あらすじ
林樵松は共産党の銀行を襲撃して民心を動揺させる。魏若来は銀行の信頼を回復しようと展示会を開催するが、会場が林樵松に爆撃されて沈近真が巻き込まれる。経済面で追い詰められた共産党は、国民党南京政府の蒋介石と対立する国民党広東政府の陳済棠にタングステン鉱石を売るべく、魏若来を広州に派遣するが、この取引を阻止すべく沈図南と林樵松も広州へ向かう。
みるアジア

ネタバレ感想
いよいよ、あと3話です。
そして今回もまた、辛い回。
林の中に潜み、春苗(チュンミャオ)達の一行をやり過ごした林樵松(リンチャオソン)は、筠門嶺(いんもんれい)に運んでいる積み荷が、タングステン鉱石だと気付きます。
文彪(ウェンビャオ)に地図を出させ、筠門嶺は江西と広東の通路、相手は広東軍かと。
というか、わざわざここでやっぱり広東軍か、なんて確認、いらないんとちゃうか?分かり切ってるんじゃないの?
図南のところには明達(ミンダー)からの電話。
第5次包囲討伐が始まって、蒋介石が100万の兵を招集し、根拠地へは50万を投入だって。
経済包囲の強化を指示された図南は、新しい計画があると言いました。
林樵松が革命根拠地に入ったと、従匀(ツォンユン)からの報告。
林樵松の独断専行を危惧する図南なんだけど。
もう少しあの人の手綱を握れていたらねえ。ってもアレじゃあ、無理か…
根拠地の町に入った林樵松たちは、分散して銀行の各支店を偵察するらしい。
早速林樵松は、家族が病気で金がいると、銀行の入り口で泣きつきました。

今日は締めてしまったから、明日の朝来てくださいと言う行員に縋りつき、親切で中に入れて貰った途端、行員を刺し殺してしまいます。外にいた仲間が他の行員も全員殺して、運ぼうとしていたお金の箱を奪い、林樵松は最後に、銀行の支店に火を放ちました。
街中に潜んだ文彪(ウェンビャオ)は、予めバラ撒いた共産党軍不利のチラシを目にした人々に、紅軍は連戦連破だと言って、その不安を煽り立てます。銀行の支店が襲撃された情報にも乗っかって、銀行は倒産、預金も消滅だぞと。
簡単に扇動された人々は、銀行の支店にお金を下ろしに殺到。
若来たちは、一晩で3軒の支店が襲われ、7人が殺された情報に深刻な表情。
宋寿田(ソンショウティエン)が、私が探ってみますと言います。林樵松の仕業だろうと、接触しに行くってことね。
暗がりの中を歩く宋寿田。近くの建物の二階から孔令崢(コンリンジョン)が見ている中、合図の手を叩くと、文彪が現れます。すかさず銃を構える孔令崢。
宋寿田が、今回の私の役割はと聞くと、文彪は、今回の作戦名は「錨」、銀行本部の金庫の位置を特定しろと言いました。ここにいる仲間の数はと聞いた宋寿田に、文彪は、心配無用、成功後に会わせると兄貴が言ったと、質問の返事になってない。はぐらかされたのかバカなのか(笑)
宋寿田からの報告を受けた若来は、黄金は貨幣の錨(アンカー)、その保有量は貨幣の価値に関わる、真の狙いは金庫ではなく、我々の金融体系の破壊かもしれない、と言います。
これが図南の新計画か。
末端で林樵松達がドカドカ人を殺してるのには、ひとまず目をつぶる訳だ?むー。
拡散されているデマは、第5次包囲討伐が好調、紅軍は大敗、銀行も破綻寸前、等々。
半分真実の噂は手強いし、弁解は逆効果になりそう。出金できなければ噂は増幅するし、何か策を講じないと、金庫を開けて銀で支払うしかなくなり、それでは敵の思う壺。
進退窮まる中、若来は、僕に考えがあると言います。
金銀展を開いて、銀行には財産があることを示せば、噂に勝てる。
雷鳴(レイミン)は、やるなら盛大にやれと、若来の案に乗りました。
うち、財産はこんなにあんねん展示会(笑)
金銀宝石を並べ、人々が群がる中、派手に爆竹も鳴らされてますな。
計画通り、人々の安全を守るんだなんて台詞が入ってたけど、爆竹って紛らわしくない?襲撃と。
若来が舞台に立って挨拶し、みんなを楽しませるための、新劇の演目が始まりました。
この「廬山の雪」ってお芝居、蒋介石を揶揄する内容だわね。
集まった人々の中に紛れてる林樵松と文彪。2人の顔が分かる若来、春苗、近真、気付けよー。
林樵松にぺしっとされた文彪がひと気のない場所に向かうのを見て、宋寿田(ソンショウティエン)が後をついて行きます。物陰に隠れ、付けて来た宋寿田を捕まえた文彪は、舞台から離れていろと言いました。
舞台に爆弾が仕掛けられているのに気付き、文彪に銃を突きつける宋寿田。
その頃、舞台には子供達と一緒に歌を歌う近真(ジンジェン)が立って、中華ソビエトは滅びませんと宣言していました。
シュプレヒコールを苦々しい顔で聞き、その場を離れた林樵松は、文彪と宋寿田の会話を聞いてしまいます。文彪を押さえつけ、爆弾はどこだと聞く宋寿田だけど、後ろから林樵松に銃を突き付けられてしまいましたわよ。
宋寿田は、敵は共産党であって庶民ではないと言うんだけど、林樵松は宋美娟(ソンメイジュエン)の話を持ち出します。
宋寿田が怯んだすきに、文彪が宋寿田を刺してしまったよ。これにはさすがの林樵松も、予想外だったようで。でも文彪に、裏切者に同情している場合じゃない、始末しないとって言われる。
林樵松は、義兄さん、安らかにと言って、腹に刺さったナイフを深く捻り入れました。
んもー、なんってコト。でもコレ、文彪の命も散るって前触れなんだろうなあ、多分。
舞台では近真の伴奏で子供達が歌ってました。これまた「旅愁」だね。
24話で、偽銀貨問題を握り潰され、やけ酒を飲んだ若来と図南が、近真の前を歩きながら歌ってた曲だ。
歌の間に、舞台の前には何やら箱が運ばれてきました。
木戸を開けて広場に戻って来た林樵松と文彪は、箱が開けられるからと広場を移動。2人にようやく気付き、そっと追いかける若来、春苗(チュンミャオ)、孔令崢(コンリンジョン)。
雷鳴のところにも、裏に不審者がいたと報告が来て、舞台前を離れて行きます。
次々に開けられる箱。現れた銀の延べ棒等に沸く人々。
逃げる2人に向けて発砲した若来。林樵松と文彪は、両手を挙げて立ち止まりました。
だけど振り返って座り込みながら、林樵松は薄ら笑いを浮かべて、自分の両耳を塞ぎます。
そのポーズに気付いた若来は、爆弾だ、気を付けろと叫んで、空に向けて何発か銃を撃ちながら駆け戻ります。舞台の近真は、ただならぬ様子の若来の姿を見て、子供達を庇いながら、後方へ避難しようとしたんだけど。

銀貨の入った箱のストッパーに仕掛けられていた爆弾が、爆発してしまいました。
間近まで近付いていた若来も、爆風に煽られて吹っ飛びます。
若来が気付いた時、舞台の近真は子供達をひとりひとり抱き上げ、助けようとしていました。子供を助けての声に、春苗が気付き、駆け寄ります。
その時、舞台の柱がひび割れ、瓦屋根が崩れ落ちそうに。ひとり残っていた子供に、咄嗟に覆いかぶさる近真。
崩れた瓦礫を、みんなが必死で取り除くと、近真に庇われた子供は無事。でも近真に意識はありませんでした。近真を抱き起こす雷鳴と取りすがる春苗を、ようやく立ち上がれた若来は、ただ遠くから見ているしかなく。
その頃、車の不調を従匀(ツォンユン)が直している間に、何やら胸騒ぎを覚える図南。心臓が痛むみたいな感覚らしい。魂が察知したんだろうなあ。
林の中では、林樵松たちと孔令崢たちとの銃撃戦になっていました。
薄暗くて画面も揺らいでいて、どこで撃たれたのか分からなかったけど、文彪、腹を撃たれてるみたいね。それでも林樵松を引っ張って逃げ出したものの、林の斜面を転がり落ちてしまいます。
慌てて駆け寄った林樵松は、文彪を背負って逃げようとするんだけど、文彪は、母には送金を俺には冥銭を頼みますと言って林樵松を振り切り、飛び出して行きました。
銃声も消え、静かになった林の中にひとり残された林樵松。
自分で拳銃をコメカミにあてるものの、引き金はひけず。
てか、アンタ、悪運強いな、ひとりだけ無傷で生き残るって。
宋寿田を殺した時は、ちょっと悲痛な顔するくらいだったけど、文彪の死には、そんなに涙するんすね。へえ。
林の中に作られた、今回の犠牲者たちのお墓の前で、敬礼する共産党のみなさん。
みんなが去って行っても、若来と春苗だけは戻る気になれないようで。だよね…
若来はポケットの中から油紙に包まれたチョコレートの欠片を、墓前に供えました。
以前、銃を教えて貰った時、チョコレートが好きだと近真が話したんだね。信念を貫く道は辛くても、結果はきっと甘いはず、と。
人力車での出会いから、沈家のパーティから。フラッシュバックする近真との思い出。
上海での全ての出来事に、瑞金での全ての出来事に、若来の側には近真がいたようなものだったよ。図南と比べても遜色ないほどの恩人だったよ(涙)
近真は知らないけど、若来には淡い思いはあったんだろうとは思うけど、そこをほぼ描かなかったのが逆に良かった気がします。それを入れたら陳腐になっちゃってたと思うし。
でも、いかにも危なそうな図南ではなく、近真を消しちゃったかぁ、脚本!って思ったわようっ。
若来は近真の形見のハンカチと共に、沈家に手紙を送っていました。
近真さんは、林樵松が仕組んだ爆発で…彼女を守れず、合わせる顔がありません、と。
それを前にする図南と辞書(ツーシュー)。
立ち上がって出て行こうとする図南を、辞書が止めます。近真は死んだ、あなたは無事でいて。
私には君と魚児(ユーアル)がいる、無茶はしない、すぐ戻ると言って出て行く図南。
車で仕事場に向かった図南は、そこにいた林樵松に掴みかかり、殴り付けます。
勝手なことはやめろと言ったはずだ、妹を殺しやがって。
でも林樵松は、妹である前に共産党員だと言ったろと言います。
そなんだよ。あの言葉は引き金にも免罪符にもなる。立場上、仕方なかったのだとしても、林樵松にだけは、決して言っちゃいけない言葉だったのよ。
鬼めと罵られた林樵松は、その通りだ、俺だって仲間を共産党に奪われた、同じ命だろうと。
てか、それ、おまいう?どんだけの数、平気で人を殺めてきた、オマエが言う?
文彪は7年来の弟なんだってよ。たかだか7年じゃないか。図南は、多分その4倍だ。
恨みを忘れるな、敵は共産党だ。
再度、おまいう。
散々図南がそれを言い、宋寿田が言い、それでも罪もない庶民を巻き添えにしてきたオマエが。
立ち去ろうとする林樵松に、再度掴みかかった図南だけど、殴ってもいい、だが忘れるな、沈近真は共産党だと言われ、俯いてしまいます。
林樵松は、お悔やみをと言って、去って行きました。
石段に座り込み、声を殺して嘆き悲しむ図南の傍らには、従匀(ツォンユン)だけが立ちすくんでいました。
さて、若来。
中華ソビエトタングステン社は100トン以上採掘したらしいんだけど、出荷が滞っていると雷鳴。
前回、上海に行った時、広東軍の陳済棠(チェンジータン)に売れとハンスに言われたと。
ハンスね、ドイツR社の担当者、図南の飲み仲間だったあのハンスよ。17話で若来が飲み比べをしたおっちゃん。丁度その頃、納期を守れない国民党に業を煮やしていたR社と繋がるため、雷鳴は上海に来て徐諾(シューヌオ)に会い、林樵松達の目を欺いてハンスと会談し、そんな話、してましたな。
陳の側近の閻祐民(イエンヨウミン)が贛州(かんしゅう)に来ていて、数日後に会うから準備してくれと若来は言われます。
林の中の水路で、雷鳴たちと閻祐民は密会。
雷鳴は、これが最大の誠意だとタングステン50キロに対し52元の価格を提示。
閻祐民は、広東軍以外に取引相手はいないだろうと強気で50キロで50元を要求。
雷鳴は、不成立でも構いませんと言って、若来に状況の説明をさせました。
交渉事は得意な若来担当ってのは、もう決定なんすね。

タングステンは鉱石取引以外に、現在、白熱灯の部品となるタングステン線を製造しており、国内需要は絶大で海外からも発注が来ている。何より民生品なら合法で輸出可能であり、南京もそれを阻めない。
生産数は未だ不十分だが、資金が出来れば工場数が増やせる、何よりここには人手があり、世界中でタングステンは不足している。
近真の置き土産のお陰で、閻祐民は50キロで52元の価格をのみました。
一方、図南は辞書と魚児をイギリスに送り出すことに。
埠頭の船の前に立っても、辞書は図南に詰め寄ってました。
家族のために無茶はしないと言うなら、どうして私達を遠ざけようとするのか。
あなたは誰より国のことを考えているけど、南京は贅沢三昧、そんな政府のこの国に命を懸ける価値があるのか?
図南は、乱世は終わる、今必死に戦うのは魚児が生きる時代を太平の世にするためだと言います。
でも辞書は、私の望みは魚児が成長した時、パパが生きていることよ、と。
いやー、しっかし、なかなか翻らんねえ、この人は。
その言い分が本気なら、内部から国民党の綻びを広げて瓦解させるしか、もう道はないと思うけどねえ。
と思ったんだけど。
書斎で1人になった図南は、自分の書いた共産党経済包囲作戦の評論を破り捨ててました。
おやおやおや?沈家が現状に至った元凶を。自分でしたことの尻ぬぐいは自分で最後まで、の境地?
その頃、瑞金では、若来と春苗が正式に共産党員として入党を認められてました。
おそっ。これっだけ活躍してきて、今頃なの?
ナレーションが流れます。第5次討伐は、1933年だった模様。
若来が央銀に入ったのは1930年なので、さほど時間は経っていないのね。その割には、去年の収穫時はーなんて図南に話してたみたいに、瑞金に来てから随分経ったみたいな表現してたけどさ。
図南のところには明達(ミンダー)から、共産党は広東軍の閻祐民と取り引きして高利益を上げている、広東に急行して、取引を阻めとの指令が出ましたよ。
んで、林樵松と共に行けと。それを聞いた図南、力強く項垂れる(笑)
近真の仇と知っていて林樵松を見張りに付け、気持ちは分かるが協力しろとのたまう南京。
図南は、あれこれと言い訳する明達の言葉を遮って、電話を切りました。
…そろそろか?そろそろなのか?見限るの。
林樵松のところにも、何(ホー)主任から電話があり、広東に行く図南に同行して見張れと。
図南が裏切ったら処刑してもいいかと聞く林樵松に、何主任は重要なのは証拠だと答えます。証拠さえ確保できれば、殺してもいいってことだな。
電話を切った林樵松に、宋美娟(ソンメイジュエン)が私もついて行くと言う。
てか、まぁだ何も話してないんだなあ、コイツ。
宋美娟は、最後の一日まで一緒にいると言います。何か危険を察知してる顔よね。女の勘。
でも一番大事な兄の件にはあんまし役には立たなかった、女の勘。
雷鳴のところにも、取引の妨害をするため、広州に人が送られる情報は入っていました。
閻祐民は出荷が順調ならば問題ないが、南京の手に落ちれば裏切るだろうってのが雷鳴の見立て。
そこで若来に、広州への荷物の護送の命が下ります。
若来はハンスと面識があるから、タングステンを確実に渡せと。
孔令崢、春苗、元宝(ユエンバオ)が同行。
あ、このちょっと気弱そうだけど頑張ってた子、元宝って言うのね、今まで認識外だった。
てか、ここでなんでハンスが出て来るんだ?仲介したからR社も噛んでるってことかな。
ってところで、残り2話なんです。
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