あらすじ
釈放された魏若来は、報道によって住居や職場で敬遠されるが、家主の周は彼を温かく迎え、沈図南も彼を辞職させようとする周囲の圧力を跳ね返し、魏若来と師弟の契りを交わす。沈近真に任務を三度邪魔された林樵松は、彼女への疑いをさらに深め、多くの証拠を握ったまま意識が戻らない李晟達の手術を急がせる。
みるアジア
ネタバレ感想
雑居牢のみんなとすっかり仲良くなった若来。
でも、表情を曇らせて、僕は出られないと姜虎豪(ジャンフーハオ)に呟いた時、林樵松(リンチャオソン)が入ってきました。
殺人容疑が晴れた。話そう。だって。
牢の柵が見えてる場所で、なにやら御馳走を振舞われている若来。
普通に素直にガツガツ食べてますわよ(笑)
それを向かいで腕組んで眺めてる林樵松。
誰が罪を覆してくれたか知りたくないか?と聞かれても、若来は、林樵松には目もくれず、出れば分かると答えます。
お前に恩など売られねーよってな。
林樵松は、李晟達(リージェンダー)は殺してなくても、強盗はした、相手は上海でも有名な銀行家、このままでは終わらせないと言うんだけど、若来は、終わるさ、だからメシを奢ったと、そこも読んでる。
ひっくり返されたことで、林樵松の立場が悪くなったんだろうことも理解してるよね。加えて、あの拷問の詳細を告発でもされた日にゃー、ねえ。だからこれは懐柔策なのだろうと。
案の定、林樵松は、自分は法を執行しただけ、私的な恨みはないと、若来にお茶を入れます(笑)
君は幸運だ、沈顧問に気に入られていると聞いて、若来は、外でもあなたを悪く言わないから安心してくれと答えましたよ。
その言葉を待ってたと笑う林樵松。だけど若来は、すっと上着を開いて血だらけのシャツと胸の傷を見せ、でもこの贈り物は決して忘れないと言ったわ。
投獄されたのは自分のせい、だが沈顧問に手を出すな、でないと僕は命も顧みず、道連れにする。
うおお。張天陽(チャンティエンヤン)と王一博の睨み合いー。眼福。←
林樵松は、はお、沈顧問の寵愛が一生続くよう願っていると言いました。
うん、そこ大事。でもお互い、まだまだまーだ、これからいろいろあるのよー。
さて、煤けたドジョウだの真っ黒なウミヘビみたいなのだの、太鼓持ちだのの3人。
康少捷(カンシャオジエ)、虞世清(ユーシーチン)、張鳴泉(ジャンミンチュエン)ね。
虞世清は、大姐は電話で激怒していたと、康少捷を責めます。
康少捷は、蒋介石の副官室の明達(ミンダー)主任が目を光らせていて、手を出せないんだと言い訳。以前なら偽証も朝飯前だったが、今は危険。ドイツ人のウィリアムを落とそうともしたけど、近づくこともできなかったんだとさ(笑)
虞世清は、沈図南はどうでもいいが、問題は改革、ヤツの言う通りになれば商売あがったり、上では大勢が大口開けて利益を待っているのに、どうしろと言うんだ、とな。
そこに、沈図南が、若来の不当逮捕の関連資料を持った、央銀の法律顧問の弁護士を連れて入って来ました。央銀の名で、軍法処を訴えるつもりらしい。
凄む康少捷に、誰も怒らせる気はないが、誰も恐れないと言った沈図南。虞世清は、譲歩し合おうと言います。揉めて上が知れば、誰も徳しないから、と。
まだ特別調査班の決定が出ないとか言う康少捷だけど、沈図南は、明達主任からの、釈放と共に誤認逮捕の公開謝罪をせよとの伝言を告げます。それを断るなら、記者会見を開くと一歩も引かないわよ。
若来は釈放されました。
ぼろぼろの恰好で、てこてこ歩いてくると、表で待っていたのは、沈図南と沈近真。
肩に手を置かれて、辛かったなと言ってくれる顧問に、感謝してますと若来。水臭いことを言うな、まず病院で検査だって、もーすっかり身内感。
近真も、大丈夫?何か食べたい?この間の店はどう?って言ってくれる。
でも若来は、林樵松に食事を出された、多分顧問に悪く言われないようにだと思うと言いました。
沈図南は、そんな暇はない、いずれ全員にこの借りを返させるってさ。
そうね、これは近真の捨て台詞と同じよね。林樵松なんて下っ端の駒だからさ。
病院で治療を受ける若来を見て、沈図南も辛そう。そして更に怒りが沸いてきたみたいよ。
若来は、大丈夫です、だいぶ治りましたって。そなのよね、もっともっと酷かった。目の腫れもひいちゃってるもの。
これを耐え抜けたのが不思議だって言われた若来は、僕はただ、死んでも顧問の足を引っ張るまいと、と、顧問は国を担う人だ、と。
だけど、もう足は引っ張られたと言われる(笑)だよな、そうだわ、確かに(^m^)
今後、重要な決断をする前に必ず相談しろ、次はクビだ。
厳しめの表情を作って、でも可愛くて堪らない子供を叱るみたいな顔だったねえ。
王陽さんの、こういう表情の作り方、好きだわ。
あと、イボくんのぴょんこぴょんこ跳ねさせたボサボサ髪も(^m^)
沈家でのご飯にも呼ばれた若来。というか、釈放おめでとうのお呼ばれですな。
そしたら、魚児(ユーアル)が爆弾発言です。
叔父さん、叔母さんが毎日泣いてたわよ。
まあ、所謂こまっしゃくれた女の子の妄想話みたいなもんらしかったけど、内容は妄想空想の類でも、子供の感覚的嗅覚みたいなもんって、バカにできないからね。
そんな幸せそうな家族プラスいち、のお食事会が、いい音楽と共にしばし流れる訳で。
これは、これからやって来る嵐の前の静けさにほかならない訳で。ふぅ。
ピアノを弾く近真の後ろに、そっと立って聴く若来。
近真に、今回一番感じたことは何と聞かれて、高級なスーツや革靴をダメにしてしまって、バチ当たりだなと答えるカワイイ若来です。
そういえば、まだ家に帰ってないけど、しっかりした格好してるので、これは多分沈図南のお下がりでしょうかね。仕立てのいいもん、いっぱい持ってそうだもんな、顧問。
笑った近真は、また徐(シュー)さんに作って貰うといい、私が払うと言ってしまいました。彼女の中に若来への負い目があるからでしょうが、何も知らない若来は、どうしてと聞きます。
近真も瞬間、内心あっと思ったね(笑)でも、拷問されても兄を守ったお礼だと。
当然です、顧問を奔走させて心苦しいと言う若来に近真は、私も奔走した、現場検証で通訳までしたのに食事も出ない、だって。若来が洋食をご馳走しますって言うと冗談よとは言うものの、この借りは大きいからどう返すか考えて、ですって。
既に近真は引き入れることも考えてたのかな。才能と資質を考えれば、味方にできたら頼もしい人物だしね。
はい、林樵松はまた康少捷からムチ打たれていました。なんなんだよ、この上司。
林樵松だって、あそこまで近代知識でゴリゴリに証明されてしまっては、今までみたいな旧態依然とした裏工作なんて、役に立たなかったんだよ。アンタも現場に出向いて、直接詰められたら分かるわよっ。
本当の銃弾を渡さなければ、薬莢と口径が一致しないから、もっと藪をつつかれるし、遺体と法医鑑定書の提出を求められれば、李晟達の生存を隠しきれなくなる訳だしねえ。
そんなことにも気付かないというより、このリンチはただの憂さ晴らしでしょうけどね。
黄埔で何を習ったと言われた林樵松は、愛国心と愛党心を学んだと叫びました。
蒋主席の側近から見れば、どんな欺瞞も党への裏切り。極悪非道で悪だくみに長けた、明朝、錦衣衛の指揮使、紀鋼(きこう)は、役人達の弱みを握り、煽てられた末に自分を皇帝だと勘違いした。その最期は、大逆罪で凌遅刑。
そう言って、林樵松は出て行きます。黒いドジョウの頭の中で、大逆罪で凌遅刑がリフレイン(笑)
そう、オマエラのことだよっ。
七宝街に帰ってきた若来だけど、街の人達は若来を見ると、ふいっと避けるのよ。
共産党に内通した殺人者だと、新聞に載ってしまったから。
だけど阿文(アーウェン)は、若来を見て、おかえりって抱き着いてくれました。
阿文は、誰も殺してない、共産党とも内通してない、だから早く出られたんだって、叫んで回ってくれてるけど。
株の情報を聞く時だけ熱心だった癖に、逃げ足早いって、阿文も言ってますが、ドラマとはいえ、中国の庶民の皆さん、そこら辺の変わり身がめっちゃ早くてゲンキンなんだよね。しかもそういうのをまともに相手にぶつける。これはドラマだから誇張してるのか、そもそもそういう国民性なのかと、毎度思っちゃうんだよなー。どんなドラマでもほぼそうだから。だからこそ、そうでない誠実な人達が際立つんだとはいえ。
アパートの前まで来たら、周(ジョウ)さんが、いきなり扉を閉めちゃう(笑)
阿文が周さんまで、そんな人だとはって言うんだけど、すぐに扉が開いて、炭火の器が入り口に置かれました。火を跨ぐのが厄払いになるっていうのは、他のドラマでも何度も出てきてますねえ。
周さんは、辛かったね、良く帰って来た、何が食べたいって聞いてくれてるのに、アパートのハゲ坊主は殺されちゃ大変だから入るなとか言うのよ。
でも周さん、ソイツに向かって、バカ野郎!と叫ぶ(笑)
どんな子か知らないの?優しくて礼儀正しい七宝街イチの好青年だよ、娘がいたら必ず娘婿にすると言ってくれましたよ。他にもいろいろ言うヤツらがいたけど、文句があるならお前らが出て行けと言い負かしてくれましたよ。あの白髪のじいちゃんも、嬉しそうに笑ってましたよ。
だけど、若来を中に引き入れてくれつつ、優しいでしょ、親切よね?一年の家賃を2元上げる、だってさ(笑)やっぱり人は良いけど、ちゃっかり者には違いない(^m^)
でも今の若来には、その程度は全然大丈夫。軽い苦笑いが出るくらいで。
部屋に戻った若来はスーツのまま、ベッドに転がりました。
まーだ、あちこち痛そうだね。ぐっすりおやすみ。
さて、沈家兄妹の会話。
宋先生に提出する報告書を書いていた兄に、妹は興夏(シンシア)銀行の買収で手に入れた、軍需産業関連の顧客情報を聞きだそうとします。当然、兄には却下されるけど、造兵廠にも情報が必要なんだと、食い下がる妹。
企業だから競合他社の情報が欲しい。南京は外国から言い値で武器を買っている。それを造兵廠で作れれば、利益は上がるし、国も節約が出来る。
話に納得はするものの、頷かない兄に一度退き、工場長から央銀に申請するか、財政部を通すと言った妹。兄は、取引明細は無理だけど、顧客リストだけは渡すと約束しちゃいました。
いいのか、おい。兄ちゃん、妹にはかなり緩い(笑)
でも黄秘書を訪ねろと言われた近真が、どうして若来ではないのかと聞くと、図南は、若来は行内で村八分にされるだろうが、乗り越えて欲しいと言いました。まあ、しばらく居心地は悪そうだ。
翌朝、しゃっきり起きて体操して、月給上がったから路面電車ではなく人力車で出勤した若来。
行員のみなさんも、腫れもの扱いというより、あからさまに避けるのね。あのメガネくんだけ、なんか合図してくれてるなと思ったら、そこに黄従匀(ホアンツォンユン)。
いきなり、戻ってくるな、とな。ああ、周囲の態度はオマエの意向混じりかよ。
その頃、沈図南も鄧澤(ダンズー)処長を怒鳴りつけてました。
共産党ではないと知っていて、なぜ追い出そうとする?と。
鄧処長は、容疑を晴らしたのも解雇も君のためだと言うんだけど、厚意だろうが受け取れないと。
彼が牢獄でどんな拷問を受けたと思う?少し頷き私の関連を匂わせれば無傷だった。苦しまずに済んだ。そんな部下を見捨てろと?人は損得で動いても恩は忘れるべからず。
そう言って、若来解雇の書類にサインせずに出て行きました。
あのズタボロの最中の若来を目の当たりにしたのは、捜査隊以外では、この人だけだからねえ。
さて、黄秘書もまた、君は顧問の命を救った、私も恩があると言いつつ、顧問は才能を愛する人、恩人でもある君を重用し、こんな厄介事を起こしても見捨てない、だから君が自覚するべきだと言うのよ。
うーん、それもまた真ではあるけど。この人は嫉妬心が混じりまくっているので、これ幸いってのが絶対に根底にあるからなあ。
怒りで飛び出した沈図南が階段の上に出て来ました。
それに気付かず、行員達の前で尚も続ける黄秘書。
君がいては、更なる厄介をもたらし、顧問と央銀の名を汚す。
若来が顧問に相談したのかと聞くと、黄秘書は必要ないと言い放ちます。自尊心があるなら今すぐ出て行けと。
若来は、顧問が同意すれば1秒も待たずに出て行くと言って階段に向かうと、そこに立って聞いてた顧問。
黄秘書、陰で若来を排除しようとして、見つかるの何度目?(笑)
階段を上る若来と、降りる沈図南。
黄秘書の隣に来て、心配そうに見上げてるメガネくんがカワイイよっ。
階段の途中で立ち止まった2人。
沈図南は、若来に、私の弟子になるか?と聞きました。
その言葉に、行員、ざわつく(笑)
黄秘書も驚愕。いい気味だ←
若来もポカンと口を開けたけど、ずっとそれを望んでいましたと答えます。
入門の三礼をお受けくださいと、その場で3回お辞儀。
階段下で、黄秘書は、信じられないって顔になってるけど、隣のメガネくんは嬉しそうに笑ってるのよぅ。いい子いい子。
私、なんでこんなにこのメガネ君が気になるんだと思ったんだけど、ちょっと雰囲気が小さい頃のうちの長男に似てるからだった。成長した今は、これほど人の良さそうな顔はしてないけど(笑)
沈図南が、茶をと言うと、メガネくんが、すぐ用意しますって大急ぎで走って行きます。
そういう儀式にお茶が必要なのね。
メガネくんが持って来てくれたお茶を、師匠に差し出す若来。師匠がそれを飲みました。
長年、愛用した万年筆を若来に贈り、沈図南が宣言します。
ここにいる諸君が証人だ、本日より、魏若来は私の内弟子だ、私は彼の師であり、身元保証人だ、二度と彼に央銀を去れと言わないでくれ。
さすがに黄秘書、俯く。
そうね、鄧処長とのやり取りもそうだけど、みんなの前で、自分の秘書があれを言ってなかったら、沈図南もここでこの決断はしなかったかもしれない。村八分になるだろうけど、乗り越えて欲しいと言ってたくらいだから、ある程度の予測がついていたとはいえ、どう考えても、黄秘書のストレートな言葉が直接の引き金でしょうよ。
鄧処長もナニゴト?って感じで出てきて、あー、そうなっちゃったかー的に行ってしまったな(笑)
今後、私は師匠として君を指導し、監督する義務がある。日頃から誠実で勤勉であれ。怠惰や甘えを禁じ、他の思想に染まるな。反すれば厳罰を与える。
肝に銘じます、努力して師の恩に報いますと若来が答え、師匠がよしと言った途端、メガネくんの満面の笑みが映ります(笑)ほっとするなあ、この子。
行内も拍手喝采でね。黄秘書もイヤイヤ拍手しておる(笑)
一方、近真は徐諾と、興夏の顧客リストを見てました。
興夏に口座があるのは外国企業、タングステン鉱石を取り扱っている企業の全てに連絡してみるらしい。
近真は黄秘書のところで、ドイツ系のR社が巨額の取り引きをしていた資料を目にしたみたいよ。顧問がそれは内緒って言ってた取引明細まで、盗み見られてるぞ、黄従匀(笑)
興夏経由で南京に入金していて、担当者は沈図南の飲み友達のハンスって人なんだって。
林樵松は、壁に若来の似顔絵を張ったまま、何やら思案中。
お茶を持って来た文彪(ウェンビャオ)に、自分達は振り回されていたと思わないか?と。
全てが誰かに仕組まれていたようだ、と。
ここではっきりと、近真に疑いを向けましたなー。もう危険だ、近真も。
怪しいと思い始めると、若来兄ちゃんとの接触の時も、央銀で若来との接触の時も、近真が来た訳で。
林樵松は、李晟達の目覚めを待つばかり。
アイツ、本当にシブトイよね。あれで生きてるんだもんなー。
李晟達の病室にいた医者の口に、買って来たばかりの熱々小籠包を突っ込む林樵松。
ほんと、この人、何の罪もない医者を何だと思ってるんだか。
恵まれない環境にいるのは分かるし、この人も運命に翻弄されて来たんだろうなってことも分かるんだけど、罪人ではない一般の人間に、平気でこういうことしちゃえるってのがね。
李晟達の手術は、アメリカ人の医師に依頼したらしく、それでも成功率は3割以下なんですと。
鴻芳(ホンファン)服飾店では、徐諾と近真。
もう、頻繁に来んな系のお小言はなくなったのか?(笑)
共産党が近真の持って来たリストの企業に連絡したら、R社が興味を持ってくれたとか。
例の、ハンスのいる会社。商談には共産党の代表がやって来る模様。
ハンスはドイツ系ユダヤ人で、法律と経済の学位を持っている抜け目のない人物らしい。
若来は、なぜか張鳴泉(ジャンミンチュエン)と対峙していました。
そろそろ匯豊(フイフォン)銀行も、関税帳簿を引き渡す時だと、お仕事での交渉に来てるのね。
張鳴泉は、私と交渉したいなら沈図南が来いなんて言ってるけども、若来の正論や脅しや、善意で忠告してるんですよ、なんて眉を下げての台詞等々に、すっかり揺さぶられています(笑)ま、小者だからね。通商に続き、ここでもまた権力を笠に着た横暴を繰り返すと、信用は失墜、もう上海では行き場がないぞって話だから。
若来は、沈図南の弟子になって手始めに、因縁のある張鳴泉との交渉を任された訳だ。バックが面倒だけど、この人自身は小心者。この程度、成功させられないようではって、力試しなんでしょうな。
酒を勧められた時の若来の顔は、なかなかに不敵に育ってきたわねって感じよ(^m^)
央銀では沈図南が宋先生と電話かな。
ひとまず表面上に落ち着いたと言う図南に、国内のことはなんとかなるが問題は外国と宋先生。
R社のハンスが、納期が遅れていると抗議に来たらしい。
宋先生はもう、R社が共産党とタングステンの商談をする情報を得ていました。
その取り引きに現れる共産党を、康少捷に捕縛させると。
ひー、危ない。
そして図南は、淞滬(しょうこ)警備司令部軍法処へ。若来もいます。
苦痛を思い出すか?って気遣ってくれる師匠よ。
会議室には、康少捷と林樵松。
康少捷は、共産党の疑いのある人物を作戦に参加させるのかと、まぁだ言ってる。
嫌疑が晴れたから釈放されたと図南。国の大事、慎重を期すべきではと林樵松。
図南は、慎重とは根拠もなく罪を着せることか?と切り返します。
情報が漏れたら云々言い募る康少捷に、図南は、交渉の場に立つのは自分、あなた方は協力者でしかないと、念押し。
ハンスは一昨日上海に着き、リチャーズホテルに泊まっているみたいなんだけど、リチャーズホテル自体、ドイツ系のホテルのようで、捜査隊も自由には動けず、部屋を取っても監視が精一杯らしい。
共産党かせ商談に来るのは、40代の雷鳴(レイミン)というソビエト区の財務担当者。学生時代に暴動を起こしていて、写真もあるらしい。駅と埠頭に指名手配の通達はしているが、変装しているはず。人手が足りないので、ホテルに重点的に人数を置く。
そんな林樵松の説明を聞いていた若来は、捕縛より交渉が大事だと言います。
ああ、そっか。捜査隊は捕まえることしか頭にない。沈図南は、ハンスと交渉して、共産党へ金が流れないよう阻止するのが第一目的なのよ。
林樵松がムッとして立ち上がり、康少捷が新米は黙ってろなんて言うけど、図南は私の立場と態度を代弁しているんだと答えます。
図南は、では、ハンスが共産党と会ったらどうすると聞きます。
共産党は逮捕と林樵松。
ハンスは?
捕まえる。
図南は、租界でドイツ人を捕まえる?冗談はよせと言いました。
だね。国際問題。話がコイツらでは抑えきれなくなる。康少捷にはそれが分かったかも。
でも林樵松には分からない。国際紛争が心配でしょうが、私は怖くないと。
沈図南は、この取り引きが毎年、国にいくらもたらすか分かっているのか、君だけでなく康処長の命も保証できないと言いましたよ。
林樵松、固まる。やみくもに全部捕まえればいいと考えるだけって、楽なお仕事ですねっ←
ここでハンスを逮捕すれば、R社とドイツは怒り、タングステンの膨大な利益はまんま共産党のものとなる。そうなった直接的な原因は、林樵松と康少捷の勇み足。そら、シッポ切りされますな。
さて、店でお仕事をしている徐諾のところに、丸眼鏡にヒゲの男が、お久しぶりですねと、現れました。
すっかり上手に変装している雷鳴でしたよ。既に入り込んでましたー。
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