あらすじ
関税自主権の奪還は外資と利益関係を持つ張鳴泉や虞世清をも敵に回すことになる。一方、虞夫人は沈図南の妻・蘇辞書に映画の主演を依頼する。流血を予感した魏若来は、クラブで林樵松の恋人・宋美娟にちょっかいを出していた張鳴泉を襲撃して銃と懐中時計を奪う。時計は近所のゴミ箱に捨てた後、偶然通りがかった斧頭幇の銭少良に会う。
みるアジア
ネタバレ感想
林樵松(リンチャオソン)には宋美娟(ソンメイジュアン)って恋人がいたのね。
ムチの傷を見て、公僕は辞めて欲しい、貯金があるから一緒に店を開いてもいいと美娟は言うんだけど。
林樵松って、そこそこいいとこのボンだったのかな。おまえは林家に入れないって言うんだわ。
でも自分が死んだら、同じ墓に入ってもいい、林樵松の妻って墓石に刻んでもいい、とか。
手が出せる女と憧れる女は違うってコトかー。
独身でも、恋人というより愛人枠みたいなとこなのかね。
傷や待遇を哀れまれ心配されたことに多少の苛立ちも、そんな未来を夢見てもいいかも、みたいな心の揺らぎも、そこにはあった感じだったけど。
金や名誉のためじゃないと言い切る林樵松自身は、黄埔軍官学校で仕込まれた国民党と国に命を捧げるってのを、愚直に体現してるつもりなんでしょうね。そういう意味でベースは、沈図南(シェントゥーナン)と変わらないっちゃ変わらないんだよなあ。立場と方法が違うので、対立はしてるものの。
ムカつく役ではあるものの、だからこそ、林樵松って人物の存在感は大きいんだよね。
これからどんどん張天陽(チャンティエンヤン)が、その凄みを出してきますわよ。
さて、央銀の若来。
電話がかかってきて対応してるってのに、その電話を勝手に切っちゃう黄従匀(ホアンツォンユン)。
ちょ、アンタ、いくら顧問が呼んでるからって、それはない。
かかってきた電話対応の仕事よりも、顧問優先ですか、そうですか。
央銀の行員としては、失格じゃないか?顧問の私設秘書なんか、アンタは。
沈図南はご機嫌でした。
全ての予定をキャンセルして、黄秘書と若来に常時待機を告げた沈図南は、近年の各商会や銀行のデータを暗記するよう若来に指示。金融界の要人たちに会いに行くから、何を聞かれてもすぐに答えられるように、と。
若来が資料を持って出て行った後、留守番を告げられた黄秘書が文句を言うのよ。秘書は自分だと、要人達とも既に顔見知りなのにと。
沈図南は笑って、もっと重要な役割があると言います。
今後大量の手紙や電話が来る、直接来る者もいる、みんな難しい相手だ、私の代わりにさばいてくれ。
大きな動きがあるのかと、黄秘書は途端に嬉しそうになります。
確かにそういうのは、まだまだ若来には出来ませんわね(^m^)
各所に央銀から、民国財政部と沈図南の連名での電信連絡が飛びました。
財政部と中央銀行の任命により、特別顧問の沈図南を全権代表とし、関税保管権の奪還を図る計画である。採否は投票で決めるものとする。速やかかつ積極的に協力すること。
それを知って怒る張鳴泉(ジャンミンチュエン)のところには、虞世清(ユーシーチン)から電話。
虞世清は、宋先生の名の元に真っ向勝負に出たんだ、我々の金づるを断つ気で、と言い、張鳴泉は、袁世凱が外資銀行に借金した際、関税保管権を担保にしたのが、決して枯れない巨額の資金だと言います。
自分達の事業や銭荘の資金にしているのに、それを国に管理されては、お終い、これは不当な搾取だときたもんだ。
これ、私の知識不足ですぐに理解できなかったんだけど。関税周辺のことを国が管理するのって普通のことじゃないの?なのに民間の実業家が何を騒いでるんだ?と思ってしまった。
元々国が管理してしかるべき資金を、袁世凱は、借金のカタに外資銀行に渡しちゃってたと。
真っ当な商売をしている人には余り関係なくても、コイツらは関税保管権を持っている外資銀行と繋がって便宜を図って貰い、関税として集まってきたお金をじゃぶじゃぶ使って利益を上げていた、くらいの理解でいいんだろうか。だから国が管理してしまえば、今までのように無尽蔵に資金が手に入らないってことかね。
当然、その権利を失う外資銀行も黙ってはいないんでしょうが、これを国力を上げるための資金として政府がなんとしてでも奪還したいのは当たり前。
結局根底にあるのは、国を思うか、自身の利益を思うかってとこかな。
街では、虞世清達反対派の策なんでしょう、央銀に対してのデモが起きていました。
正義に背くな、道義を守れって、ちょっと意味が分からない。
ドサクサに紛れて、近くの時計屋のショーウィンドウを壊して、商品を奪ってくヤツがいたりする。
沈図南の自宅の庭にも、SPみたいな警備がたくさん。
車の中で関税改革をどう思うかと聞かれた若来は、顧問を支持します、中国がこれほど貧しいとは思わなかったと言います。でも、貧しいだけじゃなく、まるっきり赤字なんですって。
戦争にもなりそうなご時世、何をするにも金がいるのに、現状、一部の富裕層が利益を牛耳っているこの状態では、国力衰退まっしぐら。既得利益を失う者や列強の怒りを買っても、政府が関税の管理をしないとならないってことらしい。
沈図南の考え方も理念も、三民主義そのものにも問題はなくても、上層部には虞世清や張鳴泉タイプの人達が蔓延ってるからねえ。じきに国民政府の屋台骨は腐ってく訳だよ。既に始まってるらしいけど。
革命には血が流れると言う若来に、沈図南は、自分を暗殺しようと銃撃されたり爆弾を仕掛けられたりすれば、巻き込まれるぞと言います。若来は、父に弔問金でも頂ければありがたい、しがない命ですが顧問に捧げますって言うのよ。
この時代の人達って、こんなふうに生きてたのかね。若来も、兄ちゃんが信念のために亡くなったのを目の当たりにして、ある程度覚悟を決めてしまったのかしらん。こういう覚悟は、今の日本に生きていると、ちょっと理解が難しいや。
央銀には、張鳴泉をはじめとしたおっさん達か集まっていました。
さあ、黄秘書の出番(^m^)
ゴネる張鳴泉に警備員を呼ぶ黄秘書だけど、張鳴泉は拳銃を出して凄むんだよ。でも出すだけ。
テーブルの上に置いたその拳銃を、さっと取った黄秘書は、張鳴泉の横の壁に向けて発砲しちゃいましたわよ。張鳴泉の目が点になってるわよ(笑)
拳銃見せつけるくらいじゃ、こちとら怯みませんよってな。
規則を守る客人は歓迎しますが、秩序を乱すなら私にも考えがあると言って、警備員におっさん達を連れ出させた黄秘書は、張さま、お忘れ物です、お気をつけてと弾倉を抜いた拳銃を返します。警備員には外で渡せと弾倉を託してました。
ああ、こんなスマートな対応は若来には無理ですぅ(笑)
んもーね、適材適所な訳よ。沈図南はそこら辺、きちんと見極めて使い分けてくれてるんじゃん。黄秘書は、なんでもかんでも自分自分じゃなくて、ちょっと冷静に考えて理解して欲しいわ。
新人行員たちもナニゴトかと集まって来てたんだけど、黄秘書の対応にホレボレしちゃってる。
仕事に戻れとみんなを帰らせた黄従匀(ホアンツォンユン)だけど、さすがに手が震えてました。顧問に頼まれたから頑張っちゃったって訳ね。もしかして発砲したのも初めてだったかもしれないね。
だとしても、これは偉かったわよー。よしよし、よくやった。
沈図南と若来が尋ねた甬城(ヨンチョン)銀行の江(ジャン)さんは、沈図南に、相変わらずせっかちだななんて言ってます。昔からの知り合いっぽいね。
このままでは国が滅びますからと沈図南。明朝が滅亡した根本の原因は財政破綻。国に資金も税収もなければ、軍を養えない。災害ならもっと明らかで、民を救えず反乱が起こる。今の政府の財政は、明末とそう変わらない。
江さんは、では清が滅びた原因は?と聞きました。
保路運動と答える沈図南。
保路運動って、清朝末の鉄道国有化で、国有化に伴う株式の補償に対する不満から、辛亥革命に繋がった運動のことらしい。世界史苦手(笑)
江さんは、朝廷の腐敗と信用の崩壊、契約の反故と民からの搾取、それで反発を招いた、関税改革は西の列強の利益に関わる、やり過ぎればまた8か国連合軍が迫ってくるぞ、と言います。
でも、黙って聞いていた若来が、それはないと呟きました。
思わず言っちゃったのね。慌ててます(笑)
沈図南は溜息をついて呆れてますが、江さんは、会議じゃなく雑談だから思ったことは言えと笑ってくれました。
沈図南にも、はっきり言えと言われた若来。
自分は8か国連合軍について、違う見方をしている。清は商業を軽んじた。海外貿易にも反感を持ち、列強と意志疎通を図らなかった。今の政府は貿易を重視し、ルールも守っている。大規模な武力衝突はないのではないか。
江さんは、己の利益が損なわれても列強は傍観するだけだと言うのかと聞きます。
若来は、それに賭ける価値はありますと答えました。
沈図南は、経験不足で口の利き方を知らないんですと謝りますが、江さんはそこがいいと言ってくれましたよ。自分達の立場になると本音が聞けなくなると。
同じ銀行家と言っても、こんなにも違うんだなー。どこぞのデブヒゲとは(笑)
江さんは笑顔で若来に続けてと促し、リスクを冒す価値とはなんだと聞きます。
若来は、自分の大家は洗濯屋だが、一日中働いても儲からないと嘆いていると言います。
それは銭荘での借金の利息が高いから。銭荘の資金は外資銀行から借りている。つまりそこに二重の利子がかかっている。関税保管権を取り戻せば、央銀が低利子で市民に貸せる。暮らしが向上すれば国も強くなる。
あー、なるほど。さっき張鳴泉が銭荘って言葉も出していたので、すべからく、そういうことなのね。外資銀行と結託して好き勝手に動かしてる資金、もしかしたら利子の優遇とかもされていたかもしれない。けど、それが政府経営の央銀になったら、一般市民を優遇して、金持ちの実業家にはしょっぱくなるでしょうね。
江さんは更に、関税改革が成功したら、我々実業家にはどんな利点があると聞きます。
若来は言い淀み、沈図南の顔を見ちゃう。かわいい♪
2人に促された若来は、あなたの甬城銀行は紡績や造船に投資しているが、中国の工業は外資に圧迫され、大規模な不良貸し付けになっていると言います。現状を変えなければ、いつまで持つでしょうか。
江さんは、私を脅すとはって、楽しそうに笑いました。
本当の大物ってのはさ、こうやって余裕で若い意見を楽しんでくれるもんよね。
若来は、関税があれば央銀に余裕ができ、江さんにも利点がありますと続けました。
江さんは良い演説だと笑い、沈図南に、入れ知恵したのか?って聞くんだけど、沈図南は国の代表として私は空論は言えないと否定しました。これは若来の考えだよってね。きっと江さん、いい若手を育ててるなって感じてくれたことでしょう。
江さんは、旧友たちを説得して一票を投じよう、関税改革を支持すると約束してくれましたよっ。
ほおらねえ、適材適所よ。黄秘書は畏まってしまって、こんな風に語れないと思うし、情勢を先読みしたりするのは無理っぽいよね。なんか以前もボンクラだったもんね。
ただ江さんは条件として、戦時公債を割り当てないとの宋(ソン)先生の確約が欲しいと言いました。
政府の銀行はずっと戦時の資金調達の道具だった、軍閥が割り当てた戦時公債は返すつもりのないもの。蒋介石には軍閥化して欲しくない。央銀も戦争の道具にならないように。
沈図南は、央銀は旧式の銀行とは違う、私がいる限りそうはならないと答えました。
でもこれな…後で国債問題が出て来るんだよ…
ま、とりあえず無事に江さんの協力を取り付け、帰りの車の中で沈図南に褒められる若来。
江さんは民族銀行界のトップなので、これで半分は成功したようなものらしい。
残り半分は、虞世清なんですってよ。蘇滬(そこ)商会の実力者で外国貿易で身を立てた人で、外資銀行を掌握してるんだって。一番の改革の壁となるらしい。
だから最悪、暗殺の手が伸びて来る危険性もあり得る。
若来が、それなら銃を入手しないとと言うと、沈図南は君は用心棒じゃないからダメだと。
ひとまず引き下がる若来ですが、内心はねえ。だってこの子、意外と行動力あるんだもん(笑)
さて、黄秘書に蹴散らされた張鳴泉は、怒り心頭で虞世清のところに行ってグチグチ。
あんまりうるさいと、虞世清にも捨てられるぞ?(笑)と思ったけど、結局飼い続けるんだよねえ。
そういえば張鳴泉は、通商銀行を取られた後、虞世清のツテで匯豊(フイフォン)銀行に潜り込ませて貰ったみたいなんだけど、ここはイギリス資本の銀行なので、関税保管権を失えばクビだと脅されてるんですってよ。ちなみにこの銀行名、「紳士探偵L」にも出て来たことありましたね。
刺すだの殺すだのと喚く張鳴泉を宥めた虞世清は、そのうち沈図南が来るはずだ、話を聞いてみようと言います。必要なら血が流れることもあるだろう、だって。
一旦は止めたものの、内容次第ではその手段もあり得るってコトかいな。
さて、若来は、黒幇の銭少良(チェンシャオリャン)の元を訪ねていました。困ったことがあったら来いって言われてたもんね。
若来は、このところ治安が乱れているので、自分や周囲を守りたいからとお願い。
うん、銃が欲しかったのね。
でも銭少良は、ないなと言います。この人の幇は、斧頭(ふとう)会だから銃は使わないんだって。
調達して貰えませんか、急ぎなんですと若来が尚も食い下がると、何があったか正直に言えと言われてしまいました。何かされたのなら自分が表に出てやると。義理堅いんだなあ、幇の親分は。それだけ若来が見込まれたってことなんでしょうか。
だけど、これをやろう、マンガン鋼だって、斧を貰ってもなー。
仕方なく夜の街を歩いていた若来は、ニューショーというクラブの前で、張鳴泉を見かけました。以前、張鳴泉の持っていた拳銃で撃たれそうになったことを思い出した若来。
アイツの銃を奪えばと、真っ直ぐそこに思考が行っちゃう辺り、若来も充分鉄砲玉の素質あり(笑)
こっそり窓から忍び込んじゃってますわよ。
その頃、沈図南が自宅に帰ると、奥さんの辞書(ツーシュー)が出かける準備をしていました。
虞世清が嫁の映画会社を使って、辞書を主演に映画を撮りたいみたいな話を持ちかけ、夫婦揃ってパーティに招待してきたらしい。そういう搦め手で来たか。辞書は昔、女優さんだったの?
裏がありそうだなと沈図南は笑うけど、辞書は厚意をむげには出来ないと言います。
断ってしまえば取り返しがつかない、まずは様子を見ましょうと言った辞書も、虞世清が夫と難しい関係にあるのを知ってるんだな。
クラブの中でも張鳴泉は機嫌が悪く、態度は横暴。ヤな客の典型ですわな。
あっ、ちょっと思い出したんですが、この張鳴泉の中の人、孫大川(ソンダーチュアン)さん。若い頃は痩せてて普通に当時のイケメンです。まだ45才くらいらしいのに、なぜこうなった(大笑)でも中年以降は、このビジュアルのほうが仕事はあるよね(^m^)
更に言うと、辞書の中の人、高露(ガオルー)さんは、「明蘭」で盛家のお妾さんやってた人ですよ、墨蘭ママね。どこかで見たことあると思ったらー(^m^)「明蘭」は今思えば、男に阿ることで生きようとしてた女達を演じていた皆さん、ほんっと怪演だったわ(笑)
張鳴泉はステージで歌っていた宋美娟を無理矢理呼ぼうとします。ママがあの子は林樵松の女よって言うんだけど、張鳴泉は、そんな下っ端知るか、康少捷(カンシャオジエ)だって怖くないってさ。へえ。
とはいえ宋美娟も、酔っ払いのクソ親父をあしらうのなんて手慣れたもの。張鳴泉に飲ませてサイコロを振らせて、ご機嫌にさせてます。結構塩対応なんだけどね。勝手に機嫌よくなってる(笑)
そしてそれを、忍び込んだ若来が見ていました。
宋美娟にガンガン飲まされた張鳴泉が手洗いに立ったのを見て、こっそり付けて行った若来。
個室で吐いている張鳴泉の後ろから中に入って扉を閉め、洗面台にあった灰皿で殴りつけちゃいましたよ。うはあ、大胆。でも自分を殺そうとした男だしなあ。
倒れた張鳴泉の腰を探ってホルスターから銃を抜き取り、きっと物取りに見せかけるためかな、財布や懐中時計も取って、そっと出て行きます。
クラブの外のゴミ箱に財布を、時計もかな?捨てたところで、やって来た車がクラクションを鳴らしました。
良さんでしたわ。まだ帰ってなかったのか、年末は強盗が増えるから気を付けろって、良さん、ホントに若来を可愛がってくれてるな(^m^)しかも、送るから乗れってよ。
ただ、若来が車に乗って去った後、走って来て、若来の捨てたゴミ箱を漁る浮浪者がいたのよ。見てたってことだよね。変なとこから足が付かないといいんだけどなあ。
虞世清の家に招かれた沈図南夫妻は、嫁達、ダンナ達分かれて、それぞれお話し中。
ダンナ2人も、まずはジャブって感じで、和やかに話してますが。
本題に入った虞世清は、少しやり過ぎじゃないのかと言います。キミが心配なんだと。
目的は素晴らしい、中国人として心では賛成しているが、その権力は南京のもの、南京は一枚岩と言えるのか?
そう、それ。国民党政府のそこが問題で、今後の様々が起きて来る訳よっ。
虞世清も沈図南も、それは重々承知なのね。そういった状況を踏まえて、対立する立場にいる訳だ。
虞世清は沈図南を、蘇滬(そこ)商会の主事にスカウトしようとします。自分の新亜百貨の株を全て譲るとまで、条件を出して。少なければ閘北(こうほく)紡績工場株も付けるとな。
それほどに、今回の沈図南の動きが邪魔なんだねえ。だけどその手腕は評価している。ならば引き入れる or 消す、の2つにひとつってコトかいな。
沈図南は、全財産でも貰えません、いや、貰いたくないと答えました。
虞世清は、宋先生に知られるのが怖いかと聞くんだけど、沈図南は、あなたから何かを受け取れば裏切ったと思われる、あの人の力なら、自分も、あなたや蘇滬商会にもいいことはない、と。
だけど宋先生の姉と繋がってる虞世清は、宋先生のことなら心配ない、肝心なのは君自身だって言うのよ。いやいや、姉弟でも、主義の違いに弟が屈するかどうかは、分かりませんよー?
とはいえ、嫁も半人質のようなもんだからね。沈図南は、検討しますと答えました。今は他に言いようがないわな。
洗面所にいた宋美娟のところに、クラブのママから連絡を受けた林樵松がやって来ました。張鳴泉に絡まれてるから来てってか。結構ママも甘いのね。後で林樵松が怒って、妙な騒ぎになるのを避けたのかな。
宋美娟は、あの程度、さばけて当然よって返してるけど、林樵松は、張鳴泉は危険過ぎるって。心配してるんだ、一応。宋美娟もまた、私に貢ぐかしらなんて、林樵松を煽ったりしてるけど。
林樵松は、他の男ならいいけど、あいつだけは、バックに虞世清がいるから気を付けろと言います。
そこが女子トイレだったもんだから、他のクラブの女に騒がれて、出て行った林樵松が男子トイレに入ろうとすると。
あー、見つけちったよ、よりによって林樵松が、個室に倒れている張鳴泉を。
座って確かめるんじゃなく、まず足で蹴とばしてみてるのがおかしい(^m^)
だけど、相手は自分の女に絡んだおっさんだからね、林樵松は黙って扉を閉め、溜息をつきました。
そのままフロアに出て行くと、宋美娟がお酒のボトルを持って待ってた。ちょっと意地悪し過ぎちゃったかなって感じ。
え、そのまま行っちゃうんだ(笑)けどまあ、あれなら、第一発見者が自分じゃなくてもいいわね。
帰りの車の中での沈図南夫妻。
金をチラつかせてきた、きっと汚い手に出るだろう、全くいつまでも同じ手ばかりで感心するよと夫。それが効果的だからでしょと妻。
映画のほうは、来週オーディションなんですと、主役は辞書しかいないと言われたんですと。
冗談を言って笑いながらも、これは完全に妻が巻き込まれた話なので、すまないと謝る夫。
辞書は、私があなたに嫁いだのは、お金のため?それともハンサムだから?と聞きます。
沈図南は、私は金もあるし、そこそこハンサムだ、しかも君を大切にしているだってよ。自分で言っちゃう(笑)ま、夫婦だけの会話ですしね(^m^)完璧ね♪完璧だ♪ってさ。
もう少し耐えてくれ。ここを乗り切れば中国は必ず立ち上がる。
どの世界のどの時代でも、末端で頑張る人達は、上からの正義を信じて戦うんだよなあ。
トップの責任は本当に重大。
アパートに戻った若来は、張鳴泉から奪った拳銃を出し、弾倉から弾を抜いて、構える練習をしてます。撃ったことなんてないよね…大丈夫かな。
コメント