割と評判がいいドラマのようなので、楽しみにしてました。
「少年歌行」や「黒豊と白夕」を撮った監督さんで、「少年歌行」組がいっぱい出てきます。まだ10話までしか見てないんだけど、既に何人も。
白敬亭(バイジンティン)は「開端-RESET-」と「鳳凰の飛翔」しか見てないんだけど、この顧九思(グージウスー)って役は、生き生きと演じている気が。なんたって、アホなんでね~、序盤(笑)
柳玉茹(リウルーユー)の宋軼(ソンイー)は「慶余年」、「贅婿」、「風起洛陽」他、いくつか見てます。最初はちょっと「贅婿」に似てるのかなと思ったものの、お仕事に勤しむシーンは少ないかな、今のところ。でもこういうの、この人、似合うよね。ダンナのフォローしつつ頑張る嫁。剛毅なところも可愛げもあるっていう。
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所感 ネタバレです
女主、柳玉茹は、身分の高い正妻の娘なんだけど、母親は体も気も弱く、意地悪な側室を寵愛して言いなりになってる父親から疎んじられ、側室母娘からは意地悪されてるって境遇。
家を取り仕切っている側室月夫人は、正妻の薬代も出さない上、口実を作って柳玉茹から借りた毛皮も黙って売り払っちゃうような下品な女。
しかもその毛皮は、柳玉茹が想い人、葉世安(イエシーアン)にプレゼントしようと思って用意していたものでした。
こういう女がのさばってるのは、まあ男がバカってことですよね。
柳玉茹の父親は、体裁とプライドばっかのダメ親父。だから地位のある家の娘を正妻にしたんでしょうが、それなのに家の評判も下げそうな、品のない側室を寵愛してるってヘンなのー。というか結局、側室のほうが似合いの男だったってことね。
父親役は「風起洛陽」柳襄(りゅうじょう)、「家族の名において」の和平さん、張晞臨(チャンシーリン)。
この方、偉そうにしてても、目におどおどした色を湛える演技がお上手。「風起洛陽」では七娘@宋軼の叔父でしたっけ。
母親役は、張棪琰(チャンイェンイェン)。この方もあっちこっちでお見かけします。品のある親世代やらせても、びっくりするほどロクでもない女やらせても、まー上手いから。「明蘭」を見て(笑)

側室が毛皮を売ったのが、悪名高い富豪の放蕩息子、顧九思だと知り、買い戻そうと会いに行く柳玉茹。
でも顧九思はその毛皮を、道端で震えてた子供に上げちゃってたんだよね。授業をさぼりまくって、悪友2人と妓楼で遊んでたりする後先考えない放蕩息子ではあるけど、そういう優しさを持ってはいる。
だけど、そんなことは誰にも分からないのでねえ。

柳玉茹は、野次馬が取り囲む道端で顧九思に、ほー葉世安へのプレゼントか、葉世安のどこが好きなんだ、趣味が悪いなんて言われてしまいます。
顧九思は元々、郷試に解元で受かっている(科挙の地方試験トップ)評判のいい葉世安を、面白くないと思ってたから余計にだった訳だが。
だけど嫁入り前のお嬢さんにとっては、笠で顔隠してても、すんごく恥ずかしいことだったよね。その上、毛皮は人に上げてしまったと言われて、ショックで絶句しちゃう。
それを見た顧九思も気まずそうに、そんなものまた買えばいいじゃないかと金を差し出すんだけど。怒った柳玉茹は思いっきり葉世安を褒め、アンタみたいなゴロツキでロクデナシの疫病神とは違う!なんて言い返して、お金も受け取らずに帰っていきます。
その剣幕に驚いて、口パクパクのぼっちゃんが可笑しかった(^m^)
出会いはサイアク。
だけど2人の知らないところで、大人達にもいろいろとあった訳なんですわ。
ここ徉州イチってくらいの豪商で金持ちの顧家は、その資産を金欠の朝廷から狙われてました。
公主を顧九思に嫁がせようと画策されていて、顧九思の両親はそれを阻止したいけど、正式に申し込まれてしまえば逆らえない。
なんとか使者がやって来る前に息子を片付けてしまおうと、葉世安の妹、葉韻(イエユン)に縁談を申し込みます。
母親同士の仲が良かった柳玉茹と葉家の兄妹は、子供の頃からの友人。
葉家の茶会の日、顧九思との縁談に悩む葉韻に同情した柳玉茹が、私だったら身投げしたくなる、破談になるよう嫌がらせをしよう、なんて言ってたら、それを、葉韻を覗きに来ていた顧九思達3バカに聞かれちゃった。怒って出て来た3人だけど、柳玉茹の機転で退けられちゃうしね(笑)
一緒に来ていた月夫人は、顧家に恥をかかせたと、葉家の屋敷の中で柳玉茹を平手打ち。
だけど、葉家の大奥様は昔から柳玉茹を可愛がってくれていて、逆に自分が招いた客の柳玉茹を貶めたと怒り、月夫人を追い出してくれました。
大奥様は孫の葉世安の嫁として、柳玉茹を認めてくれてたけど、葉世安本人が、今、家を離れていたので、口約束の状態。正式な結納品のやり取りも縁談の届け出も、まだされてはいなかった。
一方、2度も柳玉茹にしてやられた顧九思は、やり返そうとして柳玉茹に纏わりつき、またもや野次馬が集まる化粧品店の中で嫌がらせをし、絶対に柳玉茹を娶ると高らかに宣言(笑)
これは先に柳玉茹が、顧九思に求婚されたら身投げすると言ったからなんだけど。で、どうした、身投げするならそこに川があるぞ、と。
だけどこの騒ぎを、顧九思の侍従で剣術の師匠、王寿(ワンショウ)が聞いていて、大急ぎで顧家の両親に報告しちゃう。うわ、こりゃ願ってもない!とさっさと動いた顧家は、速攻柳家に結納品を送ります。柳の父親はただの小者だし、欲深い月夫人も大賛成、顧家と柳家は縁談を役所にも届け出てしまいました。
ここまで先を越されてしまっては、葉家の大奥様にもどうにもなりませんわ。
この大奥様も、どこかで拝見してるなーと思ったら、「恋心は玉の如き」の徐大奥様でしたね。
でも、葉家の大奥様だけでなく、顧家の奥様も、月夫人のお粗末な品性に気付いて、びしっと一線を引いてくれたね。
余りにもな女なので、この側室が、いつ痛い目を見るのかが待ち遠しくなっちゃった(笑)
たださあ、顧家の両親はとってもいい人達なんだけど、息子がこうなったのは、どう見ても育て方を間違えたせいだよねえ。甘やかし方の方向性が違うというか。
何歳の設定なんだかしらないけど、科挙を受けるの受けないのって年齢の息子に、家の事情だの結婚の事情だの、真剣に話してやらないて、ないわ。葉韻との縁談話だって、友達のほうがよく知ってたっぽいじゃんね。
そんなやり方してる上に、ずーっと甘やかしてたら、大人の責任感なんて育ちませんわよ。
全てを諦めて嫁いで来た柳玉茹だけど、化粧品店での騒ぎの時に、月夫人に叩かれて赤くなった頬を隠すための頬紅を、顧九思が買い取って渡してくれたことにだけ、僅かな希望を抱いてました。
あの人にも、優しいところもあるんじゃないか、と。こうなってしまったからには、嫁稼業を頑張って、できれば夫とも仲良くできるといいな、と。
その希望は10話くらいまで見るうちに、結果的に間違ってはいなかったなと分かる訳だけど。
最初の数話のうちは、まだまだ顧九思は、覚悟も自覚もないお子ちゃま。
初夜の晩に離婚話を持ち出したり、翌日は早々に悪友たちと妓楼に行っちゃったりする。
でも柳玉茹が希望した通り、結納品の財産を欲深い側室に取られないよう、実母の立場がこれ以上脅かされないよう、価値のあるものは柳玉茹の名義にして欲しいと、顧九思はママ江柔(ジャンロウ)にはしっかり頼んでくれてました。
こんなふうに、アホな所業の合間に優しい気遣いが、ちょこちょこ挟み込まれて、顧九思の変化が少しずつ描かれてく訳ですが。
同時に、柳玉茹の賢さを見込んだ江柔ママは、柳玉茹が家業に興味を持つよう仕向け、顧家の後ろ盾は自分の弟の吏部尚書と、梁王の嫡妃である義妹なんだけど、都の情勢は不安定で、いつ何が起きるか分からないことも教えてくれました。これ多分、息子も後ろ盾が危ないなんて聞かされてないのでは?
てか、そーゆーとこだよね。真剣に息子をどうにかしたいなら、現状を認識させなくちゃ。本当は、純粋で心優しい息子なんだと分かっているんだから。なのにいつまでも一人前の扱いをしないから、あーなる。
夫の態度が家の存亡に係ると気付いた嫁は、義両親の全面協力の元、全使用人も味方につけ、丸投げされちまった夫の再教育に取り掛かります。
使用人達も、側仕えの木南(ムーナン)以外は、ぼったんの素行に不満を抱えてたらしく、あっという間に若奥様派に。
刀持って護衛連れて、妓楼に夫を脅しに行く妻の図は、面白かったなー。それまで、女子には名節が大事なんて言ってたのに、結婚した途端の腹の括りっぷりが素晴らしい(笑)
顧九思に刀を突き付け、自分の境遇や、アンタの一言のせいで、自分の6年間の努力も人生も全て台無しになったって話まで、みんなの前で全部ぶちまけ、科挙に合格して、自分と母を幸せにしなさいと宣告。
でもそれを、葉世安が見てましたな。この人もなんで妓楼なんかにいたのやら。
更にもう1人、2人の様子を見ている人物がいました。顧九思をというか、顧家をターゲットにしてるっぽいぞ。
徉州節度使の息子、王栄(ワンロン)に向かい、皇帝を倒して節度使の父親を即位させる手伝いがしたいと言い出したその怪しい男は、洛子商(ルオズーシャン)。まず王節度使のバックについて、画策を始めたようだ。

この間見た「女医清落」と全然空気感がちがーう!
結婚後の初里帰りでは、柳家の惨状に黙っていられなくなった顧九思が、柳玉茹ママを庇い、月夫人と父親をやり込めて、柳玉茹ママの立場を良くしてくれます。
そうして2人は、徐々にお互いを見直してく。ここら辺は、面白可愛かったわ、2人とも。
柳玉茹も以前と違って、だいぶ素直に今までの境遇を顧九思に打ち明けるようになったし。
顧九思も、親に反発してへそ曲げてるだけで実は頭も良かったみたいだし。
余りにも柳玉茹の勉強への締め付けが厳しくて、苦し紛れに、自分自身の志はどこにあるんだと言ったら、それもそうだと考えた柳玉茹は、商売の面白さに目覚めてしまい、顧九思を余り構わなくなる。そしたら逆に寂しくなって、仕事中の嫁にちょっかいかけるとかさ。
ほとんど駄々っ子で、柳玉茹の侍女、印紅(インホン)にまで笑われるという(^m^)
あ、印紅は「少年歌行」の神医、華錦でしたねえ。顧九思の侍従で剣術の師匠、王寿は百里東君、葉世安の妹、葉韻は李寒衣、洛子商は無心だし、王栄は赤王だよ(^m^)
まだまだ、司空長風も葉嘯鷹も唐蓮も莫衣も皇帝も李素王も董祝太師も白髪仙も雷雲鶴も蘇暮雨も姫若風も斉天塵も雷千虎も出て来るんだよー、どんだけ被ってるんだぃ(笑)
ただ、仕事にフォーカスして頑張り始めた柳玉茹に、チャンスと魔の手が迫ってました。
チャンスは商人を騙って接触してきた周燁(ジョウイエ)という、悠州の将軍の息子との大口取引。
そしてそれを邪魔したのは、先の洛子商。
洛子商は、わざわざ柳玉茹を呼び出し、顧家に内緒で手を組まないかと唆してきます。その上、今までそこまで出て来なかった、柳玉茹の母親の実家が火事で没落したことまで、調べ上げてた。
当然、柳玉茹は断るんだけど、洛子商は、顧家への恨みだけでなく柳玉茹への執着もありそう。
とはいえ、相手の状況を察して用意した、しっかりした商品であること、今回は利益度外視でお付き合いしたいと伝えた柳玉茹に、周燁は顧家との取り引きを決めてくれました。
こうして出会った周燁は、柳玉茹だけでなく、顧九思とも仲良くなってくんですな。

ただ顧九思が、洛子商の名前を出したら、顧九思パパ、何か知ってるような顔になってたなあ。
顧家と洛家には、みんなの知らない因縁がありそう。
そして洛子商は、顧家の後ろ盾はもうすぐ倒れるなんて情報を与えて、着々と王節度使親子を唆してますよ。
商談していた柳玉茹と周燁に、因縁をつけてきた王節度使の息子、王栄。

5人目の側室にならないかとか言って叩かれ、怒ってこの顔である(笑)
でも将軍の息子で強い周燁と、武芸を嗜んでいた顧九思に撃退され、足を折られてしまいます。
王栄が悪いにゃー悪いんだけど、顧家の現状、節度使と揉めるのは先行き危ない。もしかしたら顧家を陥れる罠だったかもしれない。柳玉茹はちょこっと知ってたけど、顧九思は何も聞かされてなかったもんねえ。だから言わんこっちゃないのよ。
急いで謝りに行こうとするんだけど、あちらもまた足の折れた息子を晒しものにしつつ、街中で慇懃無礼に謝ってきました。顧家は横暴だと、知らしめるために。やられたな。
ヤラカシは息子の身勝手な行動だったみたいだけどね。
だけど、腹を括ったママと、理路整然と衆人環視の中で反論した、実は頭もいい顧九思に、王親子は言葉を失います。そこに周燁も当事者だと現れて、悠州の将軍の息子だと名乗り、王親子の思惑を潰してくれましたよ。いやあ、ダメダメ息子を見る節度使父の視線は冷たかったねえ。
周燁に法に則れば私刑は鞭打ち20回と言われて、鞭を差し出された王節度使は、顧家の御子息を鞭打つなんて出来ないと引き下がろうとしますが、顧九思はきちんと罰を受けると、周燁の鞭を借り、自分で自分を鞭打ち始めました。
王親子を黙らせ顧家の悪評を蹴散らすパフォーマンスとしては、これ以上なく、更に周燁も感服させてしまったね。痛い思いをした甲斐はありました、一応。
それにしても、王栄@鄧凱(ダンカイ)さん、赤王の時もそうだったけど、品のない表情がホント、お上手。最初に見たのは「三国機密」の徐福で、その後「少年歌行」と、この方が男主のドラマ「翡翠の恋」も見てるんだけど、男主よりもこういう性格の悪ーい役が似合い過ぎるわ。次はどんなヤな奴でお会いできるか、妙に楽しみです(笑)
ただ、その頃、都では本当に、顧家ママの弟、吏部尚書の江河(ジャンハー)と、義妹の夫、梁王は、降格左遷させられてたよ。
江河はミッキーホー、莫衣@少年歌行だし、梁王は「七夜雪」の鼎剣閣閣主ですよっ。
でも梁王の顔付きがヤバイ。父親の墓でも守ってろと言われた屈辱に、なんか蜂起しそうな勢い。
ただその情報はまだ徉州には届かず。王節度使と洛子商は仲違いしてました。
息子は勝手なことするし、親は私のことを信じないと呆れた顔の洛子商だけど、甘言に簡単に乗る野心の強い小物だから、声かけたんだよね、多分。ハナから駒だとしか思ってないでしょ。
偉そうに洛子商に噛みついたと思ったら、情報が正しかったと知って、恥ずかしげもなく掌返してたしねえ。
更に悠州から、悠州節度使の息子范玉(ファンルー)がやって来て、賭博場で大惨事。
周燁に助けを求められた顧九思は、范玉の代わりに跳馬というリスクの高い賭けに挑んでましたよ。
ただ、洛子商が悠州から魚がやって来たなんて言ってたから、ボンボン范玉は嵌められたのでは?
ってなところで10話まで。だいぶキナ臭くなって参りました。
のほほん奮闘記?みたいなのは、ここまでかもしれませんねえ。
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作品情報
- 制作 2023年発表 40話 爱奇艺
- 原題 「长风渡」
- 原作 「长风渡」墨书白
- 監督 尹涛
- 脚本 白锦锦、席如远、沈念青、孙霁雯
- 撮影期間 2022年6月15日 ~ 2022年11月7日

人物相関図





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