あらすじ
杜城は沈翊と組みたいと張（チャン）局長に申し出る。表向きは沈翊に捜査方法を学んでもらうためだが、実際には沈翊を見張るためだった。そんな中、強盗の通報を受けた派出所から北江分局に応援要請がくる。目撃者の画家3人に似顔絵を描かせたが、三者三様で犯人の目星がつかないという。画家たちは自分の絵が一番似ていると言って譲らない。
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ネタバレ感想
取調室での蒋歌(ジャンゴー)の供述、続きです。
梁毅(リャンイー)から離れたくて、上海での仕事が取れたから移住するつもりと告げると、梁毅はビデオを公表すると脅してきたんだってさ。そんなものが出回れば、仕事で成功していた蒋歌を引きずり下ろしたい連中が、黙ってはいないだろうと。
だからその晩、決意したと蒋歌は言います。
防犯カメラの映像に細工した劉連明(リウリエンミン)もまた、蒋歌がなんのためにそれを依頼したのかに気付き、ゆすって来たらしい。
どうして私に気付いたのかと聞いた蒋歌に、杜城(ドゥーチョン)は、君の爪に気付いたヤツがいると言いました。
ほら、色味が違う。そぉかぁ？
2話で映った蒋歌の爪は、１本だけ剥がれていたんじゃなくて、少し色味が違っていたみたい。
塗りたてのマニキュアの色と、塗って時間が経ったものとの微妙な色味の違い、更に小指だけは他の指と違って、少し伸びた部分の隙間がない。それは他の指よりも後から塗り直したものだから。
沈翊(シェンイー)は、ずっと描いていた似顔絵を蒋歌に渡しました。
蒋歌は、この顔を得れば望む成功を得る助けになると思っていたけど、今は昔の自分が懐かしいと。
容姿にコンプレックスを持ちながらも、成功を夢見て努力し続けていた頃。
更に沈翊は、昔の君から彼女を連想したと、キュリー夫人の絵を贈りました。
女性初のノーベル賞受賞者。僕にとっては女性の力の象徴。
君の作品にも、同様の力を感じる。それは才能や野心が源で、外見ではない。
信じているよ、かつての君が、君を国際的な建築家にすると。
沈翊が蒋歌の家を訪れた時、壁の絵に見入っていたのはそれだったんだね。
単純に、作品の才能や力強さに打たれてたんだ。
容姿に関しては、まあね。
美しくなったからこそ、仕事に目を留めて貰えるようになったのは間違いないし、男社会の中に根強く残る女性に対するルッキズムを、個人が正攻法で打ち破るのは大変なこと。手段としての選択は、間違いではなかったかもしれないよね。ただただ、あんなクズ医者にさえで出会わなければ。
涙を流して蒋歌は、ありがとうと言いました。
さて、沈翊先生の授業の続き。
絵にある第三の嘘は、マラーの死、そのものなんだってさ。
犯人のコルデーはマラーに金銭的な援助を求め、マラーはそれを準備したとされていて、絵のマラーが手にしている手紙には、その援助依頼の文字が描かれているんだけど、実際は違っていた。
殺害される前にマラーの残したメモはマラーの目論む処刑者名簿で、それを見たコルデーはマラーを殺して、殺害計画を止めた。コルデーは法廷で、１人を殺したのは10万人を救うためだったと語ったらしい。
画家は現場を留め、再現する使命を担っていたけど、この絵は手にした文章を事実と変更しただけで、マラーを殺人者から慈善家に変え、女性の英雄に汚名を着せた。絵画の歴史や、場面に混在する真偽を判別する必要がある。
沈翊先生の授業は、ほう…となりますわ。私も調べちゃったよ「マラーの死」。
フランス革命当時の人、マラーとこの絵の画家、ジャック＝ルイ・ダヴィッドはジャコバン派、犯人のコルデーはジロンド派。
マラーは革命家として、たくさんのジロンド派を断頭台に送っていた人。実際この絵は、ジャコバン派が、暗殺されたマラーを神格化させるためのプロパガンダだったらしいですよ。
北江分局局長室。
杜城と沈翊が局長に呼ばれて、にこやかな局長にお手柄ね♪って褒められてますが。
賭けをしたんだって？杜城、負けを認める？
うはは。似顔絵が描き上がったら、406室は僕の画室にするってやつね。
杜城は、認める、部屋決めは局の手配に従うと言いました。
局長は、さすが隊長ねって。
多分悔しくてさ、だけど笑顔で絞り出した杜城の言葉に、褒め言葉を被せて発言を揺るぎないものにしてしまう局長さんの手管だよね(^m^)
現場の経験はまだ浅いから、先輩から学んでねと沈翊に言った局長に杜城は、捜査方法に慣れていないから自分が組むと言い出しましたよ。
それが親切心からじゃないのなんて承知の上よって顔で(笑)局長は、いいわよ、私は沈翊を信頼しているって言うんですぅ。いや～、カッコいいな、局長。
てかさ、考えたら、建築業界は未だ、女性は有能でもなかなか実力を発揮できないって表現だったけど、警察は女性でも局長になれる訳よ♪って作りだね、これ。
こういう感じは「ロング・ナイト」にもあって、地方は腐敗していても中央は清廉なのだ、みたいな対比が割と分かり易かったんですよ。ある種、検閲のためなのかもしれませんが、だとすればまさに、そう見せたい思惑がありますしーってコトかな。あ、だからナンだって話ではありません。
局内の娯楽室みたない場所で筋トレしていた蒋峰(ジャンフォン)のところに、李晗(リーハン)が、２人が組むんですってーとやって来ます。上手くいくかなあと心配している李晗に、「友を後ろに敵は前に置く」っていう隊長の作戦だ、見張りだと蒋峰。
見張る必要なんてないわと呟く李晗に、後ろから近づく蒋峰。
俺は永遠に君の後ろの…と言いかけると、「敵ね」とすかさず言われて去られてしまいます。
友だよと呟くも遅し(^m^)
ふ。無理よねえ。李晗の好みは沈翊タイプなんだものー。
局を出た杜城が、建物を振り返って見上げ、雷一斐(レイイーフェイ)との思い出に浸っていると、出て来た監察医の何溶月(ホーロンユエ)に、ご機嫌ね、なんて言われます。
何溶月が、沈翊はどう？似顔絵の評判は広まってるわと聞くと、杜城は、捕まえたのは俺たちだと言いました。
何溶月は雷一斐を知っていたみたいなので、やっぱりあの件で杜城は気に入らないんだろうけど、知っての通り、沈翊は利用されただけよと言ってくれてますわ。
だけど杜城は、納得いかないんだってさ。
崩れた顔の女すら描けるのに、7年経っても雷一斐の絵を頼んだ女を描けないと言い張るよ。
アンタは、精神的なショック状態ってのを知らんのかと言ってやりたいがなー(笑)
何溶月は溜息をついて、根に持つなんてアナタらしくないと言って去りました。
沈翊の自宅には亀さんが。
整形医院にいたの、貰って来たのねー。
406室の壁は似顔絵だらけ。頭蓋骨のレプリカなんかもたくさん、キャンバスもたくさん。
すっかり沈翊の画室となってます。
そこに杜城が入ってきました。不機嫌そうに周囲を見回して、ふと雷一斐の優秀功労賞の盾を手にします。気付いた沈翊に、それを取りに来たのかと聞かれ、事件だからと局長が呼んでいると。
盾はしっかり棚の上に置き直したぞ。こりゃ、仕舞い込めないね、沈翊。
派出所に通報。強盗の目撃者は画家３人を含む４人で、でも彼らの描いた絵は特徴を掴めていないんだとか。
と、運転しながら杜城が話しているのに、助手席の沈翊はまた寝てますよっ(^m^)
出向いた公安局では、画家達が自分の絵が一番似ていると言い争ってました。それを見た沈翊は苦笑い。みんな有名な画家で、知り合いなんだって。見せて貰った似顔絵は、みんな全然違う(大笑)
でも多分、芸術家ってのはそんなもんなんじゃない？自分のカラーに落とし込んじゃうから。作品としてはそれでいいんでしょうけど、捜査用の似顔絵としては使えない。目的が違うから。そういう部分も、沈翊は学んできているんでしょう。
防犯カメラの映像も荒く、眼鏡をかけているとしか分からないという担当者に、沈翊は眼鏡ではないと言いました。画質のせいでレンズの反射にも見えるけど、これは暗闇で起きる赤目現象。眼鏡をかけているなら、パーカーを脱ぐ時に外すだろうが、男は外さなかったと。
残りの目撃者は「見た目は普通」と言ったんだそうで。だけど沈翊はそれも、標準的な目鼻立ちという重要な情報だと言い、映像を見ながら描き始めました。
あんな映像で描けるって、普通の才能って言葉、通り越してない？
公安の担当者は画家３人を集めた部屋に戻り、帰っていいぞと言いました。
画家達は、犯人を捕まえたのか？誰の絵で？と聞きます。
担当者が、誰の絵でもない、これを使ったと沈翊の絵を見せると、彼らはそれが沈翊の描いたものだと気付いて、納得してしまいます。ある意味すごいな、この人達も(笑)
夜、杜城の部屋に、一緒に飲みませんかとジャスミン茶コーヒーを持って入って来た蒋峰。
ジャスミン茶コーヒーって、どんな味なんだろ。
蒋峰は、沈翊はやっぱり怪しい、どんな絵も描けるなんて非科学的だと言います。
そこじゃないと杜城。若くして成功した画家が突然、警察学校の講師となり、今では似顔絵師だと。
それがなぜかなんて、分からないのは目が曇ってるアナタ達だけだと思うけど。
２人の会話は、ハナから「気にいらねえ」がベースだから、どんなに話し合っても不毛だよなあ。
それに杜城は今日、沈翊の才能を目の当たりにしちゃったから、文句の言葉も鈍ってる(^m^)
そこにまた事件の電話。
学校の運動場の工事中、掘り起こしたところから白骨が出て来たらしい。
杜城が到着すると、自転車の沈翊も、監察医の何溶月も先に来ていました。
白骨は女性で死後10年は経っている模様。
左側肋骨の５番目にナイフでの刺し傷。心臓への一突きが死因らしい。
恥骨からは10代と分かるけど、臼歯の摩耗は40才以上なんですって。どちらも女性だけど、頭だけ別人。
捜査会議の間、沈翊は頭蓋骨の絵を描いていました。
誰かが頭蓋骨から顔を復元できれば早く探せると、意地悪のつもりで蒋峰がニヤつきながら言います。
杜城に聞かれた沈翊は、食い気味に、できると答えました。
まず考えろよと言う杜城に、望み通りの答えでは？と沈翊。
２人が、やれるもんならやってみやがれ的なのに気付いていて、受けて立ってやるよってことだよなー。冷静ですんっとしてるけど、中にはちゃんと、実力で信頼を勝ち取ってやるだけだって気概も持ってるんだよね、この人。
事件解決の前に完成させろよって、杜城の嫌味。ほんっと大人げない。
いつもお茶を飲んでる予審官の閆(イェン)さんは、おまえはやっぱりまだ若い、他意はないよと言って行きます。閆さんは、年齢も年齢だし、嫌がらせなんかしない、いい人属性みたいな感じだけど、も少しうまくやれるだろってことかなあ。
沈翊も、ふんわり笑いました。
んで、部屋で九相図を広げる沈翊。
九相図って、死体が変化していく様子を描いた仏教絵画なので、日本にも中国から伝わって、有名なのがありますよねえ。呪術廻戦の、脹相(ちょうそう)壊相(えそう)血塗(けちず)の名前はここから取られたもの。ここで使っていたのも多分、日本の「小野小町九相図」だね。
頭蓋骨を調べていた何溶月は、後頭部に何かを見つけて沈翊の元へ。
そこには、番号を消した跡がありました。頭蓋骨にナンバリングって、標本？
そこへ杜城が冷やかしに。ニヤついてるよ、全く。
沈翊は、描く必要がなくなったと言います。
何溶月がサンドペーパーで番号を消してあるところを見せました。
美術学校で使う本物の骨には、特殊なインクで寄贈番号がつけられているんだそう。出所を調べるのはさほど難しくはないと。医科大学で使う骨も同じなんだそうな。
まず、現場の学校の美術室を調べることに。
学校の美術室では、頭蓋骨の標本を見て生徒たちがデッサンしていたんだけど、その頭蓋骨にはナンバーがありませんでした。その骨は、身長170センチ前後、やせ型の少女のものと何溶月が断定します。
要するに、頭蓋骨だけ、学校の備品の標本とすり替えたってことかな。
沈翊は、壁に飾ってあった絵にも注目してる。
そこに美術教師の瞿藍心(チューランシン)が入ってきました。
瞿藍心は、この頭蓋骨は医科大学からの寄贈で、ここ10年ほど使っていると言います。４年前に転任してきたので、寄贈番号がないけど胴体にはあったからそれとセットだと思っていた、と。
押収して帰る際、瞿藍心は頭蓋骨から生前の様子が描けるのかと沈翊に聞いてます。
沈翊は、大昔は肖像画を写真と言った、僕は彼女の身元を割り出してやりたいんだと答えます。
描けたら、見せて貰える？と先生。
並んで歩く２人。檀健次くん、劉美彤さんと身長変わらず。ふむ、公称よりちょい低めか？
検査で、見つかった白骨と美術室の頭蓋骨は同一人物だと判明した模様。
李晗がデータを入力して、AIで生前の顔の復元を試しています。
杜城は、沈翊より早いなとか言うておる。
でも、居眠りするくらいの時間をかけて復元した顔は、白いのっぺらぼうでしたとさっ。
沈翊もまた、頭蓋骨からの復元に着手していました。
頭蓋骨に向かって、君は誰だと呟いて。
翌日。蒋峰が、杜城のところにこの10年で失踪した少女の写真を持ってきます。頭蓋骨の復元なんて自首させるより難しいはずだと、ニヤニヤ。ほんっと、人を小馬鹿にしまくるわね。
そういうとこだぞ？後ろに李晗もいるぞ？軽蔑されるぞ？
ほら、分からないわよって、李晗に言われた(笑)
杜城は俺たちで見つけると言いつつ、沈翊にも写真を届けろと言います。
どうしてって言う蒋峰はホント、しょーがないなあ。仲間に情報も与えず、積極的に嫌がらせするつもりだったとは。
いびったと言われたくないと杜城は言ってるけど、今までの態度を急に翻せないだけでしょ。沈翊の可能性に、イヤイヤながら少しずつ気付き始めてるんでしょうよっ。
沈翊は目を閉じて頭蓋骨をなぞり、イメージを膨らませてました。
粘土で作った頭蓋骨に印をつけていきます。
李晗が持って来た写真も、今は見ないんだって。写真に影響されたくないってことね。見るのは出来上がってからだね。
でも復元した立体から描いた絵は、写真の中の１人にとても似ていました。
どう考えても冷やかしに来た杜城は、その絵を見て驚きます。任暁玄(レンシャオシュエン)だ、と。
失踪時、任暁玄は15才。
高校１年で9月に転入した後、6月に転校したその月に失踪の届けが母親から出された。その時には既に殺されていたよう。
離婚した母親と２人暮らしで、ととても繊細な子、友達もいなかったらしい。
そこまで話を聞いていた沈翊は、一人立ち上がって学校に行ってしまいます。
杜城や蒋峰がムッとするものの、閆さんが、沈翊は芸術家だから個性も強いんだよって言ってくれるけど。捜査は個性とは無関係、有能なら手がかりを見つける by 杜城。
沈翊は、瞿藍心に会いに来ていました。
似顔絵を見せると、瞿藍心は、任暁玄と呟きます。
瞿藍心もこの学校の卒業生で、任暁玄とは同じ美術クラス、彼女の転入時、任暁玄は高３だったのだそう。
瞿藍心と廊下を歩く沈翊は、壁に飾られた机の天板の落書きを興味深いと思ったんだと言って眺めます。トトロの絵とか描いてある。
美術クラスの子は机によく絵を描くから、着任した時、使わなくなった机の天板を捨てるのが惜しくて飾ってみたんだってよ。
君の机はと聞かれた瞿藍心は、私は優等生だったから落書きはしなかったと。
瞿藍心の任暁玄の印象は、痩せ型で無口な子。
任暁玄の母親のところには、杜城と蒋峰。
5年前に再婚し、子供もいるらしい。
任暁玄の母親は、学校の運動場で見つかったと聞き、この10年、家の近くにいたのねと呟きました。
何度も学校を変わったのは、任暁玄が繊細で人付き合いが下手だったから。ということは、いじめられてたんでしょうね。いつもひとりで、母親も何を考えているのか分からなかったから、失踪前の様子も覚えてはいない、先の夫と離婚した後、会話も減ったので、自分を恨んでいた筈だと言います。
それでも母親は、遺品として彼女の描いた絵を残していました。
次回、更に深まる謎。
で、今度は白猫ちゃんが出て来るよ～。後にこの子も沈翊んちの子になります(^m^)
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