あらすじ
顧湘(グー・シアン)と曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン)は開心鬼(かいしんき)に捕らえられ蝎(さそり)王の元へ。その頃、莫懐陽(モー・ホワイヤン)は趙敬(ジャオ・ジン)と密盟を結んだものの彼を出し抜こうと考えていた。一方、晋(しん)王を攻撃し獄に繋がれていた周子舒(ジョウ・ズーシュー)は畢長風(ビー・チャンフォン)の弟子・畢星明(ビー・シンミン)らに助け出されるも天窗に追われる。そんな彼らを救ったのは鬼谷の悪鬼を率いた温客行(ウェン・コーシン)だった。実は温客行は蝎王と密約を交わしていて…。
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ネタバレ感想
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不貞腐れて?ひっくり返っていた蠍王の元に、無常鬼と黒無常がやって来ます。
今回の損失は、薬人47体だそう。
今回は何の功績も上げられなかったが、苦労はかけたと言った蠍王は、隣にいた柳千巧(リウチェンチャオ)を呼び、今月分の解毒剤を分けてやれと言います。
なんの解毒剤だっけ?蟲毒を使われちゃってたんだっけ?
傍らにいた羅浮夢(ルオフーモン)に最初に渡し、無常鬼に分けたところで、開心鬼が阿湘と曹蔚寧(ツァオウェイニン)を引っ立てて来ます。え、どこで捕まったのよっ。
駆け寄る羅浮夢と柳千巧。ここの2人が良かったですねえ。どれだけ阿湘を大切にしていたかが分かる。鬼谷の女性達の絆が分かる。そしてそれを彼女達に許していたのは、老温だったってことよ。
羅浮夢は普通に話ができるようになってます。これは柳千巧が願って、蠍王に助けて貰ったものではあるけども。
羅浮夢は蠍王に、阿湘はただの侍女、何の真似なのと言いますが、開心鬼は、コイツは温奇人が唯一信頼する者、こいつに聞けばヤツの居場所が分かると。
蠍王は、柳千巧に紫煞(しさつ)の縄を解いてやれ、ゆっくりと話がしたいと言ったぞ。
清風山では、范懐空(ファンホワイコン)が莫懐陽(モーホワイヤン)に苦言を呈していました。先人の遺訓をまだ覚えていますか?
剣あらば人あり、剣を断てば人は滅ぶ。
大義を助け、妖魔を除く。
覚えておられましたか。では門派の掟はどうです?
清風剣派の門徒は邪道と交わらず、今、師匠の肖像画の前で説明して貰えますか?
今日のことはなんだったのか。
莫懐陽は、同盟を結んだ五湖盟は正道派だと思っていたが、趙敬は危険な賭けに出て、毒蠍を配下に入れ、悪鬼達も手なずけた、それに口出しは出来ないと言います。
それを聞いた范懐空は笑いました。
その説明で弟子達が納得するものか。高(ガオ)盟主の死には多くの疑問があった、それも趙敬の仕業。高盟主から、命より大事な瑠璃甲を託されたっていうのに。
莫懐陽は瑠璃甲を見せ、まず一つ目に、私は瑠璃甲を誰にも渡してはいない、2つ目に趙敬と組んだから危険は回避された、おまえだったら救えたのかと言います。
掌門は何を置いても流派を継承する責務がある、自らの心に恥じることはない、我が派を救うためなら、私一人の名声などどうでもいい。
一見、ちゃんとしたこと言ってるようだけど、この人も瑠璃甲を手にして野心ばりばりじゃん?くぅー、妖怪めっ。なりかけじゃないぞ、既に妖怪だろう。
趙敬とはうわべだけの付き合いだ。次の英雄大会で、逆に自分が武林の盟主の座を得たい、群雄を率いて鬼谷を滅ぼせば、私の力も増す。高殿の冤罪を晴らしてやりたいが、瑠璃甲があるだけでは無力なのだ。
あーあ、ころっと騙されちゃったなあ、范懐空。
だって、趙敬を出し抜いて自分がトップに立ち、高崇の冤罪を晴らすのが目的みたいな風に言ってるけど、それは権力を手にした後のついでだよね?
一方、こちらは晋王の牢ですね。
顔を隠して忍び込んだ数人。阿絮の鎖を切り、荘主、遅くなりましたと顔を見せたのは、畢星明(ビーシンミン)でした。1話で七竅三秋釘(しちきょうさんしゅうてい)を受けた畢長風(ビーチャンフォン)の弟子です。
でも、阿絮を救出して道を急ぐ一行の前には、待ち構えていたように天窗が。
段鵬舉(ドワンポンジュー)は、わざと阿絮の見張りを緩めて、これを待ってたんだわね。晋王が臥せった今、阿絮が逃亡したら殺せるとばかりに。
得意げに、好き放題憎まれ口を叩くぽんじゅー。古参の弟子達の関係者には見張りがついていたらしいよ、ムカつく。
畢星明の隣にいた程子晨(チョンズーチェン)が怒ります。この子は、ドラマには出てこない程修(チョンシウ)という師弟の弟子だったみたい。
ぽんじゅーが天窗を動かしたその時、BGMと共に飛んで来た赤いくるくる←と、天窗を切り裂く白い扇子。
きゃ~、谷主モードの老温~♪←目張りが好き(^m^)
老温は、驚いている畢星明達に微笑み、ぼんやりするな、行けって言います。
程子晨がみんなを連れて一旦退却、畢星明は阿絮の馬車の傍らに残ります。
老温は天窗のほうに振り返り、名を伺おうかというぽんじゅーに、温客行(ウェンコーシン)と名乗りました。鬼谷の谷主かと言われ、ぁぃ、本当は秘密なのに大声で言われると困るな♪
いやあ、余裕だなっ。
ぽんじゅーは、いいところに来た、私から鬼谷に出向いて所望したいものがあったと言いました。鼻で笑う老温に、ぽんじゅーはまた言いたい放題、もうすぐ援軍も来る、いくら手練れでも単身では立ち向かえまいと言います。
そこに、単身ではないぞと阿絮が出て来ました。
成嶺の無事を聞き、では俺たち兄弟も思いっきり戦えるなって言う阿絮。
その時、ぽんじゅーの背後から気配がします。老温のニヤリが良いわ。このシーン、何度かニヤッてするんですよ。唇の端を片方だけ吊り上げて、ニヤ。
先ほど谷主と呼んだだろう、三千の悪鬼の主だぞ、単身で助けに来たのでは名が廃る。
一斉に駆けつけて来たのは、たっくさんの悪鬼達。あら、無常鬼も黒無常も開心鬼も食屍鬼(しょくしき)もいますよ。ぽんじゅーは慌てて逃げていきます。へへんっ←
後ろから、羅浮夢と共に、先ほど一旦退却した程子晨達も戻ってきました。
畢星明が、弟子、畢星明が拝謁をと、跪きます。
程子晨が、荘主、弟子の程子晨ですと言うと、みんなも、弟子一同より拝謁をって。
驚いている阿絮に、老温が言いました。
韓英(ハンイン)が死の前にこの者達を託した、私の一存で門徒として迎えた、みんなを四季山荘に入れるのが、韓英の願いだ。
私の願いでもあると続けた老温は、みんなの先頭で阿絮の前に跪きます。
四季山荘、不肖の二番弟子、温客行、荘主に拝謁を。
んもー、泣いちゃうよー。ようやく老温がはっきり認めたのがこの場面だなんて。
振るえる手を、老温の頭にそっと置いて、感慨深そうに安心したように息をつく阿絮。
やーん、韓英ー(涙)陰の最大功労者だ。本当は誰よりも自分がそうしたかったのに。でも種を蒔いてってくれたんだ、新しい四季山荘の花達の。
不肖の二番弟子って台詞も良かったですねえ。字幕では二弟子となってましたが。
賽君府(さいくんふ)って、そうか、平安銀荘の屋敷か。倒れた老温もここで治して貰ってたんだね。
老温と一緒に戻ってきた阿絮。中からは阿湘、曹蔚寧、平安(ピンアン)が飛び出してきました。
相変わらず威勢よくまくし立てる阿湘に、阿絮もちょいとイジワルを言ったりして。ああ、これよ、いい感じ。今にも倒れそうな阿絮だけど、阿湘にはピキッと悪戯心のアンテナが立ってからかうの。阿湘も阿絮の元気の元だな。
そこに、景北淵(ジンベイユエン)と烏渓(ウーシー)も出て来ます。
旧友七爺(チーイエ)に会った阿絮の笑顔は、更に余計な力が抜けた気がするねー。
老温と七爺、阿湘が外で気を揉む中、部屋の中では阿絮が大巫(ダーウー)の診察を受けていました。
ウロウロウロウロする老温。キミは妻の出産を待つ夫かっ!(笑)
七爺は、落ち着かない老温を宥めて、七竅三秋釘は厄介だが方法はあると言います。⼦舒(ズーシュー)は何度も死地をくぐった、きっと大丈夫だって。
七爺役の魏哲鳴(ウェイジャーミン)は、落ち着いた感じと人の良ーい感じとが上手い具合にミックスされた人だねえ。これ、目だろうなあ。そういえば彼はインタビューで、阿絮と大巫ならどっちを選ぶと聞かれて、笑いながら温客行と言ったらしいですよ(^m^)
老温は阿絮の傷が治るなら、私の生涯をかけてもいい、必ず恩に報いると言います。七爺は、水臭いことをって笑いました。阿絮は幼馴染だけど、大人になると冷たくなった、助けも求めないとは友達甲斐のないヤツだって。昔のことは、まるで前世のようだと言う七爺。くぐって来た修羅場が大きければ大きいほど、そう感じるのかもしれませんねえ。
そこに曹蔚寧が、みんなが揃いましたよーって言いに来ます。もーさ、こんなところ見ちゃうとさ、曹蔚寧も、この辺りでとっとと四季山荘の弟子になっちゃっていたら…って思うわ。ものすんごく思うわ。師匠を変えるって、門派を変えるって大変なことなんだろうか。
四季山荘の再建まで、弟子達共々お世話になりますと言う老温に、⼦舒のお陰で今がある、もう他人行儀はやめてくれって七爺。部下の阿沁菜(アーチンライ)から連絡が来て、成嶺は無事に沈慎(シェンシェン)の元に着いたらしい。あそこには高小怜(ガオシアオリエン)もいるしね。呼び戻そうかと言った時、部屋の扉が開き、大巫が出て来ました。厳しい顔はしているものの、阿湘の助かりますか?の言葉に、老温を見てしっかりと頷く大巫。
よかったー♪と思うのも束の間なんだよねえ。これに関しては、んもーなんでよっ!となるのよぅ。
起きて落ち着いた阿絮の髪を梳く世話を、畢星明と平安と老温が、私が私がってのが可愛かったね。老温は、韓英の残した印で、畢星明達に連絡したんだそう。阿絮の言う、大師兄が来たら、正式に拝礼するっての、成嶺のことかな?知らないうちに、いきなり19人も下に弟子ができちゃったぞ。
畢星明と平安を下がらせて、阿絮の髪を梳く老温。
出獄の後、私を見ても動じなかったな、驚くかと思ったのにって言うと、阿絮は、何を驚くんだ、信じていた、お前は必ず来ると、だってー。
ふっと笑った老温は、自分の頭に刺してあったあの玉の簪を、阿絮の髪に刺しました。
これ以前もちょっと触れたかもしれませんが、大事な簪です。子供の頃から、甄衍(ジェンイェン)が身に着けていたものよ。
その頃、曹蔚寧、阿湘、七爺、大巫は、テラスに座って和やかにお話中。
自分に敵意のない、優しい人達に囲まれて、阿湘が幸せそうなんだよなー。
どうやら2人は、あの後、駆け落ちしてきたらしい。その途中で捕まっちゃったのか。そういえば、毒蠍からここまでの経緯もここで語られるんだろうか。
駆け落ちしたっていうのに、恥じらうより嬉しそうだぞって七爺に言われて、当然です、曹兄さんの気持ちの現れだもの、江湖の掟より私を優先したんですって阿湘。
あの襲撃騒ぎの後、自室で塞ぎこんでいた阿湘の元に、曹蔚寧が来ました。
曹蔚寧は、師匠が五湖盟と手を結んだと言います。ならあの薬人はなんなのか、どうして清風剣派を攻めるのか、なぜ鬼衆までいたのかと阿湘。
趙盟主と七大流派が再び英雄大会を開く、あの鬼達は趙敬に寝返ったと聞いて、あり得ないと阿湘。他はともかく、千巧姉さんが旦那様に背くはずがない、趙敬を信じちゃダメって。
でも曹蔚寧は、師匠の言葉を聞いているしかなかったと言います。曹蔚寧も信じられない思いでいたのね。師叔は師匠には深い考えがあると言うけど、毒蠍や鬼衆なんて邪道派を引き入れている趙敬に、正道派を標榜する清風剣派が組するなんて、絶対におかしいと。まあそれは当然のことで。
不安や不信感を隠せない曹蔚寧は、師匠や師叔が婚姻に反対したら駆け落ちすると約束しただろうって言います。正道派はやめる、君も邪道じゃない。逃げよう、江湖から離れよう。
そこまで決意したのなら、やっぱりとっとと四季山荘の仲間にっ。
大巫が、趙敬と莫懐陽は早くから結託していたのかって聞きます。そうだと七爺。でも蠍王には言ってなかったから、無駄骨を折った蠍王は腹を立てていると。さすが、平安銀荘の情報網。
駆け落ちしたのに、どうして鬼谷に捕らわれて、更にここに来た?と七爺に聞かれて、阿湘は口を噤んであわあわしてます。曹蔚寧が、それは温殿から口止めされている、申し訳ないと言います。
ほう、そこからもう老温の計画だったんだ。蠍王が阿湘とじっくり話したいと言ったのも、それ?
老温、蠍王と裏で繋がってた?それならあの場に、毒蠍の元にいた悪鬼達が鬼達を従えて駆けつけたのも納得です。
七爺が、2人が温殿を見つけてくれて、我々も助かったと言っているので、蠍王から事情を聞いて、老温のところにやって来たってことでいいのかな。
曹蔚寧が、やっと阿絮に再会したのに、なぜ老温は鬼谷に帰るんだって阿湘に聞きます。阿湘は谷主をやめるのと言いました。羅浮夢のことも心配してるし。
でももうじき、群雄が青崖山に集結するぞって曹蔚寧に、そこも詳細は話せないのね、薄情司が無事なら後はどうでもいいんだと阿湘は、そこまでしか言えないみたい。
老温は、谷主として、最後に鬼谷の始末もするつもりかな。
着物のたたみ方が分からない老温のところに、そっと阿湘が入ってきます。
阿湘は着物を受け取って、浮かない顔。老温はこういうのは見逃さない人だねえ。
阿湘は不安なんですって、鬼谷に帰るのはやめませんかって。薄情司さえ守れれば、裏切り者の鬼達なんていいじゃないですかっていうんだけど、老温はやっぱりケジメをつけたいのかな。何か最後に考えてるんだなあ。
あー、違った!
蠍王と老温を結び付けたのは、老温の指示を受けた阿湘だったー。わざと捕まって蠍王に会いに行ったのか。結託はあの時点からか。
でももしこれで旦那様が傷付いたら、一生自分を許せないと阿湘。それに鬼達は薬のために蠍王に尻尾を振っていたんだと言います。なのに蠍王と結託した後、なぜまた味方につけたのか、蠍王がいくら趙敬に腹を立ててるからって、敵を利する訳がない。
まくし立てる阿湘を見る老温の目が良かったなー、この人はこういう時の表情がいいですねえ。小さい頃からずうっと一緒に育って来た、お互い口は悪いけど心の繋がってる兄妹感。
とにかく老温のことだけを心配する阿湘に、老温は言いました。
蠍王との密約のことは、阿絮にも誰にも言うな。蠍王にも利があるから協力する。阿絮の釘を抜くには、手練れのサポートが必要だと大巫にも頼まれているから、それまでには必ず帰る。
阿湘はそれで納得します。
旦那様は私のことはともかく、病鬼のことはほっとかないものねって。
私に嫉妬か、あ、阿絮に嫉妬かって、からかわれるけども(^m^)
青崖山。谷主として、温客行が戻ります。後ろには無常鬼とかもついてるね。
そして、無常鬼、喜喪鬼、黒無常、開心鬼、食屍鬼を従えた谷主は、傍らに、毒菩薩、俏羅漢、艶鬼を立たせて、谷主の椅子に座っている蠍王の元に歩み寄りました。間近に立たれるまで、立ち上がらなかった蠍王の態度よ。
老温は、蠍王がご所望なら、谷主の椅子を譲ろうか、私は構わぬと言います。
私には傾きかけた楼閣を立て直す力はない、やはりご自分で座られよと蠍王。
その頃、大孤山派に預けられていた成嶺は、ひとり鍛錬に余念がありません。
どう考えても阿絮達は大変なことになっているだろうっていうのに、ひとり安全な場所に隔離されて、全く戦力になれない自分に焦るのも当たり前だけどね。
見かねた高小怜(ガオシアオリエン)が、止めに入ります。
そこに沈慎(シェンシェン)が、次の英雄大会の招状を持って来ました。
ついに長兄上の遺志を継ぐ日が来ると沈慎。
会場となる白鹿鎮は、青崖山のすぐ外側なんだそう。初代谷主の魔匠、容長青(ロンチャンチン)の墓があるんだって。
おおお、ここで出たか、初代谷主。容長青は容炫(ロンシュエン)の父親で、葉白衣(イエバイイー)パイセンの知己。パイセンが大事にしていた仲間が作った鬼谷。元々の理念は、今の鬼谷とは違うものだったんだけどね。世間からつまはじきにされた人達の逃げ場、再生の場だったんだけどね。だからこそパイセンは、様変わりしてしまった鬼谷の後始末は、自分の役目だと思ってる。
英雄大会の参加者達は、そのまま鬼谷に攻め入って平定する予定みたいです。
成嶺に、沈おじ上も行かれますかと聞かれた沈慎は、お前たち次第だと言いました。
沈慎自身は、正直もう関わりたくないんですって。高崇(ガオチョン)と張玉森(ジャンユーセン)の遺志に従って、2人を静かに育てたいと思っていると。
でも、周⼦舒(ジョウズーシュー)の役回りは分からないけど、今回、温客行は必ず鬼谷に戻るだろうと言います。お前はどう思う?
成嶺は、どこまで事情を正確に把握してるんだろうか。
鏡湖派を襲撃したのは誰か、命じたのは誰か、本当の敵は誰か、分かっているのかな。
鬼谷では、谷主が薄情司の女の子に髪を梳かせていました。櫛が引っかかって髪が抜けたのを見て、平謝りの女の子。老温は、私の世話係になるとは、誰かの恨みでも買ったかって言うんだよ。別に怒りもせず、そのまま下がらせます。
鏡の中の自分を横目に見て、何を恐れている、恐ろしい悪鬼でも、人に戻る道を見つければ戻りたいと思うと呟きます。
櫛を手にした手が、老温の髪を梳き始めました。
目も開けずに、羅おば上という老温。どうした、新しい主人に仕えないのか。
老温は、羅浮夢が柳千巧と共に蠍王の元にいたから、そっちについたと思ってるのか。
羅浮夢は「阿行」と呼びました。目を開ける老温。
なぜ戻って来たの、去ってもよいのに。
谷主になる前は、羅浮夢は老温を阿行と呼んでいたんだねえ。8年ぶりに呼ばれたと言った老温に、羅浮夢は、谷主、お許しを、失言しました、そう呼ぶ資格などないのにと。
蠍王は自分に酔生夢死を使った。そのために孟婆湯の効力が消え、全てを思い出した。
神医谷で、ご両親は自分を手厚く看病し、心を慰めてくれた。医術を施すだけではない温かい恩情。なのに2人を助けられなかった。やっとの思いであなただけは救えたけど、充分な世話も出来なかった。
老温も、あなたへの恩義は決して忘れないと言いました。
だから老温は、旧十大悪鬼を排除した時に、羅浮夢だけは残したんだね。あの時、直接両親を殺したのは、老谷主を始めとした旧十大悪鬼達だったのでしょうから。
ここに戻って来てなにをするのかと聞いた羅浮夢に、老温も、自分も思い出したと言います。
自分では孟婆湯の効果を抑え込み、両親の敵を覚えていたと思っていた。この数年、その相手に復讐してきたが、実は忘れていた最大の執着はそれではなかった。自分自身が敵を家に引き込み、間接的に両親を殺したこと。だから敵が死に絶えても爽快さはなく、訳もなく焦りが募るだけ。でもそれは両親の敵を全て殺していないからだと考え、計略を巡らせた。
最初の一手は、吊死鬼(ちょうしき)に罪を着せたこと。自分の瑠璃甲など最初からなかった。吊死鬼は自分が殺し、鬼達を世に放って、その戦火で汚濁を焼き尽くしたかった。武林の正道派は人の顔をした鬼、魑魅魍魎共と一緒に灰燼に帰せばいい。
鬼衆に江湖で瑠璃甲の消息を流させたのも、計略の一環。瑠璃甲欲しさに青崖山に来た者達は、誰も生きて帰れない。
今回の英雄大会で、表向きは大義を抱えて、裏には我欲バリバリで攻めて来る自称正道派を一網打尽にするつもり?
羅浮夢も、まさかあなたまで命を投げ出すの?と驚きます。
これほどの悪辣な策を弄したのだ、無辜の命が失われることも考えはしなかった。世間が欺くなら、天下の者全てを殺すと思っていたけど、ある人から、恨みと貪欲さは、自らを牢獄に閉じ込めることだと教わった。両親も羅おば上も、私が過去に囚われ生きることを望まぬはず。
蠍王との協力は、互いの利のため。明日にはあなたと柳千巧の蟲毒を解かせる。薄情司の娘達と鬼谷を出ろ。恨みさえ手放せば、本来我々も人間だ。自分を縛ることはない。
あなたが恨みから解き放たれたのなら、祝福するわと羅浮夢。でも彼女は、鬼谷に残ることを選択しました。ここは近いうちに戦場となるのに。それも覚悟の上か。喜喪鬼として、してきちゃったこともあるからかなあ。それぞれの思惑は、なかなか複雑。
さて、次回は、「報・連・相」は大事だよっ。ほんっとにもーーーーーーーっ!
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