あらすじ
蘭珏(らんかく)が首席試験官を辞しても科挙の騒動は収まらなかったため、雑役の楊(よう)が目隠しをして論題を引くことになった。こうしてようやく科挙が始まったが、張屏は鏡湖先生のことが気になってならない。そこで挙子(きょし)の陳子觴(ちんししょう)の家を訪ねるが、彼はすでに息絶えていた。囚われの身となった蘭珏が鏡湖先生の詩について思索していた時、張屏も陳子觴殺害に関する証拠を蘭珏に渡すため牢(ろう)へやって来る。そして2人は、鏡湖先生の詩に隠されたある秘密に気づく。
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ネタバレ感想
さて、蘭珏がやめてしまった後、礼部員外郎の邵志(しょうし)が代表して論題を引くというと、まあた、何宣(かせん)が、礼部は蘭珏の部下だから信用できない、とな。
試験官たちが話し合って、挙子の中からひとりが引けばと提案すると、何宣は、その挙子が疑わることになるから、無関係の者が目隠しをして引くべきだと言い出します。
誰が何を疑うってんだかさー、全く。
んで、あの老いた雑役なら、誰とも利害関係はないはずだと。おい、何宣、おまえが指名するのか。
さっきの疑い云々って話なら、何かあった時は、指名したおまえが一番に疑われるぞ?
楊(よう)という雑役は、目隠しをして論題の巻物を一本選びました。
論題は、柳羨(りゅうせん)の出した「徳を以て国を定める」に決定。
三日三晩の科挙が始まりました。
夜、机に突っ伏して寝ている挙子もいる中、張屏は紙に「蘭珏」「鏡湖先生」「陳子觴(ちんししょう)」とか書いて、鏡湖先生の予言が蘭珏を巻き込んだ状況を整理してます。余裕だな(笑)
ほんと、目的が分からないよねえ。この騒ぎ。
張屏は鏡湖先生を探すために、まずは試験に来ていない陳子觴に会いに行こうと考えます。
で、論題に取り組み始め、翌日の午後かな夕方かな、でも明るい時間にはもう書き上げちゃった。
周囲を見回すと、片手にご飯で書いてる人や、寝てる人がいる中、馬廉(ばれん)だけは、箱を出してみたり机に肘ついて周囲を見てたりします。
張屏は立ち上がり、提出するために帰り支度を始めました。驚いた陳籌に、いい顔で頷いて。
するとすかさず馬廉も立ち上がって、張屏より先に季文(きぶん)に答案を提出しましたよ。
横から手を出して、一番乗りを奪い取った形。でもお陰で張屏、馬廉の論文に少し目を通せたわ。
貢院の外には、馬廉の使用人が待っていて、お菓子を差し出したりするんだけど。馬廉は使用人に荷物を放り投げ、なぜこの場に馬車が待っていないと怒って使用人を蹴とばしました。衛兵に止められて、貢院の前に馬車は付けられなかったらしいのに。
そんな姿を黙って見ている張屏に気付いて、何見てんだよって言うその態度も、ええとこのボンと言うより、こりゃ街のチンピラだわ。
暗くなった頃、張屏は試験に来なかった陳子觴の家へ。
誰も出てこないので勝手に入っていくと、中は真っ暗で水たまりを踏んでしまいました。
火折子を点けて周囲を照らしながら確認すると、盥に入った水や石鹸みたいなのが散らかっていて、その先に半裸で倒れている陳子觴が。
蘭珏は大理寺の審問を受けるため、自ら牢に入ってました。荒れた科挙の責任を取らなくちゃいけないらしい。いや、あれの責任て。どうやって防げたってーのよ。
本人は、鏡湖先生の目的はなんだろうと考えてますね。自分を陥れることだけなのかどうか。
そこへ、張屏が役人に連れられて入ってきました。
え、同じ牢なのかいっ。てか、張屏、何した?
蘭大人と呼びかけられたけど、背中を向ける蘭珏。子供かっ(笑)
張屏は、そのまま黙って座り込みます。
そこに食事が運ばれてきました。隣の牢の人、羨ましそうに見てるけど、隣にはないの?(^m^)
張屏は、カバンから粽やゆで卵や棗の実を出して、牢の丼ご飯の上に乗せて食べ始めます。ちゃんと蘭珏の丼にも乗せてやったんだけど、蘭珏もお腹空いてるみたいだけど、意地張って一緒に食べないの。子供かっ。二回目(笑)
食べないなら私が食べますよと言われ、渋々丼の前に座る蘭大人。
てか、張屏くん、蘭珏は食べ物で結構簡単に釣れるって分かってるのね(大笑)
牢に食べ物を持ってくるとはと言いながら、満更でもなさそうに食べる蘭大人。
張屏は、これも蘭大人のお陰ですと言います。推挙して貰って大理寺で働いたので、獄卒と知り合ったから、いろいろと融通が利くんですって。
張屏は、陳子觴が死んだことを伝えます。驚く蘭大人。
科挙を受けなかった陳子觴の家を訪ねると、井戸の側で亡くなっていた。
遺体を検分すると、湯あみをしようとして、転んで頭を打ったようにも見えたが、それなら咄嗟に体を丸めて頭を守るはず、しかも体の背面に傷はなかった。転倒時、既に意識はなかったのではないか。恐らく殺され、転倒死を偽装されたのでは。
ただ現場の痕跡は、雨で消失していて、犯人の目星はつかない。
でも、荷造りがしてあり、陳子觴はどこか遠くに出かけようとしていたらしい。
調べると、書物の他に、草稿も出て来て、それは馬廉が提出した答案と全く同じものだった。
論題が何に決まったか知らなかったはずの蘭珏は、「徳を以て国を定める」だと分かっていました。鏡湖先生の詩について考えるうちに、その真意に気付いたと言います。詩の漢字を分解すると、柳羨の出した論題になるんだって。一見不正を暴く詩だけど、実は論題を示していたと。
この2人の頭脳よ。合わせれば最強だねえ。
張屏は草稿を持ってきていました。
代書で稼いでいた陳子觴は、事前に論題を知った馬廉の依頼で論文を書いたのだろうと、この草稿が不正の証拠になると。
なぜ重要な証拠を、大理寺ではなく私に渡すと蘭珏。
科挙や鏡湖先生の関わる事件だから、これを渡すべき相手は蘭珏だと思ったと、そのために官兵にちょいと口答えして、数日収監されに来たらしいよ、張屏くん。これ、蘭珏を助けるためでもあるよね。
さすがに、礼を言うって言ったわよ、蘭大人。
張屏は、鏡湖先生は、癸酉に鬼ありと予言した、一連の事件は鏡湖先生と関係があるはずだから、事件を調べれば鏡湖先生をあぶり出せるかもと言います。
蘭珏は、獄中まで知らせに来てくれて感謝するとは言ったものの、我らの立場は違うと。
俯いちゃった張屏。父君のことで私を恨んでいるのですねって。
蘭珏はふるふると首を横に振りました。お前に非はなく、私も責めるべきではない。とはいえ、お前の母親が関わった。我らは親しくできぬ。
隣の牢で聞いてるヒゲのおっさん、神妙になって俯いて首振ってるの。意味分かってるみたいに。なんなんだこの人(^m^)
張屏は、では一人で調べますと言って、壁に向かって座り込みました。
んもー、蘭大人てばー。母親が関わったかもしれないけど、それはあなたの父親と同じ、冤罪かもしれないんだよう?立場一緒なのよぅ。ま、気付いてないんだから仕方ないけどさあ。でもいつまでも意地張ってないで、協力し合ったほうが早いよぅ。
張屏が眠っている間に、蘭珏は皇太后に呼ばれて出て行きました。
朝堂で、陛下もいる中、蘭珏は科挙の騒動は私の落ち度だが、科挙を欠席した陳子觴が科挙の前夜に殺され、その上、当日の論題の草稿が遺品の中から見つかったと伝えます。
柳羨も、蘭珏からの依頼で馬廉の答案を調べたところ、陳子觴の草稿と一字一句同じであったと報告。
続けて蘭珏は、鏡湖先生の詩は論題の「徳を以て国を定める」を秘めていて、科挙の不正は確かな事実、しかとお調べくださいと言います。
皇太后は、即、蘭侍郎は潔白だった以上、大理寺には行かなくても良いと言いました。
ならば、科挙の不正は誰に調べさせますかと聞くと、どーも有耶無耶にしたそうな気配。
と、陛下が立ち上がりました。
科挙を陰で操った者や、人殺しを探すのは当面の急務だと。
皇太后は、騒動を大きくしたいのかって、やっぱりか。馬廉は自分の関係者の婿になるはずだったんでしたっけ?
表向きは、不正を公にすれば、朝廷の威信は失墜するとか言うてますがね。
柳羨がしっかり調べたいと意見しようとすると、皇太后は、漏れたのは柳羨の論題、尋問を受ける覚悟があるのかと脅します。柳羨は私は恐れない、王太尉や竇尚書も恐れぬはずと。
だけどさ、王勤(おうきん)は当然って態度だったのに、竇方(とうほう)は二の足踏んでます。
王勤は、おま、何言ってんだ、みたいになり、後ろにいた王硯は、不甲斐ない上司に呆れてる。
難しい朝廷の中で上手いこと真っ直ぐさを保っている王硯は、パパ譲りなんだね。王親子、いい感じね。
朝臣達の流れを見ていた陛下は、こりゃまずいなと助け舟。
馬廉は母上にとって未来の姪婿です、事件に関わっていれば皇家の対面はどうなるのでしょうか。我々が馬廉を庇ったと思われるやも。そうなれば母上の威厳にも傷が。
陛下、いいよねえ。一皮むけて、カッコいいっす♪
陛下のアシストを受けて、蘭珏は柳羨と王勤とアイコンタクト。
揃って跪き、仰せの通りです、何とぞ捜査をお願いしますと。
皇太后も笑い出し、徹底的に調べよ、関係者は全員嫌疑があるので禁足、ですって。
陛下が、竇尚書と王太尉は出題者だから刑部は捜査できないと言うと、皇太后は大理寺に一任すると言いました。
ふぅむ。これさあ。大理寺しかないのは間違いないんだけど、陶大理寺卿なら、テキトーに済ますだろうって目論見かなあ。
指名された陶周風(とうしゅうふう)は、体調が優れないので云々と日和りましたよ。
後ろの王硯さんの呆れた感じが(笑)ピントあってないのに、はーあー、まぁたこの人はーって感じがよぉく分かるのがいいわ。以前も書きましたが、中の人、洪堯(ホンヤオ)さん。「瓔珞」の時は気付かなかったけど、センターで映っていない時に、ちょいちょい細かいことやってる演技がとってもいいのです。
大理寺卿は皇太后に叱責され、慌てて請け負うことに。
こんなの目に見えてるのに、なんで言い訳したかねえ。たーだ睨まれるだけなのに。
張屏も牢を出されてたよ。
もう楯突くなよーなんて言われつつ(笑)
自宅で蘭珏にお茶を出してる旭東は、まさか陛下が旦那様を支持なさるとはって言ってる。
蘭珏は、試験官になったのは陛下の命、先日の文での訴えもお聞き入れになったし、と。
表立ってはいないけど、そこには既に心の交流がある訳だ。蘭珏も以前の陛下が、皇太后に睨まれないようにウツケを装ってたのには気付いてたのかなあ。
そこに馬廉が捕まった知らせ。
蘭府の使用人は、旭東しか名前書いてこなかったけど、この流雲もいつもいますわな。
だが悠々自適か?と蘭珏。ご馳走三昧ですと流雲。
馬廉は高貴な出ゆえ、陶周風も便宜を図った、陶周風では解決できぬ、だそうで。
それを聞いた旭東は、刑部が介入できず、王様も捜査できない、ならば張屏の力を借りて、は?って、探るみたいな顔で言う(大笑)
蘭珏にじいっと見られて、自力で調べられぬのか?と言われて、流雲を見る旭東。流雲、無表情(笑)
蘭珏は、禁足中だけど、貢院に行く気らしいよ。必ず物証があるからと。
その頃、張屏は、官兵が見張りをしている陳子觴の家に来ていました。中に入れて貰うよう交渉するんだけど、兵達が便宜を図るのに求めてるのは袖の下よねえ。
蘭様に教わってないのかと言われた張屏は、蘭大人ならどうするだろうと考えて、あ、袖の下か!と気付いたよっ(^m^)
蘭珏のほうは、旭東に忍び込ませて門を開けさせ、貢院の中へ。
とせうすれば2つの予言が現実となるのかと考えてます。
席決めのくじと論題決めの両方に、細工をしないとならない訳でねえ。
くじと論題の保管は、礼部外郎の邵志(しょうし)と季文(きぶん)。
論題を引いた雑役の楊も怪しい。そして彼らも禁足で接触はできない。
だから貢院に忍び込んでの物証探しだと。
論題の巻物を前に、考え込む蘭珏。旭東が封緘紙の汚れに気付きます。
柳羨の論題に封をしていた墨文字には、カビが生えていました。時間が経って文字にカビが生えたってことね。じゃあ、その字を書く時だけ、墨に細工をしたってことだ。手で触れてもソレと分かるように。
だけど、まだそこまで行き着いていない蘭珏、張屏ならどうするだろうと、こちらも考えたわよ(^m^)
張屏が貧乏なので、官兵達は仕方なく銅銭数枚で、次の引継ぎ時間まで中に入れてくれたらしい(笑)
張屏は、血の付いた岩や、置きっ放しなのに下側が汚れていない重しの石や、周囲の足跡を調べてます。
陳子觴は、犯人にこの重しの石で後頭部を殴られ、石は洗って戻された。遺体はそこから移動させられたのではと。
で、石のあった甕の中に、馬廉のしていたあの趣味の悪い首飾りの一部を見つけましたわよっ。
やったの、馬廉で決まりだねえ。
てかさあ、お互い、蘭大人ならどうする、張屏ならどうするって考えてるんだから、意地張らずに協力し合えばいいのに。特に、蘭大人、アナタだよっ。
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