あらすじ
四十八寨に侵入した謝允を逃がした周翡は母で当主でもある李瑾容から厳しい罰を受けるが、父・周以棠(しゅういとう)の取りなしでその場は収まる。周翡にとって父は常に自分をかばい、愚痴を聞いてくれる存在だった。周翡が1人になったのを見計らい謝允が現れる。周翡はうまく誘導して謝允を木のうろに閉じ込め、四十八寨へ来た理由を問い詰める。謝允は、王麟(おうりん)に託された文を周以棠に渡すためだと答える。王麟の願いは令牌(れいはい)を周以棠に届け、安平(あんへい)軍を任せることだった。
ドラマ公式サイトより引用
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ネタバレ感想
冒頭から、李瑾容(りきんよう)の言っていた10年前の惨劇、回想シーン。
地煞山荘(ちさつさんそう)に襲われた、四十八寨(しじゅうはちさい)。
「海天一色(かいてんいっしき)の品」と呼ばれる腕輪をしていた、周翡(しゅうひ)を助けた李瑾鋒(りきんほう)。馬で逃げる背中に、地煞山荘のボス、沈天庶(しんてんしょ)の飛ばした刀がさってしまいます。この沈天庶って人、片手が鉄製の義手なのね。
背中に刀が刺さったまま、周翡を父親の周以棠(しゅういとう)の元に届けた李瑾鋒は「この腕輪を守り抜き、決して人目に触れさせぬように」と姉の李瑾容への言伝を残し、亡くなってしまいました。
これだけだったから李瑾容は、なぜそうまでして死守するのかを知らないってことかな。
瑾鋒はおまえと四十八寨を守った、なのにおまえは得体のしれない者を逃がして四十八寨を危険に陥れたって言いながら、周翡をムチ打つ李瑾容。
直接耳に鞭が当たって、耳が真っ赤になっちゃったのも構わず打ち続けようとする母。
侵入した謝允(しゃいん)が賊扱いなのは分かるけど、謝允は、既に亡くなっている王麟(おうりん)将軍から依頼されて、甘棠公(かんとうこう)、夫、周以棠(しゅういとう)宛ての手紙を渡しに来たと言ってました。それを、王麟将軍の令牌を渡せば下山させてやると凄んで、踏みにじる動作を見せて、こりゃ、話にならないと思わせたのは自分なんだよね。それが逃げた直接の原因だから。周翡は追わせまいとしただけ。あそこで話し合えれば、こうはならなかった。
こういう相手なのを、因縁があった王麟将軍も知ってただろうから、四十八寨に正面から入るのも、当主の相手も難しいって言われてたんじゃないかね。だから今度は当主をすっ飛ばして、依頼を完遂する手段を探そうと一旦引いたんでしょ。
手紙が何を意味するのか李瑾容には分かっているから、握り潰したい。多分軍からの依頼、それを見ればきっと夫はいなくなる。そういう感情が、がっつり介入しているようにしか見えないんだよなあ。そしてやっぱり心の奥には、大事な跡取りの李瑾鋒は、周翡を助けたせいで死んだってことが払拭できないでいるように見える。
以前どこかでこれを、李瑾容のブラコンが酷過ぎる、メンタルやばいと言ってた方がいらしたんですけど、昨晩、周翡には冷たい一瞥を投げた癖に、無謀な脱走を試みた李晟には、声色まで変わって駆け寄った姿を見れば、それも頷けてしまうんですよねえ。
そんな印象をひっくり返すほどの、当主として母としての大きな愛情や意図を感じさせて欲しいもんですが。
さすがに李晟が止めに入り、李妍(りけん)が周以棠を連れて来ました。
落ち着いた賢者風のパパ周以棠は、妻を当主と呼んで、叱っても殴ってもいいが私の話を聞いてくれと言います。やっぱりね、当主としての重責で、周囲への手前ってところにも、必要以上に肩に力が入ってるんだね、この人は。それを一応、夫は分かってもいる。だけどさ、娘へここまでの折檻はさすがにやり過ぎ。少なくとも夫は娘を可愛がっている様子だし、妻からも庇ってるんだし。李瑾鋒と周以棠の2人は李瑾容の大きな精神的支えだったから、その夫までも奪っていく者を助けた娘、憎しってのも滲んでるんだとしたら、ホント李瑾容のメンタル、やばい。
周以棠は、娘の言い分にも一理あるとし、四十八寨は常に道義を重んじ、恩を仇で返す真似はしないと言います。周囲のみなさんもみーんな、頷いておる。王夫人という長老も、ここから出たこともない周翡が賊を引き入れるなんてあり得ないと強い味方になってくれます。
でも、侵入者が悪人でないというのは周翡の思い込みに過ぎない、捕えて審問すればいいと。
周囲もみんな賛成します。捕える術を話し合うのが先決だと言う馬吉利(ばきつり)も、目が赤い気がする。見ている全員が、当主、やり過ぎと思ってたわね、これ。
分かるんだよ、自ら許すわけにはいかない、周囲から嘆願されないとやめられない、なぜなら当主だから、そして相手は娘だからこそってのもさあ。けど誰も意見できなかったじゃんねえ。
私の刀には四十八寨全体がかかっている。
そう言った李瑾容に、周以棠は、四十八寨には優れた隠者も多い、平和を守るため、君が苦しむ必要などない、自らの立場に縛られるなと言ってます。
表向きはね、当主としての重責と周囲への手前、それだけ見ればこういう言葉になるでしょう。ただ、演技のせいなのかなあ、見えないんだよ、それだけには。周翡に対する愛情が、まだこの母からは垣間見えないんだもの。でも夫や李晟への愛情は垣間見えるから、こんな穿った見方になってしまうんだよ。百歩譲って、周翡の才能を誰よりも認めていて、殊更に厳しく磨いていこうと思っているのだとしても、理不尽に不公平に押さえつけたりするのはなぜ?反骨心や忍耐力を植え付けてるってことでしょうか?成長して江湖を渡るようになれば、この程度の理不尽以上のことが待っているから。だとしたら、周翡が素直に育っちゃったら、ダメじゃんか。騙されまくるよ(^m^)
四十八寨への侵入に失敗しましたと報告を受けているのは、地煞山荘の大荘主、沈天庶。
そういえば謝允の他にも、黒装束が複数で、洗墨江から侵入しようとして失敗してましたね。
沈天庶は、洗墨江の仕掛けを確かめただけ、謝允が潜入したなら、周以棠は山を下りるだろうと言っています。知ってるんだな、この人も。そこら辺の事情を。
そして六荘主、童天仰(どうてんぎょう)が動くコトに。童天仰って、10年前に周翡に片目を潰された人ね。ちなみに地煞は七荘主までいるよ。
周翡が、耳をぱたぱた仰ぎながら休んでいたところに来たパパ周以棠。
周翡の日頃の不満は当然でしょうね。今度何かあったら自分に吐き出しなさいってパパ。本当に死ぬところだったのを助けてくれた人を救って、何が悪いのか、自分は間違っているのかと訴える周翡に、正しいと言う父なんですが、ただ、それらを李瑾容が聞いてます。驚いてないから、この人、李晟のやらかしを周翡が被っていることも知ってる訳?分かってて周翡だけを怒ってるんだとしたら、それは何より李晟のためにならない。
一応は様子を見に来たのかなあ。だけど、かけた言葉が「何が不満なの」なんだもんな。
周以棠が目配せをして、周翡の傷を後ろから覗き込む李瑾容。表情が硬いから分かり難い。
思過斎(しかさい)ってところの警備を強化しろって、昨晩、李瑾容は言ってましたが、周以棠のいる場所だったんですね。やっぱり近付けたくはないと。
山に入る前に打った碁の盤面を残している周以棠。進退窮まっている局面なんだとか。
あなたこそ、自らを縛っていると李瑾容。次の一手を思いついたら、動くのか残るのかと聞きますが、周以棠は答えられないみたいね。揺れてるからこそ、手紙を見たら決断されてしまうだろうってか。
ひとりで栗かなんかを食べている周翡を、近くの木の上から覗いていたのは謝允。
当主は随分残酷な罰を与えるなー、え、まさか自分を逃がしたせいでー?ってなってる。
木の実を投げて周翡を呼び出し、水草の精♪って、ひょっこっと木の陰から顔を出す謝允。かっわいいのぅ←
で、傷薬を渡すんですよ、ふっつーにいい人なんだよねえ、この人。
この場所ではまずいから、私について来てと言われて、嬉しそうにガッツポーズなんかしちゃってるんですが、大きな木の洞みたいなところに閉じ込められてしまいます。
周翡は、四十八寨に来た理由を言うまで出さないって言うんだけど、昨夜、言ったじゃんね。
それにしても、まだ中学生くらいとはいえ、本当に何も教えないのね。父親の来歴も全く知らない娘。世間知らずと言いたかったところを、純粋無垢って言葉にしたな、謝允(^m^)
純粋培養も過ぎると、後で当人が困るのに。
犬の餌だとか言われた栗をもくもく食べながら、謝允は軽めに話してますけど、挿入された回想シーンはかなり重めです。イーボくんが何か食べる姿はただひたすらカワイイんだけどっ(笑)
王麟将軍は自分のお墓まで作って、死ぬ覚悟で出て行った。その後の安平軍を周以棠に託してくれって、これは遺言ですわ。無下にはできませんわ。そして謝允は、将軍に拝礼されちゃうような立場の人ってことね、正体はね。
周翡は刀を突き付けて、母親が謝允を父親に合わせない理由を聞きます。
謝允は、これから何をしても怒らないと約束してくれたら話すって約束させて、刀に自分から体を寄せ、驚いた周翡が刀を引いた隙に逃げ出しちゃいました。
思過斎では、周以棠と李晟が碁を打っています。なぜ刺客は叔父上を狙い続けるのですかって李晟が聞いているので、今までもずっと狙われてきたんだろうか。だとしたら、李瑾容の異様な警戒も少しは分かるんだけども。ほとんどの護衛を周以棠に付ける徹底ぶり。
李晟は、片や命の危険も顧みず、手紙を届けようとする者もいるって言います。
自分のせいで、周翡が罰を受けるのは嫌だと言った李晟に、周以棠はおまえは居場所を定めていないだけだと言いました。まだ覚悟してないってことかねえ、跡継ぎとして四十八寨を背負って立つ。
でも、李晟、少しだけ様子を窺いながら、伯父上のように?って。あははっ。これは意外と爆弾発言じゃないですか?アンタだって迷ってんじゃんよって、まだまだ子供の甥に突き付けられる周以棠。
四十八寨で守られながら、重責でいっぱいいっぱいになっている妻と、その煽りを食っている娘の側に居続けるか、大義、親を滅すと腹をくくって安平軍に戻るか。
やっぱり謝允は王麟将軍に、周以棠は大丈夫だけど、当主の李瑾容は決して怒らせぬようにって言われてたんですね。もう怒らせちゃったけどね。てか、王麟って言った途端に怒り倍増になったけどね(^m^)
周以棠のところには周翡。多分謝允の話をしに来たんでしょうけど、李晟がいたのを見て、ただ会いに来たと言いました。
その時、外から笛の音が聞こえてきます。
それを、李瑾容も王夫人と共に聞いていました。長年世の中から消えていた曲なんですって。
この曲、どこかで聞いたことあるなあと思ったんですけど「十五従軍征」じゃないかな。
「軍師連盟」でも使われていました。15で従軍し、80で除隊して故郷に戻ったものの、荒れ果てた家にはもう誰もいないっていう、切ない歌ですね。このドラマでは、安平軍の象徴として使われてるみたいです。
曲を耳にした周以棠の顔色が変わりました。
来るべき時が来た。避けられぬ。
周以棠は、この「安平曲」は、王麟将軍の元で挙兵した頃、作られたものだと言いました。
王麟将軍と父親の関係をここで知る娘。
木の上で笛を吹いていた謝允は、あっと言う間に取り囲まれ、そこに李瑾容。
手紙と言っていたのは、この曲のことだったんだねえ。
分かっているから、聞かせまいとしたんでしょって謝允に言われて、いきり立つ李瑾容。この人、安平軍を憎んでるみたいですね。周以棠は挙兵したって言ってたけど、今は病弱。軍で何かがあって夫がこういう体になってしまったことを、王麟将軍のせいだと恨んでるのかな。
そこに周以棠が現れました。
私を付けたのねって言った周翡をペシッとして、無礼だぞと言う周以棠は、謝允の正体に気付いてるんだろうなあ。謝允が若輩者より挨拶をと言ったら、恐れ多い、ですからね、返事が。それを見て、少しだけ周囲も、え、この人、誰?的な感じにはなりましたね。
でもダンナ、ならば誰より無礼なのは妻のほうですよ、今、切りかかろうとしましたよ(笑)
師徒の情はとっくにお返ししたと言う周以棠に、謝允は言います。
私はただの使いで過去は知らない、でも私に会いたくなかったなら現れなかったはず、あの曲が耳に入らなかったのなら、会うべき人ではない。
尚も李瑾容は話す必要などない、捕えろって言うんですけど、周以棠に止められました。
周以棠は、謝允が木に吊るした安平令を周翡に取らせます。
周以棠が決意したことが分かり、李瑾容は諦めたように言いました。
分かっていたわ。あなたのような人が、見て見ぬふりを続けられるはずがない。
妻は娘に、安平令を渡しなさいと言い、夫が大事そうに手にするのを見て、さっと踵を返します。ちょいと狼狽える夫。いや違うんだ、私とて妻と子を捨てるつもりはー!ってかぃ。
でも気を取り直して謝允に、元は違う姓だろう、故郷はどちらかなって探りを入れるんですが、謝允は私は乱世の流れ者ですと言います。もうその身分は関係ないって生き方してますもんね。
納得した周以棠は李晟に、謝殿は私の客人、丁重なもてなしをと言いました。
謝允の素性がバレるのはいつでしたっけね。そう後ではなかったはず。想定は南朝の梁の人。舞台は梁から陳にかけてのようです。世界史が大の苦手だったあたくし、もっとちゃんとやっとくんでした(笑)多分西暦570年くらいの頃のお話のようですが、その頃の日本なんかね、古墳時代だよ。蘇我馬子の父親、蘇我稲目の時代、飛鳥時代の聖徳太子より前です。
夜、母上には内緒よって、周以棠とお酒を飲んでいる周翡。
パパは周翡に、お前は恩を忘れず物事を正しく見分けると言ってくれましたよ。
出て行くなら、私も連れてってという周翡ですが、アンタ、軍だぜ。でも分かるよ、容赦ない折檻に耐えられないってのは。それでもあの耳の傷で、充分容赦してるんだそうな。母、どんだけ苛烈な女なんだ。
朝、周翡が目を覚ますと、ベッドの横に袋に入ったたくさんの栗。
あいつめって周翡は言うけど、私はごんぎつねかと思ったわよ(^m^)
なんのしがらみもなく江湖を渡るはずが、親切心を抱いたばかりに王麟将軍の文を届け、ある人を傷つけましたと、周以棠に言う謝允。周翡が受けた傷のこと、誰よりも気にしてるのは謝允なんだなあ。自分のせいでって。だからこんぎつねになったのね(笑)
それに気付いているパパ、少女は成長するものだ、ですと。
周以棠の会話って毎度、少しだけズレたところから返事が来るよね。
謝殿は見識が深く、軽功も巧みで義理堅い、どなたに師事されたと聞かれた謝允、言えずに誤魔化してますが、いやいや、もうバレてますよ、間違いなく。
四十八寨の大門が開き、出てきた周以棠を出迎えていたのは、安平軍の聞煜(ぶんいく)将軍。
周以棠は四十八寨に引っ込んで、もう十数年も経ってたんですか。じゃあ、その間に周翡が生まれたってこと?
酒代を貸したままだって証文みたいなのを渡す聞煜将軍と、私も曲代を貸したままだと言って、それを戻す周以棠、2人の関係性が分かりますわ。んで、がっつりと抱き合う。盟友だったんですね。
謝允は物陰から見ています。聞煜将軍に会いたくないのかもしれないな。バレるから。
李瑾容は修行用に作られた塔みたいなところから、それを見ています。
走ってきたのは周翡。
聞煜将軍に止めろと言って、周以棠は振り返りません。
聞煜将軍は、ちょいと気遣う言葉をかけつつ、仕方なく周翡と刀を合わせます。周翡は、一緒に行って周以棠を守ると言いますが、いくら四十八寨の若手の中では一番強いと言っても、相手は軍隊の将軍。周翡は刀を折られて呆然とします。初めて四十八寨の外の人間と手合わせをし、負けた。だけど、井の中の蛙なのは周翡のせいじゃない。
背を向けたまま、手を引きなさいと周以棠は言いました。
ここで父の教えが続くのですが、やっぱりなーんかピンと来ない台詞が続くんですよ。
痒いところにジャストミートしない感。
言いたいことは要するに、強くなれ。
取捨選択は強者のみに与えられる権利。今の周翡では聞煜将軍にも勝てず、大門を出ることすら叶わない。その程度で私を守るなどと言える立場ではない。それを選べる立場ではない。成長するがいい。極めよ。おまえがその自由を手にする日を待つ。
門は閉まり、周以棠は行ってしまいました。
折れた刀を拾った謝允に、周翡は、母上は正しかった、あなたを助けなければよかったと。
謝允くん、妙に良心の呵責を感じてるなあ。かわいいなあ← 何度でも言う。
馬車で向かう周以棠を、李瑾容が密かに追ってるみたいですね。
その時、聞煜将軍の前に立ちはだかったのは、地煞山荘の童天仰(どうてんぎょう)でした。やけに芝居がかってるヤツだなあ、ヒゲも赤毛なのね、この人。
仕込み刃の出る鉄の盾みたいなのを馬車に向かって投げられた時、来た来た、李瑾容。これを見込んでたんですね。絶対地煞は邪魔しに来ると。
しかし強いね、母。鉄の盾を弾き飛ばされた童天仰の手が、刀の衝撃で震えてますわ。
捨て台詞を残して走って逃げる童天仰。一目散なのが可笑しい。
李瑾容に向かい、聞煜将軍始めとするみなさん、姐さんに、一同、礼、って感じですよ。
次回は周翡、ひとつ強くなる(笑)
このドラマ、前半は周翡のRPGみたいなんですよね。
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