汪鐸(ワンドゥオ)出演作巡り第三弾(笑)
美しく気怠く計算高く、たまに凛々しく情けないゴンズ。良かったですわー♪
U-NEXTにはなくて、あー、Amazonプライムの「エンタメアジア」に入らないとかーと入ったら、既に契約してる「みるアジア」にありました。ずーん…
でも、みるアジアさん、このドラマをお気に入りに何度入れても、視聴途中でも、その履歴データ消えちゃうの、なんでかな…
あらすじ
五代十国時代、則天武后の隠密機関として発足した女たちの暗殺組織の本拠地・姽嫿(きかく)城に妓楼から逃げ出した1人の娘が辿り着く。ここで刺客となることが生きのびる唯一の手段、そう悟った彼女は晩媚という名前を与えられ刺客となる修練を始める。同時に彼女は謎めいた過去を持つ孤高の男・長安を“影”と呼ばれる護衛に選ぶ。まっすぐな心で苦難に立ち向かう晩媚と、彼女に寄り添う長安。そんな2人はいつしか許されぬ恋に落ち…。
公式サイト
所感 ネタバレです
汪鐸先生出演作巡り(^m^)
「君子盟」、「陰陽師 とこしえの夢」と来たら、次はやっぱりコレですね。
考えたら、発表年は遡って見ていることになりますな。
こちらは「陰陽師 二つの世界」のほうで博雅役だった屈楚蕭(チューチューシアオ)がメインカップルの長安役で人気なので、それも楽しみにしてたんですけど。
うん、分かるわー、彼がこのドラマで注目されたのは。
2018年の作品なので、撮影時は23才くらいの若さだったと思うんですが、長安の抑えた感じがとっても似合います。誰が見てもパッと目を惹く容姿って訳ではない(ゴメン)彼が、寡黙な影としてとことん尽くすって、ちょっとびっくりするほどの適役でした。
博雅役は年相応なやんちゃって感じだったけど、こっちのほうが比べ物にならないくらい良い。
ちなみに、翻訳では「影」でしたが、中国語では「影子」なんですね。インズ。
どこぞ(慶余年)にもいたね、影子。あれはそういう意味だったか。
ヒロイン晩媚役の李一桐(リーイートン)は初めてでしたが、かっわいいのねー。
でも撮ってた頃って、27才くらいだったはずだけど、アップになると意外と。むしろベビーフェイスだからこそ、あれ?に見えちゃうんでしょうか。ゴンズ汪鐸と1つ違いくらいのはずだけど、ゴンズー、お肌キレイだよなー。
あと、うお、こんなところでこんにちは(←なぜかそう思った(笑)だったのは、この左にいる方ね。
「慶余年」の燕小乙(イエンシャオイー)の中の人、李子峰(リーズーフォン)。
慶余年でも、長公主にうるうるの眼差しを向けて傅いてた怖い人でしたが、こちらでも怖い城主、姹蘿(たら)の影、刑風(けいほう)。あ「風起洛陽」にも最初にちょびっとだけ出てたね。アーランに品評で負けてたっけ。
この2人にも結構なやり切れない過去があって、それでも刑風は変わらずに側に居続けると誓っている人。拷問担当なので、よく考えたねそんな方法…みたいな酷い罰を施すものの、それはそれ、これはこれって感じで、割と話の通じる人だったりもする。かなりお話の流れに食い込んできます。
なのでこのポスターも、城主、姹蘿より写真のサイズがでかいよ(笑)
実はこのドラマも、あれこれと大量のツッコミどころアリです。
いちいち挙げていたら、「万華楼」どころじゃないかもしれない。
なんだけど、なんでしょうねえ、それが余り気にならなくなっちゃうくらい、ぐいぐいお話が進んでくんですよ。細部を吹っ飛ばす勢い(笑)登場人物たち個々のキャラが立っている魅力と、映像美。
確か原作者が時間をかけて、直接的なエロを排除してキスシーンすらない脚本を書き上げたらしいんですが、なるほど、だからかあと思ったわ。人物の背景描写がしっかりしてたんですよね。元はエログロてんこもり小説だったとしても(笑)
水墨画っぽいアニメーションで、過去回想の説明が入るのも、評価は分かれそうですが、私はこれはこれで効果的だと思いました。このお陰で、メインの時間軸との切り分けが明確で分かり易かったよ。
音楽もとても良い仕事をしています。
「万華楼」は庶民と上流階級の差みたいなものはあれ、武芸も出て来るとはいえ、割と現実の人間世界に即したお話だったんだよね。だから、ねえ、そこどうなのよ?が目立つといえば目立つ。
でもこちらは、最初からバリバリファンタジーの世界なんですわ。
蠱とか、不思議な珠とか、血を吸う傘とか、怪しげなものが当たり前に出て来る世界なので、多少、なんなんだ、それ!と突っ込んだとしても、この世界ならそういうこともあるか、OK、飲み込むヨ( ・∀・)ノ みたいなのがベースにはあったよね(笑)
設定の妙(設定のトンデモ?)ってのがまずあるんですが、女性主に忠実に仕える男性の影って、なんかそれだけでいいよね。執事萌え、と同じ(^m^)
主と影は情を交わしてはいけないとか最初に結構厳しく言われるけど、城主と影が、明らかにただならぬ感じでイチャついてる、ソレはどうなんだ?ってな。
最初に晩媚に手を差し伸べようとしてくれた流光も、姽嫿城では影にご奉仕?させてたりするんだけど「心」が伴わない行為なら良いってこと?心から愛し合ってはダメなの?
ま、そこら辺の掟とやらも、というかいわゆる「掟」と呼ばれるものはほぼ、為政者に都合の悪いことを下々にさせないためのものですしね。
姽嫿城の城主たちは、若様ママに始まって、姹蘿も、心身共に自分が全うできない愛なんて、下の人間に全うさせてなるものか!ってトコじゃない?
特にタラちゃんは、そういうとこ異様に苛烈だもんね。
刑風みたいに、自分のような思いを、自分に似ている長安にはさせたくないなんて気持ちは、これっぽっちもない。自分がこんなに苦しいんだから、気に入らないヤツはもっと苦しませて当然という種類の思考。
まあ、この人も、踏んだり蹴ったりの人生を生き抜いて、ここまで上り詰めた人ではあるんだけど。
刑風くん、もう少し若くて素直なうちに、ちょいと矯正はできなかったんですかねえ。晩媚にはできても、タラちゃんは相手の心を攻める術を知らないみたいなセリフがあったけど。それを教えるのは、アナタにしかできないことだったはずだけど。
だって中盤まで、酷いことして高笑いしては、ふと、あ、呆れてないわよね?って刑風の顔色うかがってたじゃんか。
これだけのことしてきて、未だにそんなこと言うの?ってむしろ私は驚いたシーンだった。とっくに呆れてるだろうと思ってたから(笑)
だけど彼は彼なりの忠誠心ってものを堅く持ち続けていて、タラちゃんとの過去の記憶も、自分だけは決して忘れないと誓っていたからねえ。それでも、どんどん人ならざるモノみたいになっていくタラちゃんを見ていて、何も思うことがなかったはずもなく、多分。だから後半の行動となっていく訳だよね、多分。
ま、命のやり取りなんて刹那的な日々を過ごしている女性刺客の傍らに、献身的に尽くす男がびったりくっついていたら、そこに何も芽生えない訳がないってシチュエーション。
男がロクでもないヤツの場合は、当然の如く使い捨てだけど、そうでないちゃんとした影ならもうね。心が動くのは当たり前。
ああ、こういうの、谷崎潤一郎っぽい設定だなーと、思って見てました。
彼の作品のテーマに、女性拝跪ってのがあるんですよ。どんな理不尽な目に遭っても、とにかく男が傅く。例えば最初は何も知らないウブな女の子だったとしても、自身の魅力に気付いたり、なんらかの理由でのし上がったりした時、常に近くにいてくれる男には結構酷い仕打ちをしたりする。だけど結局のところ、最初から男は、その手の質があると見込んだ彼女をそういう目論見で育て上げ、自分を足蹴にする理想の女を見上げて、愉悦を覚えてたりする、みたいな。
この人、実生活でもそういう性癖全開で、ええとこのお嬢さまだった最後の奥さんが、座敷に座って上品にご飯を食べているところ、自分は一段下の土間に座って見上げてたらしいよ。奥さんがいくら言ってもやめなかったらしいよ。だけど、子供が欲しいという奥さんの希望は決して叶えてはくれなかったそう。だって子供ができてしまうと、自分の女神が別の人間(自分の子であってもこういう感覚だったと思う)の母になってしまうから。自分だけの女神サマに拝跪できなくなるから。多分ね。
彼の性癖(作品テーマ)には、女性拝跪に母性憧憬が絡み付いているので、嫁を自分以外の人間の母になんて、とてもさせられなかった訳よ。多分ね。ちなみに谷崎は足フェチ。踏まれたい。関係ないけど(^m^)
谷崎の根底にあったのは相手を思う心ではなく、あくまでも自身の理想を追い求める傲慢さ。なので拝跪はしてないけど、感覚は若様に近いかもしれません。
谷崎の性癖の根っこは、幼少時に見ていた自分の両親の関係性(大店の跡取り娘と使用人入り婿。家業に失敗し母を苦境に追い込んだ父)だったりするのも、ええとこのボンだったから乳母に預けられっ放しで、母親に強い愛着と見捨てられ不安を抱えていたのも、ママの呪縛に抗えない若様寄り。
うは、あの文豪好みの設定だわなー、なんて邪念?が混じって、ニヤニヤしてました(笑)
だから、晩媚への愛情を自覚しつつも、手を差し伸べたり突き落としたり、あの子が大切だと言ったそばから、どう考えたって怒らせるだろうに、晩媚の大切な人を排除しようとしちゃう訳の分からない若様の言動も、なんなんだこの人、ともならず。歪ませられてしまった境遇のほうに思考は飛んでしまった。
ただ普通に考えて、恋敵としても政敵としても、長安は若様にとって邪魔者にゃー違いなかったよね。
もっともっとクズだって良かったけど(ぉぃ 笑)晩媚を愛してしまったから、とことん利己的にもなれなくなっちゃって、自分の命より晩媚を生かすことを決めちゃって。
最終的には助かるけど、自分の命は残り数日って覚悟を決めた顔は、どう考えても若様の晩媚への真摯な想いあればこそ。なのにそういう覚悟や想いの隙間をぬうように、クズ言動が紛れ込む(笑)
それでも、中途半端に本音が漏れる不器用さも、自分で仕掛けといて、まんまと捨ててかれて、えっ!?って素で驚いちゃうのも、月影は何があっても自分の側を離れないと信じ切ってたのもねえ。
あーもーダメな子カワイイ♪でしたよ、若様贔屓としては(^m^)
それに、そもそも全ての元凶は、この人の両親だもんな。ほんっとハタ迷惑な人達。
地位のある人の子として育って、長い時間をかけて歪まされてきた若様と、どこからの記憶がどう残っているのか分からないけど、結局のところ雑草魂の長安とは、もう根本的に質が違います。
だから長安は、地位も立場も捨てて、愛する人を命をかけて守る選択ができる。
でも若様は、自分以外の人間は全て盤上の駒という権力者の世界で育ち、14、5才で早くも武功をあげて将来を有望視されたけど、皮肉にも、だからこそ、栄華の絶頂で実の母親から視力を奪われちゃってる。復讐を擦り込まれちゃってる。そんな失意のどん底に叩き落とされた思春期から、歪みを醸し続けて発酵完了(笑)しちゃってる若様には、長安みたいな真似はできない。
それに長安にとっては、その地位と立場って、つい最近押し付けられて、無理矢理背負わされてしまったみたいなものだしね。この時代の人だから、大義とか言い出されると弱いでしょうが。
ただ長安もさ、様々考えると、なかなか告白できない理由だったにせよ、打ち明けなさ過ぎじゃーありませんか?黙って守るのがカッコイイのかもしれないけど、私はイヤよ。こんなにまで何も言ってくれない人。主と影っていう立場だけ考えたら、それが正解なのかもしれないけど、アナタ、一旦晩媚の手を取ってますからね?
晩媚だって、何度もソコに突っ込んで、話して欲しい、打ち明けて欲しいって言ってるのに、んまー、兄さん頑な。巻き込みたくない、大事にしたいって思いは分からないでもないけど、晩媚は全て理解し合って、共に力を合わせて立ち向かっていきたい人。だからあくまでも蚊帳の外みたいな態度は、むしろ不信感に繋がるし、心を閉ざすの当たり前よ。そこんとこ、ちゃんと分かってんの?長安さん。
先にも書いたけど、そもそも長安は、自身の境遇をこの間知った訳だよね。ほぼ青天の霹靂。
そんないきなり、則天武后の娘の子孫とか言われてもって、戸惑いませんでしたか?
だって、孤児だった自分を拾って育ててくれたと恩を感じていた人さえも、自分の出自を知っていたからこそ助けたんだとかさー。は?何それ?じゃない?捻くれた言い方だけど、そうじゃなかったら、彼は野垂れ死んでた訳だよ。拾ってくれた人は、ただの親切心や純粋な厚意じゃなかったんだから。ま、忠義心だった訳だけど。
それだって考えようによっては、臣下達は主君の子孫の生き残りを、自分達の忠義や大義を掲げるシンボル(駒)として、使いたかっただけ。シンボルがいないと自分達の行為は、ただの謀反だから。
謝瑩(しゃえい)に見え隠れしていた、なーんだか居心地の悪い感じは、そういう身勝手さみたいなのが漂ってたからなんですよねえ。
長安としては、姹蘿に殺された恩人一家の敵を討とうと心に決めていた訳だけど、その謝家が滅ぼされたのだって自分の出自のせいだったとか、だからこそ、あなたは謝家の恨みを晴らし、謝家の悲願、唐王朝の復興を成さなくてはならないとか、謝瑩(しゃえい)がぐいぐいぐいぐい詰め寄ってくる。
え、待って、恨みは晴らそうと思うけど、そこまで背負わなくちゃいけないの?ってのが本音ではあるまいか?今まで何ひとつ、知らされてなかったのに。ここに来て急にそんなデカイ荷物背負わされても。
謝瑩、アンタ、知ってたならどうして姽嫿城に入る前に教えてくれなかったかなーと思いませんでしたか?
ってな。
何も聞かされずに、ただ守られているだけの歯がゆさや虚しさみたいなものは、重々経験しただろう長安が、晩媚には同じことをする。晩媚は一緒に立ち向かいたい子だと、分からないはずもないのに。
さらに長安の場合は、そのめんどくさい出自のあれこれを知らされて、ぐるぐるしたのは、このドラマになってる時間の中だけ。
だけど、若様は違うんだわ。
14才くらいから、ずーっとあの環境に晒され続けてきた訳だわ。視力まで奪われて。そりゃ、歪むわ。
恋心も大事だけど、もっと大事なコトがあってなって、なるわよ。抱えて来た年月が違うんだもの。
だけど、そんな若様だって、以前は感じなかった、自分の命を救う術を断っても、晩媚の命を奪いたくないって気持ちが芽生えてしまいます。
以前の若様だったら、そしてこれが晩媚じゃなかったら、若様はやってただろうと思う。だけどあの流れで、仕方なく晩媚の顔に刃物を入れた時の顔よ?解毒薬あるって分かってても、あの苦渋の決断。
だから月影の言うように、若様にだってちゃんと真心はあって、若様なりに真剣なものではあった、んだけどもっ。
若様、私は巷で言われてるほどクズだとは思わなかった、んだけどもっ。
晩媚に見合う愛情という意味では、長安には到底勝てませんでしたよねえ。
ええ、それは間違いなく。
最後まで諦めずに口説きに行ってたのはある意味びっくりアッパレだったけども、長安拷問死を聞かされた直後に、高みの見物してただろうと罵られた直後に、ゴンズ、どう考えても無理だろうよー。そこで権力者の手を取る計算のできる女じゃないから、惚れたんでしょうに。
でも、晩媚の慟哭を聞きながら去る時の、若様の細かい演技が好き。
んだあー、どうしよう。このドラマ、語ろうと思えばどんどん言葉が出て来るーっ。
それを言っちゃー根本から…になっちゃうかもしれないけど、まず、これだけの目に遭いながら、人を殺せない刺客、晩媚。
おかしいだろうっ!(笑)
ええとこのお嬢さまならいざ知らず、食べるのにも苦労して、いいお金になるからと、自ら志願して死体運びまでして、家族のためにと必死で働いてたってのに、父親に粟一握りと引き換えに売られてしまった。生きるか死ぬかの瀬戸際で、必死で抜け出して、文字通り泥を啜ってでも生き残ろうと、刺客組織に飛び込んで拾われてんのに。
だめ、できないって、何を甘ったれたことをぬかしとんじゃー!という話ではあります。刺客とはいえ、依頼仕事なんでね。仕事のできないただ飯食らいを置いとくような、慈善組織じゃないんだよっ(笑)
ま、晩媚のターゲットは、なぜかみんな自分から死んでくんで、結果、失敗じゃないんだけど。
こういう時代のこういう育ちの娘が、これほどまでの道徳観や真心や才能があったってことも、ま、所詮ドラマだからねぇ、ではありますよね。
精神的な意味でも「掃き溜めに鶴」だったから、長安も若様も、持ってかれちゃったのは確かで。
ま、だいたいそうか。主人公の稀有さ加減ってのは、どこの物語も一緒ってもんか。
だからというか、なのでというか。
極々前半の、ねぇ長安、私のコト、好きでしょ?きゅるるんっ♪な晩媚には、だーかーらー、半人前が何言うてますのん?感はじわつきました、正直。李一桐の可愛さで押し切ってたけど。
人によっては、晩媚と長安、いつまでもそこでグダグダといちゃついてんじゃない、さっさと行動っ!とイラつく人もいるのではないかと思う(^m^)
ただ、そんな晩媚も変わっていきます。
このドラマは、その変化も見どころなんだろうなと思います。
李一桐も熱演でした。
ラストはなあ。
公式見解では「長安は死んでいる」らしいんですが。
ならば、あの詩はなんなんだ?と。
団扇の皮は本人のものだったとしても、だ。
最後の映像は、単に晩媚の妄想の中だけのものだとは思えない、というか、思いたくない。
あの涼州の杏の木のある家で、彼はひっそりと暮らしているのではないか。
他の人ならいざ知らず、刑風なら、それくらいのことはできたでしょう、したでしょう。
というね、ラストはこの人の胸先三寸に委ねられていました。
流光をああいう形で失ってしまったからこそ、長安には、タラちゃんの死を越えて、何かしてくれたと思いたいじゃないか。自分達はここまでのことをしてきてしまったけど、他にもっとやりようはあったのではないかと、この人だけは分かっていたんだから。
それにしても、メインカップルの男性が団扇になって退場って、すごい設定だよね(笑)
若様が最後に晩媚を太平公主の子孫だと扇動していたのは、長安勢力を手に入れるためでしょうね。史実では晋王の治世は3年くらいで、若様、李嗣源(りしげん)が2代皇帝になってるしね。
月影さえも失ってしまったけど、命が続いていくなら、若様にはするべきことがある。晩媚みたいに絶望の淵で、自分はもうおかしくなってるんだって、逃避できない立場にある人なんだよねえ。目は見えるようになってしまったから。
月影の晋王後宮入りも、本当に見限ったのか、晋王の内部から若様の手助けをするつもりだったのか、本当のところは分からない。若様の前でそれを口にした時、後ろめたそうな顔はしてたけど。
若様がこれからも微妙な立ち位置で生きて行かなくてはならないなら、これからの月影にできるのは、側についていることではなく、と、考えたとしてもおかしくはないんだよね。
いやー、もっかい見よう。
若様の佇まいや御手の美しさを愛でつつ(酔っ払いも(笑)、若様、最後にひとりであっこに入ってったのも、なんか意味あるよね?とか考えつつ。
ってくらい、後を引くドラマでございましたー。長々書き過ぎたっ。
作品情報
- 制作 2018年発表 全36話
- 原題 「媚者无疆」
- 原作 「媚者无疆」半明半寐
- 監督 易军
- 脚本 半明半寐
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