慶余年 11話「想い人の正体」あらすじとネタバレ感想

あらすじ

鶏肉の君の行方が分からず焦った范閑（ファン･シエン）は、まず婚約を破談にしようと医者のふりをして林婉児（リン･ワンアル）の屋敷に乗り込む。そこでついに鶏肉の君が林婉児その人だと知り、不思議な巡り合わせに歓喜する范閑。ところが林婉児の兄 林珙（リン･ゴン）から、妹は郭保坤（グオ･バオクン）に想いを寄せていると聞かされ、仰天してしまう。しかも父から破談を言い渡されて…。

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ネタバレ感想

鶏肉の君が、靖王世子殿下の屋敷の侍女ではなかったことで、あの詩会に来ていた令嬢の家を、一軒一軒訪ねると息巻いた范閑。ま、門前払いだろうなと殿下に突っ込まれ、イライラしながら屋敷を出ます。
思轍(スージョー)には、もうやめようよーと言われるけど、まだ最終手段があるんだそうな。

范閑は、林婉児(リンワンアル)と会ったことのある若若(ルオルオ)に、林婉児は肺病を患っていて皇室の別荘で療養していると聞き、まずそちらに向かうことに。
直接会って、縁談を断ろうとしたのかもしれませんが、林婉児のほうは何度もそれを試して、玉砕してたんだけどねえ。

早速、若若を伴って、林婉児の住む紫祥苑に行く范閑。侍女は普通に入れてくれてますけど、なんて名乗ったのかな。
屋敷の外に停めた馬車の傍らには滕梓荊(トンズージン)、馬車の中にはお留守番の思轍。

ん、紫祥苑のこの侍女は「鎮魂」の成(チョン)先生ではあるまいか？

でも侍女、伝えて来るのでお待ちをって言いながら、林婉児に伝えるより先に、長公主に伝書鳩飛ばしましたよ。
皇太子と碁を打っていた長公主は、范若若が別荘に名医を連れて来たと手紙を読んで笑いました。その名医こそ范閑よって、バレてる。
范閑は費介(フェイジエ)の弟子、毒を扱う者は医師でもある、会わせなさい。

范閑が靖王世子の屋敷で、鶏肉の君を探していたことも筒抜けなんだねえ。
互いに縁談には難色を示している、ただ陛下が認めないだけ、もし婉児が范閑を嫌悪したら、陛下も考え直すかもって言ってますがね、長公主。また読み違えちゃったねえ。
皇太子も范閑が医者を装うのは、婉児を怒らせるためかと納得してるけど。
慶廟での出会いが、誰にも知られずに成されたことが、こんなところで効を奏してる。まあそれも、皇帝の筋書きだったんだけどさ。

紫祥苑の外で、呑気に話している思轍と滕梓荊。
侍女のために郡主を捨てるなんてって思轍に、ヤツだけがそういう選択をすると滕梓荊。

そこへ、宰相、林若甫(リンルオフー)の次男、林珙(リンゴン)がやって来ます。
屋敷に入ろうとする林珙に声をかける思轍。顔見知りかいな。
と思ったら、林珙、いきなり剣を抜き、滕梓荊に突きつけました。范閑だな？って。
あー、あの時の范閑の嘘が波及しておるー。

室内で待たされていた２人が、ようやく案内されようとした時、外の誤解が解けたのかどうなんだか、入ったきちゃった林珙。
好色で攻撃的、無知な男には、婉児は嫁がせぬと帰って兄君に伝えておけと、若若に向かって言い、さもなくば殺すと、いきなり剣を抜いて、座卓を叩き切っちゃいました。
まー、とんでもない兄さんだな。直情的で話も通じなさそう。まるで男版葉霊児(イエリンアル)。なんで林婉児の周りは、こんな人ばっかなんだ？
どうやら隠し子とはいえ、妹の林婉児を溺愛しているらしいんだけどね。

話は終わりだ、帰ってくれと言う林珙に、頑張る若若。名医を連れて来たので、婉児さんを診て貰っては？と言います。
林珙は、今まで多くの医師に診せてきた、こんな若い者が名医だと言うのかって反発。
それを聞いた范閑は、林珙に近付き、耳に触ったり、頬に触ったり、鼻上向けたりして遊びながら、何か薬を嗅がせたりしたのかな。怒った林珙につまみ出されそうになったものの、3、2、1のカウントで、林珙は突然胸を抑えて苦しみ出します。急いで治療しないと手遅れになるーと騒いだ范閑が、薬箱から丸薬を出して飲ませると、それで即、治っちゃったよ。策士め(大笑)

林珙は部下を下がらせると、ころっと掌返し。
悪かった、先生こそ、名医だ。私の無礼は忘れて、妹を診てくれ。
うっは、ちょろい(笑)直情的な人物は単純なのね。

林珙に先導されて、するすると林婉児の部屋に入る范閑。嫁入り前なので顔は見せられぬとかで、ベールに隠された後ろにいる林婉児なんだけどさ。普通に外出して、店で休憩もして、馬車から顔を出したりしてましたよね？なんで、こんな時だけ、深窓の令嬢なんだか。郡主だから、令嬢には違いないけど。

ベールから出された手に、脈診しようとして、腕を齧るわ、林珙を若若が蹴とばすわ、俺が范閑だ、これだけやれば破談になるだろう、わはははは…ってのは、范閑の妄想だった模様。
なんだよー、紛らわしいな、おい(^m^)

実際に、出された手を脈診しようとした時、ベールの中から林婉児が、御苦労さまと声を掛けました。その声に聞き覚えのある范閑。まさかと思って、停止してしまいます。
林珙に見立てはと聞かれ、この病を治すには、副薬が必要だと言いました。

慶廟の偏殿、香案の下の鶏肉だ。
驚いて、腕を引き抜く林婉児。

何も知らない林珙は、それは実に奇妙な副薬だな、なんて言ってますが。
ベールの向こうに横たわっていた林婉児は、起き上がって、そっと顔を出しました。
呆けた范閑と不安そうな林婉児の顔が、お互いを認めてようやく笑顔に。
まーったく、ひっぱりやがってー(笑)

外で待ちぼうけの２人は、だいぶだらけてます。
だけど、変に仲良しになってる気がする(^m^)
女子のどこがいいんだ、銭勘定のほうがいいという思轍に、まだ青臭いなと滕梓荊。
でも、余りに遅いから、林珙とやり合っているのでは？試しに声をかけてみるかなんて言ってるところへ、赤い女、葉霊児が馬で駆けてきます。いやー、厄介なの来たー。
でもそれを見て思轍、あの女子がいい！試してみる！
いや「試し」が違うからっ。
走って行って、声をかける思轍。お嬢さん、私と一緒に牌九はどうだ？
…アホかいっ(笑)

どこの者と聞かれて、私は司南伯の息子だと思轍。
范閑？と聞かれ、私が范閑だったら、一緒に牌九するか？とキメてみたらしい思轍は、葉霊児の蹴りを一発、お見舞いされちまいました。相手が悪すぎたねえ。
噴き出す滕梓荊です。

さて、范閑のほうは、じいっと見つめ合いつつ、矢継ぎ早の問診。時々、後ろから林珙が答えてたりするけど。林婉児はもう、嬉しそうに微笑んじゃってますね。
范閑は、周囲に分からないように、ぱちんとウィンクしてから立ち上がり、分かった、肺病だと言います。それは分かっていると林珙。
病状を知れば治せると范閑は言い、この時代の肺病療法の常識とは真逆のことを言いました。
滋養のあるものを食べさせ、新鮮な空気が吸えるよう喚起も心掛けるようにと。
鶏肉もOKってさ。
生臭物を食べると吐き気がするという林婉児に、吐くうちに慣れると、あの時の台詞を。
そして窓は、夜も閉めるかどうかは本人に任せろ、何者かが闇に紛れて入ってこないようにと、林婉児に向かって言いました。忍んで来るから、開けとけよってことなー(^m^)

ご機嫌で外に出た范閑ですが、林珙がとんでもないことを言い出します。
その名医は腕がいい、此度は林家の借りだ、だが縁談は断ると伝えてくれ、妹には想い人がいる。
若若と同時に、誰？と言ってしまう范閑。
林珙は、礼部尚書の子息、宮中の編纂係、郭保坤(グオバオクン)だって。

ちょ。なんでまたそんな誤解してんだ、この兄貴はっ(笑)
どーしょーもない引っ掻き回し役だなあ、この人も。

逆上しそうになる范閑を、若若が無理矢理連れ帰ったところで、葉霊児が中庭に出て来ました。いや、良かった、林珙と葉霊児が揃ったら、めんどくささ最強よ。会わなくて良かった良かった。

そして、若若はさすがだね。あのやり取りを傍で観察していて、鶏肉の君が林婉児その人だったことにも、今夜窓開けとけよーの暗示も、全部理解。
なんで郭保坤だとブツクサ言う范閑に、本人に直接聞けば？今夜会うんでしょ？って言うし、誰に会うんだ？と聞いた思轍には、鶏肉の君と逢引きするのよ♪って、にーっこり。
やっぱりいいなあ、若若。頼りになる妹です。

紫祥苑の中では、侍女達が窓を開けたりして、范閑に言われた通りに、林婉児の環境を整えてました。
でも葉霊児と一緒にいた林婉児に、林珙は、范閑は実に無礼、下品で卑しいものには嫁がせぬと言います。宰相である父の一言で破談にできるのに、なぜ断らぬって言うんだけど、林婉児は、私を林家の一員だと認めるのが嫌なのでは？って。宰相、林若甫も、余り林婉児には関わって来なかったんだね。

林珙は、お前は私の妹だ、今まで屈辱に耐えたのだ、縁談まで我慢するなって言うんだけど、この人だって家庭内ではそうかもしれないけど、どうせ公には口を噤んできてるんでしょ？長公主と宰相の隠し子なんて話、表では言えませんよね、だから自分の妹だなんてことは。
この兄に任せておけ、想い人に嫁ぐのだろう？林家は忠臣だが、妹は差し出さぬとか言ってますが、この兄に任せておいたら、郭保坤と一緒にさせようと、明後日の方向いて暴走するぞー？

更に今夜は、范閑が忍んでくるっていうのに、葉霊児が泊まっていくと言う。必要ないわって言ったら、泊って欲しくないの？と言われてしまい、答えられなくなります。
さてどうなることやら。

帰りの馬車の中では、呆けてしまっている范閑をよそに、思轍が若若から説明されていました。鶏肉の君が林婉児で、思轍を蹴ったのが、京都守備、葉重(イエジョン)の一人娘、葉霊児。大叔父は、四大宗師である葉流雲(イエリウユン)なんだとか。
范閑はなんで思轍を蹴ったって聞くけど、醜聞のせいで范閑に嫁がせたくない葉霊児に、人違いで蹴られてるんですわよ。
そもそもさあ、互いに名乗らず、しかも自分の醜聞を広げて、あちらから断らせようなんて、メンドクサイ策に出た、范閑のせいですからねえ。自業自得なんだから、ちゃんと尻ぬぐいは自分でしなさいよー？

その頃、町では鎖のかかった大きな箱が運ばれていました。中には何か生き物が入っているみたいで、空気穴もあります。荷馬車に近付いたのは、滕梓荊の息子だなー。好奇心旺盛な子ね。というか、あんな郊外から町まで、一人で遊びにも来ちゃうのか、この子。

息子はなぜか気になったらしい荷馬車を追って、とある屋敷にたどり着きます。ちびっこだから、ゴミ捨て用だか犬猫用だかの小さな扉から、屋敷内に侵入も出来ちゃった。
大きな箱は中庭に置かれ、ベール付きの笠を被った女性２人が受け取ります。運んで来た御者はお金を受け取って出て行こうとするんだけど、邸内で殺されてしまいました。
ああ、息子、ここに侵入はヤバイ。この現場を見てなかったからなあ。

息子が箱に近付いて叩いてみると、中から威嚇するような声。
そっと穴から梨を差し出すと、梨は箱の中に消えました。人かな、中にいるのは。

深夜。范家では、二夫人が、父上が縁談を断るって言ってると言います。ほらみろー。今までの5～6話分の范閑の偽悪計略が全て裏目に出ておりますです。
二夫人、母君は内庫の利権よりあなた自身の幸せを望んでた、父上が陛下に縁談の撤回を求めてくれる、鶏肉の君を娶れるわよ、どんなに身分が低くても構わないって♪父上が折れたんだから、面目を潰さないでって言いました。

彫刻が彫られている仕切りの向こうで、范建(ファンジェン)にもその話は全部聞こえている訳ですが。うーん、この表情。妙にわくわくしてる顔に見えるんだけど。どうだ、おまえのために頑張ってみようと思う、嬉しいだろ？感謝しなさい、なのか、もしかして皇帝からその奥まで知らされているのか。

范閑は、もんのすんごく気まずい顔で、わざとパパに聞こえるように言います。
考えたんだが、この縁談、受けようかと…

二夫人、はあ？
パパの表情もガラット変わり、なんだとっ！？って出て来ちゃったよ(笑)
感謝の言葉期待のワクワクだったのね、パパってばっ。

なんなんだオマエはって感じの范建に、何度も意見を変えて申し訳ない、いったいどうすれば…って范閑なんだけど、アンタ、だからホントのこと言えよ、パパにもっ。そしたら話は早いんだよっ。
毎度ドラマの人達は、内緒のままなんとかしようとし過ぎて、話を拗らせるよねえ。
出かけてくる、明朝まで待って！と言い残し、范閑は出て行きます。
威厳もへったくれもなくなっちゃったパパの、困り果てた顔がかわいい(^m^)

自宅に帰った滕梓荊は、眠っている息子を抱き上げて、奥さんと会話中。
一日中、遊び歩いていて、もう手に負えないって言う奥さん。今日も新しい友人ができたと、鍵のかかった箱が住まいよって笑うんだけど、うわあ。でも滕梓荊も、子供は冗談が好きだなって、気にも留めていない。というか、子供はどちらかというと、だいたい本当のことを言うんだよう。
あの箱の中は人。そして、あれほどの鎖と鍵をかけて厳重に閉じ込めておかないと危ない、強い人物。笠の女性達がどこの勢力か分からないけど、少なくとも彼女達にとっては、敵、人質、かな。

さて、紫祥苑に忍び込んだ范閑。
鶏肉をハート形にして、林婉児のベッドに近付いてったら、中にいたのは葉霊児でしたっ。さっき、林婉児は、お風呂に行かせられちゃったからねえ。
なんで、あなたが！？と言われて、夜食を届けにと、すごいな、冷静に返してる。
でも、昼は名医で夜は色魔なのねって(笑)

有無を言わさず向かってくる葉霊児と、仕方なく戦う羽目になる范閑。夜中にこんなに騒いで、よく人が来ないもんだよ。
落ちた鶏肉に滑った葉霊児の足が范閑の股間に入り(笑)范閑の拳が葉霊児の鼻に命中。
２人して立ち上がれなくなったところに、何か気配を感じて林婉児が戻ってきます。

その様子を見て、葉霊児、あなた達、本当に逢引きを？と。郡主と医師が身分の違いを乗り越えって、小説のようだわっていう、また、妙な方向への理解。でも、静かになったのはヨシかなあ。
更に、手合わせをしたことで范閑の腕を見込んでしまった葉霊児は、范閑を捕まえて、技の確認を始めてしまいます。邪魔者なんだってことに、早く気付いてくれー。

呆れた２人の表情に、ようやく気付く葉霊児だけど、范閑が強かったことで、武術を嗜む者としてのシンパシーみたいなのが生まれてしまった模様。一転、部屋には誰も入れないわって、協力者に早変わり。

ようやく素直に思いを伝える范閑に、笑顔で近付いた林婉児は、短刀を突き付けました。
軽薄な物言いね、そうやって口説くの？
うん、范閑さあ、まだ自分のことちゃんと話してませんから。アンタ、嘘ばっかついて、いったいどこの誰なんだよと、そりゃあ、思われるのは当たり前。

林婉児は言います。
郭保坤のところに葉霊児を行かせた。書生はいなかった。
俺を探しに郭保坤のところに行ったのか！と喜ぶ范閑ですが、だーかーらー。
詰め寄るよりも先に、ちゃんと話して謝りなさいっつーの。林婉児の言ってることもしてることも、何も間違ってないから。そしてなかなか言わないから、ヒートアップして、林婉児、自分の首に短刀つきつけちゃったじゃないか。変に余裕ぶってんじゃないわよー。

そんで結局また、本当のことは言わずに帰る訳？アンタ、バカ？
と思ったら、林婉児が自分の首に短刀を付けたまま、呼び止めました。
あなたは何者？名前は？
俺は范閑だ。

はいはい、拗らせまくったので、林婉児は信じませんわ。だよねえ。林婉児、バカにしてるのって泣き出しちゃったじゃんか。

何を言っても信じない林婉児だけど、昼間、若若と一緒に来ただろう、若若が知らない男と来るか？若若の人柄は知っているはず、礼儀知らずか？と言われて、あれ？と思う林婉児。まあた、若若に助けられたね。

林婉児は、紙と筆を出し、あの詩を書いてと言います。
まあ、そうね、あの詩とあの下手な文字は、何よりの証明でしょう。
范閑が書いたのを見て、噴き出す林婉児。そっか、あの現物、靖王世子殿下から貰ってたのね。ようやく信じて貰えましたな。

でも、廊下では、あの侍女が葉霊児に問い質していました。物音がした、安否の確認に行くと。まずいぞ、急いでー。

なんで書いただけで信じたのかと、きょとんとしている范閑だけど、林婉児は、あの詩を知っている者は多いけど、こんなに字の汚い人はいないわって、現物を隣に並べて置きました。李弘成(リーホンチョン)がくれたって。靖王世子殿下、なんだかんだ暗躍してるなー(^m^)

そこへ、扉の外で侍女と葉霊児が言い合う声。
慌てて片付ける２人。

入ってきた侍女は、仕えているお嬢さんの部屋を確かめる行動にしちゃあ、乱暴だよねえ。ずかずかと部屋を見回った上、寝てる主人のベッドのカーテンのあの雑な開け方よ。
落ちてる鶏肉見て、葉霊児はちょいと慌ててましたけどね、その乱暴さで、むしろ侍女は気付かなかったね。

林婉児は、何事もなかったように、すうすう眠っていました。

さて、范閑はどこにいる？(^m^)
だいたい「そういうコト」でしょうねえ。