今のところ日本の動画配信サービスで見られる作品のみの記事です

風起洛陽 第38話「刻まれた遺恨」あらすじとネタバレ感想

当ページのリンクには広告が含まれています。
風起洛陽
画像出典 BEIJING IQIYI SCIENCE & TECHNOLOGY CO., LTD.
目次

あらすじ

百里寛仁の処罰後、武攸決は乱を鎮めた功を認められて龍山(りゅうざん)王に加封され、皇帝から期待をかけられる。一方、宇文佩佩が内衛に誅殺されたとの告示を見た柳ホウは武攸決を詰問するが、はねつけられて憎悪をたぎらせる。武攸決から開倉の式典での警護を任せられた高秉燭は、武思月を不良井に呼び出し、ある懸念を示す。

チャンネル銀河 / ©BEIJING IQIYI SCIENCE & TECHNOLOGY CO., LTD.

風起洛陽~神都に翔ける蒼き炎~ 2024.3.20現在のリンクです

U-NEXT

ネタバレ感想

謀略解明回なので、長くなりましたー。

百里寛仁が処刑されました。
その知らせは高秉燭の元にも届きますが、めっちゃ厳しい顔をしてますな。
この人だけなのかなあ、気付いてるの、もしかして。
今、アーランも事実を受け止めるだけで精一杯だろうし。
前回、武思月もカマかけてるように見えると書いたけど、あの人、毎度情が優先しちゃって、身近な人にはものすごく目が曇るしなー。

功績を認められた武攸決(ぶゆうけつ)は、龍山王に封じられました。これほどに分かり易い独り勝ちなのに、誰も疑わないとはねえ。
陛下はものすごく信頼を寄せちゃってます。この人の甥達はみんな凡庸、東川王の代の孫達は怠け者らしい。親族の人材不足。親族以外はハナから蚊帳の外なんでしょか。親族以外は信じられないのかもしれないけど、その親族が最も黒いのよ?
正確な情報が上がって来ないんでしょうが、誰よりも国のために働いていた東川王を、まあ内部に間者を入れてしまった責任はあるとしても、あーんなに罰したり退けようとしたりしたしねえ。
全ては、アナタが今一番信じちゃってるこの黒い人のせいなんですが。真相に気付いた時、陛下は踏ん張れるんでしょうか。

風起洛陽
画像出典 BEIJING IQIYI SCIENCE & TECHNOLOGY CO., LTD.

陛下は、武攸決を中書省の侍郎にしようとしてました。もっと側近にするってことらしい。
太子がそちのようならば、朕は夜も眠れぬほど不安にならずに済んだと陛下。
ナニゴト?と見上げた武攸決に、楊煥(ようかん)が太子は罪己状を出したと言います。二度にわたり、配下の勝手を許し、陛下を不快にしたことをと続けた楊煥を、陛下は止めました。

朕は心の狭い人間ではない。
子や甥を分け隔てなく扱い、賢く有能な者には大任を委ねるつもりだ。
朕を失望させるな。

これを聞いてる武攸決の顔よね。
本当にそうなら、自分は毒見役などにならずとも生きられた、寛仁も指など関係なく、官職を得られた。ま、ここで駒に使った寛仁のことなんか考えたかどうか分かりませんが。

百里家では、アーランは部屋に閉じこもったままの様子。
心配する五じいに、七娘は、今はきっと1人になりたいはず、アーランが兄の死をどう受け止めたのかは分からないけど、きっとアーランなら乗り越えられると言ってます。嫁、随分と頼もしくなりました。
アーランはあの室内に池のある自室に、じっと座ってます。
この池の周囲の回廊を歩いて、申非がアーランを呼びに来てた日々が懐かしいよ(涙)

柳灃は、街で宇文佩佩を捜し回ってました。
佩娘なら死んだぞと言われて、慌てて告示を見に行き、みんなの見てるそれを引っぺがす柳灃。
ま、東川王を殺そうとしたんだから、死罪は免れない。だまし討ちみたいに宮嫣(きゅうえん)に殺されなかったら、衆人環視の前で柳灃共々捕まってたよ。誰にも見られずに始末されたのが良かったとは言わないけど、いずれにしろ彼女が生き残る道はどこにもなかった。「郎君」に拾われた時点で。アンタが家に反対されて、彼女を残して消えた時点で。
逃避行なんかしたって、あっさり捕まって2人とも殺されてたでしょうよ。

ただ佩娘は、立て籠って抵抗したため、内衛に誅殺されたってことになってました。
浅慮な柳灃は、米屋の視察をしていた武攸決に突進していき、近づくこともできずに内衛に取り押さえられます。

奉御郎、答えろ、なぜ春禾を殺した?話も聞かずに殺すとは、て。
残念ながら、全部知ってるからですよー。自分で命令してるから口封じですよー。

武攸決は、皇族暗殺未遂は九族皆殺しの大罪、楽に死なせたのは恩情であると言いました。
柳灃の言い分はもう、どうにもならん。言わずにはいられなかったんでしょうが、誰がそんな甘っちょろい話に頷くものかってコトを叫んでました。
曰く、強いられただけ、神都を出て新たな生を送るつもりだった、その機会もくれないなんて。

座り込んで柳灃に目を合わせた武攸決は言いました。
重罪人が新たな生を送る?笑わせるな。
おまえも危険を冒す気はなく、災いを避けた癖に。
佩娘が死に、安堵したのではないか?

こんなセリフで柳灃に意味が分かったとは思えないけどさ(笑)
行き場のなかった春禾を拾って、妓女として神都に潜り込ませてた武攸決は、どうして春禾が柳家を追い出されたのかを知っているはず。
その元凶はコイツ。身勝手に使用人に惚れて、反対されて笑い者になったから、いたたまれずに彼女を置いてひとりで出奔。残された使用人の娘がどんな目に遭うかなど、考えもしなかった。
危険を冒しても災いが降りかかろうとも、春禾を守り信念を貫こうとせず、1人で逃げた。
そんなヤツが命がけの逃避行などできるものか。むしろ死んでくれてホッとしてるんだろう。
ってことですわな。

放してやれと李純に命じて消えていく武攸決の後ろ姿を、柳灃は憎しみの籠った目で睨みつけてました。
はー、やだやだ、ほんっとコイツは。

-スポンサーリンク-

街をふらついていたのは青夜。あれ?どしたの、この子。
36話で、不良井で高秉燭に借りを返した以来だね。行くあてもなく神都をウロついてたんでしょか。
でも、宮嫣達に囲まれてしまいました。
同門の誼で見逃してと言うと、悪鬼より怖い血濡れた手で、人としてやり直せると思う?と宮嫣。
だけど宮嫣はさあ、春秋道の刺客の中でも、まだ人の心を残してるんだよねえ。
青夜にかけた言葉は、自分自身にも当てはまるものだよなー。

高秉燭は不良井に武思月を呼び出していました。内緒話をするなら、ここが一番だからねえ。
武思月はふつーに逢瀬だと思ってニコニコ来てますけど。まあラブラブですけど。
やっぱりこれ、なーんも気付いてなかったなあ。ボンクラ姐さん。
会いたくてと高秉燭に言われて、嬉しそうに抱き寄せられますが、ニッコニコしているのはアナタだけ、高秉燭の表情は複雑よ。

食糧の守りを任されたんでしょ、兄上の信頼の証ねって、疑うこともない武思月。
高秉燭はそれを承諾した時、真意を見極めようとする顔でした。むしろ、あの時の話し合いは、飴と鞭、懐柔して何かさせようとしてるんだな…執戟郎なら引き受けざるを得ないよな…でした。
でも懐柔の一環で不良井に食糧が行き届いたんだけどもね。

って、分かったよ。思い出したよ。前回、すーっかり忘れ去ってたこと。
開倉の式典でまた何かするんだろうとは思ってたけど、伏火雷霆の残りがあったね。含嘉倉を燃やすのなんて、さほど使わない。むしろこっちが本命だ。開倉の式典を提案したのは、誰あろう黒兄貴だった。
食糧の守りを任された高秉燭も、陛下共々ってことでしょう。なら上手いこと言って、武思月をあげる~♪くらい言うわ、あの黒い人なら。
あの時点で高秉燭もそれに気付いていたのかも。やっぱり自分も排除リストだったなと。

高秉燭は、自分が感じている疑念を武思月に伝えます。
百里寛仁の捕縛から食糧発見まで、順調過ぎると思わないか?
武思月を抱き寄せた高秉燭は、全く何も感づいていない武思月の顔を見ないように、話したんでしょね。

硬い表情で街を歩く武思月。

再開した米屋に並んでいた七娘と蕾芝(うんし)は、食糧不足は百里寛仁のせいだとか、春秋道のせいで親は死んだとか、周囲から糾弾されていました。
そこに入って来た武思月が、この2人は悪事とは無関係だと言ってくれます。
でも当主のアーランは変わり者だって言われてる(笑)
変わり者の唐変木には違いないけど、変人=悪人じゃないわよ。
春秋道のことも兄と共謀したんだろうと言われて、七娘がカッチーン。

違う、その逆よ。春秋道を倒すため、アーランが何をしたと思う?
親を殺された敵も討った、神都の民のために悪事に目を瞑らず、命がけで正義を貫いた。
そういう人なの。誰もアーランを批判なんてできない。

聞いてる武思月の顔よ。
アナタも、知らないふりはできませんよ?

七娘に詰め寄っていた人達の中にも、アーランが陛下に会って、兄を訴えたことを知っている人がいたらしい。てか、早く言えや(笑)
武思月がうまいことまとめてくれましたが。

馬車の中で武思月は七娘に、神都は危険だから外出を控えてと言ってました。
七娘は、心無い噂でアーランが傷付くことを心配してるけど、己の責務を果たしたアーランは胸を張ればいいと武思月。
そして武思月は、七娘に頼みがあると言いました。

九連環の箱を前にして、指で机をかりかりしていたアーランの元に、七娘が少しでも何か食べてと、食事を運んできます。
旅に出てみないと明るく提案する七娘に、辛い思いをさせると言ったアーラン。
兄の咎は自分ひとりで背負わないといけないのに、君を巻き込んだと聞いて、七娘は、夫婦なのだからどんな困難も分かち合いましょうと答えました。
アーランも思い遣れるようになったし、七娘も落ち着いて逞しく寄り添えるようになりました。良かった良かった。

さて、こちらはちっともよくない武思月です。
内衛に行くと、武攸決は違う建物にするりと入って行ったところ。
中には、自分達の両親の位牌が祭られていました。

今まで、兄妹の両親は早くに亡くなったという情報だけだったんだけど、どうやら2人共、罪人扱いなので、堂々と廟を作って祭れず、武思月にも内緒で、隠し部屋を作っていたらしい。
こういうの他のドラマでもあったけど、罪人とされている人の位牌を祭ってるのが見つかっただけで、処罰の対象だよね。それを隠し部屋とはいえ、内衛の敷地内に作る図太さよ。

2人の両親は、身分は高いけど善良な人達だったらしい。でもその善良さを弱さと見た同族に土地も奪われ、酷吏には侮られ罪を着せられたんだってよ。
我らは武氏、天子の同族だというのに、なぜだ、と黒兄貴。
そんなにも恨みを秘めてたのと妹は言うけど、この人は年端もいかなくて事情が呑み込めてなかったからね。落ちぶれた両親を目の当たりにして、その全部を黒兄貴が背負っちゃってた。

病に倒れる2人を見ながら、薬を買うこともできなかった。
2人の死を相次いで見送り、空腹で泣き叫ぶ妹を見て、必ず敵を討つと心に決めた。

武思月は、敵とは誰のことなのと聞きました。
当時は大勢の人が2人を傷つけたはず。その全てに復讐する気なのか、と。
なぜいけない?と黒兄貴は言います。
全ての者を臣服させ、生殺与奪の権を握る。天子と同族の私にはその資格がある。

ようやく武思月にも、黒兄貴が狙っているのは皇位だと気付きました。
あれほど兄を信じ、自分のことも慈しんでくれている人を亡き者にして。
だけど黒兄貴は信用などされていないと言います。命を差し出して生き延びただけだと。

そして、自分は自ら毒を煽ったのだと告げました。

風起洛陽
画像出典 BEIJING IQIYI SCIENCE & TECHNOLOGY CO., LTD.

当時、親を失った兄妹は一族から冷遇された。使用人も逃げ、金目の物も全て失った兄は、晋王を頼りに行ったが、すげなく断られた。
やっぱり若い時からそういうヤツだったよ、晋王。
その時、尚膳奉御の後任が見つからないらしいという噂を耳にした15才の兄は、その資格が名門の出で見目のいい17才以下と知り、晋王に、尚膳奉御に名乗りを上げたいと頼み込みます。
保護するのは断った癖に、命をかける毒見役になんかなって、お前に何かあれば阿月はどうなるのだと言う晋王。ここにきてようやく、自分の田畑を貸してやろうなんて言いますが、兄の決意は固かった。
お前が死んでも陛下は気にも留めぬと言っても、関心を得て見せますと言い切る兄に、晋王は、今日からお前を兄弟として扱う、出世した暁には、私が後押ししたことを忘れるなと言って、推薦してくれることになりました。頭を下げた兄は、既にニヤリとしてましたよ。
この時点でゲンキンな晋王も、兄がのし上がる駒のひとつでしかなくなったのねえ。

期限は僅か2年。それが過ぎれば我らは死の道を歩むしかない。
決死の覚悟で闘うしかなかった。

やたら極端だな。
2年生き延びられれば、その後は細々暮らす道もあったでしょうに。

だから最後の月に、自ら鶴頂紅という毒を飲んだのだと。
そこまで無事に生き延びてたのに。
でもそれで一命を取り留めた兄に、陛下は目を向けるようになり、信じるようになったらしい。

違うと武思月は呟きます。
尚膳奉御を辞めれば、死ぬしかないなんてあり得ない。
たとえ暮らしが苦しくても、普通に生きる道はあった。
だよねえ。

でもそれを聞いて、ほんの少し顔を歪めた兄。そんなの山より高いプライドが許さなかったか。
自分で両親を「高貴な身分」って言ってましたもんね。その「高貴な身分」だって、元は武后の、現陛下の存在あってこそなんじゃないの?このドラマではイコールではないかもしれないけど、武氏自体、貴族ではあったけど傍流だったみたいだし。

凡庸な生は、死と何も変わらぬ、ときたもんだ。
それが真相なのねと叫ぶ武思月。
敵討ちなんて飾り立てた嘘だ、凡庸を嫌い、体を傷つけて、野心を満たしただけ。

理解できずとも、私を詰問するなと黒兄貴。
この決断で晋王が後ろ盾についたことで、虐げる者は消え、私は内衛を得て、お前は陛下に孫のように育てられた。両親も喜んでいるはず。
毒を飲んで信頼を得て要職を得る、まで全部、尚膳奉御になると晋王に跪いた時に計画していたらしい。

武思月が、めっちゃ黒兄貴に食らいついていた李北七の件。
北七は、我ら兄妹のために命を投げ打った。すまないと思っている、ですってよ。
あの時、遺体の頬に触れられなかったのは、すまない、だったんですか。
でも、命を投げ打つよう仕向けたのは自分だよね。

李北七が黒兄貴の黒さを目の当たりにしたのは、含嘉倉(がんかそう)の直前だったらしい。
とすると、それ前に武思月を尾行してたのや、めっさ黒い顔で戴舟(たいしゅう)を内衛に持ってったのや、康金(こうきん)を蜂の毒で殺したのは違うの?
武思月を監視して守れ的指示は出ていたと思うので、尾行はそれ、戴舟は高秉燭絡みだったから、高秉燭への敵愾心?康金の時は、ただ目を離したってだけ?その間にまんまと春秋道にやられたっていう、本当のマヌケっぷりだったの?

李北七が、お前にしか頼めぬ大事な任務があると言われて指示されたのは、燃灯大典の前に17人の流民を入れること。当然不審に思って尋ねると、流民は含嘉倉に伏火雷霆を設置しに行くと聞かされます。それで、流民たち自身も灰になってしまうことも。
驚愕する李北七。
はっと気づいて、春秋道かと黒兄貴に剣を向けるけど、無礼なと怒鳴られて怯んじゃう。
ほら、この黒い人が怒鳴る時は疚しさ隠しよ。怒鳴ることで人を怯ませて追及を逸らす。
全く。もう何度目だよ。

どうしても知りたいなら教えてやる、私は春秋道を利用しているだけだ。
そう言って、黒兄貴は謀略の流れを話します。
人々が燃灯大典に気を取られているうちに、含嘉倉を爆破して食糧難を起こし、神都を荒らす。そうすれば太子は罰せられ、聯昉が手に入る。自分は掌春使を捕えて食糧を奪還し、神都の英雄となる。

帝位が狙いかと李北七は気付くんだけど、いや、奉御郎はそんなことしないと、思っちゃうんだよね。立派な人だと信じていたから。
でも、なぜそう思うと言われてしまいます。自分にそんな野心がないと、どうして思うのだ?と。
お前は育ての親の私を決して裏切らない。大業成就にはお前の力が必要なのだ。

かわいそ過ぎる。
ちょっとヌケてるけど、忠誠心に篤い人だったのに。

できない、協力するのは無理だと言うと、では残された道はひとつ、私を殺せ。
当然それもできない李北七は、武思月に話して、通報すると言いました。
すると、だよ。
私の罪は謀反だぞ。九族皆殺しの大罪を私が犯した以上、通報すれば阿月の命もない。阿月の生死はお前にかかっている。従わぬなら、私を殺すしかない。

これ、李北七を拾った時から決めてたことなんだろうか?分からないけど。
でも、小さい頃から育てて、自分を裏切らない駒を作ってきた。最初から、李北七に抗う術はなかったのは確か。
しかもここでこの人を殺したとして、謀反の企みを暴露したとして、誰が信じるって話なんだよねえ。
そりゃあ、含嘉倉で武思月を捕えた時、あーんなにも荒んでた訳ですわ。

李北七は刀を取り落として膝をつき、やめてくれと呟いて、泣き出してしまいます。
それを見てうるっとする心があるのならとは思うんだけど、多分、綱渡りみたいに緊張したこの場面を、よし、これで切り抜けたって、ホッとしたからなんとちゃうか?

北七の死は私のせいだった、私のせいで死なせてしまったと泣く武思月。
このとんでもない話を聞かされて涙する場面にしちゃ、激情型の姐さん、大人しいな。

どうして家族同然の北七にそんな仕打ちを?神都を守れと私に教えたのは兄上よ。
なのになぜこんな真似を?なぜ変わったの?

うーん、きっと変わってはいない。この人は15才から、こう。
最初から、自分で毒を飲んで信頼を得てのし上がってやる、なんて考えられる15才。
もしかしたら内衛を手にした時は、謀反までは考えてなかったのかもしれないけど。朝廷内部を間近で見ているうちに、こりゃダメだと思うようになったのかもしれないけど。
心の奥に昏い謀略を秘めつつ、誰もが一目置く真面目な内衛の奉御郎って皮を被って演じるのも、そこそこ気持ち良かったんではないだろうか?

お前には見えないのか?お前にそう教えた時と比べ、天下は様変わりした。
重臣達は腐敗し、女帝の一存で人の生死が決まる。徳に欠ける者に代わって何が悪い。

武思月は陛下に徳がない訳じゃない、天下も変わっていない、変わったのは兄上だと言いました。
もう生きるのに必死な少年じゃないのに。目的のためなら自分の身から犠牲にする恐ろしい人。
陛下に取って代わるのに、一番楽なのは太子の座を奪うこと。郡主を人質に取れば、きっとそれは叶う。完璧な計画ね。

そうだ、明日になればすべて片が付く。

ん?郡主を人質に取る?それはこれから先の話なのか?でも開倉の式典を爆破するのでは?
それで陛下を吹き飛ばして、その後、郡主を人質にして太子を引きずり下ろすってことかな?

お願いだからやめてと武思月が縋っても、もう手遅れなんですって。全ての準備は済んだ。明日、神都は一変する、と。
どんな手を使っても止めてみせると、武思月が出て行こうとすると、高秉燭と百里弘毅に頼るか?と言われます。言っておくが、あの2人は私の監視下にある。
やめてと叫んだ武思月が、振り向きざまに刀を抜き、黒兄貴の首に突き付けました。
過ちを重ねないで、たった一人の家族を失いたくない。
そんなんもう遅いんだわ。既に、これだけのことをしでかしてしまっている。
失わない選択肢なんてないよ、自分が見逃して事実上謀反に加担する以外は。
謀反の首謀者として失い九族皆殺しで自分も死ぬか、ここで殺してその功で自分の命だけは助けて貰うか、なんとか阻止して断罪するか。全部失うのが前提。

武思月に刀を突き付けられたことには、少々驚いたらしい黒兄貴。
私を殺す気か、やれ、と怒鳴りました。
あーもー、また怒鳴るんかよ。んもーね、ここ、ちょっと切っちゃえば?と思っちったよ(大笑)

この世で唯一の家族を殺すのか?
父母の敵を守るために、父母の位牌の前で。

この姐さんに出来るはずもない。
黒兄貴は、これは天下のためだとまだ言いますよ。
そして、殺せぬのなら、芙蓉牡丹令を渡せと言いました。
泣き笑いになって、刀を投げ捨てた武思月。

この笑いは、もしかしたらここまで高秉燭は読んでたってことかな。やっぱり、高秉燭の言った通りだったと。馬車の中で七娘に頼みがあるって言ってたのは、ここに繋がってるのかな。

内衛には人員が増えていて、その中には宮嫣も紛れ込んでました。
内衛府の警護を強め、許可なき外出を禁じる。月華君もだと、芙蓉牡丹令を手に部下に告げる黒兄貴。
宮嫣は黒兄貴から、高秉燭と百里弘毅を見張り、怪しい動きがあれば殺せと言われていました。

その頃、高秉燭は明日の式典のために食糧の警備に従事中。
陛下の立つ場所はよく見えるようにと内衛に指示して、きめ細かいご配慮、さすが奉御郎からの信頼も篤いなんて言われてます。先日まで罪人高秉燭って目の敵にされてたのに、この掌返し。ヤんなっちゃうね。

そこに百里家から使者がと、蕾芝が来ました。
高郎君、だって。違いないんでしょうが(笑)
ちょっと前は、不精髭にズタ袋被ったみたいな服着て、大理寺の検視人してたのにねえ。

蕾芝は、アーランと七娘が旅に出るので、別れの宴をと伝えます。
傍らで作業をしていた男が聞き耳を立てているのも、高秉燭は気が付いている。
アーランが何をどこまで気付いているのかは分からないけど、きっと馬車の中で武思月から何かを頼まれた七娘から、知らされているでしょう。黒幕と、多分自分達には見張りがついているはずだとか。

お酒を2瓶ぶら下げて、妙に明るくやって来た高秉燭は、久々の肉だなーと言って座ります。
飢饉の余波でろくな物もないが、可と評せる料理を用意したとアーラン。
店の中にも、たくさんの密偵が紛れ込んでるようです。てか店の客、ほとんどそうなんじゃ?
高秉燭は周囲を見回し、静かで悪くないと言います。
神都の喧騒は嫌いだ。俺の中で不良井に勝る所はなく、外に憧れる兄弟をよく叱ったものだ。

風起洛陽
画像出典 BEIJING IQIYI SCIENCE & TECHNOLOGY CO., LTD.
キラーン✨ またか?また言葉の裏を読めと?

アーランの視線。
高秉燭が周囲にバレないよう、何かを伝えようとしていることに気付きましたね。
日頃高秉燭が望んでいるのは、全く逆だということをアーランは知っているもの。

それにしても、神都の災難はいつ終わると思う?
そう言われて、じっと高秉燭を見るアーラン。
以前、仲間に大口を叩いてな。誰かが婚儀を上げれば、この店の歌妓を不良井に招き有名な曲を歌わせると。「輝ける天枢」だ。
高秉燭とアーランの視線がぶつかります。

揺台 天枢に輝く
蓬莱 日に映じて紅し
神都 無双の処
酔いて向かう牡丹の花

七娘がそう言うと、高秉燭は嬉しそうに、まさにそれだ、と。
道すがら買ったもので良酒ではないがと、高秉燭は持参したお酒を振舞います。
これでお前たちを送らせてくれ。

旅立ちは急遽決めた、思い立ったのならすぐ発つべきだとアーランが、と七娘。
私達は、すぐに神都を離れますよーって、聞かせたのかもね。

ここでやっとアーランが口を開きます。
月華君も呼ぼうとしたが不在だった。
瞬間、ぴっと顔を向けた高秉燭だけど、視線を落として、明日の開倉を前に内衛も忙しいんだろう、問題ない、旅から戻ったらまた飲もうと。
戻らないかもと、アーランは言いました。
春秋道は滅び、父の敵は討った。神都に未練はない。
お前と月華君に感謝をと、アーランが盃を上げると、高秉燭は、何の感謝だと聞きます。
父の敵討ちに力を貸してくれた。
お前のためではない、連山訣の解読や伏火雷霆探しでは逆に助けられたと言って、高秉燭も盃を上げました。
大事なのは目的より結果だ。アーランが言い、2人は盃を飲み干します。
七娘がいい表情で見ているよ。

誰より、思月に感謝をと高秉燭は言いました。
俺は私怨のためだが、思月は神都を思い、命をかけてくれた。
そう言う高秉燭の視線は七娘に向いていて、七娘は少し複雑そうに視線を落とします。
内衛は訓戒で「天命を受け、神都を守る」と言う。言うのは簡単だが成すのは難しいな。

高秉燭の言葉を聞く百里夫妻、心と頭の中はぐるぐるしているに違いない。
俯くアーランに視線を送る七娘です。
アーランと高秉燭は、この感じ何度目かだけど、七娘は初めてよね。何気ない会話の中に、もりもり大事なヒントを入れて、状況と依頼事を伝えられるの。

次に会うのはいつになるか。最初に会った場所を覚えているか?と高秉燭。
南市、羊汁の陶家だとアーラン。
記憶力がいいと高秉燭は笑います。羊汁の金を返していない。笑う七娘。
そのままで。思い出になるとアーラン。

これまで困ったときは、お前を頼った。思月や不良井の丑じいもな。
お前が去れば、友が1人減る。
不良井が気がかりでな、朝廷が不良人の命を軽視する限り、俺が守らなければ。
アーラン、忘れるな。神都に友がいると。

2人はまた盃を上げ、頷いたアーランは、元気でと言いました。

何も知らない人が見れば、話を聞いていても、ただ穏やかに別れを告げる会食です。
だけどこの会話で、高秉燭はアーランに、だいぶ情報を渡していたのでした。

分かるかーいっ!だと思うわ、ホント。
密偵のみなさん、お疲れ。
彼らはこれで、百里夫妻はコトが済んだと早々に神都を経ち、戻っては来ない、百里弘毅はもうほぼ監視の必要はないと判断したことでしょう。

そんな訳、あるかぁ!(笑)

次回、最終回です。

ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 テレビブログ 華流・アジアドラマ(韓国以外)へ

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次