あらすじ
洞窟に閉じ込められた高秉燭と武思月。高秉燭は、眠ればケガと寒さのため死んでしまうのではと心配し、武思月に話しかけ続ける。しかし武思月は次第に弱っていき…。その頃、武攸決は内衛を引き連れて北山に向かい、妹を救うべく洞窟の岩を取り除く作業を指揮していた。一方、春秋道の拠点では、天通道人が完成に近づいた兵器・伏火雷霆(ふくからいてい)の威力を披露。その威力は山をも崩すほどで…。
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ネタバレ感想
崩れた洞窟に閉じ込められた2人。
高秉燭は武思月を心配して、話かけ続けます。
武思月は、寝たら死ぬと思ってる?と。
その通りなんだが。弱ってる人の「大丈夫」は信用ならないんだよ、姐さん。
高秉燭は、ずっと気になっていたことを聞きました。
女子がどうやって内衛になったのか。
武思月は、兄が内衛の奉御郎なら「やりたい」の一言で済むと言います。
だけどそこにはいろいろあったらしい。やっぱり。
武思月の回想。
内衛に入るために、複数人と手合わせをし、打ち負かして最後に李北七。
倒れた李北七に刀を突き付けた時、それまで微笑んで見守っていた黒兄貴が、女子にすら勝てぬようでは、どうやって陛下や神都を守るのだと、立ち上がって出て来ます。
そこで正式に内衛に入ることになり、月華君の称号を貰って、鼻高々ご機嫌の武思月。
でも、手合わせをした人達でしょうね、負ける振りも大変だ、勝ったら奉御郎に罰せられる、どうせお遊びだろうって言ってるのを聞いてしまいます。
黒兄貴は、私が皆に負けさせたと認めました。
おまえの欲しいものは昔から何でも与え、望みも叶えてきた、だがおまえはもう妙齢の女子、いつかは妻や母になる、危険なことはさせられない。北七が本気なら、おまえでは勝てない。
そう言われて、武思月はその場で剣を抜き向かって行くも、李北七に抑え込まれてしまいます。
その首に向かって振り上げた手を黒兄貴に抑えられ、ここまでだ、納得したか、と。
己が未熟なら仕方ない、次は手加減させないと言って出て行く武思月。
悔しかったでしょうねえ。
お前が怒ったのは、誰も本気で戦わなかったからか?と聞く高秉燭に、武思月は首を横に振ります。
図星だった。興味本位で内衛になった。みんなの本音を聞かなければ、数日遊んで「名家の令嬢」に戻っていたはず。でも兄上だけでなく、私自身も意外だった、今日まで続いているのが。
いやいや、あの言葉や黒兄貴や李北七の態度が、姐さんの負けん気に火を点けたんでしょうよ。
最初は気紛れに近いものだったとしても、ハナから侮られてたのを知って、見返してやるまでは辞めないって思ってもおかしくない。
最初からずっと、すんごく肩に力が入りまくってる人だなーって感じが出ていたのも、そういうコトでしょ?
眠ってしまいそうになる武思月を、慌てて揺り起こそうとする高秉燭。
でも、姐さん、目瞑っちゃってるねえ。
山の中では、犬も動員されて、捜索が開始されてました。
てか、洞窟がまだ見つかってないの?崩れたから?
咳き込みながら、黒兄貴まで大声出してるわよ。
少し疲れたと呟く武思月に、高秉燭は、知ってるか?俺にも妹がいると言います。でも長い間会っていない、名前は阿曇(あたん)だ。
高秉燭の回想。子供の頃だね。
お母さんを待ちながら、お腹を空かせている妹にお粥を先に食べさせようとすると、妹はお母さんを待たないとと言います。少しくらい大丈夫だからってあげようとしても、熱くて食べられないみたい。
それをふぅふぅしてやっている時、帰って来たお母さんに、盗み食いかと叱られ、棒で叩かれてしまいました。盗み食いはいいとしても、なぜ妹にやらないんだってお母さんは怒ってるんだけど、高秉燭少年は妹のためにふぅふぅしてあげてただけで、自分が盗み食いしていた訳じゃない。
最後の一口でも、先に妹に勧めなさいと叱られてるけど、まさに、それを、していたんですよー。
でも、それを言わない高秉燭少年。
具合の悪い妹を助けたくて、薬屋に行ってもお金がないと叩き出される。何度も土下座して頼んでも、店主は冷たい。それを助けてくれたのが丑じい。おお、若い頃は颯爽としてたな、丑じいってば。
丑じいは、自分の親以外に跪いてはいかんと教えてくれました。
ああ、だから高秉燭は余り跪かなかったんだね、今まで。最初の頃は、公子楚にも。
阿曇は7才年下だと、武思月に話す高秉燭。俺が不良井を追われた頃、いなくなった。
ん?それは5年前ってことだね?
高秉燭の年齢が分からないけど、30前後か20代後半くらいだとしたら、妹はアーランくらい?
5年前の失踪時は充分、善悪も分かる分別もある年齢だよね?
あー、だとしたら、春秋道の刺客説はないかなあ。
こう見えて高秉燭がすんごく若いとして(笑)5年前ハタチだったとしても、妹の失踪時は13才くらい。十六夜の話は、もっと小さい子を集めてる風だったもんなー。
武思月が寒いと言い出しました。
抱き寄せて、体をさすって、一生懸命の高秉燭に、武思月は心配しないで、頑張るから、あなたも体力を温存して、と言います。
外の内衛のみなさんは、夜だからってこともあるのでしょうが、未だ、洞窟を見つけられず。えー。どんくさー。こんだけ大勢で犬まで連れてるのに。
冷えるから先にお帰りになってはと言った李北七は、黒兄貴にビンタされましたわ。
阿月が内衛になった日、お前に言ったはずだ。お前の一番の任務は阿月を守ること。
当時お前は何と答えた?と怒鳴られて、自分の命を捨てても月華君を守ると答える李北七。
それがこのザマか。
跪いて謝罪する李北七に、阿月はたったひとりの妹だ、おまえなんぞの命では代わりにならぬという黒兄貴。
いや、あのさー、分からないでもないよ?気持ちはそうでしょうよ。でもさ、いくら緊急時とはいえ、それを配下の前で言葉にしちゃーさ、どうなの、長として。ってのは現代の感覚なのか?
立場が上の人達には一歩引いて、必要以上のゴマスリもせず、無欲で清廉に見せてるから信頼を得ているっぽいけど、下にはかなり感情的で公私混同を押し付けもする。奉御郎だから部下達は逆らえないけど、実はそれほど人望はないかもしれないねえ。
武思月は、外に出たら何かやりたいことはある?と聞きました。
外に出たら、阿曇を探すのを手伝ってくれ。妹の世話をしたいと高秉燭。
それから、不良井のみんなに、神都を歩かせてやるんだ。太陽の下を正々堂々と。
うっすらと微笑む武思月。
それにおまえと、南市に行きたい。あの橋で一緒に灯籠祭りを見よう。
あの夜俺は、初めて神都が美しいと思った。お前のお陰で、家々の灯りや人々の笑顔に気付いた。
23話、高秉燭が復活した後の、七夕の夜だね。
武思月のように、この街の安寧は必ず守るって宣言してた。
そしてよーやく、崩れた跡を発見した内衛達。
しらじらと夜が明けていきます。
アーランもまた、早朝から手がかりを探しに出て行こうとしていました。
七娘も、あの後、北山で2人がいなくなったのを知り、びっくり。私は何をすればって、何もしなくていいから。お願いだから大人しく待ってて。
アーランにも、奉御郎が捜索に行ったから、屋敷で待てと言われるけど、七娘は、またアーランが危険になるのではと心配してました。
それに気付いたアーランは、儒学者に聞きに行くだけだ、待ってろと言って、出て行きます。
何も言わないと、うっかりフラフラする七娘ちゃん。ステイ、もしくはハウスの命を受ける(笑)
北山では、崩れた洞窟の瓦礫を、みなさんが必死にかき出し中。
指揮を執る黒兄貴は、ほぼ半狂乱。大理寺と羽林軍にも応援を頼みます。
阿月に何かあったら、全員命はないと思え!
アンタねえ…
その頃、武思月はいよいよ覚悟を決めたみたいな言葉を口にしていました。
人生がもう少し長かったらいいのにね。そしたらあなたと一緒に阿曇を捜せて、灯籠も見られる。
話す力もなくなってしまった武思月を抱いて涙する高秉燭ですが。
たいじょぶ、まだ死んでないっ。
洞窟の入り口では、馬や牛まで動員して、入り口を塞いでいる大きな岩の撤去中。
黒兄貴も一緒に縄を引いてます。
岩が動いた。
高秉燭達のところにも、光が差し込んだ。
ここだと叫ぶ高秉燭。
武思月は黒兄貴に抱かれて運ばれ、高秉燭は李北七に、この疫病神と掴みかかられ。
ほらね。黒兄貴は妹にかかりっきりだけど、ずっと批判的だった忠犬が、牙をむいてきた。
誰のお陰で武思月が死なずに済んだと思ってるんだか。
あの時、逃げた天通を追った高秉燭を追いかけたのは、武思月の意志だよっ。
武思月は、高秉燭が責められてるのが聞こえたのか、許してあげてと呟きました。
聞いたか?なんだかんだイマイチな忠犬さんよ。
だけど、武思月を馬車に運んでから、黒兄貴が振り向きました。
やだわ、もー。高秉燭は覚悟した顔してるけど。
黒兄貴は高秉燭の胸倉を掴み、阿月に免じて生かしておく、だが次に現れたらお前だけでなく、不良井の奴らにも生き地獄を味わわせてやると言います。
不良井というワードが出た途端、高秉燭の目が変わります。
分かっちゃいたけどね、黒兄貴、やっぱり公私混同激しいし、発想が汚い。
エライ人達にとっては、そういう認識の場所なのかもしれないけど。
高秉燭も、何も言わないまま怒りを露わにしましたよ。
内衛は、高秉燭を置き去りにして、とっとと帰ってったわ。へえ。
アーランは、お祖父さん、百里虎(ひゃくりこ)の友達だった儒学者の元を訪ねていました。
寛仁の書き付けから、アーランが完成させた暗号文みたいな詩。
どこかで聞いたことがあるような気がすると儒学者。
兄の部屋で見つけたとアーラン。
ずっと昔、春秋学宮の学者がこれを研究していたと儒学者は言います。
昔、長安に春秋学宮というのがあったらしい。前太子の愚が、戦国時代の稷門(しょくもん)の学堂を模して、長安郊外で風水の良い地を選び、優れた者を集めるために開設したもので、愚の死後、そこは北溟(ほくめい)書院と名を変えた。でもいつの間にか、名を聞かなくなった。
うわ、出た出た、繋がった。寛仁も北溟書院にいたの確定だね。ま、掌春使だしね。
前太子ってのも27話で、聡明だった愚児は、悪人に騙されて破滅してしまったって皇帝が言ってた子だ。
このじいちゃんの話では、北溟書院は長安にあったってことだけど、それを逍遥子が尊師として神都洛陽に開き直したってことなのかな。
何十年も隠居しちゃってる儒学者は、春秋道のことは知りませんでした。
だけど、百里虎も、北溟書院で教えていた、って、えー、百里家ー!
アーラン、めっちゃ複雑だろうなあ、これ。それに百里延は、何をどこまで知っていて、飲み込んでいたのでしょうか。
春秋宮の裏山で、伏火雷霆のテストをして見せた天通。
山が爆発で、崩れてますわよ。
それでもまだ未完の伏火雷霆1つの威力だと言う天通に、「春」も「秋」も驚き、喜んでいます。
ただ、分かり易い「秋」と違って、「春」は少々複雑そうな顔も見せてるね。
「春」にどこで仙術を得たと聞かれた天通は、仙術ではなく他力を借りたと言います。
百里二郎。
それを聞いて、笑いながら「春」を振り返る「秋」。
天通は、アーランが「春」の弟だとは知らない訳ね。ま、知ってりゃ、殺せなんて言えなかったでしょね。
百里二郎がなぜお前に協力したと聞く「春」。
捕えて協力させましたと言うと、「秋」はやるわねと喜び、その百里二郎は生きてるの?と聞きます。
天通は、秘密を知られた人物を逃がしてしまったことで慌て、どうかご安心を、奴は必ず始末しますと跪きました。
それを聞いて、天通を蹴とばす「春」。
「秋」は嬉しそうに、師兄の弟子が大手柄を立てたのに、なぜ喜ばないのー?って、わざとらしい。
「春」は、内衛に知られた以上、猶予はない、伏火雷霆を勝負の日までに完成させるのだと。
当陽酒店で川辺を見ていたアーランのところに、申非が、武思月が黒兄貴に救出され、治療中だと知らせに来ます。高秉燭は、分からないと。内衛に聞いたら殴られそうになったと申非。
それなら無事だろうってアーラン(笑)ま、その通りなんですが。
今、心配なのは別の件だと、アーランは急いで家に帰って行きます。
五じいは、それは百里家の禁忌でしたと言いました。
百里虎は、皆と意見が合わず、春秋学宮を追われた。その後も聞くに堪えない噂が流れて、一家は神都に引っ越した。意見の相違についての詳細は分からないらしいけど、噂は、百里虎が妖術を使うとかだったと。
ただ、百里虎は一度、アーランのように錬丹をして、屋敷中に煙が充満したことがあるらしい。それが妖術の噂になったのかもしれない。神都に越す1年前だったとか。
百里虎が関わっていたのは、逍遥子が尊師となる前だったかもしれないけど、それでも錬丹をしてみて何かに気付き、春秋学宮の考え方に異を唱えて、排除された?
そこに、高秉燭が尋ねて来ました。
奩山の銅製の箱の中は、未完成の伏火雷霆だった。天通道人はそう言った。
これまでのことを思い出し、銅の使い道はコレかと呟くアーラン。すんごい後悔の顔。
丹薬の研究かと思っていた。でも小さな爆発は失敗ではなかった。奴らの真の目的は、毒抜きの伏火を利用した雷霆のごとき爆発。銅を盗んだのは、贋金や武器はフェイクで、あの箱を作るため。
硬い奩山の銅でできた箱が爆発すれば、破片が飛び散って殺傷力が向上する。
未完成でも洞窟を吹っ飛ばしたアレが、完成すればどうなるかと高秉燭。
恐らく完成したと、アーラン。脅され試作した時、自分がヒントを与えてしまったから。凍った北帝玄珠で時間稼ぎをしようとしたら、それで温度管理をすることこそが成功の秘訣だった。だから、随時起爆が可能な爆発物となってしまった。
つまり、連中の難題をお前が解消したというのかって、高秉燭ぅ。
偶然だったんですぅ。いろんな意味でアーランは持ってる男(笑)
誰にも言うな、聯昉には報告すると言って、急ぎ出て行こうとする高秉燭を、アーランは呼び止めました。
無自覚だったにせよ、過ちは過ち、どんな咎めも受ける。
高秉燭は、偶然なんだろ、おまえのせいじゃないと言ってくれます。
どのみち連中は完成させる、お前は被害者だ、自分のせいにするな。それよりも状況を挽回する方法を考えろ。
優しいなー、兄さん♪
でもアーランは、挽回したくてもなかなか厳しい、更なる疑念を抱えているのよー。
お、柳適(りゅうてき)も後悔しているぞ?
私のせいだ、調子に乗って巻物の話をし、お前とアーランを危険に晒してしまった。
はい、良かった良かった、自覚してくれて。
父上が何も言わなくても、天通道人は私達を見つけたわって、七娘が慰めるのも最もではありますが、ホイホイ付いてったアンタも随分だったからね?
最近、十郎に会いました?って、話を変える七娘。
柳適は、会えば口論になるから、人に紅綃坊(こうしょうぼう)を探らせたんですって。
そしたら、お金を使い果たして、つまみ出されたんだと。うえええ、あんなに金持ってたのに。
十郎は頑固だから、そんな屈辱は耐え難いかもと七娘。
路頭に迷わないように捜させていると柳適。
私もやっと分かったと柳適は言います。
どれも全て、父である私に非がある。今後十郎のことには口を出さない。誰を娶ろうと何をしようと、無事でいてくれれば十分だ。
そこに五じいが慌ててやって来ます。あ、百里家だったのね、ここ。
アーランが乱心して、寛郎の墓を掘り返す、と、だってー(笑)
そっか、五じいも知らなかったのかな?百里延は全てをひとりで済ませたのかな?
聯昉でも大忙し。
この15日間、水路や陸路に怪しい荷はなかったか。
間風や神足は、銅製の箱を見つけ次第報告せよ。
爆発で自分を庇って高秉燭が犠牲になりそうな夢を見て、武思月はハッと目覚めます。
足を怪我していて動かせないことに気付くものの、なんとか起き上がると、内衛の護衛が動いてはいけませんと止めに入りました。
高秉燭はどこ?無事なの?と縋るように叫ぶ武思月。
陳武(ちんぶ)は、月華君を医官に見せるのに気を取られ、覚えていませんと誤魔化します。
武思月は李北七を呼ぼうとしますが、今日は見てないんだって。
去り際に李純(りじゅん)は、これから奉御郎のところにも薬をと言いました。
驚く武思月ですが、まあね、夜通しの妹大捜索で体調崩したんでしょうよ、自分も。
陳武と李純は何度も名前が出て来るんだけど、未だ、顔を覚えていません。ごめん。
ちょいちょい出て来てるんでしょうが、全く目に入らないのよ、顔が(^m^)
春秋道がそれほどの威力の武器を作るのはなぜだと思う?と公子楚。
高秉燭は言いました。
燃灯大典。
公子楚と高秉燭の元に、安白檀からの報告。
銅製の箱は見つかっていない、情報もない。
つまり、大量の伏火雷霆はまだ神都に入っていないと高秉燭。
本当に存在するのかという安白檀に、高秉燭は、この目で見たと言います。
未完成の段階で、北山の巨石をも爆破できる。もし調合を改良したら更に悲惨なことになる。
20年越しの、あの皇帝の悲願だからなあ、天堂の完成とそのお披露目は。
たとえそれが狙われていようとも、陛下は中止にはしなさそうですよねえ。
周囲が大変だぞう?
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