あらすじ
第二皇子に会うために酔仙居(すいせんきょ)に向かっていた范閑(ファン・シエン)と滕梓荊(トン・ズージン)の馬車が襲われる。襲ってきたのは北斉(ほくせい)の猛者として知られる程巨樹(チョン・ジューシュー)。激闘を繰り広げる范閑と滕梓荊だったが…。一方、知らせを受けた第二皇子は自分が疑われるのではと顔色を変えるが、そばにいた司理理(スー・リーリー)が少しも動揺していないのを見て疑惑を向ける。
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ネタバレ感想
第二皇子は、酔仙居で司理理(スーリーリー)にお茶を入れて貰いながら、范閑を待っていました。
でも司理理の差し出した湯呑は、第二皇子が手を触れようとした時、ぱしっと音を立ててひび割れます。不吉だ。
その頃、滕梓荊(トンズージン)と馬車で仲良く向かっていた范閑。
牛欄街という道は、郭保坤(グオバオクン)を襲ったところだったのね(^m^)
だけどさあ、もーね、滕梓荊がニコニコして、今幸せだ、范閑に感謝するとか口走る訳ですよ。ダメだよう、あんま、そういうことを言っちゃうとー。だいたいドラマではさあ…
ほら。石畳の左右に続く塀の上を、あの白い2人の女性が並走してきましたよ。「箱」の屋敷の笠の女性達でしょう。そっか、范閑狙いだったんか、この人達も。とすると長公主派か皇太子派ってことかな、司理理から令牌を貰ってた、誰だか分からないあのご仁は。
突然弓矢で襲われた2人。でも2人も強いので、彼女達のことは比較的余裕で撃退するんですが。道に縄が張られており、馬の足がその縄を切った途端、脇道に設置してあった弓矢の機械が作動し、馬が射られてしまいました。か、かわいそだー、うまー!
馬車は壁際に引っ張られ、土壁から飛び出した屈強な手に捕まって、范閑は壁の中の屋敷に引っ張り込まれます。あの「箱」の屋敷だ。腕は、箱の中にいた北斉、八品の猛者、程巨樹(チョンジューシュー)。范閑暗殺のために捕獲してたってこと?
急いで駆けつけた滕梓荊は、程巨樹のこと、知ってたね。
いくら強い滕梓荊でも、肉弾戦では吹っ飛ばされます。暗器を飛ばして命中させても、この化け物のような巨体は、ビクともしないのよ。人かよ、これ。
その頃、程巨樹が牛欄街に現れたことで、鑑査院もざわついていました。王啓年(ワンチーニエン)も、北斉、八品の猛者がなんで?誰を相手に?と呟いた途端、はっと思い辺り、慌てて飛び出します。
いやー、ちょっとー、鑑査院、急いでよー!
2人がふっ飛ばされた室内の蝋燭が倒れ、屋敷には火の手も上がります。2人がかりで立ち向かって行っても、程巨樹にはなかなか効かないって、もう、なんなの、コイツは。
滕梓荊の暗器に毒は塗ってあったみたいだけど、それでもあの巨体、己の肉体で毒をも跳ね返すんだってさ。牛と土地を貰うまでは死ねないなんて滕梓荊は笑ってるけど、范閑には逃げろと言います。范閑が滕梓荊を置いて逃げる訳ないじゃーん。

いいコンビだったのよ(泣)
とてつもない激闘。2人共、ぼろぼろになりながら戦うんだけど、この怪物は強すぎる。遺言みたいなことを范閑は言い、そんなことは自分で言えと滕梓荊は言い。
范閑が殴り飛ばされて、動けなくなった時、もう立つのもやっとだった滕梓荊が1人で怪物に向かって行きました。うわああああ。
ねえ、大切な友達の滕梓荊が倒されてしまって、范閑は真気を放って戦ったんだけど。
どうしてそれを、もっと早く出せないんだ!?と思ってしまったんですが。これは火事場の馬鹿力に近いものなんでしょうか。そこまで追いつめられないと、出せなかったものなんでしょうか。
程巨樹を倒し、そのまま仰向けに倒れる范閑。
気付いた時、目の前には王啓年がいました。軽功使いだから、他の鑑査院の人達より先に着いたのね。かなり重症だから、動かないでください、鑑査院の者がじきに来ますと言う王啓年に、范閑は滕梓荊を指差し、奴を起こせと言います。
それは無理ですと言われた范閑は、起き上がって滕梓荊の元に。
お前は言ったはず、家族のために生きると。
危険が迫ったら、トンズラすると言ったじゃないか。
まだ生きて動いている程巨樹に気付き、傍らの短刀を手に向かう范閑を、王啓年が止めました。黒幕を吐かせ、滕梓荊の敵を取りましょう。
審理をするのは?
鑑査院です。
それで范閑も、程巨樹にとどめを刺すのを諦めます。
滕梓荊をうちに運んでくれと言って歩き出す范閑。送りますと言った王啓年に不要と言い放ち、俺を殺したい者に、もう一度、機会をやろうと言って、短刀を握ったまま、血だらけのボロボロで町を歩き始めました。「襲われた、命を狙われた」を周知させるつもりね。
駆け寄って来た若若(ルオルオ)には、第二皇子に、途中で襲われたから行けないと伝言を頼みます。
そして、澹州には戻らないと告げました。
一緒に行くはずだった、滕梓荊の敵を取らないといけなくなったからね。ここまでしてきた相手を、捻り潰さないといられなくなったよね。
第二皇子にの元にも、事態は報告されていました。第二皇子の呼び出しの途中で襲われ、護衛が死んだとなれば、真っ先に疑われるよね、だからこそ、黒幕は違うと思うけど。
靖王世子殿下から知らせを聞いた第二皇子も、疑われることは十分理解しています。
でも、話は耳に入っていたのに、何一つ驚きもしない司理理を見て、第二皇子は、この件は都を激震させるぞ、そなたは少しも驚かぬのだなと言いました。
普通は驚きますわな。少なからず知っている范閑が、白昼堂々都で殺されそうになったんだから。下手打ったのかねえ、司理理。これが終われば逃げるからと、気が緩んでいたとも思えないけどな。
もしやとうに知っていたのか?と聞かれ、否定もせず、何をなさる気で?と言った司理理。靖王世子殿下もハッとしています。
だけど第二皇子は、モタモタしていると自分もまずいので、そのまま行ってしまいました。ただ、疑いは持ったよね。というか、確信かもしれない。
自分の屋敷で、ぼーっと座っている范閑を、思轍(スージョー)が、ちょろちょろ隠れて見ています。二夫人も来ました。
范閑は外れた肩を自分で嵌めてた、骨接ぎは不要だ、すごいよねって、思轍、あんたが見てたのはそんなトコかっ。
傷心の范閑を気遣ってる二夫人と、体はだいじょぶって言ってる思轍、微妙にすれ違ってるものの、会話が成立している母子。
もりもりとご飯を食べる范閑。
どんなに大事な人が死んでも、生きている人間は食べなくてはならない。生きていかなくてはならない。これは本当に真実なんだよねえ。大事な人であればあるほど。
范建(ファンジェン)が来て、隣に座ります。

パパもさすがになあ…
程巨樹は鑑査院に連行された。
若若が門前で審理の結果を待っている。
黒幕は何者だと思う?
第二皇子が最も疑わしい。俺が死んだらみな、第二皇子を疑うだろうと范閑。
ゆえに黒幕は別の者だろうと范建。
分かっていてのやり取りだね。
皇太子を疑っている范閑に、パパは、愚かな真似だけはするなよと言いました。
部屋の窓を開け放ち、心配でウロウロする林婉児(リンワンアル)の元に来た范閑。
滕梓荊が死んだと告げます。
あなたの護衛の?と聞かれて、護衛じゃない、奴はバカだ、と呟く范閑。
林婉児は范閑の手を取り、その人の話を聞かせてくれる?と言いました。
2話で滕梓荊に命を狙われてからのこれまで。
この世界でただ一人の、心を許せる友達。
奴は言ったんだ、危険が迫れば先に逃げると。なぜ俺を騙した。
涙が零れる范閑に、滕梓荊はあなたに伝えてたわと林婉児は言います。
命がけで守りたい人すらいなくて、生きる意味が?
家族のことかと思ってたって范閑。
あなたも家族なのよって林婉児。
ようやく范閑も泣けました。

ずっと泣けなかったからね。
さて、皇宮。
皇太子と第二皇子が跪かされています。
黒幕はどちらだ?
道義に背く行いは致しませんと皇太子。
私と范閑は良好な関係ですと第二皇子。
では何者の仕業だと皇帝。
恐らく北斉の陰謀かと思われますと皇太子。
それも一理ありますが、北斉に范閑を殺す理由が?と第二皇子。
第二皇子は、郭保坤(グオバオクン)の報復ではないかと言います。報復などしないという皇太子を信じたいが、他に誰が恨みを抱くのか思いつかないと。
皇帝は、殺せば問題は解決するのか?と聞きました。
解決しませんと必死の皇太子とクールな第二皇子、どちらが焦っているのかは一目瞭然。やっぱり、長公主か、皇太子派の誰かが勝手にやったかな。皇太子も知らなかったけど、見当はついているとか。
皇帝は解決するぞと言いました。范閑が邪魔なら范閑を、鑑査院が邪魔なら鑑査院を皆殺しに、朕が邪魔なら朕を殺めればよい。
殺せば問題は解決するが、極悪非道な輩の妄想に過ぎぬ。
慌てて平伏する皇太子と第二皇子に、お前たちは大胆にも国法を愚弄しているのだぞと皇帝。
ま、白昼堂々の人殺しですからねえ。
そこへ、侯(ホウ)公公が鑑査院からの報告を持ってきます。
どうやら鑑査院は程巨樹を解放したい様子。え、なぜ?
皇帝は、范閑に知らせてやれと言いました。
そんなこと范閑が知ったら、鑑査院に乗り込みますよね?
これも皇帝の「さてどう出る?攻撃」かよー。
范閑は林婉児の膝で眠ってしまい、夜が明けました。
滕梓荊は俺のせいで死んだ、妻子に伝えに行くと范閑が出て行こうとした時、若若の来訪です。
程巨樹が拘束を解かれると聞いた范閑の顔。
林婉児に最初からついてる若い侍女は、朝、自分のお嬢さんの部屋に范閑がいても、驚きもしませんでしたね。この子には話がついているのかな。長公主の息のかかった宮女じゃないから。
王啓年の元に飛んで行った范閑は、程巨樹の居場所を尋ねます。
地下牢にいるらしいんだけど、一言も何も吐いてはいない様子。なのに、都からの追放で解放だと聞いた范閑。院長不在の今、指揮を取っているのは、一処の主務、朱格(チューゴー)なんだとか。
素直に考えれば、あれだけの騒ぎを都の真ん中で起こした人物を、その黒幕も分からないまま解放はあり得ません。黒幕に見当がついていて手を出せないのか、もしくは黒幕の協力者なのか。
一処は百官を監察するので権力が強いんだとか。そこのトップを抱え込んだら、そりゃ強いな。あ、考えたら、最初に滕梓荊が偽の命令で范閑を暗殺に来たのだって、鑑査院内部にいたネズミだった。やっぱり長公主だよねえ、皇帝の言う「極悪非道な輩」のトップに立っているのは。
朱格は院長とも長い付き合いで、非常に厳格なんですってよ。ならば一際愛国心の強いカタブツでしょうから、そういう相手を篭絡するには、国のためっていう大義名分を強く打ち出したみたいなところかな、長公主。自らの狂気は巧妙に隠して。
お会いになるなら、言動にはお気を付けをと、王啓年に言われたそばから、会わぬと言った相手の部屋にどかどか入り込んだ范閑。
朱格は、費介(フェイジエ)は8人の主務の中でも能力は3本の指に入る、だが事の処理の仕方は一番気にくわない、公私を分けず感情的で、本末を誤り大局が読めない、奴の弟子でも身の振り方は学ぶなと言いました。
へー、提司って主務に並ぶ権限があるのかあ。費介師匠、あのチビッコ范閑に、とんでもない権力与えたのね(笑)
詳細を語る気のなかった朱格も、提司の腰牌が本物だと確認すると、手にしていた文書をヒラッと見せます。
兵部の急報。北の国境で一触即発。
北斉との戦は準備しているけど、開戦の時機はこちらが掌握したいんだってさ。程巨樹が京都で死ねば、報復という口実を与えてしまう。更に程巨樹と通じている北斉の将軍との密約もあるらしい。国境軍備の情報と程巨樹の命とを引き換えに。
政治的判断かいっ。でも朱格、この人も今後厄介な壁になりそう。
大局を重んじたという朱格と、無辜の者の命が奪われた、殺人は命で償うのが鉄則だと言う范閑。
んー、でもこれは范閑に勝ち目はないなー。
だけど朱格は、范閑の地雷を踏んでしまいました。
ただの護衛だろう。
開けっ放しの扉の外には、鑑査院の人達が集まってきてます。
范閑は、石碑の文字「人々は平等で貴賤の別はない」これが鑑査院の理念ではないのかと怒鳴ります。
護衛も人間。子供の父親であり、誰かの夫でもある。家族が唯一頼れる者だ。
あの殺人鬼は法の網を逃れられると言うのか?
国法はどこだ?天理はどこにある?
立場に囚われていない范閑の言い分は、正論なんですよね。
他の思惑はこの際置いといても、国と役目に準じようと、国法に逆らう道を選んだ朱格は、持っていた木札を握り締めて言いました。
既に決定したことだ。
朱格は部下に、提司の腰牌を見せられても従うなと命令しました。
最後に范閑は、朱大人、良心の呵責は?と言い残して去って行きます。
残された朱格も、激高したからか、途中から目が潤んでたんですよねえ。これをどう解釈したものか。若い頃は多分、とても正しく真っ直ぐな人だったのでしょうよ。おっさんになって偉くなって、初心を忘れたとは言わないけど、仕方ないことも増えて来て、だけど面と向かってこんなこと、言われたこともなかったんでしょうよ。
外に出た范閑は、あの石碑の前に立ちました。
ここに書かれた碑文を誰が信じる?
王啓年は、あなたは全力を尽くしましたって言うんだけどね…
そこに靖王世子殿下が、二殿下と私を許してくれと頭を下げに来ていました。
会う約束をしていなければ、こんなことには。だが信じてくれ、二殿下ではない。
范閑は、ならば手伝え、二殿下の権限で引き渡しを求めろ、と。
靖王世子殿下は、刑部でも京都府でもニ殿下は手が出せると言います。でも鑑査院だけはダメみたいよ。皇帝直轄ですものね。そして皇族は手を引けと、命が出ているらしい。
まあね、今回のは第二皇子じゃないだろうし、当然靖王世子殿下とも関係はない。第二皇子の意向だとしても、ここまで駆けつけてきた靖王世子殿下。この人はどうにも憎めないんだよなあ。
困らせる気はないと言って、范閑は去って行きます。
なぜかぴったりとついてくる王啓年に、范閑は鑑査院を恐れない勢力は?と聞きます。
ないらしいよ。皇族も手を出せない、大臣達も保身に走る、提司の腰牌も使えない。八方ふさがり。
范閑は、程巨樹追放の時刻を尋ねます。懐から紙のお金を出して王啓年に握らせて。
何も手がないなら、自分がやるってことなんでしょうね。
それが分かっていて王啓年は、詳細を調べてくるのを引き受けてくれました。私は対価として銭を貰う、感謝はしなくていいと言って。

王啓年も皇帝とは繋がってるし、表面だけの人じゃないけど、滕梓荊同様、范閑には味方したくなっちゃってますよね。
滕梓荊の自宅では、帰って来なかった夫の身を案じていた奥さん。というか、こういうのは虫の知らせ的なものでしょうか。ほぼ分かってしまった顔をしてるんだよね。
父さんはまだかな。父さんが喜ぶから、これからはそう呼ぶよ。
息子っ、もうちょびっとそれを早く言って欲しかったっ。
息子は今日は「箱」の友達に、サンザシ飴を買ってあげるんだって、飛び出して行きました。いや、キミ、その友達がな、父さんを殺したんだよ…
范家の屋敷では、中庭に滕梓荊の棺を置き、その前で范閑が短刀を磨いていました。
そこに王啓年がやってきて、情報を知らせてくれます。
一緒に町を歩く范閑ですが、王啓年の勧める城外の林の中じゃなく、城門を出る前に襲う気ですね。これもわざわざ人前で実行して、人々に周知させる気かもしれないな。いわゆる、仇討ちとして世論を煽る。しかも、政府高官の息子が、命がけで平民である自分の護衛の敵を討つというのは、人の情を動かしやすいんじゃないだろうか。
鎖を外されて歩いていく程巨樹ですが、傍らの茶店に范閑が座っているのに気付きます。
鑑査院の護衛は、提司殿はこの件に口出しする権利はないと言うんですが、程巨樹自身はロックオン。
歩み寄った范閑は言いました。
口出しだと?殺しに来たんだ。こっそり殺せと言われたが不本意だ。おまえは残虐にこの街で人を殺した、俺は大勢の目の前でお前を殺す。取り引きがあるようだが、俺には関係ない。
程巨樹は笑いながら、鑑査院の護衛を弾き飛ばします。
范閑、程巨樹と戦って真気が上がったって言ってるけど、そうなのかな。
さて次回は、ある意味范閑の目論見通り…
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