歴劫2度目は、祥雲だけがずるっこして、紅線翁から貰った忘川の水の効果を消す忘川蜜を使ったんですよ。だから、初空(しょこう)に記憶はないんだけど、祥雲にだけは仙界の記憶がある。
なので、この2回目の序盤はほぼ一人で、仙女祥雲の内心の独り言で物語を牽引しなきゃならない。そこなんじゃないかなー、多分なー。主人公2人と天帝サマは原音ですもんね?
ビジュアル演技とは別に、内心の独り言を上手に回すって結構技術が必要だと思うんだよね。実はこういう女主の内心の独り言がヘタ過ぎて、見るのやめたドラマ、いくつかあります、私も(笑)
だって、以降の歴劫は、さほどそういう感じは抱かなかったんですよ。メンバー増えたり、祥雲のほうが記憶がなかったり、2人とも記憶があったり、2人ともなかったりってパターンになっていくから。ホントに最初だけなんだよ。
以前書いた、番宣での2人の姿は、きっと放送が始まって間もなくの不評が噴出してた時期だったんじゃないかなと推測。だとしたらなるほど、ではある。
ドラマ自体は、当時本国で言われてたほど悪い出来じゃないと思いましたよぅ。「長月輝伝」より分かり易くて、トータルで面白かったもん。
所感 ネタバレです
しかもね、2回目の幼馴染編は、ホントゆっくりじっくりやってる訳だ。
なんたって、陸長空(りくちょうこう 初空)が生まれたー!ってとこからだから(笑)祥雲は6~7歳くらいって感じでしょうか。ここでは祥雲は宋祥雲です。
全38話のうち、2話の後半から12話の中盤まで、歴劫2回目にだいたい10話使っちゃってます。
ついこの間まで「少年歌行」を見てたもんだから、陸長空の両親、この2人かいって笑ってしまったわ。あちらでは、儒剣仙、謝宣と宣妃、易文君ですな。ホントあちこちでお見かけする売れっ子ベテラン勢ね。

そして、チビ長空は、この子。

チビ長空で、チビ凌霄で、チビ李相夷で、チビ沈翊で、チビ豊蘭息で、チビ許清嘉で。
丁禹兮(ディンユーシー)、宋威龍(ソンウェイロン)、成毅(チョンイー)、檀健次(タンジェンツー)、楊洋(ヤンヤン)、佟夢實(トンモンシー)の他にも、龔俊(ゴンジュン)や劉宇寧(リウユーニン)やレオ・ローやアレン・レンの役の子供時代も演じてるようで。
錚々たるメンバーじゃないか。この子、徐崴羅(シューウェイルオ)くんもスゴイなあ。
今年15才になるみたいなので、じきに少年〇〇役ではなくなっていくのでしょう。黄毅(ホアンイー)くんのように。そういえば「猟罪図鑑」はチビ沈翊がこの子で、少年杜城が黄毅くんだったよねえ。

で、この時、チビ長空が描いていた絵がトラなんですよ。可愛いのよっ。
やっぱりイノシシくんはトラちゃんのこと、好きになっちゃってたんだね。記憶がなくても描くのはトラよ?白虎じゃなかったけど、横には色塗り前の白虎と言ってもいいトラの絵があったわ。
その後、チビ長空は祥雲にブタっ鼻と眉の上にブタ耳描かれちゃうんだけど、それもまたカワイイ。
初回歴劫のイノシシ(ブタ)とトラは、以降もちょこちょこグッズで出て来たりします。
互いの父親が親友だったために、長空が生まれた時、既に2人は許婚扱いになってたものの、パパ達はそれぞれ実力のある将軍な訳ですよ。都を守る軍のトップと辺境を守る軍のトップ。そんな有力者の子供達を易々と結び付けて、強大な勢力にすることを皇帝が簡単に認めるわきゃーない。
ってことに、互いの両親は露ほども危惧してないのにびっくりする。特に陸パパはクソ真面目で、今までこれだけ誠心誠意忠実に仕えてきたんだって自負も強くて、為政者の歪んだ感情には気付かないんだか、認めたくないんだか。
ってな訳で、陸家はどんどん深みに嵌ってってしまうんだけども。
今回は、仙界にいた初空の友人、帝休族の修茗(しゅうめい)が自分も行くーと駄々をこねて、同じ世界に飛び込んでしまいます。この人も初空同様、忘川の水は飲んでる。
修茗は、3万年前、帝休族から摩羅族へ人質に出されていて、戦神初空に滅ぼされた摩羅族の女帝、滄海には、優しくして貰ってたらしい。だから滄海が帝休族を滅ぼしたとか妖魔だとか、そんなんは嘘だと、今でも信じている。
この人が、歴劫の中で記憶のないまま、第三皇子の寧(でい)王となっていて、まー随分と酷い邪魔をしてくれる訳です。皇族みんな変だったけどね。
後に、忘川の水を飲んで行った歴劫での行動には、その人物の心の奥底に潜んだものが現れる、どんな結末を迎えるかは神仙の気質で決まると、あらすじを作った李天王から聞いた初空が、あれほどの邪魔をした修茗に疑念を抱くようになるほど。
そんな幼馴染編には、もう1人、女媧石くんが出てきて、町であわあわしていたところを助けた祥雲を恩人様と呼び、力になってくれたりする。学堂の庭で知識を得、人間の形が取れるようになった紫輝は、力を使ったらしばし石に戻るって掟を自分に課してたので、たまに石に戻っちゃったりするんだけど。
仙界で初空の歴劫相手を落札したはずの鶯時(おうし)もまた、長空の従妹で、勝手に慕ってる設定で出て来るんだけど、その後、鶯時は女媧石くん紫輝(しき)の思いに打たれて、完全に長空から紫輝に乗り換えてくれました。
祥雲が川に落とされた時、慌てて長空が助けに飛び込むんだけど、鶯時まで飛び込んだから、それを助けに紫輝まで飛び込むのよね。祥雲と長空は、中国ドラマあるあるシーンを経て助かるんだけど、鶯時を助けようとした紫輝が力を使ってしまい、自分は石に戻って川底に一晩沈んでたのがカワイソだった(笑)
それにしても中国ドラマ、毎度そこら辺の川が、まー海のように深い深いコトよ(^m^)
だけど問題は祥雲。
戦神初空は冷酷で横暴なヤツって仙女祥雲の意識があるから、かなり長い間、陸長空って人物を素直に見ることが出来ません。
長空は、ブタの鼻描かれても、屋内で爆竹を鳴らせと命じられて煤だらけになっても、小さいころから一緒にいて意識し続けてきた祥雲のこと、分かり易く大好きなのに。
なるほどなと思ったよ。そこにきちんと冷静な線引きのできない人は、ずるっこしちゃダメなんだわね。変に情報があるせいの小賢しさで、こういうことになるから。祥雲の記憶さえなかったら、もっと早くから長空と祥雲は幸せな時間を過ごしていただろうに。
とはいえ、寧王が暗躍しまくったせいで、2人は悲恋の恋人たちになります。陸家は陥れられ、祥雲は長空を助けるために、寧王との結婚を決意しちゃったり、宋家の両親も覚悟を決めたり。
祥雲が長空から貰った結納品の簪をつけて、寧王に嫁ごうとした時、陸家に忠誠を誓った兵達と挙兵した長空が皇宮に突入してきて、雪の降る中、傷だらけになりながら祥雲を連れて逃げようとします。
でも長空を狙った寧王の矢から長空を庇って、祥雲が討ちぬかれてしまうんだよねえ。
鶯時と紫輝も一緒に戦ってたんだけど、紫輝を助けて鶯時は亡くなってました。
女媧石くんの心も、情愛でだいぶ染まったことでしょう。

ストーリー自体はさほど目新しくはない歴劫だったけど、じっくり描かれてたことで、2人の喪失感はかなり伝わってきました。大きな目を真っ赤っ赤にしてボロボロ泣く丁禹兮がねえ。良き良き。
そして、人間界に女媧石をぽーいっとした摩羅族の錦蓮(きんれん)も、紫輝を観察することで、祥雲同様、人間の情愛は生死を賭けるものなんだと理解してました。
だけど錦蓮は、鶯時の中に、自分の双子の妹、行方不明になってる錦蘿(きんら)がいることに気付いてしまいます。結構長い間、鶯時の中に隠れてたっぽいよ、兄貴の締め付けが嫌で逃げ出した妹。
鶯時は仙界のエエトコの娘だったみたいだけど、中に摩羅族の聖女が長年入り込んでたとは、仙界の親も知らなかったみたいな感じ。
そして仙界に戻ってのインターバル。ドラマにとっては、この時間がかなり大切です。
経験してきたことを整理したり、歴劫して戻ると、今まで知らなかった状況も見えて来たりする。
祥雲は長空との別れをものすんごく引きずっていて、魂抜けちゃった状態で戻ってきました。
陸長空は、祥雲亡き後、白髪になって妻の墓を守りながら土笛吹いてました。一緒にいる時は音が出せなかったやつ。以前祥雲に貰った長命玉を持って、言われた通りにしっかり生きてるよって。
そのうちに、初空も戻ってくるんだけど、彼もまた経験してきた気持ちが重すぎて、仙界での自分の立場とのギャップに素直になれず、祥雲に声もかけずにいなくなっちゃう。時々祥雲がお仕置きしない?とか口走ってたので、コイツは記憶を持ったままだったのかと、気付いてしまったからかもしれないね。長空はあれほど真剣だったのに、祥雲は修行のためだけだったのか、想いは本当ではなかったのかと、そら思うわな。
それでも初空は長命玉を、祥雲は簪を、しっかり大事に持ち帰ってるんだよねえ。
結局投獄された寧王、修茗も戻って来て祥雲に、まだ私を恨んでいるだろうとか言う。
自分でもあの所業には気が滅入るけど、結局はあれも私だと。
この時点ではこの人、何をどれだけ隠してるんだろうっていう怪しさもあるのよねえ。
だから初空も修茗と話すんだけど、口では明るく言い訳する修茗をそれ以上、追及しませんでした。ただ、後ろ姿を睨んでいるので、疑念は拭い去れてないよね。

3万年前、修茗は、滄海が消え初空が倒れているところで、天帝に経緯を聞いただけだったらしい。
初空はその影響で元神を半分に減らしていた上、当時の記憶も全て失っちゃって、性格も変わっちゃってたから、初空も修茗も、実のところ真相が分からない。
ただし、この人、その現場以前の初空と滄海や周辺の関係を知ってはいるのよね。言わないけど。
で、現在の初空と祥雲の歴劫に付いてくって聞かなかった訳よね?
だとしたら、2人をくっつけたくないってことじゃん?ならば、祥雲と滄海には何か繋がりがあるってことじゃん?更に、3万年前の初空と滄海の間にも、別の何かがあったんじゃ?となるよね。
3万年探してようやく見つけた、悲劇は二度と繰り返さない、必ずあなたを守るって言ってるんだし。
こりゃ、魂がイコールってことでしょうかね。どういう仕組みかは分からないけど。
祥雲は元々彩雲だったのを、紅線翁が人型にしてくれたらしいんだけど。
そして当初の、歴劫で今までしたことのなかった情愛修行をすれば、元神が回復するのではないかって計画は、一見順調のようでした。初空の元神はけっこう回復していて、あと数回行けば元通りになるくらいに戻ってた。
ただ孫天皇から天帝にだけ報告があったのは、祥雲がこの歴劫で元神をだいぶ損なっていたこと。続けると命を落とすこと。
それで天帝は祥雲を呼び出すんだけど、顔を見て瞬間固まる。力を使うと確かに元は彩雲だと分かったみたいなんだけど。でもここで天帝は、既に亡くなったある者を思い出すと言い、天帝が祥雲を呼び出したと聞いた修茗は驚いて立ち上がっちゃう訳だ。
ほう。祥雲は滄海と同じ顔なんだね。
天帝は、初空と共に転生を続ければ祥雲の命が危ないことを知りつつ、祥雲に縁結び仙女の称号を与え、引き続き励むよう言いました。要するに、死んでくれて構わないってことね?
天帝との謁見話を聞いた修茗のほうは、はっきりと、滄海、今度はあなたを必ず守ると言ってま。
この人、昔から体が弱くて、滄海から力を込めた摩羅族の神器の天穹玉(てんきゅうぎょく)ってのを貰っていて、常に身に着けるよう言われていたらしい。自分のことを思って、大事なものをくれた、優しくしてくれたって記憶ね。
それが今、少し暗くなったらしいよ。ほう、祥雲の元神が損傷したからか?
それでも3人は、人間はちっぽけでその一生は余りにも短いけど、何が大切かを仙人よりも知っているとしみじみと学んではいたようです。
ただ紫輝と鶯時のほうは大変なことになってた。
錦蓮が鶯時を襲い、錦蘿の姿を暴いて摩羅族に連れ帰り、女媧石の心を持ってこいと命じてました。
陸長空同様、鶯時のお墓を作って妻を偲んでいた紫輝は、鶯時は自分だって言う錦蘿に襲われちゃう。
どうやら情愛を知って目覚めた女媧石の心は、滄海を復活される媒体になるらしかったんだけど。錦蘿は自分を愛してくれた紫輝の心を、兄に捧げることは出来なかった。儀式の最中、錦蘿と錦蓮は吐血します。女媧石の心だって渡したのは、錦蘿の心だったらしいわ。
で、摩羅族の双子は、どちらかが傷付くともう片方も傷付くらしいわ。厄介だな、おい。
儀式は失敗、双子の余命も危うくなった。
片や紫輝は、以前鶯時が用意してくれた庵みたいなところで目覚めてました。
その頃、仙界でも、六界転覆って神託が下りてました。天帝は滄海が蘇って、世が覆るって言ってるけど、転覆の要因は滄海だけなのか?ん?
でも初空は、次の転生修行を急いで、元神を更に回復しようとします。
その頃、摩羅族護法である錦蓮もまた、まもなく消えそうな元神を回復させるため、人間界への転生修行に行こうとしてました。
人間界って何さ(笑)仙人の元神を回復できるくらい、人間界での経験は貴重なんすかね。まあ、何万年も変わらず生きる仙人の心を成長させるには短い人生での喜怒哀楽は、うってつけってことか。
そして更に。
修茗が書庫で、元神が同源の2人が転生し、相手のために命を投げ出すと、相手の元神を補い、その分自分は損ない、元神を捧げ続ければ消滅するって文章を読んでたよ。
祥雲の手に触れた時、元神が傷付いてることに気付いていた修茗は、こりゃマズイと慌てます。
その頃、急ぎ次の歴劫に向かう2人。初空は祥雲の落とした忘川蜜を拾っていて、祥雲には返さず、忘川の水を飲ませ、自分は飲まずに向かうっていうね(笑)仕返しだ(^m^)
てな訳で、3回目は師匠と弟子の世界へ。15話の中盤で移動し、21話の最初まで続きます。
ちょっと短くなるね。
記憶のある初空、記憶のない祥雲、記憶のある修茗、記憶のない錦蓮、記憶のない紫輝の5人のストーリーになるんだけど、次はねえ、なんたって錦蓮と紫輝の可愛さが見どころなのよー。
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作品情報
- 制作 2023年発表 全38話 爱奇艺
- 原題 「七时吉祥」
- 原作 「一时冲动,七世不祥」九鹭非香
- 監督 李南、杜林
- 脚本 李丽莎、徐弘
人物相関図

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