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「流光城市 ある一族の秘密」キャピキャピ娘が1人も出てこないクールビューティの復讐譚。復讐劇がお嫌いでなければ、オススメ。

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流光城市
画像出典 百度百科
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所感

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個人的には、全く全くこの程度、だいじょぶだったんですが、巷の感想を拝見すると、復讐劇がお嫌いな方もいらして、ああ、そっかぁ、なるほどなーと思ってしまいました。
私、マンガとかでも、ざまぁ展開、好物です、めっちゃ楽しんでしまいます。←

ちょいちょい書いてますが、私の場合、何より見続けられないのは、ワガママ身勝手で傍若無人なキャンキャン娘。恋愛物とかのヒロインがコレだと、こんなのに惹かれるの?ってなっちゃうんだけど。
でもこれは、復讐のためにお金持ちの住み込み家庭教師になる、なんて話なので、ヒロインの馮世真(フォンシージェン)は、ひっじょーに頭が良く、冷静で落ち着いたクールビューティなんです。

最初は、鼻持ちならない傲慢なお坊ちゃまだった容嘉上(ロンジアシャン)も、年の近い家庭教師の馮世真に反発するんだけど、理屈じゃどうにも叶わないし、雇い主のお坊ちゃんと言えども無礼は無礼と扱われて冷たく厳しく対応されるし、なんだかんだ有能な馮世真を認め、時折見せるその優しさにコロリと(笑)落ちてしまいます。

馮世真はハナから容嘉上を自分になびかせるつもりで入り込んでますが、頭脳派なので、ベタベタ迫るなんて軽薄な真似なんかしなくても、大人の姉さんが、年下の坊っちゃんを掌の上で転がす状態でそれが出来ちゃうというね。
騙してはいる訳で、秘密を探るハラハラはあるんだけど、前半のその過程はむしろ安心して見ていられる感じでした。

初対面であんなに打ち合わせたようにピッタリバッチリ踊れるもんなのかいな?って、早々に突っ込んだけどさっ(^m^)

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画像出典 Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

結局「敵」なのは、父親の容定坤(ロンディンクン)なので、容家の他の家族に対しては恨みはないと、その辺りの線引き具合も好ましかったんですわ。正妻や側近にはかなーり癖があるけど、嘉上の腹違いの妹2人はいい子達だし。ま、嫡男嘉上は操ろうとしてたけども。

なので、早々に容嘉上が夢中になっちゃって、なぜ僕を誘惑したとか言うのが可笑しくて。
まんまと手管に嵌ったクセしてー(笑)
でもそれも、そういう言い方をしているうちは、です。
そのうち、この坊っちゃん、ハタチとはいえ、目に見えて言動が大人になっていくので、そうなるまでの少しの辛抱でした。

容嘉上自身も、家庭環境による、一見しただけでは分からない複雑な事情を抱えており、それなりに苦しんで来た過去も描かれ、お坊ちゃまの精神的成長が見られるようになります。
そこからは真逆に振り切るように、一途に馮世真を想い、信じ切るのがスゴイ。騙されていたことを知っても、事情を理解して、元はといえば容家の方の罪だと、馮世真を恨んだりしないのよねえ。若干ハタチだっていうのに。
想いが通じ合った後は、若さゆえ、万全とはいかないまでも、なかなかのスパダリに成長するという。

そもそも彼が「家」に反発していたのも、父親の商売がクリーンではないことを知っていたから。正義感は強い子なのよ。なんであの父親からこの息子?と思うけど、母の唐氏が本当にいい人だったんでしょうし、訳あって思春期前に家を出されていたのが逆に良かったのでしょう。人格形成の大事な時に、父親の影響がなくて。
そうは言っても、間違いなく血を分けた親、そこら辺の苦悩も大変そうでしたねえ。

ポーカーフェイスの馮世真自身の心が徐々に漏れ出すのも、自然だったよね。
最初は、自分は絶対に絆されないと言い切ってましたが、なんのこたーない、本音は最初から…(笑)
だから目的のために行動してたけど、この人の心は結局のところ、動きはしてもほとんどブレてない。

馮世真を見出し、容家に忍び込ませる手駒として養成したのは、七旦那と呼ばれる孟緒安(モンシューアン)。亡くなった姉が容定坤の側女だったことがあり、孟家の家宝を騙し取られていたのを恨みに思い、自身も成り上がった上で様々な策を弄し、容家を陥れようと画策します。

この人も前半と後半の違いがすごかったよねー。
最初はどこまで信じていいものかっていう胡散臭さは拭えなかったし、中盤それが爆発して、う、うわあ、おま…にはなるものの。

最初の頃からこの人は、自分が育てた優秀なスパイにもなり得る馮世真をめっちゃ贔屓してたし、その可愛がり方は自分が育てた優秀な駒って域を越えてくるよねと、簡単に予測がつく感じだったけど。
それが一旦、馮世真にそっぽ向かれちゃった後は、なんだか憑き物が落ちたように変わって、立場上、容嘉上には難しい馮世真のサポートを、後半はばっちりと手厚く務めてくれてました。

最初こそ、自分の恨み主導だったけど、後半は馮世真のために動いてたもん。目的は容定坤ってところは同じだからだけど、後半はただ腕のいい察しのいい頼りになるパトロンにしか見えなかったよ(笑)
しかも、どう頑張っても馮世真の心は手に入らないと重々分かっていて、たまに寂しい顔になりつつも、一生懸命気を遣ってさ、気を回してさ。
さて、次はどう出る?って作戦会議の時に、馮世真がさらさらっと話し出した策を聞いて、嬉しそうに賢明だって笑うんだけど、同じことを考えて既に手を打ってあったりする。
どした、急にいい人になって!って感じではありましたけど、でもその変化も、これが本来の孟緒安って人なんだろうなと思わされました。お姉ちゃんのことがなかったら、容定坤なんて人がいなかったら。

流光城市
画像出典 Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

メインの人達の心の動きが自然ってのは、脚本が上手なのか、原作がよくできてるんだか。

なのですが。「見せ方」には突っ込みどころはいーっぱい(笑)
ダンスシーンが結構印象的に入ってくるんだけど、「2人の世界」の演出を際立て過ぎですよ。
2人が踊り出すと、周囲の人を消しちゃうのやめてっ。どうしても笑っちゃうからっ(笑)

それと、橋本詩織だよなー。
容嘉上の重慶時代の恋人ではあるものの、当時は素性を知らず、互いに貧しい家の子だと思ってた。
だけど野心の強い詩織は、自分は庶子とはいえ力を持つ橋本家の子だから、あんな金も地位もない相手とは釣り合わないと、橋本家に引き取られるより前に口走ってる。何も知らなかった頃は惹かれていた容嘉上も、それを知って幻滅し、自分も本来の居場所である上海に戻るんですが。

蓋を開ければ、容嘉上は上海の豪商の跡継ぎだった訳で、それを知った詩織は、んまーしつこくしつこくまとわりついて来る。やんわりなんて断り方じゃ、全く諦めないのよ。その上、自分の家の正妻の子である兄も、体の弱いのを幸い排除しようとしたり、容定坤に取り入って取り引きしようとしたり。
容嘉上も、あんな話を耳にしていたのなら、もっと早く、知ってたよ、聞いてたよって言ってやれよ。ネタバレを随分と引っ張っりましたわね。お陰で、危機一髪場面は作れたけど。

性格の悪さもそうだったけど、何より気になって仕方なかったのは、和服。
この人、日本人の役で、自宅では和服なんだけど、着こなしがねえ。なんちゅーんでしょう、どーにもこーにも品がないんですよ。
私自身は着物好きではなく知識もないので、着物警察じゃないですけど、それでもアレはないでしょ。帯の位置が低すぎて、胸元の合わせ方もゆるゆるで妓女みたいじゃない?ええとこのお嬢さんになんか全然見えん。
逆にそういう、はすっぱな女に見せたかったんでしょうか?
逆だよね、身なりをきちんとさせて、実は毒蛇みたいな女だったってほうが効果的よね?

2022年発表のドラマなので、最近じゃないですか。探そうと思えば、あちらにだってちゃんと着物を着せられる方、おられるんとちゃう?と思うのに。そういうところ、ケチった感が勿体なかった。
使用人が立ったまま日本間の扉を開けてたのとか、橋本家の正妻がわざわざ茶筅まで使ってお抹茶をいれるのに、ぐりぐりと練り上げるみたいなかき回し方だったのとかは、もう、見なかったことにしますけど。その入れ方で、お茶の腕を上げたなってわざわざ入った旦那の台詞は、ここ、笑うトコ?と思ったよ。
着物について、アドバイスできる日本人がいれば、上記の2点も少しはマシだっただろうに。

と考えると、松峰莉璃さんとか日本人が数人出ておられた「偽装者」には、まあ、あれは軍部の人間とその表現だけだったけど、そんな違和感なかったなあ。あちらは吹き替え台詞の下手さだけ(笑)

あ、そうそう。
馮世真のお兄ちゃん、馮世勲(フォンシーシュン)が出て来た途端、どこかで見たことあるなーと思ったんですが、やだー「山河令」祝邀之(ジューヤオジー)だったー。大好きだったのよ、祝邀之。
その上、容嘉上の親友、伍雲馳(ウーユンチー)は曹蔚寧(ツァオウェイニン)だし、余知恵(ユージーフイ)は毒菩薩よー、風起洛陽でも宮嫣(きゅうえん)でした。
あと1人、これから書こうかなと思っているドラマのラスボスの中の人が、橋本詩織の弟役で、え、マジか!?となったわ。古装ヅラだと全然別人。ちょっとびっくり。

物語は、容定坤を、どこまでも救いようのない卑劣な男として描いているので、馮世真も孟緒安も容嘉上も、それぞれの立場で、目の前に立ちはだかる容定坤って大きな壁を打ち破るってベクトルなのが、納得しやすかったんだろなと思います。いっそ清々しいほどの悪役っぷりだったもんね、容定坤ってば。
こいつの遺伝子が自分にも…と思わざるを得ない容嘉上も辛いわよね。娘2人も。

だけどそこまでのヒールの最期は、なんだか妙にあっけなかったなー。え、これで?って。
これは尺の問題だったのでしょうか。
それとも、とことん腐った人だったので、すぱっと梯子を切り落とされて終わり的な、最期そのものはドラマチックになどしてやらねー的な?(笑)
誰からも心から寄り添われることもなく、悲しまれることもなく、ただやりきれなさだけを残してってのも、逆に狙いだったのかなあ。ギリギリまで抵抗しまくった挙句だけど、半分ナレ死に近いんだもんね。

実は中盤くらいで、何度か寝落ちしちゃったんですが(笑)
それでも、この先はどうなるんでしょーと追い続けたくなる、変にクセになるドラマでした。
正直、他にももっと寝落ちドラマはあってだね。未だに最後まで見ることができてない「三体」とか(笑)

作品情報

  • 制作 2022年発表 全40話
  • 原題 「流光之城」
  • 原作 靡宝
  • 監督 金琛
  • 脚本 胡雪

人物相関図

流光城市
画像出典 MAXAM

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