所感 ネタバレです
U-NEXTの検索に何度か上がってきていたものの、動画サムネのさ、ヒロインのさ、その重たそうな前髪はナンなんだいっ?と思ってスルーしてたんです。しかも横顔だから、ペタンコでねー。
きれいなオデコをつるりんっと出して微笑む女優さんの多い中、この髪型は可哀そうだろう。もちょっと、ふんわりさせてあげてくれよー(笑)
でもどうやら、契約結婚のための変装の一環、みたいなものだったらしいわ。
のっけ、ヒロインらしき女の子が、気を抜いた身なりで出て来たんだけど、オデコ全開だったから、逆にこれがヒロインだとは分かりませんでしたよ。それほどまでに違う。ちょっと井上真央似のキレイな子なのよ。
でもま、前髪があったほうが、目力は強調されるんで、その効果も狙ったのかなあと思うくらい、目力の強い主役カップルです(^m^)
それはそうとこの身長差。
謝彬彬(シエビンビン)は188cmもあるらしい。呉佳怡(ウージアイー)は公称166cmみたいですが、そんなにあるかな。映像中ずっとこの差なので、最初のポスター写真は彼女が台に乗ってるんでしょうか(笑)
とはいえ、昨日しみじみ思ったのです。
「雲中月」も「晩媚と影」も「万華楼」も。
ここ1、2か月ほどで見たドラマですが、ラストまで見続けられるってだけで、どれだけ文句を言おうとも(笑)私の中では既に佳作なのだろうと。私の中では、ですよ。
このところ少し、他のドラマ探しをしていて、惜しいのにいっぱいぶち当たってるのでねえ。
可愛くても、演技はイマイチの女の子に独白で、あーかしらー、うふ、こーかしらー、うふ、みたいに話を進めさせるとチープ感が強調されて、ロクなことにならないわね。(←なんか見たらしい 笑)
さて、このドラマは、ヒロイン沈魚(しんぎょ 本名は顧易 こえき)が、仲人おばさんに紹介されて、蘇州、周家三の方の息子、周悦(しゅうえつ)と、厄払いのための契約結婚を結ぶところから始まります。
厄払いなので誰でもいいとは言え、どうして仲人おばちゃんは、豪商相手に、こんなボロボロの服来た子に話持って来たんだかってのは、まあご愛敬かな。それとも稼ぎたい沈魚に、元々バイト斡旋でもしてたのかな?
身寄りのない沈魚なんだけど、本当は、太医の長だった顧存続(こそんしょく)の娘。
顧存続は、とても真面目な善人だったにもかかわらず、当時妊娠中だった高貴妃に毒を盛ったと陥れられてしまい、使用人も含めて顧家の男子は全員が処刑、女子は都を追放されていました。
小さい頃は、いいとこのお嬢さんだった顧易だけど、散々な目に遭いながらも江湖の医師の師匠に引き取られ、名を変えて逞しく生きてきてます。お金儲けに一直線なのは、何か目論んでいることがあるから。
まあ、境遇からして、父親の冤罪を調べたいからなんだろうというのは、すぐに分かります。序盤は一切、そういう話はしなくて、単純に守銭奴って感じに描かれてはいるけれど、父親が存命中の回想シーンが多々入るので。
その後、高貴妃が産んだ栄王は、生まれながらに体が弱く、皇位継承に難アリとして、水面下では後継者争いが始まっていました。
雍州の景王、斉璋(さいしょう)も、宗室の一員として後継者候補に名前が挙がる人物。
でもこの人は、何よりも失踪した母親と亡くなった父親周辺の疑惑を調べたいと思って動いていて、別に帝位に興味はない。ないというか、それよりも大切なことがあるってことね。
栄王が元気になればそれで問題ないけど、このままだったら自分も推されるかもしれないのは自覚している。だけど皇帝の弟の寧王と息子達みたいに、何がなんでも帝位をわが手にって野心はない。
ただ、皇帝はなぜか妙に斉璋に目をかけているため、寧王はこっそり斉璋に刺客を送っていたりする。
で、この失踪した斉璋の母、周悠(しゅうゆう)は、沈魚が嫁ぐ周家の娘で、夫になる周悦(しゅうえつ)は、斉璋の従兄弟。
更に周悦は、実は女性なんだけど、跡継ぎ男子の生まれなかった三の方は、娘を病弱な息子として育て、本家のババ、否、野心の強い大奥様のめんどくさい追及を逃れていた。
で、この度、厄払いの契約結婚をすることで、男であることを揺るぎないものとし、更にお金で官位を買って、地方官吏にでもなって、都や本家から遠く離れようとしていたものの、っていう流れです。
主役の2人は、母の実家、周家本家を探りたい斉璋が雇い主となり、周家の嫁となる沈魚にお金をチラつかせて密偵として契約することで出会います。
沈魚の目線で進んでいっても、うふ、きゅぴ♪じゃないから先に書いたようなチープ感はありません。でもこの子、性格はいいんだけど、言葉足りずのままの行動がめちゃくちゃなのよ(^m^)
だから、斉璋に無理難題をふっかけられ、次々と動いては失敗したりして危険な目に遭うんだけど、斉璋はなんだかんだ危機を察して飛んで来てくれる。
いっつも仏頂面で、言葉もやたらと厳しくて、この人が一体いつどうデレるんでしょうと思うくらいなんだけどね。自分の密偵なんだから、助けるのは当たり前だっ、ツンッ、つってな(笑)
そのうちに、自分の命じたことの成り行きを気にするだけじゃなくて、沈魚自身がご機嫌でいるか、危ない目に遭っていないか、お腹空いてないかとかまで、気になりだしちゃったんだよーと、酔っぱらって白状しますが、翌日は、そんなの忘れたみたいに、ツン(笑)
ただ序盤から、沈魚の少女時代の思い出がちょいちょい流れ、実はこの2人は少年少女時代に出会っていたことが示唆されます。
それが分かった時、沈魚が素直に嬉しくて抱き着いちゃうんだけど、それを受け留める斉璋の笑顔なー。
川で遊んでた時もそうだったけど、笑うと別人のように可愛くなっちゃうのよ、この人。びっくりしたわ。こりゃ、デレなくても充分伝わる笑顔だと思ったわ。
ついでに、旦那様の周悦にも、女性としての幸せが待ってたりもします。相手はかなりの朴念仁だけどな(笑)
それでも思えば、周悦が男でも女でも、なんでもいいからとにかく側にいたかったっていう、ある意味とてつもない天然男なので、それはそれできっと幸せになれることでしょう。
この周悦がね、自分も明かせない秘密を抱えて苦しんで生きて来たから、とってもいい人。最初こそ、沈魚が信じられるかどうか様子を見ていたりしますが、行動はめちゃくちゃでも心根はいい子だとすぐに気付いて、とっても優しくしてくれます。
割とあっさり女子だってことが沈魚にバレて、だけど義姉妹の契りを結んで仲良くしてるので、従兄弟とはいえ何も事情を知らない斉璋が、ちょいちょい嫉妬してたりする。
表向き沈魚は従兄弟の妻だから、それに対して何もできず何も言えずなのは当然なんだけど、もう少しだけ、そこら辺の情感を見せて欲しかったですな。
孤軍奮闘だった沈魚も、運命の絡み合う斉璋や周悦や、無事に生き延びていた従姉妹の顧楽らと共に、顧家の冤罪事件、景王両親の謎事件を解明していきます。
斉璋に従っている雍州の将軍、韓枕雲(かんしんうん)は、身近で2人を見ていて、いい加減素直になればいいのにーって、ちょいちょい斉璋に言ってくれるし、腕は立つんだけど、ここぞって時に必ず大きなポカをするのはなんでなんだ。お話の都合か?(笑)
斉璋がハナから皇族なので、急に朝廷が云々ではなく、最初から絡んでるから、そこに唐突感はありません。
ただ、寧王がなかなかにシブトイ。終盤までかなりやられっ放しで、沈魚も周悦も、危うく斬首されかけたり、斉璋も皇族から除籍されて流刑なんてコトになったりします。
この寧王の中の人がさ、「有翡」の聞煜(ぶんいく)将軍で、「君、花海棠の紅にあらず」の坂田だった李昴さんで、うん、この顔は無骨な忠臣もできるけど、どっちかってーと悪役向きだよねと(大笑)
賀広(がこう)の娘の、賀蘭雅(がらんが)もそう。この人は「復讐に燃える転生王妃は、第七皇子に愛される」っていう、ラノベか?みたいなタイトルドラマのヒロインだった呉明晶(ウーミンジン)なのですが、あちらでもヒロインとはいえ、一筋縄ではいかないワケアリ感ばりばりの人だった。こちらもそうね。なーんか裏がありそう、なーんか企んでるでしょ?みたいなタイプ。
高貴妃は「陳情令」以降あちこちでお見かけする、江澄(ジャンチョン)ママ、虞紫鳶(ユーズーユエン)の張浄桐(ジャンジントン)でした。相変わらずお綺麗です。
それにしても、中国ドラマの「朕」って、ほぼ半数以上、バカチンだよね(^m^)
逆らえない象徴として、主役たちのハードル役をさせられてるのは重々承知だけども。
君主は間違っちゃいけないなんて理由で、自分達の恥ずかしい過去を隠したいがために、内緒内緒で通して、子供達の世代にどんだけの迷惑をかけるんだか。ほんっと、ふざけんな。
息子に会おうともせず、隠れていれば事足りると思っていたママも同じことだわよ。情けないわ。
まあ、最後は皇帝サマらしく、斉璋と共に朝廷内の膿出しの策を弄してくれましたけどねえ。
斉璋の懇願にも負けて、冤罪の公表はしてくれなかったものの、顧家の土地と身分を返還はしてくれましたけどねえ。
それでも顧易は、皇帝と斉璋の秘密を知ってしまって、冤罪だと気付いても、顧家の災難をそのままにし続けたバカチン皇帝へのわだかまりを解くのに、3年もかかっちゃったじゃん。
顧家の件は、立場上、一旦下した決定は覆せないというのはある程度仕方ないのかもしれませんが、いやー、自分も後になって考えてみたら、顧存続がそんなことするはずないよなと思ったんだけど、すまなかったねーみたいなこと言われて、娘が納得するはずがない。
斉璋たちのお陰で、朝廷から奸臣達を一掃できた皇帝とママは、斉璋に都に残って欲しかったみたいだけど、彼は雍州に帰ることを選び、顧易の師匠のお陰で、体内に蓄積していた毒の解毒もできた栄王ぼったんは、無事に健康体を取り戻して、その後、皇位継承ができました。
ここまで待って、ようやく斉璋と顧易が再会。
バカチンが生きているうちは無理ってことだったのかな。
顧家の屋敷の祠堂まで、きちんと整えてくれたのも斉璋だよね?
「晩媚と影」もそうだったけど、こちらも、親世代の身勝手な愛憎劇に子供世代が巻き込まれ、たくさんの血が流れたっていう、困った親達の話でした(違)
勿論、それだけじゃなかったけど(笑)
26話だし、正直すんごい力の入った大作って訳ではないのですが、結構面白く続けられたドラマでした。見て損はないと思いますよー。
作品情報
- 制作 2022年発表 全26話
- 原題 「云中谁寄锦书来」
- 監督 郭会中
- 脚本 左曌阳、张冰雪、王娇
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