鎮魂 29話　憎しみの果て　あらすじとネタバレ感想

あらすじ

鴉青（ヤーチン）が残した手がかりを求めて蛇族を訪ねた沈巍（シェン･ウェイ）と趙雲瀾（チャオ･ユンラン）は、祝紅（ジュー･ホン）の叔父から車のキーを渡される。見つけ出した車の中では高（ガオ）部長が倒れていた。一方、楚恕之（チュー･シュージー）と郭長城（グオ･チャンチョン）は、白素霞（バイ･スーシア）の妊娠を喜ぶ王向陽（ワン･シャンヤン）の動画を見つける。不運な偶然が重なり亡くなった白素霞だが、夜尊（やそん）にそそのかされた王向陽は趙心慈（チャオ･シンツー）のせいだと思い込み、復讐を誓っていた。

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ネタバレ感想

蛇族の元に向かう所長と教授。
王向陽(ワンシャンヤン)はただの人間、あの脅迫状の仕掛けは鴉青(ヤーチン)の仕込みではないかと推理する所長です。何か接点となりそうなのは、蛇族。

長老に鴉青の残した手がかりはないかと尋ねると、今朝預かったと車の鍵を持って来ました。
特調所に戻った所長達は、あの電話ボックスのプッシュボタンを眺めています。
今は使われていない電話ボックスで、街の景観のために残されているオブジェだから、使用されていないのに摩耗している数字が手掛かり？

教授の超人的な推理で(普通の人間じゃないけど)、連続する数字は「5019」ではないかと。
海星鑑でも郭副部長の元、車を探し始めましたが、そこを通りかかった欧陽教授と李茜の様子を見ると、欧陽教授が更に追い詰められてる感じですね。

川べりに放置されていた「5019」ナンバーの車から、高部長を見つけたのが午後5時。
車の中には、ドライフラワーになった白薔薇が落ちていました。根腐れし易く水辺には生息しない花で、花言葉は「純潔の愛」一般的には結婚式用だと林静。

ここは、王向陽と白素霞(バイスーシア)がウェディングフォトを撮った、思い出の場所だったようです。なぞってるのね、あちこち。でもさあ、そんな思い出の場所に、おっさん攫って置いとくって。

車の持ち主も事件には全く関係はなく、趙雲瀾パパ、趙心慈(チャオシンツー)の手がかりは、ここで途絶えてしまいます。
時間は既に夜の7時。あと5時間しかありません。

所長は子供の頃、飼い犬を探して、趙心慈から教わったことを思い出します。
行動を辿りたいなら、相手にとって何が重要か知ることだ。

小郭に電話をして王向陽について聞くと、電話ボックスがプロポーズの場所だったと分かりました。果物屋の前では、丁度不動産屋が、家賃滞納の王向陽達の荷物を外に運び出したところ。その中から、手がかりを探す楚と小郭です。

一方、王向陽は功徳筆で空中に印を書いていました。地上に大きなエネルギーのドームみたいなものが現れますが、王向陽はもう、長くは持ちそうにない感じ。
鴉青は、あの方と全亜獣と地星人は、あなたに受けた恩を忘れない、なんて言ってますが、そんなことはどうでもいいよね、王向陽にとっては。

地界の天柱前には、水を操る呉暁君(ウーシャオジュン)。そこにあの3人組の残りの2人が現れます。夜尊から力を分けて貰ったらしく、町の不良少年少女風から、いっぱしの悪者風になっていて、呉暁君も歯が立ちません。瞬間、多分お父さんの呉天恩(ウーティエンエン)が、瞬間移動で息子を助けて消えました。
夜尊は、だいぶ力を取り戻している様子だよねえ。

おっ、王向陽の荷物の中からアルバムを見つけた小郭、中の写真には、電話ボックスも川辺の車もしっかり写ってました。最後のページに入っていたのは、DVDのようです。
王向陽から白素霞へのメッセージ動画を、みんなで見ている特調所。こりゃー、かなり複雑な気持ちになりますねえ。
子供が出来た時、王向陽は自分の子供を龍城で最高の場所、龍城大学に行かせると誓っていました。白素霞は、世の中のために特調所で働いて欲しいって希望を持ってました。王向陽は自分が知っている中で最高の知識人は趙心慈だと言って、子供の名づけも相談しに行くつもりだったみたい。
特調所のことも、趙心慈のことも、人一倍信頼してたっていうのに。

龍城大学の屋上で、その趙心慈は沙雅(シャーヤー)の電撃を受けていました。
古班(グーバン)を殺したのは正しいことだったと言うのって言うんだけど、またさあ、この所長パパ、自分はやってないって言わない人なのよねえ。17話の包老三(バオラオサン)の時もそう。自分は撃ってないのに。でも、何を言っても言い訳になるとか思っちゃう人なんだよね。

だけど、恨まれても弁解しないのは、潔いってことじゃないと思うんだよ。
だって真実ではないんだから。
見当違いで無実の人に恨みを持って、復讐に手を染める相手の罪を助長してるんじゃないかなあ、その態度は。それに、甚だしい誤解は、目が覚めた時にめっちゃ恥ずかしいぞ？←
まあ、頑なに思い込んじゃってる相手なんか、普通に言っても聞かないでしょうけどね。特に沙雅なんて、質問しても答え聞かずに攻撃する人だしね。

趙心慈の言葉を聞いて、沙雅も二重人格なのって言うけど、そこまで人が変わったような発言ではないと思うんですが。王向陽も車を襲った時、趙心慈じゃない？って言ったけど、所長パパと入り込んでる地星人との違いが、いまひとつ明確じゃないんだよね、すごく分かり難い。研究所で一瞬の間に、全く正反対のことを言った時くらい違わないと、見てるほうは気付かないと思うんだけど、これ、私がボンクラだからなんでしょうか…

死ぬにしても、理由を説明してくれと王向陽に言う趙心慈。
そうなんだよね、あの信頼がなんでここまでの恨みになるのか分からん。
でも、鴉青が時間切れと言い、王向陽と沙雅が手を振り上げたところに、ようやくやってきました、息子(プラスその他)です。

そこで王向陽が理由を話し出すんですが…
そこまでの経緯には、充分同情の余地はあります。店を荒らされたりとかさ、嫁のタクシー事件とかさ。

あ、私誤解してたんですけど、中秋節の夜、白素霞が乗ろうとしたタクシーは2台で、1台目は浮気夫の鄭大銭(ジョンダーチェン)と愛人が乗り逃げして、次のタクシーが、お母さんの具合が悪くて急いでいて白素霞を無視した朱豪(チューハオ)だったんですね。納得だ。

でも、病院の件、趙心慈のせいで白素霞に輸血できなかったと思い込んじゃった件は、単に無知のせいでしょ。王向陽に教養がなさ過ぎた。輸血が、趙心慈に使ったせいで白素霞の分がなくなったとか、そんな単純なものじゃないのは、今時、子供でも知ってる話。血液に種類があるって知識は、もしかしたら血液型占いの功績もあるかなあ。
教育は受けたくても受けられない環境というのもあるとは思いますけど、医者にあなたの血は使えないと言われたのがどうしてか、そこに王向陽は突っ込んでないんだから、その時は無理でも、少し後になってなら、ある程度の憶測は可能だと思いますよねえ。

そこで分かり易ーい、親子の偽悪的なかばい合いなどもあり。
分かっていても、所長は結構傷付いちゃってますけど、踏みとどまったね。父親の真意になんか気付いてるよ、でも俺は20年も後悔し続けない、自分の心に従って行動するよって。

沙雅が小郭に電撃を撃つんですが、林静特製の防電ベストがそれを吸収してしまいます。
どうも分が悪いと思ったんでしょうか、2人はもう用済みだったんでしょうか、鴉青、ここでさっさと姿を消す。すごいな、この人も。

王向陽が功徳筆で沙雅に力を与えようとしますが、郭長城のビリビリ棒だの教授の力だのとぶつかり合い、王向陽は弾き飛ばされて屋上から落ちそうになって、間一髪、趙親子に手を掴まれます。

そこでやっと、誤解したまま死なせんと言って、趙心慈が病院での真相を話しました。
意識はあったパパ、廊下で目にした白素霞を優先してと言ってたのね。でも白素霞の血液は特殊で、趙心慈に使うものとは適合しなかった。RH－とかだったんでしょうかね。

夜尊め、一杯食わされたて。
今まで全く疑っていなかったってほうが、むしろ…

心は汚れる。
思い煩い、故に苦しみ、怒りは恨みを産む。
してはならぬことをせず、悪事を成さぬことが、すなわち天下の善だ。
その者こそ、世を救い魂を鎮める。

趙心慈の言葉に、所長、目を見張っています。
これ、どっちの意識が言ったんだろうね。鎮魂令主の在り方みたいな台詞。

その時、功徳筆が飛んで行きそうになります。
王向陽は、最後の力を振り絞って功徳筆を呼び戻し、「鍵」をあんたに返す、門が破られた、元には戻せないと言って所長に渡すと、そのまま消滅してしまいました。

ひとまず海星鑑重役誘拐事件は解決したものの、すっかりお通夜状態の特調所。
唯一の朗報は、趙心慈の容態が安定しているってことでしょうか。
あんなにいい人がと悔しがる小郭に、祝紅が言った台詞がいいですね。
人生は甘くない。災難は起きる。誰もが被害者に成り得る。
大事なのは、例え傷を負っても、正しい道を歩むか否か。
そこに所長が続けて、道をそれた奴を連れ戻すのが特調所の仕事だって。

教授は、王向陽の言葉を考えていたようです。
功徳筆がなぜ鍵なのか、門とは何か。
所長も、復讐のために動いていた王向陽が、なぜか常に時間稼ぎをしていたと言います。

逃げた鴉青が、あっさりと功徳筆を捨てて行ったのは、王向陽が既に筆を使って印を完成させていたからですよね。だからもう功徳筆も王向陽も、用済みだった。
ということは、夜尊復活が成ったってことですか。

特調所も揺れました。
地界の天柱に異変が起きています。

あはは、わざわざ鴉青が説明に来てくれたよっ。
功徳筆の効力は、エネルギー反応炉の構築。その力で天柱の封印を破壊できる。
王向陽の死で反応炉は完成し、既に封印は解かれた、と。

教授は地界に戻ると言い、一緒に行くと言った所長を止めます。
今、特調所は内外の敵から狙われて危ういんだって。
何があっても守りに徹し、安易に動かないと約束してくれ。
俺たちは生きてこそ、平和を守れる。

天柱からは、黒い靄状態の夜尊が外に出ていました。
両脇にあの2人組がいましたが、一瞬で吸収されたっぽい？
そこに呉天恩と呉暁君親子が立ちはだかりますが、お父さんの呉天恩はやられちゃったね。いい人だったのになあ。そういえばこの人の上司の件はどうなったの？放置？

蛇族の長老のところに、花族の長老がやって来ます。亜獣族全体が混乱を起こしている様子。
黒袍使が、傍観するなと言いに来たのはこのことかと、蛇族の長老。鴉青が夜尊の封印を解いたことに気付きましたね。黒袍使が頼りだって言うけど。同じ亜獣族の鴉も抑えられない人達、また教授に負担を強いるんだなあ。

その教授は、沙雅(シャーヤー)と華玉柱(ホアユージュー)と共に、地界と地上とを繋ぐゲートの前にいました。沙雅、ようやく改心したんかい。
教授は華玉柱に、君は長年善良な市民だった、恩赦は可能だと言うのですが、華玉柱がやっと告白します。私は大きな罪を犯しましたと。

古班(グーバン)を殺したのは地星人でした。
趙心慈に追われて逃げていた地星人が華玉柱を人質に取ったため、趙心慈は銃を捨てた。その隙に近付いた古班が華玉柱を助け、犯人ともみ合いになって趙心慈の銃を手にした犯人に撃たれた。
趙心慈は逃げる犯人を追いかけていき、沙雅が見たのはそこだけ。
撃たれた古班は、沙雅には言うな、恨みの中で生きてほしくないと言い残して亡くなった。

華玉柱は、一見古班の遺言を守ったように見えるけど、沙雅が恨みに囚われて暴走していくのを止めなかった。曖昧な物言いを繰り返すだけで、古班の遺言の真意を伝えず隠しましたよね。それは故意にだよね。沙雅と古班の、無自覚の残酷さに傷付いていたんでしょうけど、それでもやっぱり、結果的に沙雅を罪人にしたのは華玉柱です。早とちりで、全然人の話を聞かない沙雅だったとしてもさ。

恨む相手を間違えてたのねって言う沙雅に、なんで華玉柱が笑顔で、彼はあなた一筋よだなんて言えるんだろう。ちょっと嫌らしく感じてしまいました。沙雅がここまで突っ走る前に言うことはできたでしょうに。わざと言わなかったんでしょう？
まあ、それを罪だと自覚してるので、もう仕方ないんですがねー。

どーにもモヤモヤしながら、次回です。

　 　
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