。
張鳴泉は林樵松を指名しました。この間の憂さ晴らしでしょうかね。
やって来た林樵松に張鳴泉は、強盗に遭ったのは、お前さんが宋美娟(ソンメイジュエン)を助けに来た日だと言います。知ってるんだよ、みたいな態度がムカつくな。林樵松も、倒れてる張鳴泉を見て見ぬふりしたから、知ってるんだけどさ。
単純な盗難は自分の仕事ではないと言おうとした林樵松だけど、康処長に遮られてしまいました。
仕方なく引き受け、人海戦術で盗品を売りさばこうとする闇市を張ることに。
さて、映画の撮影に入った辞書(ツーシュー)は大根でした(笑)
元女優だったって訳じゃなく、単に綺麗な人だからってことだったのね。監督はその大根っぷりに怒りますが、虞夫人の護衛みたいなのにボコボコにされてしまい、映画はそのまま続行。酷い。
張鳴泉は、今度は虞世清のところに来て、そわそわイライラ。
虞世清は沈図南暗殺の準備はしてるみたいだけど、康処長のところに行ったのは、張鳴泉の独断だったみたいね。張鳴泉は虞世清に、余計なことをしたと叱られてますよ。
康少捷がどういう男か分かってないな、あれはドジョウだ、何かあれば真っ先にスルリと逃げる。
なるほど(笑)
なら後ろ盾を増やせばいいと張鳴泉に言われ、虞世清は、商売ではやむを得ない場合を除き、南京を刺激したくないと言うんだけど、考えてるので、こりゃ、そのうち大姐に助けを求めるんでしょうよ。
沈図南のところに昼食を運んで来た若来は、小食堂の豚そばが美味いぞと言われるんだけど、若来の等級ではまだ小食堂には入れないんだって。
そういうルールをどう思う?と聞かれた若来は、目標ができるからいいと思うと答えます。
沈図南は、つまり区別は悪くない、向上の道が開かれているかが重要だと言います。貧困層の者でも努力次第で望みを叶えられる社会、我々はそのために奮闘している。
この人の想いは真っ直ぐなんだよなあ。こんな知恵も実行力も強い信念も持っている人材を、生かしきれなかった政府よ。あ、今はまだいいけど、歴史はこの政府の行き着く先を知ってるからね…
沈図南の書いていた票数リストを見て、若来は道のりは困難かと、と言うんだけど、沈図南は外国人票を取り込むつもりらしい。関税改革で最も利益を削がれるのは彼らだと沈図南は言い、虞世清や張鳴泉は彼らに手を回すだろうと若来も言いますが。君の報告書に評注を加えたろ、彼らが求めるのは利益のみ、利益が一致すればいいのだと。
いやでも、一体どうやって?この評注の内容が鍵かな。
こういう毎日の会話から、若来はぐんぐん吸収してってる感じだね。
そこに黄秘書が来て、虞世清が新亜百貨の話をしたいと電話してきていると告げます。
この間の、賄賂の話ね。
沈図南は黄秘書に応対させ、自分も隣で聞こうとしたんだけど、虞世清は図南よ、聞いてるんだろ?だってさ。新亜の株主たちが返事を待っているから、暇な時に電話をくれ、だそうで。黄秘書は、沈は行内にいません、申し訳ないと言って電話を切りました。居留守はバレてたけどね。
沈図南は、これが虞世清からの最後通牒だと言います。
黄秘書は過激な手段に出るのでは?と心配し、沈図南は少し考えると、2人を下がらせました。
そして、リチャーズホテルに電話します。ん?誰がいるんだ?
虞世清は張鳴泉に、交渉は無駄だった、やれ、と。
きれいにやれ、痕跡は残すな。
張鳴泉は、自分が片付ける、ご迷惑はかけません、とか言うてますが。
沈図南の食卓には、今日は辞書だけがいません。沈近真(シェンジンジェン)と魚児(ユーアル)の3人。
辞書は虞夫人の誘いで映画のオーディションと聞き、関税絡みかと気付く妹。
誰に聞いたと聞く兄ですが、そんなのみんな知ってる、兄さんのお陰で上海は大騒ぎよと。造兵廠のドイツ人も、もし採択されたら二度と協力しないから、自分達でやれと言ってるんだそうな。
国の発展に繋がるなら応援するって妹と、軽口を叩き合ってるところに、辞書が帰宅。
虞夫人からのお土産だと、イタリア製のボディソープやローションを持ち帰り、沈近真に、あなたが使ってとあげてました。
これがさ。この高価な舶来製品の独特の香りが、後で利いてきちゃうんだけど、この時は、そんなこと誰も分からず。
食後、書斎にいた兄の元に妹がきて、友達に頼んでアメリカから送って貰ったという、最新技術の防弾チョッキをプレゼント。
この妹は、いろいろと普通の人が気付かないことに気が付いている。なんで私に防弾チョッキ?みたいにしらばっくれてみせる兄ですが、瞬間、おどろいたことでしょうよ。
翌日はもう投票日。
心配する辞書に、自分は央銀の要人、商売の目的は利益、そこまではしないと言って、沈図南は妻の不安を払拭しようとしてますが。本当はかなり危険なことも覚悟してるんだよねえ。沈近真の防弾チョッキ、ちゃんと着てよ?
ほら、張鳴泉が暗殺者たちを雇って準備してるじゃないのよ。
ポイントを絞って指示し、明日の9時、あの世へ送れ、と。
8時45分。黄秘書の運転する沈図南の車は、行く先を事故で塞がれていました。
後ろの車から、暗殺者たちが下りてきます。黄秘書の運転技術の見せどころよっ。沈図南の車は、脇道に逸れて狭い路地を走り出しました。
投票会場には続々と人が集まっているのに、沈図南だけが到着しません。
慌てている若来とメガネくん王善賓(ワンシャンビン)。
鄧澤(ダンズー)処長のところには、虞世清、張鳴泉コンビが顔を出し、若来は甬城(ヨンチョン)銀行の江(ジャン)さんに会釈してます。
8時50分。鄧澤処長が挨拶を始めました。
車の中の沈図南は、防弾チョッキを着てなかったー。あんなもん着てたら笑われるって、本当に暗殺者雇われて命を狙われてるのに誰が笑うってんだよ。そういうの、ええかっこしいって言うんだぜ?黄秘書も着るべきだって言ってるわ。頭を狙われたらどうするって沈図南は言うけど、それは「あー言えばこういう」と言う(笑)
そんなの銃撃戦になったら、狙いが外れたり、流れ弾が当たったり、何がどうなるか分からないんだよっ。少なくともボディだけでも守るが勝ちなんだよっ。
沈図南もまた銃を手に持ち、全ては国のため、暗殺者に狙われても、天の加護があるさって、あーた。神頼みですかい。中国の膨大な歴史の中で、国のためにと真摯な思いで戦い、志半ばで命を落とした英雄達がどれだけいると思ってんだ。
会場では、発起人の沈図南が姿を見せないのを盾にとって、張鳴泉が会場の空気を掌握しようとしていました。全権代表が遅刻とは、我々を軽視しているのか、と。
引き続き外資が管理する、いや、これ以上、甘い汁は吸わせんと言い争いにもなっちゃった。後ろの方で写真を撮ってる人もいるから、マスコミも入ってるっぽい。
その頃、2台の黒い車は、ちょっとしたカーチェイスと撃ち合いになってました。頑張れ、黄従匀(ホアンツォンユン)。
だけど沈図南の車は、行き止まりに追い詰められてしまいます。
会場の騒ぎは、更にヒートアップ。というかさー、それぞれあちこちの銀行の代表者なんでしょうに、こんな烏合の衆みたいな騒ぎになるんだねえ。ドラマだとはいえ、毎度中国のその他大勢の騒ぎには、呆れちゃうわ。
鄧処長は江さんに、何か言って鎮めて欲しいと頼むんだけど、ここは央銀が言わないと無理だと江さん。
そこで満を持したみたいに立ち上がったのは、虞世清でした。
沈顧問が来ないのは、何か厄介事があったためだろう。恐らく急いでいるところだ。だが一言いっておく、銀行にとっては信用が第一、央銀は信用を裏切った。身内同士でこれでは言葉もない。
ったく、ムカムカするわね。
で、それを聞いてるこの人達の呆れ顔をご覧ください(笑)
得意げに滔々と演説する虞世清。
江さんは、偽善者め、卑怯なって呟いてる。
でも烏合の衆は、虞世清の言葉にころっと、そうだそうだとか言う訳よ。ほんっとロクでもない。
沈顧問不在のまま、虞世清に空気を持っていかれたまま、投票を開始しようとした鄧処長を、若来が急いで止めました。
壇上に立った若来に、張鳴泉は、黙れ、助手は下がってろとか言うんだけど、若来は負けずに、私は万が一の場合に、挨拶の代理を任されていると言いました。処長の鄧も承諾していると言って、鄧処長を目で威嚇(笑)否、目で合図。鄧処長は若来に任せてみようと思ってくれたようだ。
まず若来は、張鳴泉様に忠告しますと言いました。規定ではあなたに発言権はない。みだりな発言は秩序を乱します。
文句をつけた張鳴泉に、若来は毅然として、繰り返します、秩序を乱すならご退席頂きます、主宰は央銀だとお忘れなく、と。
会場は、一気に鎮まりました。てかさー、これ、鄧処長ができなくてどーすんのー?
でもそなのよね、もう通商銀行頭取じゃないから。匯豊(フイフォン)銀行に拾って貰ってるだけだから、今のアイツの立場は、虞世清の付き添いっくらいのものでしょ。投票権はあるのかもしれないけど。
若来は懐から白紙の紙を取り出しました。
沈図南からの文章のテイで、白紙を持って、利益が一致すればいいという沈図南の言葉を思い出して、若来の演説が始まります。今までコツコツと勉強してきた知識の成果がここに。きっと沈図南の言っていた「評注」もきちんと読み返したんだろうな。それで顧問の考えにも気付いてたんでしょね。
時計は9時10分を差していました。
私の記憶通りなら、本日の出席者は124名、ですが私には中国4億の同胞の姿が見えます。
この当時は4億だったのか。今や14億ですよね。
目が悪いのかと、ヤジを飛ばした張鳴泉は、江さんに、騒ぐなと一喝されましたわ(笑)江さんは若来に、続けてと言ってくれました。
この改革は中国と諸外国のゼロサムゲームなのでしょうか。私はそうは思わない。
資本家は飽和状態の市場の投資を辞めた。かつてドイツは世界恐慌を起こし、イギリスはアヘン戦争を仕掛けた。その本質は市場争い。大恐慌から諸国を救うのもまた市場。今日の世界でそうした市場はどこにあるか。
簡単です、人のいる場所に市場がある。
目下アメリカは1億2000万人、ソ連は1億6000万人、ドイツ6400万、日本6400万、フランス4100万、イギリス4600万。対して中国は4億5000万人。
中国4億の民が世界最大の市場となる。中国はまだ貧しく、戦争や飢饉に悩まされ、貿易人口は数百人に過ぎないが、輸出入額は34億3400万に達する。もし安定かつ独立した広い市場が確立されれば、その時の輸出入額はあらゆる想像を超越するはず。
そこで、虞世清がその話と投票に何の関係があるのかと聞きました。
まさにそこですと若来。
関税保管権の回復は中央政府の財力になる。政府に力がつけば、生命力のある市場ができる。
4億の壮大な市場を見てみたくはありませんか?
張鳴泉も黙り込み、江さんはうんうんと頷いてますよ。
だけど、たわ言だと言った虞世清にも江さんは、黙れ、最後まで聞け、大人げないと言ってくれました。ホントそれ。利己的な黒いヤツら、全く大人げないの一言よね。
いやあ、よかったね、あの時、江さんに会わせて貰っといて。
関税は中国の水と肥料。時間と忍耐があれば、世界経済のよい畑となる。
関税保管権を中国に返して貰えれば、中国は必ずや、巨大な市場というプレゼントを返します。
言い切ったーって顔の若来に、会場からは拍手が沸き起こりました。
江さんの笑顔が嬉しいね。
だけど分が悪くなったと気付いた虞世清は、小僧のたわ言を聞く暇はない、沈図南が来なければ、投票は無効だと言い出しましたわ。
それを聞いてる江さんは、ふへ、焦り出したなって顔よ(^m^)
そこへ、虞会長と言いながら、黄秘書に支えられた沈図南が現れます。おお、無事だった。
だけど二の腕の後ろに、ぱっと見でも分かる銃創がありました。スーツに穴が開いてる。
腕を押さえながら、申し訳ない、遅れましたと頭を下げた沈図南は、ご挨拶はさきほど助手が済ませました、私からは釈明をと言います。
投票を軽んじる訳でも信用を裏切る気もない、来る途中で暗殺されかけたのです、と。
驚いた若来が黄秘書を見る。黄秘書、頷く。
沈図南は、黒い2人のほうを見ながら、今、私を消したい人間は誰の目にも明らかですと言いました。うは。強硬な反対姿勢はむしろみんなに、犯人の目星をつけさせてしまいましたわね(^m^)
関税保管権の回復は、中国の血潮を取り戻すこと。私の血は流れてもいい。でも国の血は二度と流れさせない。
邪な者達に警告する。もし可決されれば、暗殺未遂は追及しない。
だがもし否決なら、申し訳ないが徹底追及し、糸を引く者に天誅を下す。
師匠と弟子の演説で、すっかり場はひっくり返りましたよ。
暗殺未遂の首謀者達に加担はしたくない人達も増えたでしょうよ。
感謝の意を唱えて壇上を下りた沈図南は、腕から血を流し、台に寄りかかりながら投票を済ませました。
結果は、反対42、賛成76、棄権6。
鄧処長が可決を宣言すると、立ち上がって拍手した沈図南は、そのまま倒れてしまいます。
救急車で病院に運ばれる沈図南。
付いてったのは、黄秘書と若来だけじゃなく、王メガネくんもいたねー。
辞書の撮影はクライマックスシーンのようで、沈近真も花束を持って見学してたんだけど、そこに虞夫人から電話が入ります。沈図南が暗殺未遂に遭ったと。
病院に急ぐ辞書と沈近真。辞書は虞世清の仕業だと気付いていましたよ。
恨み全開の顔よ。沈近真も気付いてはいたからこその防弾チョッキだったんだろうけど。腕じゃあ、着てても守れなかったかー。
だけど、この暗殺未遂、少々裏もあったようです。
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