あらすじ
開倉の儀の当日、皇帝は神都の人々が集う南市に登場する。春秋道の道徒である宮嫣を内衛に引き入れた武攸決は、持ち場から離れ、念願だったその瞬間を見守っていた。そこへ高秉燭が登場。高秉燭は武攸決が聯昉の長となった時から起きた一連の出来事を見逃さず、百里弘毅と連携して陰謀を食い止めようとしていた。そして対峙する高秉燭と武攸決の前に現れたのは…。
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ネタバレ感想
夜道を馬車が走ってます。馬はぽこぽこ歩いてるんじゃないので、後ろの屋形はめっちゃ揺れてる。乗ってたら絶対に酔う(笑)
それを確認した宮嫣(きゅうえん)は、百里夫妻は神都を離れ、高秉燭は南市の警護ですと黒兄貴に報告。
高秉燭の見張りは続けられるらしい。
伏火雷霆の設置も予定通り。明日の決行も時間通り。
開倉式典当日の朝。
街の警備も厳しく、身分証を確認された人々が南市に入っていきます。
警護の状況報告を受けている黒兄貴は、陛下自ら倉を開けるのは民を慰撫するため、いかなる失敗も許されぬ、だってさ。
ここにいる内衛の部下達も、みんな巻き添えになる予定なんだよねえ?李北七すら死なせた人には、そんなのヘでもないってコトなんでしょうかね。身勝手な悪人の心情なんてホント、分からん。
沿道には禁軍かな、兵達がずらりと並び、陛下の通る道を警護しています。
微笑みを浮かべた陛下の乗る馬車が、やって来ました。
それを真正面で出迎える黒兄貴。
想像するのは、自分が立つ地面の下に設置された大量の伏火雷霆(ふくからいてい)。
設置されたステージに上がる皇帝。平伏する民衆。
陛下の演説が始まると、傍らに控えていた黒兄貴は、軽く礼をしてその場を離れていきました。
ふふん。ここにいたら巻き込まれるから、避難しないとねえ。
皆の中にも空腹を抱えた者が大勢いるだろう。苦労かけたな。
春秋道の狙いは朕であった。朕の代わりに皆を苦しませ、すまぬことをした。
泣き出してる人々たくさん。
皇帝に直接謝って貰うなんて、あり得ないことなんでしょうねえ。
その頃、黒兄貴は、ヒラヒラの布が大量に垂れ下がった場所を歩いていました。
ここがどこか分からないんだけどさ。下は土なので、建物の上ではない。この場面の演出のために作られた場所なんでしょうけど。うーん、邪魔だな、布(笑)
そこには高秉燭が待っていました。
さすがに少々表情を変える黒兄貴。笑う高秉燭。
奉御郎、どこへ行く?
陛下がおっしゃった、お前に十分な褒美を出すと。もうすぐ開倉だ、戻って重責を果たせ。
この期に及んで褒美の話かよ。自分が靡くものには他人も靡くと思ってる、か。
大事な場面で陛下に付き添わないのか?
私のこの体では、場を白けさせる。
こうやって毎度毎度、人の言葉を上手いこと躱してきたんでしょうが。
高秉燭やアーランには通用しないんだよーだ。
陛下と神都のために患ったのだ、誰も奉御郎を責めたりしない。
俺も感謝している。不良井に食糧を回してくれた。
陛下の開倉の言葉に、民衆達の歓喜の声。
楊煥(ようかん)が跪いて喜びの言葉を言うけど、演説の時とは違い、陛下の表情はちょいと暗い。
ああ、もう、知っているのだな。
黒兄貴の耳にも、民衆の喜ぶ声が聞こえてきます。
え?って感じで、目線を揺らした黒兄貴に、高秉燭は、何を待っている?と不敵に。
さすがに驚いて、数歩動き、周囲を窺う黒兄貴。
見るまでもない。お前が計画した爆発は起こらん。
何をした、お前がやったのかと叫んだ黒兄貴を見て、高秉燭は笑って腕を組み、はぁ~、見事な正体の隠し方だったと言います。
陰謀を企んだ本人なのに全く疑われず、計画を邪魔する者は消すか、または抱き込んだ。春秋道の仲間が潜んでいるとは見ていたが、お前を疑ったのは含嘉倉(がんかそう)の事件からだ。
回想シーン。
龍光門に伏火雷霆を止めに行き、捕まってしまったアーランの元に駆けつける高秉燭達。
俺たちを龍光門に行かせたのは目くらましで、含嘉倉こそ伏火雷霆の真の標的だった。
その頃、春秋道の百里寛仁(ひゃくりかんじん)が表に出て来る。
だが神都の飢饉や暴動は、百里寛仁に何の得もない。飢えた民の乱などさほど力はないため、それは奴の最終目標ではない。
含嘉倉の爆発後、太子も聯昉(れんほう)も権勢を失ったが、お前は座したまま利を得た。
あの時。35話で、公子楚に近付き、薄笑いを浮かべて、郎君は長年聯昉を統べ、神都に詳しい、聯昉を追われれば、春秋道の望み通りだと言った高秉燭だったけど、映像に入ってなかった続きの台詞がありました。
漁夫の利を得るのは誰か。
それを聞いて公子楚は、自分が動かないと話は進まないなと、罠に嵌りに行った訳だ。
本当は単に陛下に辞任を願い出るつもりだったのかもしれないけど、途中で宇文佩佩(うぶんはいはい)に刺され、聯昉は武攸決(ぶゆうけつ)の手に落ちた。
漁夫の利。
推理は見事だ。だがそれを理由に私だと断定はできぬはず。
焦りの見える黒兄貴に、高秉燭は、落ち着いて聞けよ、て(笑)
お前が聯昉を引き継いだ時、疑いは強まった。着任後すぐ、東川王や含嘉倉の資料が消えたから。
他にも綻びがあった。含嘉倉爆破の情報を、聯昉より早く得ていた。
あ、そっか。高秉燭が必死で含嘉倉に走って行った時、既に内衛が犠牲者を運んでた。
陰で動くお前たちはいつも先を行く。
百里寛仁が捕えられた時、疑念は確信に変わった。
そして思月が聞いた逍遥子の言葉。
15話のコレですな。
帰倉鳳、出ずれば天下傾く。
私が望む帰倉鳳は、奴らとは違った。奴らは私を除き、事を成そうとしている。
間違えたのは私か、それとも奴らか。
5年前逍遥子は捕えられ、掌秋使は殺され、掌春使は死を選んだ。
なら、帰倉鳳は誰か。
春秋道が簡単に壊滅したのも、おそらく計画の一部。
あの威力なら、含嘉倉の爆破に多くの伏火雷霆は必要ない。春秋道が捕まり、食糧も取り戻せたが、残りの伏火雷霆は影も形もない。
なぜなら、お前の手中にあるからだ。
陛下の開倉は何よりも重要なはず、だがお前はその重要な任務を俺に任せた。
あの瞬間、お前の計画で俺は死ぬ役回りだと悟った。
おおお、あそこでそこまで悟ってましたか。
なら武思月に打ち明けるのは、37話でも良かったのにな。準備万端整わないうちに。
でもそれだと逃げおおせたかもしれないか、この黒い人が。
「茂る雑草、明火で焚く」話しながら近付いていく高秉燭。
皇帝を殺すだけでは物足りず、お前は自作自演をした。
まず自分が支援する春秋道を潰し、次に東川王と太子を陥れ、陛下の信頼を勝ち取った。暴動を治め人心を得た上に、聯昉と内衛を掌握し兵権を得た。そして堂々と立ち上がり、武攸決こそが救世主だと思わせた。
36話のあれな。私が、私がを連発して、気持ちよさそうに演説してたわよねえ。
違うか?
目の前で、にやっと笑う高秉燭に言われて、黒兄貴は聞きました。
監視下にあったお前が、なぜ計画を見破った?
ここからはアーランのお仕事でした。
あの別れの会食での謎会話ねー。
2人は監視に聞かれているのを承知で、他の人には絶対に察知できない会話をしていた訳だ。お互いに信頼し合ってないと無理だわ。そういえば、不良井での時は、アーラン、お前は私を信じ過ぎだって文句言ってましたっけ(^m^)あれは12話でした。随分前だね。
でも、密かに計画を潰すのは難しかったと高秉燭も認めています。
あの時アーランが気付いたのは、まず、高秉燭の視線で監視が聞いていること。
本当は不良人を「上」で暮らさせたいはずだから、この会話には暗喩が含まれていること。
神都の災難はいつ終わると思う?
⇒ まだ終わっていないのだという反語。
「輝ける天枢」という歌。
⇒ 天枢は陛下。陛下に危険が迫っている?
七娘の続けた歌詞「牡丹の花」に対して、まさにそれだと。
⇒ 芙蓉牡丹令で陛下を救え?
最初に会った場所は南市。
⇒ 南市が危険?
連山訣解読や伏火雷霆探しで助けられた。
⇒ 南市で伏火雷霆が使われる?連山訣でその位置を探れ?
内衛の訓戒と武思月への称賛。
⇒ 月華君が窮地にあるから内衛に行け?
不良井の丑じいの名を出す。
⇒ 不良井に行って、丑じいを頼れ?
内衛に行って、月華君を救出し、連山訣で伏火雷霆の仕掛けられている場所を見つけ、不良井に行って丑じいに協力を要請し、伏火雷霆が爆発する仕掛けを解除をするために、不良人達に動いて貰う。
一晩のうちに、これだけ。アーラン、責任重大でしたなー。
アーランとの会話は一字一句報告されていたらしいけど、こんなん普通は分かりませんて(笑)
監視役がバカだったのではないわよ。高秉燭とアーランの頭が良すぎるのです。
お前の計画は完璧だったが、聯昉を掌握すれば神都中を見渡せると思ったか?
聯昉にも見えぬところがある。不良井だ。
アーランは神都を出たテイでこっそり戻り、不良井に急いでいたのね。
丑じいに、黒兄貴の謀反の話を告げ、南市の地下に、明日の開倉式典で爆発させるつもりの伏火雷霆があること、高秉燭に阻止を頼まれたことを話します。
丑じいはすぐに、不良井の人手が欲しいのだと理解し、みんなを集めてくれました。
まあ、いつものように一筋縄ではいかない不良井のみなさん。高使に助けられたと言う人も、まーだ5年前のことを言う人もいる。
確かに危険だとアーランは言いました。
でも、高秉燭はこの難局で、みんなを思い浮かべたのだと。
不良井は高秉燭の頼みの綱だ。神都を災いから救って欲しい。
まあね、自分達を排除している神都を、なんで自分達がと思うのも分かるんだけど、不良井も神都の中にあるのよ。あの食糧難は不良井だって同じだった。今回の爆発が起きれば、混乱と恐慌はあの比ではなく、それは例外なく不良井にも波及するんだけどさ。
黙り込んでしまったみんなに、丑じいが檄を入れました。
日頃自分達は英雄だと大口を叩き、肝心な時に物も言えんとは。不良井の血気や気概はどこへ行った。
それでも声を上げないのを見て、丑じいはアーランに、不良井は臆病者ばかりだ、お恥ずかしいと頭を下げました。
自分はもう61才、充分生きた、こんな老いぼれでも役に立つのなら、死して悔いなし。
そう言って、ちょいと微笑んだ丑じい。カッコいいよー。
ゾロゾロと帰り出す不良人達に、アーランはもう一度呼びかけました。
高秉燭が神都を守るのは、不良井を守りたいからだ。
神都が災難に遭えば、不良井も無事ではない。忘れたのか、封鎖で食糧が断ち切れた辛さを。
ようやく少し思い直してくれたみたいなみなさんに、アーランは拱手をしてもう一声。
手伝いをお願いしたい。
不良人の1人が言いました。
高使は幾度も神都を救った、だがどうだ、上の連中は俺たちを人扱いしていない。
だから分からせねば、とアーラン。
不良人が神都を救ったと、みんなは神都の英雄だと。
背を向けていた1人の男が振り返って言いました。
英雄気取りなら得意だ、俺が行く。
俺も行く。丑じい、俺は臆病者じゃないぞ。
それを皮切りに、おじいちゃんもおばちゃんも、口々に行くと叫び出してくれました。
高秉燭は言います。
お前が見下した不良人が陰謀を潰した。伏火雷霆は一か所も爆発しない。
奉御郎、お前の負けだ。
だけど悔しそうに息をついた黒兄貴は、まぁだ、頭を回しているよ。
負けじゃないんだとさ。高秉燭は単純すぎるんだとさ。
計画が失敗しても構わないんだとさ。今の話には何の証拠もない、だとさ。
自分の兄弟分を死なせた者を、信義に背く卑しい不良人を、誰が信じるか、だとさ。
笑っていた高秉燭も、不良井のことを持ち出されて表情が変わります。
忘れるな、南市の守りはお前だ。
お前が不良人に伏火雷霆を置かせ、陛下殺害を企てた。
明火の勢いはもう誰にも止められぬ。ましてやお前は一人だ。
なぜ俺1人だと思うと高秉燭は言い返しましたよっ。
お前のせいで死んだ、大勢の魂が見ている。貴様が処刑されねば無駄死にだ。
お前は詭計ばかり弄し、私欲のためなら親しい者の命すら奪う。
その時、会場からは、陛下万歳の声が聞こえてきます。
聞こえたか、みな、血も肉もある生きた人間だ。
お前には野心と欲望しか残っておらず、人の命なんざ塵芥も同じ。
茂る雑草だと?邪魔する者は殺していいのか、無辜の民が何をした、お前が帝位につく踏み台になれとでも?
俺たちが雑草だと?違う。俺たちは生きたいと願っている人間だ。お前の私欲で神都が滅ぶのを望むものか。
こうやって人から、どどどーっと畳みかけられることなんてなかったんじゃないかねえ、この人。
目をしばたたかせて聞いてますけど、ここまで黒く歪んだ人の心に、本当の意味で言葉が染み入ったとは思えないよなー。言い返す隙が無くて、気圧されて、仕方なく聞いてるんとちゃうかー?
ってくらい、キライなのよ、あたし、もうずっと前から、この黒兄貴がっ(笑)
思えば13話からずっと、腹立てて黒兄貴呼びでしたし(^m^)
そういえば、この黒い人、ずっと咳してないんだけど?それすらも自演なのかよっ。
真相は分からないけど、アナタのために毒に侵されてこんな体なんすよねーって、ずうっと印象づけるためには、いい手だったかもしれませんわな。
そこに禁軍がやって来て、周囲を取り囲みます。
その先頭にいたのは、武思月。
芙蓉牡丹令を見せ、さすがに唖然としている武攸決に言いました。
陛下のお言葉だ。皇帝の謀殺を企む逆賊、武攸決を捕らえよ。
あ、芙蓉牡丹令。武思月が黒兄貴を殺せなかった時渡したのは偽物かっ。
結局武思月が選択できる道は、これしかないのよね。自ら自分の兄を告発して断罪すること。アーランと同じ。
武攸決は阿月と言ってから、武思月と言い直したけども。
正義感の強い妹が、兄の所業を知って、知らないふりなんてできないことくらい、分かってるでしょうに。肉親を告発してでも、信念に基づいた行動をするに決まってるでしょうに。
アーランでさえ、そうしたのよ?父親や申非を殺されたからでもあるけど。
回想シーン。
武思月は不良井で、高秉燭から聞かされていました。
聯昉で東川王と含嘉倉の情報が消えたこと。それができるのはただ一人。奉御郎だ。
理由はと聞かれた高秉燭。
密告者の件から百里寛仁の件まで、最も利を得たのは武攸決。
公子楚は辞任を決めた直後に襲われ、代わりに来たのが奉御郎。
だが奉御郎が来てすぐ、情報が消えた。
そして、李北七はなぜ突然、春秋道に協力したのか。
最初は薄笑いだった武思月も、考え込むように。
黒兄貴以外、できる人はいない事実の羅列。
俺と百里弘毅は監視されている。
信じたくないのは分かるが、お前が確かめる前に準備が必要だ。
もし春秋道ならと言われて、あり得ないと言う武思月。
もし黒幕ならどうすると言われて、私が止めて見せると。
どうやってと聞かれて、言葉に詰まる。
無理無理。今までだって、言い返すことも出来なかったでしょ。怒鳴られて情に訴えられて、テキトーに丸め込まれてきたじゃないの。勢いだけじゃ無理なのよ。
今から七娘に会って伝えろ。子の刻にお前が現れなければ、百里弘毅を俺の所へ遣れと。
芙蓉牡丹令を貸してくれ。万一に備えて複製品を作る。本物は七娘に渡せ。
あれはそんな時間の深夜の会食だったのか。子の刻は深夜0時。
そこからアーランは動き、不良井のみんなは、その後から朝にかけて動いてくれたのか。
明日陛下が倉を開ける。黒幕が誰であれ、きっと動く。
その時、芙蓉牡丹令が決め手になる。
それで武思月は米屋で七娘を助け、馬車の中で本物の芙蓉牡丹令を渡し、手筈を伝えた。
だから会食で、月華君は不在だったとアーランが言ったのは、多分内衛で軟禁されているのだろうってことだった。そしてそれは、黒幕確定ってことでもある。
朝になって、七娘は本物の芙蓉牡丹令を持って内衛に行き、武思月を救出して、多分アーランが高秉燭の頼みで不良井を動かしたことも伝えたのでしょう。武思月はそのまま陛下に直訴しに行き、禁軍を連れて現れた、と。さっきの陛下の憂い顔は、既に全てを知っていたから。
自分に向かい、芙蓉牡丹令を掲げる妹に、それで私を止められると?と言う武攸決。
その時、近くの塀みたいなところの上から、武攸決を狙う柳灃が顔を出します。クロスボウみたいなのに矢を番えて。
南市の刺客は全員捕えた。兄上、もうやめて。
武攸決は、妹から視線を逸らして言いました。
この数年、よく悪夢を見た。お前が私を捕らえに来て、敵同士になる夢を。
それで武思月が自分の目論見から外れる行動をするたびに、怖くて怒鳴りつけてたんすねえ。
私も陛下に詫びて、一緒に罰を受けると武思月は言うけど、本当にそれで許されると思っているのかなあ。許されるとしても自分だけだよねえ。この人は、誠心誠意頼めばって本気で思ってるみたいなところがあるからなー。それじゃ、柳灃と一緒じゃーん。
武攸決は、考えが甘すぎる、陛下は私を許さぬと言いました。
ここだけは同意です(笑)可愛さ余って憎さ百倍になりますわよ、普通に考えて。
それに、お前とは無関係だと言いかけた武攸決を遮り、今やめないと、後戻りできなくなると武思月。
甘い。甘いなあ。もうその時期は、とっくに過ぎてしまってるのよ。
同じこと考えたんだろうなあ、武攸決は笑いました。
塀の上の柳灃が、武攸決、命で償えと呟いてます。
春禾、敵は俺が討つ。
武思月の視界に柳灃が飛び込んだ時、柳灃から矢が放たれます。
矢は真っ直ぐ武攸決の背中に向かい、それを正面から見た武思月は、咄嗟に武攸決を突き飛ばしました。
あー。
この行動さえなければ、武攸決も生き恥を晒さずに死ねたのにねと、ちょっと思ってしまったよ。一番無難な幕引きとなったはずなんだよ。
でもまあ、見てしまったからには、この人はこう動くしかないんだよねえ。
なんかなー。なんだかなー。
咄嗟に気付いた高秉燭も動こうとしますが、一瞬遅し。
柳灃の放った矢は、武思月の左胸に突き刺さってしまいました。
あーーーーー。
驚いた顔で見上げた武攸決の視線の先に、柳灃は捉えられていたんでしょうかね。
自分が使い捨てにした駒にも、大切に思う人がいるってことに、ま、気付いたとも思えないけど。それは自分が妹を大切に思うのと何も変わらず、ある意味、奪ったから奪い返されただけなんてコトには。
見開いた目で高秉燭を見つめ、目を閉じて倒れ込む武思月を、慌てて抱き留める高秉燭。
そして走馬灯。
高秉燭の腕の中で、武思月は微笑みました。
崩落した洞窟に閉じ込められた時の、人生がもう少し長かったらいいのにねって言葉が流れます。
そしたらあなたと一緒に、もっと多くのことができたのに。
あの時と同じように、武思月の手は高秉燭の頬に触れました。
その腕の中で目を閉じた武思月を見て、黒兄貴があーっと叫んでいる。音声は入ってない。
でもこれ、中の人、めっさ長く吠えたんじゃないでしょうか。
高秉燭も同様に、武思月の頬の上に涙を流して吠えました。
そして10日後。
神都には日常の平和が戻っていました。
不良井の民は神都とこの国を救った。
直ちに官吏を遣わし、不良人を転居させ、神都の坊に適切に安住させよ。
そんな陛下の声と共に、映像は神都を歩く、不良人達が映し出されてました。
高秉燭の願いが叶ったねえ。
白浪は、すんごい御馳走をもりもり食べてましたよ。
ものすんごく頑張ってくれたから、いっぱいご褒美貰ったんだろなあ(^m^)
きっと白浪のような普通の平民には、どう頑張っても食べられない料理だったのでしょうね。
オヤジ、お袋、洛陽の水席料理だよ、「上」だって、感激して泣きながら呟いています。
美味なるかなって、最後までカワイイ。
春秋道の残党は大理寺が取り調べることになり、大理寺亭長の裴諫(はいかん)は、少卿(しょうけい)に抜擢されてました。大理寺卿の高昇(こうしょう)がどうなったか分からないけど、アレは下ろされて裴諫が昇進したと思いたい。
春秋道とは無関係だと証明された太子は、幽閉を解かれました。
晋王、武慎行(ぶしんこう)は職務怠慢で爵位剥奪の上、謹慎処分。
帝位簒奪を企んだ逆臣、武攸決は死罪が妥当なものの、妹、武思月が国に殉じたのを鑑み、死罪を免じて内衛の牢に生涯幽閉。
聯昉には、東川王が復活していました。
傍らの安白檀が、武攸決は錯乱し、自らを皇帝だと妄言を吐いていると伝えます。
月華君は惜しいことをしたと東川王。もう身分が明るみになったから、仮面は必要ないって。
東川王の身分で、神都を見張っていくのも、悪くない。
百里家で手紙を読む七娘と蕾芝(うんし)。
柳灃は陛下から、出家を命じられたんですって。なんって恩情でしょうか。
柳適と終南山に行って、武思月の冥福を祈るんだそう。
陛下のお慈悲で、十郎は死罪を免れ、アーランは爵位を与えられたと七娘。
単純に喜べない顔だけど、仕方ないね。あの弟を甘やかしたのは、柳家の責任。
百代の教訓や、盛衰と禍福の理由を知ったところで、言うは易く行うは難し。
百里弘毅は聡明かつ勇猛果敢で、神都の守護に功あり。
ゆえに、工部侍郎に任じ、長青侯に封ずる。
拝命したアーラン。
陛下の表情はまあ、余り優れないけどね。相当ショックだったでしょうから。
賑やかな神都の夜の街。丑じいがちびっこを抱いて歩いてたり、小五と小七のお母さんかな、申さんがきれいねーって喜んでいたり。
太鼓橋の上に登って来た高秉燭。見下ろす川辺では、白浪と青夜が楽しそうに花火を振り回してました。
おおお、青夜!やっぱり前回、宮嫣(きゅうえん)は見逃してくれたんだねえ。
橋の上の高秉燭を見て、丑じいが笑った時、アーランがやって来ます。
青夜は変わったな。悪人に惑わされ道を誤ったが、元来普通の家の子だと高秉燭。
幸運なほうかもとアーラン。神都は懐の深いところだ、やり直す機会がある。
アーランは工部侍郎の職を辞して、今度こそ本当に七娘と神都を出て旅することにしたらしい。
工部は、アーランにうってつけの仕事だったでしょうけど、でもま、この人は官職より大切なことがあると知っている。陛下から爵位まで貰ったことだけでも、きっと百里延は喜んでくれてるでしょう。
なのに辞めるってか、工部侍郎を、かーっ…と、多少なってる気もするけど(笑)
それもいいと言った高秉燭に、アーランは、良ければ一緒に来ないかと言いました。
えー、アーランが、アーランが人を誘ったー!(驚)
やめておく、2人で楽しめと高秉燭。だけどちょびっと嬉しそう(^m^)
そこに、1人になったのに何か心残りが?っていうアーランの空気読めなさは変わらんー。
1人になったのにって、敢えてそれ言うなよっ。
高秉燭は、武思月と2人で見た七夕の神都の街を思い出してたんでしょね。
長い道のりだったと、街を眺めながら言う高秉燭は、阿曇(あたん)を探しながら、武思月が守りたかったこの神都の太平を、ここに残って武思月に代わって守るつもりのようです。
お前が守る神都を見るために、いつか戻ることもあるだろうとアーラン。
拱手をして、元気でと笑い、アーランは去って行きました。
微笑みながら街を眺める高秉燭。
少し表情が曇って、武思月を思い出して。
きっとこうして、ずっと神都を守っていくのでしょう。
執戟郎は続けていくのかな。東川王のお出迎えの場にはいなかったけど。
でも、有能過ぎて、東川王が手放さないよ、多分。どんな形であったとしても。
振り返った神都の街に、灯籠が上がっていきました。
はー、終わってしまいましたね。
39話は、中国ドラマとしては決して長くはないんだけど、結構みっちり完走した感が大きいドラマでした。
スンッとしたアーランを見てるのも楽しかったんですが、今度は、へちゃへちゃな王一博も見たいんですよねー。
巷では、ドラマ「追風者」のマグノリア賞ノミネートで騒ぎになっているのは知ってますが、みるアジアでの配信予定を待ちたいと思います。王一博本人のアカウントもオフィシャルもドラマ公式も、4日か5日にコメントを出しましたしね。
ちゃんとした日本語翻訳された上でのもの、じっくり見てみたいよ、早く。きっと、とても素晴らしいお仕事だったのだと思うから。
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