あらすじ
夜尊(やそん)と戦う力を得るため、趙雲瀾(チャオ・ユンラン)は危険な血清を自分の体に打つ。一方、胸に氷柱を刺された沈巍(シェン・ウェイ)は、残る力を振り絞って林静(リン・ジン)たちを助け、最後の戦いに挑む。兄である沈巍から少年時代の真実を聞かされた夜尊は、誤解が解けて安らかな表情に。しかし夜尊のエネルギーは海星爆発の危機を招く。それを阻止すべく趙雲瀾が下した決断とは…。
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ネタバレ感想
最終話です。とうとう。
あちこち予算不足を感じさせるチープな部分は多々あったものの、まあまあと目をつぶれるほどの主役2人の魅力と演技力だったこのドラマ。でもこの結末だけはなあ…っていうね。うう、辛い最終回です。
さて、地君殿に所長を助けに来た大慶が、思い余って取り出した、趙心慈(チャオシンツー)から受け取った血清。咄嗟に奪い取って、自分に打ってしまう所長です。この日をずっと待っていたのかもしれないって。
趙雲瀾って人は、表面上はフレンドリーさを纏ってたけど、根っこは人を寄せ付けないというか、踏み込ませないみたいなところ、ありましたよね。でも沈巍だけは別だったっていう。だけどさ、だけどさ、自らの身を犠牲にする運命だから、出来得る限りのシガラミを作って来なかった、この日のためにっていうのは、人として悲し過ぎる。そしてそれでも、彼を慕う人はいっぱい出来ちゃってるんだよ。
所長を抱き起こしていた大慶だけど、楚恕之が夜尊に吹き飛ばされたのを見て、夜尊に向かっていきます。でも、大慶は戦闘要員じゃないのに…
血清を打った所長に変化が現れたのと、夜尊の額の傷から黒いエネルギーが噴出し始めたのと、ほぼ同時。漏れ出ちゃってるのかと思ったんだけど、違うのかな。
夜尊の体内にいる教授は、思った通りだと言います。吸収することで力がついた夜尊は、吸収したいという欲を抑えきれなくなっていると。
地界も地上も関係なく、なんだか黒いのが飛び交ってるよ。
地上で怪我人の処置に当たっていた、成(チョン)先生と叢波(ツォンボー)も、空に青黒い光が飛ぶのを目撃、飛んできた黒いモヤに触れて、倒れてしまいました。
っていうかさ、叢波、いつの間にか先生を心妍(シンイエン)って呼んでるよ、早いな(^m^)
摂政官は、ヤツが世界を飲み込む前に阻止しなければ、全ての希望が絶たれるなんつってますけど、夜尊様~♪なんて言ってたのは誰だよ。でもま、そうでも言っとかなくちゃ、自分が殺されてた訳ですけどねえ。
でも教授は、大丈夫だ、私は彼を信じる、雲瀾(ユンラン)なら夜尊を倒してくれるって言うんだ。そして林静(リンジン)にも、頼んだことの念押し。時が来たら、氷柱を完全に突き刺せってやつね…うえ~ん。
地君殿では、夜尊が力で所長を引き寄せ、立たせていました。倒れている特調所の面々は、ヤバイってなってるんだけど、もう誰も立ち上がれないんだよ。
ただ、所長が仕組んでつけた夜尊の額の傷、かなり疼くみたいね。
所長は、どうせ全員アンタに殺される、その前に教えてくれと言います。
1万年の間、人間達を苦しめ、亜獣族人を陥れ、地星人さえ傷つけた、目的は何だ。
夜尊はいい質問だと笑いました。誰も聞いてくれなかったから、話せなかったんだとー。ちょっと笑っちゃったじゃないかっ(笑)
夜尊の目的は、世界を変えることなんだって。3種族ともみんな、欺瞞や陰謀の渦巻く汚れた世界だから、全部壊して自分が新しい世界を作り直すんだってー。
ったく。アンタは神か、創生神か。思い上がりも甚だしい。
所長は笑いました。
アンタは憎しみの中で滅びる。希望を生み出せない者に、歴史が微笑むはずがない。
夜尊は、歴史は勝者が切り開いてきた、勝者が王となると叫び、所長を吸収しようと力を注ぎます。でもようやく所長に血清の影響が出てきたようで、所長、急に強くなったぞ。夜尊と対等に戦ってるぞ。飛ばされた夜尊もちょびっと驚いたみたい。所長に出た影響は、怪力タイプかしらね。
その時、空中に浮かぶ山河錐に気付いた郭長城(グオチャンチョン)、山河錐に飛びついて掴み、同時に気付いた大慶と連携して、所長の手に。特調所非戦闘員の連携♪
所長はそれを、夜尊の額の傷に突き刺します。
夜尊の体内でも、衝撃が起きました。
教授は林静に、今だ、早くと叫ぶんだけど、林静、躊躇。当たり前だよなあ。
でも教授に、早くしろと怒鳴られ、ぐさっと(涙)
教授は、残った力を使い、林静、摂政官、安柏(アンバイ)を夜尊の体内から弾き出します。
もーね、この辺り、白宇と朱一龍の表情がすごくて、見ている私も顔に力が入る入る…
夜尊から衝撃波みたいなのが出て、全員弾き飛ばされ、体内からも飛び出して来た林静達。
所長は沈巍はっ!?と叫びますが、林静、答えられず。
呆然として、力尽きたように、横たわってしまう所長です。
夜尊は両手を広げて叫び、エネルギーを集めて何かをしようとしているみたいですが、その体内では教授も、最後の計画を実行に。
力を使って、体内に刺さった氷柱を出して握り込みます。
夜尊の様子が変わりました。
黒袍使、謀ったな。
お前の力は闇の力ではなかった。
それを聞いた所長、ハッとしています。
23話で、正直に言え、目を治す時、何をしたって、聞いてる回想シーン。
教授が刃物で手首を切って、黒いモヤモヤを出してて、体内のエネルギーがダメージを受けた、力を入れ替えないとって台詞。
38話、地界で、助け出した時、もしこの傷で世の人々を救えるならって台詞。
24話で、病院で爆弾を見つけた時、隠していることは、いつか必ず話すって台詞。
所長は、少しだけ微笑んで、沈巍、ずっと隠していたのかって。
全てに気付いたってことなんだね。
…でも、私はまだよく分かっていないぞぅ。
38話で夜尊に、お前の力は黒だって言われてた時も、念を押すようにそうだって言ってたのは、力の入れ替えを疑われないため、より強くそう思わせたかったからだったのか。
元々黒じゃなかったの?それとも、本当にあの時、入れ替えたの?
元々両方持っていて、黒のほうが強かったけど、比率を変えたの?
黒い力は地星人特有のもので、人間とは相容れないけど、違う色、白い力とかなら、逆に地星人の夜尊とは相容れないってことなんでしょうか。
あっ、だからか、だから教授の地星人としての力が、急速に衰えてきたってこと?力を入れ替えたから、傷も治らなくなっていたし。その変化に地星人の沈巍の体がどこまで耐えられるかってところが、早いうちから言っていた、残された時間はどれくらいみたいなことなんでしょうか。
だとしたら、所長の目を治す件がなくても、ハナから黒袍使は、夜尊に自分を吸収させて、入れ替えた力をその体内で炸裂させて、内部から夜尊を壊す計画を立ててたってことじゃん。
それがいつかは分からないけど、いずれにしろ近い将来、自分はあの弟を葬り去るために共に死ぬ。それは兄としての責任もあったのかな。でも、そんな覚悟を決めて少しずつ準備していたところに、恩人の崑崙が現れた。本人に記憶はないけど、ずっとずっと待ってた人が…となれば、あの数々の視線も納得がいきます。死を目前にして、あんなにも再会したかった人がひょっこり出てくれば、そりゃ、全力で守ろうとするでしょう。自分は死んでもいいと既に覚悟済。その覚悟も揺らぐかもしれないよね、一緒にいたくて。でも多分この人は、最終的に自分と同じような決断をする、鎮魂灯の灯心になろうとするに決まってると、それも分かってたんだろうなあ、いつ頃からかは分からないけど。
でも沈巍、そんな全部を一人で飲み込んでたんだって思うと泣けますよー。
教授は、刺さった氷柱を握りしめ、鎮めよ、悪しき者の心を、高めよ、善者の徳を、と言って、氷柱を抜き取り、傷口からエネルギーを放出させました。自分の体内の、夜尊とは相容れないエネルギー。
細胞レベルで、ダメージを受けたって表現かな、これは。
膝をつき、なぜだと呟く夜尊。
そこに、黒袍使が現れます。
これはもう、死ぬ間際、死んだ直後?の夜尊が見ている光景ってことなんでしょうか。
夜尊の額の傷もありません。
全て終わったと黒袍使。
家に帰ろう。
どこに家がある。お前に見捨てられたあの時に、帰る家は失ったと夜尊。
「あの時」の回想シーンです。
支え合って歩く、黒白兄弟。そこにあのパイナップル頭が現れ、自分の手下になれと。
兄ちゃんは、相手が人殺しだと見て、拒否します。
倒れた弟が気付くと、そこに兄ちゃんはなく、パイナップルに兄貴はお前を捨てて行ってしまった、お前の世話は俺に任せると言っていたと聞かされる…
ホントさあ、いつも思うのよ。
どうして物語の中の人達は、どう考えても悪者の讒言をコロリと信じてしまうんだろう。なんか言われれば、揺れ動くのは分かるよ。でもそれを言った相手が信じるに足る人物か否かくらい、分かるでしょーよ。動揺している時は騙されても、次第に気付くでしょうよっ!
ま、子供だったからね。特に夜尊は、兄ちゃんと比べると、体も心も弱かったんだろうよ。
たださあ、これは日常でもありますよね。
普通に仲の良い友達だった相手が、密かに嫉妬心とかを抱いていて、何気ない会話の中に少しずつ疑心暗鬼にさせる言葉を組み込んでる、とか。陥れようってことではなく、無意識のレベルで軽くやってるみたいなことは、結構あるかもしれないよなあ。まあ、このドラマでは相手がパイナップルなので、あんなヤツ信用する方が悪いと思っちゃうけどね。
黒袍使の口から語られた真実の回想シーン。
倒れた弟に触れようとしたパイナップルの手を跳ねのけた兄ちゃんは、パイナップルに崖から落とされてしまったのでした。
気が付いた時、足元に埋まっていた金属に躓いて転び、掘り出してみたそれが、黒袍使の長刀。それを持って、崖の上に戻ってみると、もうどこにも弟はいなかった。
私を見捨てていなかったのか、探してくれたと?と、涙する夜尊。
…あのさ、めっちゃ簡単な行き違いだよね、これね?
話せよ、どうしてだと何度か聞かれてなかったか?おまえ、ただ怒鳴り散らすだけで、ちゃんと話さなかっただろ。誤解から始まったこの盛大な兄弟ゲンカで、たくさんの人を殺して、世界を滅ぼすまで話を広げやがった、このアホ弟っっっ!
し、失礼。いい音楽流れてるけど、あたしゃ、ピキキキキキキってなったわ、もー。
だって、沈巍と趙雲瀾の犠牲が、こんな、こんなことのためにいっ!
でも、どこまでも優しい兄ちゃんは、手を差し伸べ、弟よ、帰ろうって。
不肖の弟は、兄ちゃんの手を取り、2人で階段を上っていきます。
でも、沈巍と呟く趙雲瀾の声に、思わず振り返る兄ちゃん。
山河錐を握ったまま、地君殿の床に倒れている趙雲瀾。
趙雲瀾の目には、階段の2人は見えていないんだね。
無人の階段から、転がり落ちてきたのは、教授が大切そうにしていた飴玉みたいなペンダントでした。蓋が開くのか、あれ、それとも割れたのかな。中にはぐるぐるの文様みたいなの。
これドラマでは触れられてないけど、原作ではかなり重要なアイテムだったみたいですね。
鎮めよ、悪しき者の心を、高めよ、善者の徳を。
涙を流しながら所長も呟いたこれは、以前も出て来ましたっけ?
原作では何かのキーワードになってるんだろうか?
そう呟いた所長を見て、沈巍は笑います。
所長も笑います。所長には見えていないのに、タイミングばっちりだ。
そして沈巍は夜尊と共に、行ってしまいました。
荒れ果てた街の中で、意識を取り戻した、叢波と成先生。空は鎮まっています。
地界では、鎮魂灯を持った所長を支えながら林静が急いでいました。
夜尊は死んだが、地界のエネルギーを吸収した、亀裂が広がれば、海星は爆発する。
崩壊の始まりのような地震が起きてるっぽい。所長は、林静を突き飛ばして、血を吐いたように見えました。もう覚悟してるからね…
林静は、みんなを連れてくると言っていなくなります。
林静、林静と呟く所長が哀しいな…
座り込んで、鎮魂灯を持った所長の前に、麻亀(マーグイ)と浮游(フーヨウ)の映像が現れます。やっと繋がった、と。
一体何があったと聞く麻亀に、所長は、俺にやらせてくれと言います。
麻亀は、話を聞いたかって。
獐獅(ジャンシー)の話す、鎮魂灯の秘密。
地界に行く前に、教えてくれた話ね。ドラマでは内容はまだ伏せられてました。
鎮魂灯は正のエネルギーで悪の魂を鎮めるランプ。それには犠牲が強いられる。
灯心が見つからなければ、自らの生命エネルギーを燃料として捧げる勇者が必要。
浮游は急いで説明しましたが、麻亀は君が死んでしまうんだぞと言います。所長は、どうせもう助かりそうにないって。血清で、人間を超える力を無理矢理作り出して戦いましたからね、生身の体には、耐えられなかったんだろうよ。
俺が死ねば、この世界は救われる。
大切な人を守りたくて、聖器を作ったんだろ?
そこで、映像は途切れてしまいました。
所長もさ、もう助かりそうにないし、沈巍はもうずっと前から覚悟を決めていて、計画通りにいなくなっちゃったし、やっぱり自分の役目だったなーって思ってるんだろな。獐獅に話を聞いた時から、ああそれ、俺なんだろうなって気付いてたもんね。勇者になるヤツはバカだよなって笑った時に。
それにしても、勇者ひとりに押し付ける役割が酷い。麻亀も浮游も、も少しなんとかできなかったんだろか。灯心が見つからなければって言い方をしたり、灯心は探しても見つからない、だってあれは…で映像途切れたりしたけど、見つかったら勇者の犠牲はいらないの?それとも最初から、誰かひとりの犠牲の元に、世界を救えるって形にしたの?作った自分達は別に灯心になることもなく、多分それなりに命を全うしておきながら?
ごめんよ、あちこちに恨みごとが沸いてでてきてしまうぞっ(笑)
そういえばこの時繋がった1万年前は、所長のタイムスリップ前なのかな後なのかな。前だったとしたら、所長が行った時、2人は所長が鎮魂灯の灯心となる未来を知っていたってことになるんだけど。だから敢えてその場では灯心の秘密を言わなかったとか。
所長は、すごいじゃないか、光栄なことだよな、自らの体を燃やして世界を照らせるって笑ってから教授のペンダントを握りしめます。いつか君にも分かるって予言のようなあの言葉を思い出して、ふっと笑って涙して。
準備はできた。
鎮魂灯に火が灯り、趙雲瀾の魂は鎮魂灯に吸収されていきます。
その手から落ちて転がっても、鎮魂灯の火は消えませんでした。
そこへ、林静が大慶、楚恕之、祝紅、郭長城と共に駆けつけ、火が灯った鎮魂灯と倒れている所長を見て、立ちすくみます。
ドラマのオープニングで象徴的に写っていた12時1分になる時計の針が、11時59分から12時丁度に動きます。
地の揺れは収まっていました。
地界には、光が差し込み、青い空と白い雲が広がります。
バーに集まっていた客も、町中の人も、大喜び。
通りを歩く摂政官と安柏も、驚いています。摂政官は、予想もしなかった輝きと希望をこの目で見られたと言ってますが、そ、れ、はっ、沈巍と趙雲瀾の大きな犠牲の元にようやく訪れた希望の光だと、ゆめゆめ忘れないようにっ。2人の魂の光なんだぞっ。
槐の木のゲート前には、蛇族の長老が心配そうに立っていました。
全員が戻ってきた後、ゲートの光は消えます。長老は、聖地の道も消えてしまったと。
地界と地上が、完全に行き来の出来ない別の世界になったようです。
林静に背負われている所長。涙するみんな。
長老に聞かれ、楚恕之は、ボスが世界を救ったと言いました。
所長を長老に預け、町に出る特調所の面々。
叢波と成先生に、沈巍と所長はと聞かれるのですが、答えられません。
郭長城が、会いたければ案内しますと言った時、背後に趙心慈(チャオシンツー)が現れました。
所長は獐獅に、万が一の時はって、お願いしていたことがあるんだよ…
すっかり平和を取り戻した海星。
龍城病院では、成先生の近くにいたいためだけに入院している、迷惑患者の叢波(笑)
海星鑑では、部長になった郭長城の叔父さんの元に、星督局の局長、趙心慈。
郭部長の傍らには秘書にされた高、元部長がいますよ。へえ、その程度で済んだのか。恩情じゃーん。
そこに研究所の所長に就任した李茜(リーチェン)が。
おおう、これは海星鑑、すんごくまともな組織になりそうですね。
李茜は趙心慈に、最近発作も出てないようだし顔色もいいと言います。趙心慈は笑いますが、ここに大きな秘密があるのよっ。
郭部長が落ち着かなかったのは、甥の郭長城がお見合いをしていたから。
どう考えても上手くいきそうにないダロとは思いますが、しっかり背後に監視する人物もいますよ。てか小郭、一般人にそんな簡単にビリビリ棒教えちゃっていいのか?
見合い相手に特調所みたいな危険な仕事は辞めて欲しいと言われてしまい、答えられずにいた郭長城のところに、我慢できずに出て来た楚恕之。辞めないと代わりに答え、郭長城を連れ出して、見合いをぶち壊す(^m^)
お前は夜尊が認めた鎮魂灯の最適な燃料だ!って、それは褒めてるんだよね?
まあさあ、所長の代わりに郭長城が燃料になれば良かったとまでは思わないけど、ちょっと微妙に複雑な気持ちになるなあ。
怒っといて、背中を向けた途端にニヤつく楚哥はかわいいケドな。
蛇族の森では、長老達が相変わらず言い合っていて、祝紅に一喝されています。
私は趙雲瀾に恋し、黒袍使に逆らった女よって、祝紅、それが自慢になるんかい(^m^)
でもやっぱり鴉青が、沈巍と趙雲瀾が命を賭けて取り戻した平和を享受しているのが、納得いかないよなあ。しつこいと言われようとも、コイツだけは許せん。だって、嵌められて操られてたんじゃないんだよ?自分の野心のために、自分の意志で夜尊について、数々やらかしてたんだよ?李さんは鴉族に殺されたんだよ?
死ねとまでは言わない、でも鴉族長老の立場くらいは後進に譲れ。人材不足なのかもしれないけどさ、族長なんか、若いおねーちゃんなんだぞ?蛇族と花族の長老達が共に支えれば、若い鴉がトップに立っても、ダメなはずはないと思う。
特調所前では、花束やカメラを持った人々が集まり、所長、趙雲瀾の挨拶を撮影していました。事件から1年経ったらしいよ。
龍城の英雄ですと言われて花束を受け取る白宇さんの目。何度も見てしまいましたよ。上手いよね。
「英雄になるヤツはバカだよな」の時の回想シーン。
本当にその時が来たら俺は覚悟を決めると言ったあと、所長は獐獅に頼むのです。
俺の代わりに生き、親孝行をして、友を愛し、人々を守ってくれ。
悪くない、俺がやり残したことを、アンタに託せる。
たまらんっ。
獐獅も20年余り、半分は父親として趙雲瀾を見て来たんですよね。これは獐獅だって、ぐっとくるわよ。ぷるぷるした表情から振り返って笑顔を見せ、獐獅は約束するって言いました。
獐獅に抱き着く所長。これは獐獅との別れね。20年間、趙心慈とは別の視点で見守ってくれていた穏やかなほうのパパ。どっちかってーと、趙雲瀾が甘えられたのはこっちのパパでしょう。肩口で涙する表情は、本当は怖いよって泣いてるみたいに見えちゃって、もー。
蛇族の聖地での本物のパパとの別れのハグよりも、よりエモーショナルだもんなあ。
だから1年後、特調所の前で記念写真撮影に応じていたりする所長は、中身が獐獅。
獐獅のモノローグ。
鎮魂灯の名前の由来は、悪を鎮めるだけでなく、己の心も鎮めてくれることにある。
雲瀾、お前の払った犠牲には価値がある。
ちょっと待て。ならば。それならば、永久に魂を焼かれる苦しみから逃れられないって設定は、いらないんじゃございませんかーっ!?あ、そうか。それをも鎮めてくれるって訳?
どこまで勇者ひとりの人徳と犠牲に、おんぶにだっこの設定なんだよー。
所長の部屋では、大慶と林静が、所長と教授の写真を手に、しみじみしています。
林静は海星鑑には戻らず、特調所で経験を積みたいんだって。
あれ、でも地界とは永久に隔絶されたんだから、本来の意味での特調所は要らなくなってるよね。それでも、龍城を守る組織ではあり続けるんですね。
大慶は、本物のボスが見守ってくれてる気がするって言います。
そうよ、光になって見守っている。思いが世界を包んでいる。
特調所では、なんだか1年で急に偉くなってる郭長城。楚恕之はどこに行ったんだろ。楚哥の席には、似たような黒服にストールの、素っ気ない若い子がいます。地星人だから姿を消したの?
でも郭長城、日誌を書くのは続いてるんだね。
新しい物語が、ここから始まる。
そして最後のシーン。
あのワームホール。
やって来た趙雲瀾の前に、沈巍の後ろ姿。教授時代のメガネにアームバンドだ。
来たのか。
行くのか。
悲しい。
賭けないか。
何年経とうと、どこへ行こうと、きっとまた会える。必ずな。
所長も分かったって言うんだけど。
これ多分、普通に考えたら無理なんだよね?
所長の魂は鎮魂灯の中で永遠に燃やされ続けて、転生もできない。
教授の魂も、確かどなたかの考察で拝見したところによると、力を入れ替えて夜尊の中で粒子レベルまでバラバラになったから、魂からの消滅で復活はできないみたいな(定かではないですが)説を見ました。ちょっと納得しました。
だから、涙を流して精一杯笑って、きっとまた会えると賭けないか、だった訳で。
所長の表情のほうが気になりました。硬いんだよね、ずっと硬い。
完全に存在がなくなる人と、苦しみの中で永遠に魂で生き続ける人との違いってことかなあ。
はあー。もーほんっとうに、最後が辛過ぎました。
日本語版鎮魂原作の、最後の部分と追加の部分が出版されたら、一気に読んで気持ちを鎮めようと思いますデス。本編のみで、後日談部分の出版はナシなんてイケズはやめてよぅ?
鎮魂 DVD-BOX1
鎮魂 DVD-BOX2
鎮魂 DVD-BOX3
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