あらすじ
楊平（ようへい）の似顔絵を求め鄧展（とうてん）が司馬朗（しばろう）を訪ねる。直前に届いた司馬懿（しばい）からの文によって、偽の楊平の顏を描いた司馬朗だったが、隣人たちも似顔絵を描かされたことを知り、慌てて鄧展を追う。趙彦（ちょうげん）は、董妃（とうひ）が生前言っていた火事の日の謎を探るため焼け跡を訪れるが、郭嘉（かくか）たちに捕まり…。
三国志 Secret of Three Kingdoms 公式サイトより引用
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ネタバレ感想
前庭の真ん中に立っている楊修。左右を流れるように歩く官吏達。
絵面がキレイでしたねえ。中国の時代劇は、こういうところが本当に美しいんだよね。
冷寿光にチラリと視線を投げて、いつまでも郭嘉の犬を飼ってると噛まれますよ、なんてぇ嫌味をチクリと言う楊修ですが、劉平は冷寿光を庇います。
楊修には分からんだろうが、秘めた恋の力は偉大なんだぞ♪多分
劉平は、鄧展の件を尋ね、強硬姿勢の楊修を止めました。これが人助けでしょうか、まずは鄧展を消さないように。そして郭嘉も。
郭嘉への恨みで大局を見誤らぬようと窘め、不満そうな楊修に、危険ではあるがもうひとつ別の手があると劉平は言います。こっちが本題か。一旦不満にさせて代替策に飛びつかせるって、そんな手管が使えるようになったのぉ？
温県での鄧展は、司馬家の隣人から劉平に似た楊平の絵を貰い、事の重大さに気付きます。でも司馬家では、司馬懿からの伝書鳩が間に合い、お兄ちゃんの司馬朗は、似てない司馬懿の絵に合わせて似顔絵を描きました。兄貴も上手いな。
ただ、この差がむしろ司馬家を追い込むよねえ。
案の定、隣人も似顔絵を描いたという知らせを受け、司馬朗は慌てます。この時点では何も知らないはずだけど、さすがの読みと行動力の司馬家。
持参した紙に似顔絵を描かせたのは、すり替えを防ぐためかあ。
劉平の元では郭嘉が、いつまでも曹操邸では申し訳ない、焼けた宮殿を修築してそちらに迎えたいと言ってます。それを聞いて、朕は長居をしてしまったようだと返す劉平。回りくどさを理解して即座に反応するのが、なかなか板についてきたかもしれないな。ちょっと京の嫌味風。
でもそこで、郭嘉も多分こっちが本題、あの火事で死んだのは宦官一人だけだったかと尋ねます。それを肯定し、なぜそんなことを？と逆質問した劉平は、終始、表情にもすごく気を遣ってたんじゃないかな。そこで郭嘉は、探りを入れてきました。
焼け跡を片付けた時に、妙な死体を見つけた。
劉平の表情を探る郭嘉の目ったらなかったですね。緊迫の瞬間でしたが、劉平はそれは郭祭酒に任せようと、特に興味もなさそうに返し、そういえばいつから講義をしてくれるのだ？って、大事なことはそっちだよー的返しが出来ました、えらいえらい。きっと裏で聞いてる伏寿もほっとしている筈だ。
郭祭酒の目に映る天下の情勢を講義して欲しい。
そう頼んだ劉平。郭嘉はこの乱世をどう見ているかっていうのは、確かに興味があるよね。曹操側だの漢王朝側だの取っ払って、純粋に聞いてみたいんじゃ？
ただ、小石を投げて反応を見た郭嘉だけど、気付かれることも想定内だったようで、今度はこの死体の話を広める策に出るみたい。「妙な死体」が「宦官の」にかかるのか、それとは別の遺体があったって話になっていくのか。
更に郭嘉は、鄧展を帰らせたくない者もいようって、お迎えを出す指示。既に楊平と司馬家周辺に、秘密があることは確信してます。
全然知らなかった司馬朗兄ちゃん、がんばれっ
許都に急ぐ鄧展を、司馬朗が狙います。
鄧展もそれが司馬朗だと分かっていて、急いで似顔絵の入った筒を埋め、短剣を投げました。でもそこで矢を構えていたのは実は２人。司馬懿がギリギリ間に合ってた。短剣は司馬懿に刺さり、司馬朗の矢は鄧展に刺さりました。死んでないけど。
なんとか似顔絵を探し出したところで、馬に乗った袁紹の部下、淳于瓊(じゅんうけい)が通りかかります。隠れた司馬兄弟の前で、淳于瓊はまだ息のある鄧展を連れていきました。
一方、暗闇の中、宮殿の焼け跡を調べ回っているのは趙彦(ちょうげん)。
思ったより動きが遅かったな。この人は張宇の穴掘り現場にもいたし、王越襲撃の場でもかなり突っ込んでたし、何より幼馴染の董妃への思いが強い人。火事を調べてというのが董妃の遺言だから、もっと早く引っ掻き回すと思ってた。お、やっと来たなって感じ。
焼け跡から布地の燃え残りを見つけた時、趙彦は警備兵に見つかり、満寵のもとに捕えられます。
そこには、なんだか愉快そうに眺めている郭嘉も。満寵が趙彦に焼き鏝を当てようとした時、郭嘉はそれを止めて、趙彦に囁きました。
探っているのは陛下に関係することではないか？
死んだ宦官にも関わるのでは？
董妃のためにやったんだろう？
うっひゃ、悪魔の囁き三段攻撃(笑)
そこへ、聞きつけた孔融が抗議に。じいちゃん外で元気に騒いでます。孔融は真っ直ぐ過ぎてちょっと厄介なので、それを見込んで、郭嘉は拷問を止めたらしいよ。で、そのまま釈放ね。
趙彦はまだ何も知らないから留める意味はなく、でも釈放すれば代わりに色々と調べてくれると。ただ拘束して拷問するより、はるかに建設的。人を勝手に働かせるってのも、郭嘉らしいんでしょうね。
鄧展の帰りが気になって眠れない伏寿。劉平は証がないのだからシラを切りとおせばいいだけ、それでもバレて曹操が皇帝と認めなければ一緒に逃げませんかって。一旦口にし、すぐに、すみません、漢王朝を捨てろなどとってつけ足したんですけど、ちょっと伏寿の目が今までとは違ってたみたいな気がします。逃げるという選択肢に、初めて気づいたみたいな顔してたね、なんか。
さてこちらは足に鄧展の短剣が刺さっちゃった司馬懿。このところ傷が絶えませんねえ。劉平のせいなんだか、巻き込まれてった自分のせいなんだか。
本当のことを知った司馬朗は、大慌てで司馬防の元に飛んでいきます。
兄ちゃん、段差でのコケ方がものすごく自然で上手すぎー
とはいえ、コトがコトだけに司馬防、司馬朗、司馬懿、3人の意見もなかなか合わず。司馬防も楊俊から何も聞かされてなかったのかな。ただ巻き込まれて司馬家存続の危機って、なんのために用心して温県に引きこもってたのか分からないじゃん、パパ。さすがに司馬防も少し考えたいと。
釈放された趙彦も、布の切れ端から温県にたどり着き、楊俊の息子、楊平があの日宮殿に入ったのではってところまで、繋げて来たぞー。
郭嘉は劉平への講義があるらしいんですが、任紅昌とだらだらラブラブしています。
そこに満寵が報告に。入れと言われ、入ってよいのですか？って満寵の顔よっ(大笑)
満寵の年齢設定、いくつなんでしょね。エロ耐性なさ過ぎて粗相が可笑しいってば。
本題は、袁紹の兵が鄧展の帰路周辺に出没したという報告です。あ、そっか、気付かなかった。これが劉平の策「危険な別の手」だったの？
初講義。劉平の机の上の竹簡を開いては、次々に床に落とす郭嘉。こんなもの読んだって何の役にも立たないよってことねぇ。
陛下には不要のものです、お知りになりたいことは何ですか、と、単刀直入。
劉平は、官渡のことを話してくれって。
優勢なのは曹司空か袁紹かと聞く郭嘉に、曹司空が勝つと言ったら、心にもないことをって退出しようとする郭嘉。うそぉんと思ったら、劉平が言葉を続けました。
数では袁紹にはかなわないが、曹軍には郭嘉の用兵術があり、単純に数だけでは語れないと。
郭嘉は講義の場でも、劉平の本音を探り出そうとしてるんだな。ひとまず退出せず、講義を続けます。曹操は10の点で袁紹に勝っているらしい。続くやり取りも面白かった。劉平も疑問は口にし、郭嘉も応える。どうしても劉平は「目の前の者を救わずして何が仁義だ」から離れられない人。要するに皇帝レベルの器じゃないよね。これには郭嘉も色をなして反論しました。
小さき仁義で救えるのは数人。
揺るぎない心で戦禍から民を救い、過ちで兵を死なせない、これが大いなる仁義。
そもそも視座が違うんだ。偉そうなことを言っても、劉平はどうしても皇帝の視座で物事を考えられない。だから視点も視界も全然違ってしまう。もうこれは良い悪いじゃなくって、器の差。
そこへ満寵から、袁紹軍の一隊が許都に不意打ちをしかけてきたとの知らせ。
すぐに逃げたらしいんですが、それを聞く郭嘉の訝しむ目っ(笑)
これは鄧展対策のための攪乱策ですよね。一隊がフラついて許都をのぞき込みに来たところ、偶然捕まっちゃった不運な男、鄧展っていうシナリオ。劉平の発案に、楊修がアレンジを加えて実行した結果ね、多分。
似顔絵入り丸筒を持って来た満寵に、緊張する劉平です。中身を見せずに郭嘉と満寵は退出しましたが、多分司馬懿が上手くやったと思うよー。一旦回収した筒をワザとまた置いたんだから。
たまたま張繡隊に参加の許可を取りに来た楊修を連れて、郭嘉と満寵は役所に戻って行きます。あ、楊修もこれ「たまたま」じゃないな、タイミング見て確認に現れた？
とはいえ、劉平と伏寿は、これでバレたか…って状況です。伏寿は急いで劉平を伏完の元に逃がそうとしますが、劉平は動きません。
伏寿は、首謀者は自分達、巻き込まれただけの劉平を道連れにはできないと思ってる。けど劉平は、自分はもう二度と駒にはならない、自らの意思でここにいると、その覚悟はできている様子。
これ、伏寿も変化してるってことでしょうか。劉平を救おうとしてるの。死なば諸共の策に、自分達で引き入れたはずなんだけど。例え失敗しても、騙して連れて来た劉平だけは守れるなんて甘いこと、ハナから思ってたとは思えないんだけどなあ。
でも、子供みたいに泣く伏寿は可愛かったよー♪
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