ちょっと、ソコ、どうなってんのさ?は多々あります。
これタイムスリップじゃないの?パラレルなの?から始まって、時空を超えた同一人物が普通に対面して会話して、大丈夫なん?それで10年前の自分の人生変えちゃったら、元の時間に戻った日常もめちゃくちゃ変わってるはずじゃない?
ってな様々を誤魔化すつもりで、邦題がパラレルなんでしょか?
それとも、パラレルワールドじゃなくて、過去と未来の両方ラブってこと?
所感 ネタバレです
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私は李宏毅(リーホンイー)って人を、終始、スンッとしていた「純真ロマンス」でしか見たことがなかったので、御曹司ジアオ・ヤンのアホ言動に毎度、お、きたなっ!と呆れ笑いになりつつも、あれ、この百面相はおもろい(^m^)となるのに時間は要りませんでした。
古装のおすまし貴公子はキレイだったけど、こういうハチャメチャも似合うじゃん、と。
どこかのインタビューで、本人は現代劇より古装劇のほうが好きかも、なんて言ってたみたいだけど、コメディの現代劇だから、コレだけかっ飛ばしてくれたんだろうか。やっぱり「劉皇后の仰せのままに」を見ないといけないだろうか(笑)
でも現代劇で気付きました。彼は肩幅が狭い。朱一龍にーさんとどっこいかも。どーでもいい話(笑)
厳密に考えれば、タイムスリップなら上記みたいなことになるし、パラレルワールドならラストシーンはあり得ない。とは言え、そんな設定の不自然さなんか吹っ飛ばす勢いのアホぼんっぷり。
だけど気付けば少しずつ、彼もまともになってくんだよね。最初はいい加減な仕事っぷりで、傲慢で大人になり切れてないお子ちゃまだったけど、そもそも心根は優しいし、部下を守るために自分が責任を取ろうとしたりする。だから色々と振り回されつつも、部下達はやけに彼を慕ってます。
いやー、それにしてもヒロイン。
どこかで見たことある人なんだよなーと思ってたら、やだ「明蘭」の墨蘭じゃないのっ!しばらく分からなかったよー。
10年前の本人、リン・ウェイジュンと、タイムスリップしてきちゃった10年後のリン・ミアオ(咄嗟の偽名)の2役?っていうのかな。
施詩(シーシー)は美人さんだけど、10年前の甘ったれ娘姿は時々、うん、ガンバレとは思いました。李宏毅が撮影当時21才くらいで、頬の辺りに幼さが残ってる年齢だったせいもあるかもね。
ただウェイジュンも少しずつ成長してしっかりしていくので、後半は時々、これはどっちだ?と分からなくなることもあったのよ。違いを強調するのに、も少し外見を分かりやすく変えて欲しかったかもしれません。
そして、御曹司を逆恨みする父親違いの兄、スー・チョンジュンに、「命がけブライダル」の楊澤(ヤンゾー)。
毎度ブログにするのに、簡体字をどうしようが悩むんだけど、この人の場合、繁体字で楊澤と書くより、簡体字で杨泽とした方がマッチする気がしますね(^m^)
最初から、ちょいと胡散臭いな、腹に一物抱えた人物っぽいなってうっすら匂ってはいたものの、その後、悪役に振り切っていく変化も面白かった。
でも、ごくごく初期の、うざったい彼女ウェイジュン(10年前のミヤオ)に纏わりつかれて嫌気がさしてる姿は、むしろチョンジュンのほうに同情してしまったけどね。それくらい、10年前の主人公はダメダメ女子だったので。10年後の本人が、自分って10年前はこんなにダメ女だったのか…と頭を抱えるくらいだ(笑)
自分の昇進がかかった大事な仕事の発表の日。ミヤオがカフェの扉に手を懸けた時、偶然ジヤオ・ヤンとぶつかり、タイムスリップしてしまうってところから始まります。
とはいえ、一見してその場の変化はなかったために、ミヤオは普通に続いている日常だと思い、ジヤオ・ヤンの存在を、ライバルからの嫌がらせだと思い込む。阻止しようとジヤオ・ヤンに挑みかかり、逆に10年前のその日に開催されたジヤオ・ヤンの副社長就任のお披露目会をぶち壊してしまう。
気付けば、どこぞから、3か月以内にジヤオ・ヤンを社長に就任させなければ、10年後の世界には戻れず、あなたは消えると、なんだそりゃ!?なメールが届いちゃう。仕方なくミヤオはヤンのアシスタントとして会社に潜り込み、なんとかミッション完遂に向けて奮闘していくって設定です。
だけどヤンにとってミヤオは、大事なお披露目を邪魔されて恥をかかされた訳の分からない女。そりゃ、素直に迎え入れてはくれません。住む家もないミヤオが、会社の寮に入る申請をしても、却下。
でも、帰る家もない状況だったと知り、あれ、腹立ちまぎれの処置で路頭に迷わせた?と、気まずくなってしまい、自分の家に連れ帰る。既にここから、傲慢我儘御曹司、実は根はいい子がにじみ出る(^m^)
そんな訳で、10年先の三十路のバリキャリが、25才?のお子ちゃま御曹司にぴったりと張り付いて、私生活も社会人としての心構えも、叩き直しつつサポートの日々が始まります。まあ、子守りよね(笑)

キリリッとした顔の電飾泥棒(笑)
ヤンの父親はホンユーグループの会長で、息子のヤンに期待は寄せているものの、今のままでは理事会を納得させるのは難しいと理解しています。
その理事の中に、分かり易い反対派がひとり。序盤はコイツがいろいろと邪魔をしてきます。
中盤からは、義弟を恨んでいるスー・チョンジュンが敵役として成長(笑)
どうやらこの人、ヤンの母親の前夫の息子。前夫は結構なクズだったらしく、母親は息子を置いて離婚。その後チョンジュンは、あちこちたらい回しにされて育ったっぽい。
設計士として有能だった母は、ヤンの父親と再婚して、ヤンを産んでいました。その後、早世。
同じ母から生まれたのに、その境遇の違いへの僻みと、母親に捨てられたという思いとで、チョンジュンはホンユーに就職して、復讐のチャンスを窺ってた。
更に、チョンジュンは10年前のミヤオである、ウェイジュンの彼氏だったんだけど、自分の足で立つことをせずに常に縋り付いてくるだけのウェイジュンからは心が離れてました。
チョンジュンとの別れの記憶は、ミヤオの中にもあります。同じ会社だったのかと気付いて、避けてたんだけど、ヤンの周辺を探っていたチョンジュンに執拗にまとわりつかれることに。
それにしてもチョンジュン、自分が捨てた彼女に瓜二つのミヤオにこれほど執着するって。ヤンに対する対抗意識で、有能なアシスタントを奪ってやれってのも大きかったのでしょうが、そもそも見た目タイプではあったんでしょうね。
ただ、チョンジュンに縋りついていたウェイジュンも、早くに両親を亡くし、おばあちゃんに育てられた寂しんぼだったのは確か。だとしても、23才でこの子供っぽさはないかな。会社には来ないでと言われてもしつこく行っちゃうとか。そこら辺の感覚は日本人とは違うのかもしれないけど。迷惑かもっていう想像力はないのね。
チョンジュンに捨てられ、おばあちゃんも病気に倒れ、絶望してしまったウェイジュンは衝動的に海に飛び込み、それをミヤオとヤンが助けます。
でもこの時、ミヤオも思い出す訳です。
自分もどん底だった10年前同じことをして、病院に搬送された時の朧げな記憶の視界に写っていたのは、ヤンだったと。2人は既に出会ってはいたんだね。
そんな10年前の踏んだり蹴ったりを経て、このままではダメだと気付いたミヤオは、仕事に没頭し、バリキャリへと変貌を遂げていた訳ですが。
ミヤオも、しっかりしてるように見えて、酔っぱらって、私は10年先の未来から来た、なんてヤンに話しちゃう辺り、ま、可愛げといえば可愛げか。当然、ヤンはそんなの信じないしね。

色とりどりのスーツで登場するんだけど、スーツのままプールにドボンとか(笑)
それでも、最初は反発し合っていた2人が、次から次へと襲い掛かるトラブルを力を合わせて解決していくうちに、お互いを認め合い、互いに相手が大事だと気付き、想いが伝わった頃。
タイムリミットが近付いたミヤオの体調に、異変が現れます。
細かいところはドタバタコメディだけど、タイムスリップとかなくても、ダメダメ御曹司の成長物語とか、お仕事物語部分だけでも、膨らませられた気はしました。
信じられない俺様理論で突っ走るアホ御曹司だけど、細かいところ気遣っちゃう隠しきれない優しさとか、それを誤魔化そうとして更なる暴言を吐くとか、こういうの、李宏毅ってむしろ似合うんじゃないかと思います。スンッとしてる貴公子も、眺めるのにはいいけども。
あと、テンプレ的なライバル女子のポジションの子がいたけど、嫌味なライバルにならないのが良かった。子供の頃からヤンのことが好きだった子だから、ミヤオを睨むシーンも多かったけど、だからってよくある悪役ライバルにはならず、自分の仕事をちゃんと全うするし、想いは自分の中できちんと解決させます。素晴らしくいい子でした。父親は結局あんなだったけど。父親に説教できるほどの娘です。
これってもしかして、タイムスリップって前提があったから、女子ライバルの邪魔は必要なかったのかなとも思いつつ。組織の中で、様々な妨害にもめげずに頑張る御曹司の成長譚を主軸にすると、仕事上のライバルだけで充分、女子の妨害までは要らないもんね。
固いことこと考えずに、がんばれ~♪ってお気楽に応援していて楽しいドラマでした。
作品情報
- 制作 2020年発表 全24話
- 原題 「时间倒数遇见你」
- 監督 世鑫
- 脚本 任美璇、费丛笑、周萌龙、孙碧波、方兴未艾

人物相関図

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