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山河令 第36話「天人合一」あらすじとネタバレ感想

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山河令
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目次

あらすじ

周子舒(ジョウ・ズーシュー)は晋(しん)王に「陰陽冊」が渡るのを阻止すべく昏睡したままの温客行(ウェン・コーシン)を残し独り雪原に隠れた武庫へと向かう。すると、蝎(さそり)王と段鵬挙(ドワン・ポンジュー)が武庫の扉を開けようとしていて、彼らが鍵が偽物だと気づいた瞬間、大きな雪崩が起こる。そこに現れて周子舒を救ったのは温客行。本物の鍵を素早く差し込んだ温客行は周子舒と武庫の中に飛び込み…。

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ネタバレ感想

山河令 登場人物 登場順一覧(21話~最終話)はこちらから。

はあ、最終回。
色々と回収しつつ、2人はどうなっちゃうのーも含めて、怒涛です。

冒頭、思いつめる成嶺は、極悪人の晋王をなぜ殺さないのかと阿絮に聞きます。
私情を論じるなら、晋王には恩義も怨恨もあるだなんて、そんないい子ちゃんなこと聞かされてもな。
でもまあ、晋王の地位を狙う者は多く、殺してしまえばソイツらが一斉に蜂起する、負傷させるに留めておけば、誰も後釜には座れず、ひとまずの均衡は図れるんだというのは分かります。

七爺(チーイエ)も、今晋王を殺せば、戦火は全土に広がるんだと成嶺を宥めてくれます。
でも納得しない成嶺に、阿絮は、大義の前には自分の命など価値もない、晋王軍は自分が育成した猛虎、戦が起きれば民が苦しむ、そうなれば自分は四季山荘の心残りだけでなく、戦による亡魂まで背負うと言いました。
これには成嶺も黙るしかないや。

瑠璃甲を得た晋王は、陰陽冊を狙うだろうと阿絮。陰陽冊で晋王が治るとは限らないが、危険は避けたい。全快してしまえば俺の努力も水泡に帰す。
命を賭けて、起き上がれない体にしに行った訳だからねえ。

俺が悔いを残したまま死ぬのは望まぬだろうと言われてしまった成嶺の顔。
言い返すこともできず、でも阿絮をこのまま死なせてしまうのも納得いかず。
阿絮は、成嶺を指導できた期間は短かったが、この言葉さえ覚えていれば俺の立派な弟子だ、大師匠の口癖でもあると言います。
仁義に生きる侠客は、国と民に尽くせ。

成嶺と老温は俺の家族だ、面倒をみてくれと、七爺と烏渓(ウーシー)に頼んだ阿絮に、七爺は晋王の狙いは陰陽冊ではないと言いました。
晋王と七爺は沙陀族(さだぞく)の末裔なんだそう。祖先が反乱を平定して国姓を賜り、節度使に任じられたことから繁栄したらしい。
でももっと過去を辿ると、沙陀族は拓掲(たくけい)の王族に隷属しており、代々受け継がれた伝説に、かつての先祖が中原の果てに宝庫を残したというのがあるんだって。その宝庫には天下安泰の秘密が隠されていて、探し当てれば、飲食に困らず流浪せずに済むんだと。
宝庫には6つの鍵があり、六族の族長が保管した。瑠璃甲の話に似ていないか?

とはいえ、こういった話は数多く、どれも伝説、絵空事。
でも、阿絮の父親は前晋王に殺されたと聞いて、七爺は幼い頃を思い出したんだとか。
当時、前晋王は間もなく秘密を探し出せると言っていたが、その後進展はなかった。同じ頃、前晋王は塞ぎこみ、長年探していたものが消え失せた、裏切られたと嘆いていた。そして同時期、七爺は阿絮の父親の死を知った。

阿絮は思い出します。
瑠璃甲と鍵は、秦懐章(チンホワイジャン)が友人と遊歴中に見つけたものと、龍雀(ロンチュエ)は言っていたと。言い伝えによればそれは、松漠(しょうばく)だか拓掲だかの宝庫を開ける鍵だと。
友人とは俺の父かと阿絮。

更に韓英(ハンイン)が、晋王は瑠璃甲の形状を記した絵を持っていたと話していたこと、韓英が阿絮の父親が突然亡くなったのは、前晋王に謀反の疑いをかけられて殺されたと言っていたことも。
気付かぬうちに天意を読んでいたのかと、阿絮は呟きました。

前晋王は、拓掲の宝庫がただの伝説ではないことを知っていて、錠となる瑠璃甲の絵図も手に入れていて、多分信頼していた部下の阿絮の父親に、宝庫の捜索を指示したのね。
阿絮の父親は秦懐章と共に、瑠璃甲と鍵を手に入れ、宝庫も見つけたものの、多分その中身は前晋王の思い描くようなものではなかった。いわゆる金銀財宝など入っていなかった。
でも、それを正直に報告したところで、あの疑い深い現晋王の父親だから、むしろ阿絮の父親に嫌疑をかけるに決まっている。盗んだのだろう、独り占めしたのだろうと。

てかさあ、そこまで人を信じられないヤツは、そんなに大切なものは人に任せちゃだめだよ、自分で探しに行けや、あほ。晋王って地位があってどうのこうのなんて関係ないから。何人遣わせたって、誰が行ったって、同じことなんだから。

それを阿絮パパも分かっていたでしょう。むしろ金銀財宝が入っていればよかった。
報告は誤魔化した?それとも見たままを伝えた?
ま、どちらでも結果は同じよね。裏切り者の汚名を着せられ、処刑された。
ってことでしょうかね。そこまではまだ、阿絮達は言葉にしてないけども。
無用の長物となった瑠璃甲と鍵は、秦懐章に残されたんですね。そこになんとなく阿絮パパの感情も感じられる気がするけどね。持参して報告したら、多分怒りで壊されるか捨てられるかだったと思うし。
で、秦懐章は武庫となる場所を探しているなら丁度いいところがあるよと、容炫(ロンシュエン)と龍雀に委ねてしまったのか。この行動からも、宝庫の中身はなんてぇことないモノだったんだろうと分かりますよね。

晋王を止めるため、阿絮はひとりで武庫に向かうことに。
七爺と大巫(ダーウー)と成嶺がお見送り。
莫懐陽(モーホワイヤン)との戦いで、老温はきっと治療中なんでしょうね。その老温を誤魔化すための口実を、成嶺に改めて言わせる阿絮ですが、成嶺は泣き顔になっちゃって、それもまた阿絮に叱られます。そんな顔で叱り飛ばさないでよぅ、成嶺泣いちゃうの仕方ないよう。

師匠は重病で治療のために海外へ。帰りを待つ間、私と師叔で四季山荘を再建せよ。
いやあ、無理だと思うな。老温は絶対に気付いて、阿絮曰くの「暴挙」に出るよ。というか、まだ阿絮もここのみんなも知らない秘密がひとつ、残っているのよっ。
最後はふっと、表情を緩めて、もう勝手にしろって言うんだけどね。

山河令
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でも、これを見ておくれよ。ててーん♪って頭に刺さってるコレをっ。

雪山を進軍する赤い軍隊。晋王の軍でしょうかね。後ろに、毒蠍も天窗も、蠍王も段鵬舉(ドワンポンジュー)も続き、輿の中には趙敬(ジャオジン)も乗っています。どっこまでも連れ歩かされるんだ(^m^)

小高い岩の上みたいなところに作られた入り口を前に、ぽんじゅーは、天下安泰の秘密だ、伝説は本当だったと言います。ここ白鹿崖と一緒?
でもさあ、よぉく考えてみなさいよ、伝説は「飲食に困らず流浪せずに済む」ですからね。穀物庫の可能性が高い気もしませんか?そしてそんな古い穀物など、もう食用にはできない、みたいな。

武庫を開ける栄誉は、私の身に余ると言って、蠍王は瑠璃甲をぽんじゅーに渡します。
蠍王は輿の隠しを開け、義父上、懐かしの地ですよ、嬉しいですかと言いました。趙敬、表情も無くなってきちゃったのかな。

分厚く表面を覆った氷を砕くと、中から武庫の扉が現れます。
瑠璃甲を組み立てて嵌め、回すと、真ん中の鍵穴が飛び出しました。でも鍵を刺したものの、何も起きません。おかしい、鍵が合わないと聞いて、飛んで来た蠍王も慌てて鍵に触れますが、どうにもなりません。偽物だと呟いた時、後ろから、しゅぽーんっと、人間大砲みたいに飛んで来たのは阿絮。
いや、ホント、しゅぽっと音と共になので、どこから飛ばされてきた?みたいだった…

山河令
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しゅぽーんっ

振り向いたぽんじゅーが何もできないうちに、阿絮の白衣剣がぽんじゅーの喉を切り裂きました。一瞬でしたな。武芸100%の阿絮ですから。
鍵は偽物だと騒ぐ蠍王。阿絮もそれは知らなかったんでしょうが、瑠璃甲に偽物があれば鍵にもあるだろうと平然と言います。谷主はどこだと言う蠍王に、晋王は来ていないのかと問う阿絮。生きて帰れると思うなと続けようとした蠍王の言葉を遮り、来ていないようだな、まあいいと阿絮は言います。
その時、氷を叩き割った衝撃でしょうか、奥の山の雪が割れ、雪崩が起きようとしていました。

すかさず蠍王は逃げ、兵達も逃げまどう中、阿絮はただじっと迫りくる雪を見て、目を閉じました。
そこに。
え、待って。赤いちゃんちゃんこ?

山河令
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風にあおられてるので、ちゃんちゃんこみが強い。

どう見ても赤いちゃんちゃんこ着た老温が、静かに降りてきました。
目を閉じていた阿絮の頭から、すいっとあの簪を抜き取って手を翳すと、簪の先が鍵の形になり、それを鍵穴に飛ばす老温。鍵は回り、扉がごとごとと開きます。
雪崩を避け、間一髪で中に飛び込んだ2人。

雪崩は趙敬の輿のところにいた蠍王も、趙敬共々押しつぶしたでしょうし、兵達も多分流されたんでしょうねえ。

武庫の中は、そこすらも雪山の崖みたいになってます。
だけど、老温はめっちゃおかんむりなんだよ(^m^)なぜ来た、お前のケガは?と言われて、バカめ、今更気遣うのか、生死を共にする約束は?って。
ここのやり取り、2人の表情がそれぞれオモロイです。プンスコ老温と、ちょ、ごめん…な阿絮。

老温は、蠍王達を尾行してきたらしい。傷はどうなったかの説明はいつだったっけ?
武庫の中は氷の世界ね。
そこで阿絮がようやく、あの簪が武庫の鍵だったことに気付くんだけど、老温はそれもマヌケ呼ばわり(笑)もーね、目がさ、鋭くないのよ、丸いのよ、でもめちゃめちゃ怒ってて可笑しいのよ(^m^)
仮死を装うにあたり簪を身に着けるヤツがいるか。お前以外、誰に渡す。

だけどさ、ここは阿絮もも少し怒っていい。なら最初から言っとけよ、ぼけっ!くらい言っていい。
でも兄ちゃん阿絮は、やっぱ基本優しい子なんでしょうねえ。
武庫の鍵は俺の頭の上にあったのかー、ですと。

老温パパとママは、預かった鍵の利害を知って簪に作り替え、チビ甄衍(ジェンイェン)の頭に刺してたんですね。そんなこととは知らない鬼谷は、夫妻を殺して家中を探し回ったけど、鍵は見つからなかった。目の前の子供の頭に、大人サイズのデッカイのが刺さっていたのに。

俺が簪を置いてきたら台無しだったなって阿絮に、死地に赴くなら必ず身に着けるって言った老温は、それを信じてたんだわねえ。
周⼦舒の大バカ野郎、あの妖怪に感謝しろって老温。

おおお、出た出た。葉白衣(イエバイイー)パイセンの話。
老温の眠っている部屋を、ドカーンと開けて入ってきたパイセンは、愚か者め、始末に負えぬ奴らだと憎まれ口を叩いてから、怒りに任せて香炉を飛ばしました。
慌てて追って来た七爺、大巫、成嶺の前で老温を起こし、老温に気を送ります。
大巫達は、というか多分阿絮も噛んでたのでしょうが、阿絮の命がもう数日だと知ったら、老温は何をするか分からないから、阿絮が亡くなるまで眠らせておいて起こさないつもりだったんだな。
あ、そっか、あの香は酔生夢死だったのか。だからパイセンは弾き飛ばしたんだ。

パイセンは、大巫の言葉をうるさい、縁起でもないとシャットアウトしました。
誰が死ぬだと?私より先には誰も死なせぬ。

残れされる者の気持ちは?私が死を恐れると?
尚も怒りながら、老温は奥に足を進め、2人で武庫の扉を開けました。
中には、ツララが垂れ下がった塔みたいなのがそびえ立ってました。手前には日時計みたいなのも。

陰陽冊より怪しげな六合心法で人天の境界を突破できるとはって、ここで既に阿絮が言っているので、葉白衣パイセンが老温に施したのは、もうそれ自体が六合心法だったってことなんでしょうか。それともあの後、六合心法なら阿絮も助かると教えを受けて来たんでしょうか。うーん、後者かな。その台詞はなかったけど。
生きている限り希望はある、持ちこたえねば全てを失うと老温。

塔の廊下には書物が落ちて散らかっています。
手前周辺は鍛錬の場所みたい。書庫は奥だと中に進む阿絮。周囲の灯篭に火を点けた老温が遅れて入っていくと、落ちていた書物につま先が当たります。拾い上げたそれがなんと、陰陽冊。あれほど下界の皆さんが大騒ぎした神医谷の奥義書、陰陽冊が、通路に落ちて転がってるとは。

陰陽冊を阿絮に渡し、脱出後に使えるかもと老温が言うと、阿絮は六合心法で俺が治るかはさておき、雪に扉を塞がれて夏まで脱出できない、水も食料もないって言うんだけどね。阿絮、平安商号に火薬を頼んで行ったのね。何をする気か分かるぞって老温。
ということは、夏を待たずして、平安(ピンアン)が火薬を持って来てくれるってことだ。爆破しになんだろうけど、中に2人がいることに気付いてくれるだろうか。まず先にここで行方不明になってる2人を探してくれるかもしれないな、七爺の部下だし。

老温は、天下安泰の秘密を探りに行くぞって先に進んでいきます。
カラクリみたいなのだとか、石碑みたいなのだとか、衡山派の奥義書の掛け軸だとか、雑多にある中から阿絮が見つけたのは、農耕の指南書みたいな本でした。武林の奥義書を盗む際に、間違えて持って来ちゃったんだろうかなんて言ってますが、その石室の中は、農業の本ばかりなんだそう。

更に奥に進んだところには、大きな木箱や麻袋がたくさん積まれており、真ん中の小さな箱に六合心法の奥義書が入っていました。
いーい笑顔でそれを手にした老温。

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あったぞー!

でも阿絮は、周囲を見回して、全部穀物だって言ってますよ。やっぱりか。
農具や書物ばかりで、銅銭1枚すらないって。
封印には拓掲の文字。ということは、やっぱりあの「飲食に困らず流浪せずに済む」というのは、遊牧民が農耕技術を身に着ければ、自分達で食料を作れ飲食に困らず、その場所で生きていくことができるってことじゃないの?
それが「天下安泰の秘密」。阿絮も気が付きました。
拓掲の祖先は、至極真っ当な方法を天下安泰の秘密として残し、沙陀族はそれを伝説として残してきた。欲の皮突っ張らかした、前晋王と現晋王をここに引っ張って来たかったわ、ホントに。

笑っちゃってる老温。阿絮も龍雀の言葉を思い出しました。
秦懐章は苦労して瑠璃甲を得たが、中には大したものは入っていなかったと。これもドラマのあのシーンでは言ってなかった気がするけど。
阿絮は、父は秦懐章の助けを得て、前晋王の依頼通りこの宝庫を探し当てたけど、中には穀物ばかり、激怒した前晋王に死を賜ったのだ、って言ってから、いや違うなと。
前晋王の性格を考えると、阿絮パパは事実を伝えても信じて貰えないだろうし、秦懐章まで巻き添えになると悟ったんだろうって。
それできっと、ひとりで全てを被って殺されたんだわね。
老温は、阿絮パパは秦懐章にも宝庫の意義を伝えてなかったのかもしれないと言いました。だからこの穀物だらけで空っぽの倉を、武庫として提供してのではないかと。

真相を知った晋王の顔が見たいと笑う老温。ホントよー。
でも阿絮は、ここに閉じ込められて氷雪だけでとれだけ生き延びられるかと言うんだけどね。ようやく老温が葉白衣パイセンの秘密を話します。

葉白衣が氷雪だけで、何年生き長らえたと思う?不思議だと思わないか?
老いぼれ妖怪が意地汚くがっつくのは、100年以上、俗世の料理を食べていないから。天に逆らうには代償が必要。六合心法で全身の経脈を再構築し、若さを保って神仙のように生きられる。ただし弊害もある。葉白衣が長明山に籠っていたのは、人天の境界を踏み越えたが最後、極寒の地に住み続け、氷雪しか口に出来ないからだ。俗世の料理を食べれば老化が始まる。

ようやく六合心法の秘密が明かされましたわ。まだ全部じゃないけど。老温は全部伝える気はなさそうだけど。

だから葉白衣は知り合って以来、白髪が増えていたのかと阿絮。
妖怪は生きる屍の状態に嫌気がさし、貪り食ってたんだ。不老長寿を捨てても食べたかったのだろう。そう老温が言う間、阿絮は食い入るように六合心法を見ています。

もし生きてここを出られたら、この先ずっと共に氷雪を食べてくれるか?終わらぬ人生が続く。
そういった老温に、ちょいときょとんとした目を向けて、そうやって生きるかここで死ぬか、熟考しないとなって、いたずらっぽく笑う阿絮。でも老温はさ、笑顔の前に、少しだけ遠い目になったんだよ。

丸い石舞台のように場所に、向かい合って座る2人。
老温が六合心法について解説します。あの短時間に、パイセンからどんだけいっぱい教わったんだろう。老温の頭の良さ、半端ないぞ。

六合心法とは破壊と構築。地獄の苦しみを得た後、経脈が再構築されて生まれ変わる。体質により苦しみの長さは異なるため、2人で助け合い修行せねばならない。相手が限界に近付いたら、真気を送り、共に乗り切る。

阿絮は俺の方が得だなと言います。正直に言おう。俺の味覚と嗅覚と触覚は既に失われている。痛みも感じぬ。
老温はそれも知っていました。だから葉白衣と大巫に諭されたんだそう。修行を始めて、阿絮が視覚と聴覚を失っても慌てることはない、体内の気の流れに集中しろと。難関を越えれば五感は回復する。
それを何度か繰り返すんですって。
分かった、始めようと阿絮。
信じ切ってる阿絮の柔らかい表情と、口元はほほ笑むんだけど思い詰めた感じの老温よね。目は笑っていなかったから。

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美しいわね…

途中で目を開けた老温が、阿絮と呼びます。
阿絮の聴覚は今、失われてしまっているらしく、返事はありません。
それを確かめて、老温は言いました。
今、正直に話すから欺いたことにはならぬ。
今にも泣きだしそうな、子犬みたいな顔をしてる。

お前は天窗の首領で、疑い深いはずだろ。なぜ私を信じ切る?
アップになった老温の頬の向こうに靡いた髪が、もう白く変わっています。
全ての髪から色が抜け落ち、老温の髪は真っ白に変わっていました。

ここで、葉白衣パイセンが老温に気を送る回想シーン。
意識を取り戻し、阿絮と呟いた老温を見て手を止めたパイセンは、あいつはもう死ぬぞと言いました。驚いて振り向いた老温に、助ける方法はあるが、お前の命と引き換えだぞ、どうする?と。
願ってもないという老温に、いい返事だと笑ったパイセンは、周⼦舒を助けるとおまえに約束したな、私は約束を必ず守る、六合心法を授けようと言いました。

でもさ。自分より先に誰も死なせぬって言ったよね、パイセン。ここで老温が単に身代わりになって死ぬとも思えず。そこは老温の覚悟を確かめただけで、真相はそう単純ではないかもしれない。
だって、パイセンが六合心法を会得した時の相手は多分、容長青(ロンチャンチン)でしょ。32話のパイセンの独白の中で、容長青は鬼谷のために六合心法を会得して鬼谷の守り神となろうとしたと言っていて、だけど容炫が死んだことを言い出せなかったとも言ってるんですよね。
100年以上ご飯を食べてなかったパイセンはゆうに100才越え、容炫が死んだのは20年前。その時、鬼谷は既に、創始者容長青の目論見からは遠く離れた存在になっていた。
だから生きてたのよ。パイセンと共に六合心法の修行をしても、2人とも。パイセンは容長青の希望に付き合ったみたいな感じだけど、それで一緒に氷雪を食べて長明山で生きてたのよ。
もしかしたらパイセンを不老不死にして、自分は白髪になって徐々に枯れていく運命だったのかもしれないけど、それでも一般的な人間の寿命より長らえたってことだよね?そこへ容炫の出奔で、多分更に気力も奪われた容長青はその後、亡くなってしまったのかもしれないけど。

ここ、白い髪で微笑みながら涙を浮かべて告白する老温は、美し過ぎました。

許してくれ。お前も私を欺こうとした。今回の嘘はたいしたことじゃないだろ。
残された者こそ、辛く苦しい。おまえは師兄だ、引き受けてくれ。

山河令
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フラッシュバックする老温と阿絮の思い出。

猛烈に暴れる六合の真気に、血肉の体は耐えきれぬ。
自らを犠牲にした者から、鍛錬した気を受け取ってこそ、経脈を再構築して生死の境界を越えられる。だがその者は経脈が壊れて白髪に変わる。
ある者の犠牲により、私は天人合一の呪いを受け、ここまで生き長らえた。
全ては、この日のためだったのだな。
少年の日はとどまらず、また新たな少年が現れる。

葉白衣パイセンの語りですが。
やっぱり容長青は自分を犠牲にして、葉白衣パイセンを不老の剣仙にしたのね?自分が鬼谷の守り主になるつもりではあったけど、白髪になっても別に守り主なら、それでも良かったのか。というか、自分を不老不死にするためにお前が犠牲になれとは言い出せないよな。

時が過ぎ、阿絮が目を開きます。
目の前にいたのは、白髪になって目を閉じている老温でした。
力が抜けてずるりと落ちる、老温の手を握り止めた阿絮。


緑の木々に囲まれた山頂の屋敷。
子供達に囲まれて、話をしている男性。

雪崩によって、趙敬と蠍王は雪山に葬られ、頭目を失った毒蠍は江湖から消えた。
子供が、師匠、武庫の2人はどうなったのですかと聞きます。
六合心法を会得するには、自らの体を喜んで犠牲にしてくれる者が必要だ。六合の真気を相手に渡した者は、いくら武芸に秀でていても、即死を免れたところで、最終的には経脈が途絶える。
2人は会得したのですか?って聞いた子供、他のドラマでも見たことあるなあ。有翡の小虎だね。

そこへ、父さんと呼ぶ女の子の声。
走って来た子を抱き上げて、念湘(ニエンシアン)、いい子だと言う男性。一緒に来たのは、高小怜(ガオシアオリエン)でした。師匠の師姉上と呼ばれています。うほ、この男性は、成嶺でしたねえっ。すっかり大人よっ。10年以上過ぎた感じでしょうか。
あることないこと話さないで、子供達が鍛錬に励む意欲を失うわよなんて叱られる成嶺(^m^)
ここは新生四季山荘なんだね。高小怜も引き取って、ここにいるんだね。成嶺、師匠なんだね。
でもここで、嫁が出てこない辺り、成嶺の子、阿湘から名前を貰った念湘ちゃんは、義理の娘かな。

ここで、エンディングロールが流れるんですが、U-NEXT版、しっかりこの後があります。

雪山で鍛錬する子供。
ひとしきり型をやった後、崖の上を見やって、ご指導くださいと言いました。
いいぞ、素晴らしかったと言いながら出て来たのは阿絮でした。
お前の年頃の我が弟子より数段上だ(笑)ち、成嶺っ(^m^)

阿絮が子供にアドバイスを与えると、後ろから、なってないなという声がします。
逆光に照らされた老温でした。
ここね、阿絮の表情に注目してください。驚いた顔してるんです。
なんでもこのシーンは、ここで初めて阿絮が老温が生きていたことを知る流れで当初作られたとかなんとかって話もあるらしくて。ウロ覚えなんですけども。
この編集では、あれから一緒に雪山で氷雪食べて、成嶺が大人になるまでちゃんと2人は存在してますよ~の後日談、なんですけどね。

でも、阿絮、また子供を惑わしたなって笑う老温がキレイでねえ~♪
阿絮もふわんと笑顔になります。
お前こそ、と言われて、唇の片方だけをキュッとあげた老温。バシッと音を立てて、手合わせを始める2人。

それを眺める子供のところに歩み寄ったのは、鄧寛(ドンクワン)でした。
ああ、この子は鄧寛と高小怜の子だね。岳陽派の正当な跡取りだ。
もういい、帰ってメシにしようと鄧寛パパ。
父上、私は未熟ですか?母上は達者だとと聞く息子。
おまえのせいではない。お二人は生涯、やり合ってきた、また神々の戯れだ、いつ終わるとも知れない。もう母上のところに帰ろう。
そう言って、そのまま去っていく親子。

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いつ終わるやもしれぬ神々の戯れ扱いで放置される2人(笑)

人外か、もう2人は。
というか、鄧寛が礼も取らなかったので、もしかしたら2人は、もう生きている人ではないのかもしれません。葉白衣パイセンみたいな存在だったとしたら、世話になった鄧寛は、帰る時に一礼くらいしてくと思うんだよなあ。
いずれにしても、2人の時間は終わらなかったんだよー!
幸せそうに、手合わせしながら氷雪食べながら、雪山の中に存在しているよ。
新生四季山荘では暮らせなくても、大人になった成嶺とも、いつでも会えるよう(涙)
という救いのシーンでしたね。
でももうなんでもいいのよ、2人が仙人でも雪山の亡霊でもいいのよ。一緒の時間が続けば、存在なんてなんでも。


はあ。終わってしまいましたね。
いろいろ勝手なことも言ってきましたが(笑)この作品は面白かったなあ。
「陳情令」と共に、全力でオススメする中国ドラマのヒトツです。
なんか達成感より、虚脱感が強い。また見よう。最初から(^m^)

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