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「開端-RESET-」8~9話 ネタバレ感想

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開端-RESET-
©Daylight Entertainment, CO.,LTD ©Century UU
目次

8話 怪しい乗客 圧力鍋

残るは、同じバス停から乗って来た、スーツケースおじさんと赤い袋おばさん。

スーツケースおじさんの境遇は、仕事をなくしてしまった出稼ぎ労働者でした。
受験を控えた娘が田舎にいて、学費と生活費を稼がないといけないみたいなんだけど、住居用に借りていたガレージも、防火上、管理が厳しくなって住居としては使えなくなったらしく、出て行かなくてはならなくなっちゃった。
貸主のおっちゃんは案外いい人だったけど、それで罰を受けるのは自分だからねえ。それでも気の毒に思ったんでしょう、ボロボロのカバンしかもってなかったおじさんに、奥さんの古いスーツケースをくれました。このあたりの話は、ドラマの流れとは前後しますが。
だからあのスーツケースは、おじさんの少ない引っ越し荷物だった訳だ。

スーツケースの中には、貸主の妻の下着みたいなのだの、生理用ナプキンだのも少し残っていて、必要なものがあればやる、いらなければ捨てていいと言われてました。
おじさんは、生理用ナプキンを見て、それをスーツケースに戻します。
日本でも少し前、貧困で生理用ナプキンが買えない問題ってのが話題になっていたことがありましたっけね。娘のいるおじさんにも、それはまんま、該当していたのかもしれません。

おじさんの部屋の壁には、数学オリンピックの賞状みたいなのが何枚も張ってありました。
この人、頭は良かったのね。でもお金がなくて進学できなかったのかな?
仲間達と飲んでいた時に、勉強しとけばよかったって誰かの台詞があったけど、おじさんは資質はあっても経済的に諦めたのかもしれない。だから娘には、なんとしてでも進学させたかった。それで頑張っていたけど。
だけど娘は、そんな父親の状況も薄々感づいているらしく、借金があることもちゃんと分かってました。娘はおじさんに電話で、進学はせずに就職すると告げてました。
スーツケースおじさんは、そんな人だった。

そして17回目。
そんな事情は知らないシーチンとホーユンは、前回スイカも食べていなかったスーツケースおじさんと赤い袋おばさん2人を疑い、袋のほうが調べやすいと先におばさんに接触することに。

シーチンがおばさんの後ろに座り、生理用のナプキンを持っていないかと尋ねると、ないと一言。話が続かない。仕方なくシーチンは、重そうだけど圧力鍋の中身は何と、いきなり聞いちゃった。わざとらしいけど(笑)まあ、戻ると思えば怖くないってか。
袋に手をかけられても慌てなかったおばさんは、肉よと答えました。

2人はこれでスーツケースおじさんを疑い、次はおじさんの乗る停留所前まで遡るから、乗車を阻む作戦に出ようと決めます。
でも、今回はひとまずルーディの乗る停留所で降りようとしたシーチンのカバンを掴んで引き止めたのは、スーツケースおじさんでした。

おじさんはスーツケースをあけ、大事そうに上に置いてあった数学オリンピックの賞状をのけて、荷物を盛大にかき回した奥の方からナプキンを取り出し、ひとつシーチンに手渡してくれました。
娘のためにと貰っておいたものを、困ってるのだろう見ず知らずの女の子に差し出せる人なんだなあ。あちらでは、日本の感覚ほど生理用グッズを男性が手にするのって、恥ずかしいことじゃないんだね。
てかそれが当たり前だよ、考えたら。元々月経の穢れ意識は中国伝来でもあるらしいらしいけど。

シーチンとホーユンもこれで一気に、あの赤い袋だと気付いてしまいます。
停留所でシーチンを先に降ろしたホーユンは、さっと戻ってあの赤い袋に手をかけました。
足でそれを阻止しつつ、だけど表情も変えないおばさんが怖いよ。

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瞬間鋭く睨んで顔を上げたものの、おばさんを間近に見たホーユンの表情に、僅かな戸惑いみたいなのが混じるのが良かったわ。
次の瞬間、おばさんは蓋の取っ手に仕掛けたスイッチを引っ張り、バスは爆発しました。

18回目。
シーチンが目覚めたのは、おばさんがバスに乗り込んだ後でした。
目覚める時間は早まっていないっぽいね。
ループは、爆弾がバスに持ち込まれる時が始点になるらしい。
乗車の阻止はできない訳だ。

それに気付いたシーチンですが、ホーユンが起きません。
苦しそうに目を閉じたまま。
途端に怖くなってしまったシーチンが取り乱すのを見たトップガンとお薬おばさんが心配して、駆け寄って来ました。この2人はこういう人だよねえ(笑)
病人がいる、死にかけだと大騒ぎになった時、はっとホーユンが目覚めます。

声は聞こえていたらしいけど、体が動かなかったんだとか。意識を浮上させるのに苦痛が伴うんだとか。
シーチンは平気なのにね。
後から巻き込まれたホーユンにだけ影響が出てるってことは、そもそもホーユンがループするのは想定外だから、体に負担がかかってるとか、そういうことかな。

不安で涙を流しちゃうシーチンだけど、気を取り直して、現状を伝えます。
時間が遡れないなら、ここが限界、これがラストチャンスかもという意見になる2人。
じゃあ、どう行動するか。

ホントはここがループのスタート地点ってことなんだよね。
で、爆弾が乗ったバスの爆発を阻止できるまでは続くループ。
でもそれを知らなければ、現時点では、これが最後かもと思っちゃうのは当たり前かも。

シーチンは、バスを降りない、ごめんねと言いました。
だけどさあ、これがよ?
今まで何事も成したことのなかった自分、だから突拍子もないことをして殻を破りたい、乗客を救えたら殻を破ったと胸を張れる、なんて理由だったなんて。
何だ、それ。
そんな理由で、今までアンタ、結果的には、おまえも命を懸けろとホーユンに詰め寄るみたいな真似してたのか。それこそ、英雄病じゃん。
自分が何かを成し遂げたという証明に、人の命を使うな。

ハタチの女の子の考えなんて、そう大層なものじゃないって分かっていても、ここはちょいとがっかりしてしまいました。後先考えない正しい熱血正義感って訳じゃなかったんだ、この人。
これって以前書いた、双方に正しく説教するオレちゃん♪的な動画を撮ってたトップガンの承認欲求と一緒ね。承認欲求が悪いとは言わないけど、コトがコトなのよ。命がけなの。少なくともホーユンはシーチンと一蓮托生。
なのにこれ、上手くいったら、私スゴイってのが満たされるってことでしょう?
ごめんねなんて言ってるけど、ここまできてホーユンはシーチンをひとりになんか出来るわけがない。シーチンを捨てて別行動した後、どれだけそれが今後ホーユンの心の重荷になるかなんてこと、想像もしてない。や、考えてるかもしれないな。この人はもう1人だけ知らんぷりはできないだろうと。
だとすれば、非常に利己的。

あーもー、こんな告白いらなかったなー。
と考えるのは、私の見方が穿ち過ぎなんでしょうか。
シーチンは、乗客のみんなをもう他人とは思えないって付け足してましたが。
それは分かるんだよ、ホーユンも心動かされてしまったっぽい感じだし。

ルーディの乗るバス停に差し掛かった時、ホーユンはシーチンの手をぎゅっと握りました。
これなら無理矢理引っ張って一緒に降ろせるけど、そうじゃなかったみたい。
最後だ、そう言って、ホーユンはシーチンに好きなようにさせました。

降りるテイだったシーチンは、まだドアを閉めないでと言い、バスの中に落とし物をしたと言い出します。2人で床に這いつくばって、USBメモリを探す振りで、赤い袋に手を出そうとすると。

赤い袋のおばさんは、ナイフを持ってたよっ。
シーチンが袋を奪おうとし、おばさんを止めていたホーユンは、胸をナイフで刺されてしまいます。
ドアを開けさせて圧力鍋を持ち出そうとしたシーチンは、おばさんに引きずられ、首にナイフを突き立てられてしまいました。これ、死んだよね…画面はモノクロになっちまってるぞ。
あの女を止めろというホーユンの叫びも空しく、おばさんは圧力鍋のスイッチを引き、爆発。
おばさんの顔がすごいわ、怖かったわ。

この女優さん、劉丹さんは、このドラマで、2023年のマグノリア賞最優秀助演女優賞をとったらしいです。分かるわ。今までの、スンッぷりも不気味だったけど、ここだけでもすごかったもんな…

19回目。
ようやくシーチンにも、本当の怖さが分かったかもねえ。
殻を破るなんて甘い話じゃないことを。
目覚めて泣き出したシーチンを、大丈夫だと抱き締めるホーユンです。
ホーユンは一度ループ内で死んでるしね。さっきも胸を刺されてる。痛みと恐怖の感覚を2人がやっと共有できた。あ、もしかしたら、未だどこか甘かったシーチンが思い知るための、さっきのあの、本音吐露だったんでしょうか。

でもこれで、時間が遡らなくなってもループする、ここがスタート地点だってことも理解。
さて、これからだ。
今度こそ、他人に構わずに降りようとホーユンは言うんだけど、シーチンは、また戻ったのね、と。
あー諦めてないよ。こりゃ、正義感も本物ってコトかぁ、やれやれ(笑)

ドアが開いて降りかけた2人だけど、シーチンはホーユンの手を振り払い、バスに戻っておばさんの頭を叩き、圧力鍋を奪おうとします。ホーユンもバスに戻って、おばさんのナイフからシーチンを庇って腕を怪我しました。

でもね。今回はもみ合ううちに、ホーユンがおばさんをナイフで刺しちゃったんだよぅ。
あああ、かわいそうにホーユン。

他の乗客は驚いてあわあわするだけで、誰も揉み合ってるホーユンに加勢できないの。ナイフを出したのはおばさんだって、見て分かってるのに。えー。ガタイのいい人いたでしょーにー。止めろよー。
シーチンは赤い袋をずるずる引っ張るだけで精一杯だし。あの女を止めろと、さっきホーユンがしたみたいに、なぜ叫べなかったんだっ。

血だらけのホーユンは、シーチンの手を引いてバスを降りました。
その間に、ふらふらとバスの運転手が座席のほうに出て行ったのが映ります。
そしてバスは誰かの手で爆弾のスイッチを引かれ、爆発してしまいました。
ここでもう残っているのは運転手だけ。共犯者だったのか。

9話 逃亡する2人

冒頭は、爆弾おばさんの過去映像。
水たまりの水を箒ではいていたおばさん。
どうやら、住んでいたガレージでボヤ騒ぎを起こし、消し止めた後の水を掃除してたみたいね。
火事だと聞いて、水を持って駆けつけた中に、スーツケースおじさんの顔もありました。仲間内で警察に協力したことで報奨金を貰った人がいたので、おじさんも消火活動協力の報奨金狙いだったみたいだけど。
2人は同じバス停から乗ってきているので、この地区ではガレージ住民が多いらしい。
少し後に分かるんだけど、この地区での規制が厳しくなり、スーツケースおじさんが退去させられることになった理由は、どうもこの爆弾おばさんのボヤ騒ぎだったようで。
ボヤというより、小さな爆発だったみたいだし。
この時に爆弾、成功してたのか…4/4だったようです。

結局今回もバスは爆発してしまったので、公安は2人が下りたバス停の防犯カメラ映像を見ていました。
血だらけのホーユンがシーチンの手を引いて降りるところ。
バスのドアから、トップガンとスーツケースおじさんが顔を出すところ。
そして、爆発。

爆発の直前、誰かが殺人の通報はしていたらしい。
ホーユンとシーチンは第一容疑者として、行方を追われることに。
そしてなぜか杜副局長は、バスから顔を出したスーツケースおじさんも調べろと。
おじさんの名前は、ジアオ・シアンロンというらしいわ。

スイカおじさんもそうだったけど、おじさん達の名前、カタカナがややこしくて覚えられない(笑)

ガレージ住居のある周辺は、港務新村というらしく、住宅密集地で防犯カメラも充分ではないらしい。
それを知っていたのか偶然だったのか分からないけど、シーチンとホーユンはその方面に向かっていました。
ジアン刑事がスーツケースおじさんのいたガレージを調べに行った塀の向こうの道を、シーチン達が歩いてたり、ガレージを開けて貰ったすぐ上の階段を2人が上っていたりする。
平面だけじゃなくて、上下にもごちゃごちゃした地域なんだね。
ジアン刑事はそこで、スーツケースおじさんには特に問題がないこと、別の区域で変な女性の住むガレージに火事が起き、火が出る前に爆発音がしたことを聞き、そちらに向かうことに。
防犯カメラの映像で、ジアン刑事はおばさんの存在も認識したわよ。
おばさんの名前は、タオ・インホン。

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こんな血だらけのまま街を歩く2人。
水道を見つけて血を洗い流したホーユンは、今までにないほどショックを受けていました。
自分が殺されるより、人を殺してしまった記憶のほうが堪えるってのは、きっとそうなんだろうなあ。
だけどホーユンのその態度で、一緒にいるシーチンは自分が殺されてしまった記憶はもう吹っ飛んだらしいよ。これは分かるな。自分よりヘロヘロの人が隣にいたら、自分までそうなる訳にはいかないからと、しゃっきりするっていう。

シーチンに気遣われつつ、今すぐ立ち直れ、時間がないと言われて手を引かれるホーユン。
2人は警察の目を潜り抜けつつ、停車していたトラックの荷台に隠れました。
2人の乗った荷台には、石膏像がたくさん積んであるんだけど、どこに行くんだろうね。

スマホの位置探索で2人が一緒に移動しているのはバレてるんだけど、突然、移動が早くなったことで、警察も慌てます。
ジアン刑事も、ガレージに人を近付けるなって言って行っちゃったけど、そのガレージを早く調べてー。

ホーユンはシーチンを残して自分だけ逃走しようとしてたみたいだけど、シーチンはどこまでも一緒にいるつもりね。
どう見ても僕が真犯人だ、これが最後なら自分は終わると言うホーユンだけど、シーチンは時間が早まらなくなってもループは繰り返してる、まだ続くと。
ホーユンはスマホをトラックから投げ落とし、シーチンを庇おうとしてかな、突き離そうとしてますな。でもそんなことでへこたれるシーチンではありませんわ。今できるのは、眠る場所を探して、対策を立ててまたループに戻ることだと言います。
でも、人を刺してしまった記憶が消せないホーユンは、なかなか切り替えることができません。

少し考えたシーチンは、なぜあの時、あなたも降りずに戻ったのかと聞きます。

その頃、パトカーの中でジャン刑事はジアン刑事から、スーツケースおじさんが2人とは関係ないことと、乗客にいた爆弾おばさんの起こした火事話を聞かされていましたよ。

シーチンの問いにホーユンは、二度と君を殺させないと答えました。
周りの人を守れないのはもうイヤなんだ、でも悪事を止めようとして自分が悪党になった、と。
それを聞いたシーチンは、自分のスマホも投げ捨て、これから何があっても一緒にいると宣言しました。

はいはい「風」の葛藤を「火」の情熱で解消してくれー(笑)
(あらすじ一覧記事に書いたんですが、手相で見る風の性質と火の性質に、ホーユンとシーチンがばっちりハマるんですよー)

ふぅむ。やっぱりこの2人、凸凹部分を2人で上手く補い合えるようになったよねえ。
ホーユンのヘタレを見ると、シーチンががっつり頼もしくなるし、シーチンが揺れたり感情的になったりすると、ホーユンが優しく冷静にフォローする。よきよき♪

トラックが停まったのは、ルーディの秘密基地のある近辺でした。あの街の一角ね。
シーチン、カバンも置いて逃げ出したわね(^m^)
ホーユンのカバンはバスの中だったなあ。

2人は急いでルーディの部屋へ。
でもその頃、公安も、2人がトラックに乗って移動したことが分かり、トラックのナンバーも突き止められていました。

ルーディの部屋で傷口を洗い流したホーユン。
シーチンは貯金箱を見つけたから薬を買ってくる、放っておいたら感染症になるって言うんだけど、今、ひとりで外に出るのは危ないよー。

と、見ると、そこにはルーディのコスプレ用品があった(笑)
カツラと派手なハッピを着て薬屋に言ったシーチンは、テレビのニュースに自分達がばっちり写っている映像が流れているのを見ます。怖いだろなあ、これ。

薬とメラトニンを買ったシーチンは、帰る途中でトラックの運転手から話を聞いているジャン刑事を見て、部屋に急ぎました。
部屋ではホーユンが、ルーディのタブレットで映像を見てたよ。
警察が来たから場所を移そうと、ホーユンに変装用の衣装を出すシーチンに、ホーユンは、世間から見たら僕は、もはやテロリストだとか呟いてます。

えーいっ、一人でヒロイックになってないで、そろそろ立ち直りやがれっ(笑)
隠れても無駄だと言うホーユンに、シーチンは事情を説明したって相手にされない、しかも今回はもっと厳しい取り調べとなると言います。
だよね、今までのだって十分精神的に削られた。今度はあの比ではないでしょう。

ジャン刑事がルーディの部屋に踏み込んだ時、シーチンとホーユンは別のビルの屋上で傷の手当をしていました。タブレットは持って来たみたい。
そこで、無責任な動画配信者の、ホーユンの仕事内容にまで口を出す配信を見てるのよ。
過激表現を削除したくなくて、クライアントの意向をのみたくなかったホーユン。今までもそういった表現のゲームが多かったのかもれしないね。こういう時に、そういう部分をピックアップされて、人格否定までされてしまう事実。

シーチンは聞いちゃダメよと、タブレットを取って消しますが、ホーユンはまたも盛大にぐるぐるしてるなあ。
ネットの住民は好き勝手に他人を批判する、相手の立場に立って考えられない、いずれにしろ私達はついに爆弾犯を突き止めたと言ったシーチンは、もぐもぐとグミ状のメラトニンを口にし、ホーユンの手にも持たせました。

何か考え事してたホーユンは、待機状態で待ってろと言って、ひとりで飛び出して行きます。
どこ行くんだ?
仕事のこと言われたから、仕事仲間のところに行くんだろうか。
きっと間違いなくシーチンも追ってくよねー。

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