あらすじ
李晟達の銃撃容疑を明らかにすべく、蒋介石副官室の明達監視のもと、合同調査が始まる。捜査隊の林樵松らは銃弾をすりかえ、魏若来が撃った証拠にしようとするが、沈近真ら銃器専門家チームは証拠の捏造を見破り、魏若来の無実を証明する。一方、魏若来は株に人生を壊された姜虎豪一味と監獄で出会い、上昇銘柄を彼らに教えて儲けさせ、打ち解ける。
みるアジア
ネタバレ感想
央銀の会議室。
康少捷(カンシャオジエ)、林樵松(リンチャオソン)の向かいに座っているのは、鄧澤(ダンズー)処長、沈近真(シェンジンジェン)と、近真のお友達のドイツ人銃器専門家、ウィリアム。
明達(ミンダー)主任が入室してきて、みんな起立。
若来の事件は、央銀にも政府にも金融改革にも影響が大きいとして、真相の徹底解明のため、央銀行政倫理処と軍法処捜査隊に、第三者である銃器専門家を加えて、特別調査班を構成することになったらしい。
これが、沈図南の言っていた、宋先生が蒋介石の副官を動かしたって話ね。
珍しく鄧処長が強気です。
林樵松に、沈図南と親しいんだから辞退しては?みたいなことを言われても、宋先生が方針を決めた、央銀の責任なら受け入れるが、無実の罪を被る気もない、一部の者に悪用されては困るって、言い返しましたわよ。ふふっ。
明主任が、調査班の長として唯一求めるのは、客観性と公平性だと告げて、会議はお開き。
康処長に握手を求められた鄧処長は、仕方なく握手するものの、見送るその目に宿るのは、おまえらみたいな誣告の実行部隊など、許すものかって感じでしょうかね。
康処長は林樵松に、ウィリアムを抑え込めるか?なんて言ってます。さすがの林樵松も驚いて、近真の友人ですよ?って言うんだけど、恋人でないなら懐柔の余地がある、だってよ。
け。誰も彼もがキミらみたいに利で動くと思うなよ。
さっきウィリアムは近真に、お兄さんの状況は気の毒だと思うが、私は事実に基づいて判断するって言ってたよ。友達だからって、事実を曲げて有利になるような判断はしないよってコトよ。
弱みを調べて買収に動けと命じられた林樵松は、やぶ蛇にならないか心配だと言うんだけど、康処長は、今回は神々の闘いだ、だとよ。虞世清(ユーシーチン)は言うに及ばず、沈図南の背後には宋先生だけでなく蒋(ジャン)主席も見守ってるんだと。
虞世清が神だと?ふざけんなー。まあ背後に、大姐夫妻がいるんだけどな。
だから僅かな落ち度で、末端の自分達が全責任を負う羽目になると康処長は言います。
若来は共産党員の弟で、強盗も認めているから、あとは沈図南を引きずり降ろすだけだと林樵松。
康処長は、若来から目を離すな、絶対に問題を起こさないようにと言ってるので、とりあえず、牢内で命までとられることはなさそうだけど。
文彪(ウェンビャオ)は、鑑識に保管してあった、李晟達(リージェンダー)から摘出された弾を盗み出してました。
林樵松は死刑囚を連れ出して、若来の部屋から押収した張鳴泉(ジャンミンチュエン)の銃で死刑囚を撃ち、体内から弾を取り出してすり替えます。それで証拠が揃ったってよ。捏造のな。
でもこれが唯一の問題点だったんだよね。銃器の専門家が入るとなれば、そこの穴埋め捏造を林樵松がしないはずはないとは思っていたけど。
でも、こんなヤッツケ仕事みたいなすり替え、きっと専門家は見破るわよっ。
更になぜか若来は雑居房に移されることに。
文彪ですら、きょとんとして、なんで?って(笑)
雑居房に引きずってこられた若来は、ボロボロで入れられたのに、新入りイジメで蹴られてるよぅ。もうやめたげてっ。
林樵松はこれが狙いだったのかな。南京が介入してしまうと、もうあからさまな拷問は出来ないから、雑居房のヤツらにやらせればいい、くらいの。
だけど雑居房って、中で刺青したりできるんかい。どんだけ自由なんだよ。
牢名主みたいな男が、若来に自分の足を揉ませながら、罪状や出身地や年齢を聞きます。江西省の吉安は男と同じらしい。でも、央銀の行員だと聞いた途端、男は豹変。若来を蹴とばしました。
男に命じられた仲間達に袋叩きに遭っちゃった若来が、殴るなら、せめて理由を教えてくれと聞くと、男達は、通商や興夏の株を買ってたらしいんだわ。央銀が株価を操作したせいで、財産を失ったって言う。
株に危険は付き物、央銀は福祉機関じゃないって、若来は真っ当なことを言うけど、そう言う耳の痛い話は、こういう人達には響かないやね。
そして若来、また気を失う…(泣)
林樵松は李晟達の病室にいました。ふん。意識不明だけど生きてるよっ。早くコレ、バレるといいのに。
脳の手術だから、お医者さんも検査をしないとと慎重になっているから、というか、それが普通だから、まだ手術はしていなかったらしいんだけど、林樵松はそんなこたーお構いなし。お医者さん、可哀そうに、指を反対側に捻り上げられちゃってる。アンタ、医者の指だぞ、手術、失敗するがな。
否応なしに、手術する約束させられちゃってます。だけどその時、ちょびっと李晟達の指が動いたぞ。この人のしぶとさよ。いいんだか悪いんだか。
牢の中で倒れていた若来の指も動きました。
なんとか起き上がり、傍らに置いてあった茶碗の水を飲もうとすると、男に払い飛ばされてしまいます。
全く。逆恨みもいいとこだよ。
月給を聞かれて50元と正直に答えた若来に、男達は驚きました。自分達が稼いだ金で、こんなヤツを養うとはって、アンタ達のはした金なんざ、若来のところまで回ってくるコトもないわ。
だけど若来も負けん気強いよね。博打で負けたら、胴元を責めるのか?って言い返しちゃって、男は更に逆上。またも襲い掛かろうとするんだけど、逆に周りの男達に止められました。死なせたら刑期が延びる、ただの銀行員なんだから、と。
でもそこで若来は、皆さんは株でカネを失ったのか?と聞きます。
央銀の劉主任を信じて家を抵当に入れて通商の株を買い、破産したヤツとか、結婚式を盛大にやりたくて興夏の株を買って、花嫁に逃げられたヤツとか、息子の家を買いたくて自分の治療費で華信の株を買った母、本人は死に、息子には紙切れ同然の株券しか残らなかったとか。
人のやることか?と男は叫ぶけど、それより何より、そんな大事なお金を、根こそぎ株につぎ込むのがおかしい。博打感覚で無知のまま手を出していい世界じゃないのに。そういう手段を選ばないと、庶民にまとまった金を手にする機会なんてなかったのかもしれないけど。
良心が痛まないかと若来に言われてもねえ。
でも若来には、ちょっと思い当たることがあったようです。
彼らは数日前、役所に抗議しに行って、証券取引所を襲撃して捕まったメンバーだったみたいよ。
行かねば鬱憤が晴らせなかったと聞いて、また若来は、なら博打で負けても賭場を破壊するのかと言います。男がまたいきり立った時、憲兵が入ってきて、若来は尋問に連れ出されました。
尋問室には、鄧処長、近真、ウィリアム、林樵松が揃っていました。
近真の表情よ。まあ、若来の惨状を見れば、息を飲むわよね。
林樵松からの質問には、はいかいいえしか答えられないんだとさ。
物乞いが、若来が張鳴泉(ジャンミンチュエン)の時計をゴミ箱に捨てたと証言している。
君が彼から奪ったのか?
はい。
同時に銃も奪った。李晟達を殺すためか?
若来は顔を上げ、2つの質問だ、別々に答えてもいいかと聞きます。
林樵松、ちっ…って顔よ。こういう細かいところからも、嵌めようとしてんなー、コイツ。
銃を奪ったか。
はい。
殺人に使うために?
はい。
え、と思ったわ。林樵松も、おや、どうよ?みたいな腹立つ仕草(笑)
でも若来は続けました。
正当防衛で殺すこともある。李晟達は関係ない。
そしたら、質問にだけ答えろ、だとさー。言うと思ったよ。
こういう時って、誘導しようという意図があれば、そういう質問を連発して、YESNO以外、言わせなければいいんだよね。よくよく気を付けていないとやられる。若来なら大丈夫そうだけど。
若来は言いました。
どうせ聞くだろ?次はこう尋ねる。沈図南の指示か?と。答えは、いいえ、だ。
林樵松は激高して机を叩き、死にたいのかと叫んで、近真とウィリアムから軽蔑の視線を受けます(笑)
で、若来も、死にたいのか?に、いいえと答えました(^m^)
落ち着いてるわー。
君の兄は李晟達の投降で死んだ。復讐を考えたか?
考えたが度胸がなかった。銃も撃てない。
なのに銃を奪ったと?と林樵松が言った時、ウィリアムが、射撃の経験なら簡単に調べられる、テストしたいから、近くに射撃場はないかと言いました。
必要ない、と言った林樵松に、ウィリアムは冷静にドイツ語で、様々な角度から立証しなければ、国民は納得しないと言い、鄧処長も、私も必要だと思うと言って、しらーっとお茶飲んでる(笑)
うふふ。都合悪いよねえ、テストされちゃったらねえ。
阻止したかったけど無理そうよねえ(^m^)
射撃場に連行された若来は、林樵松に拳銃を頭に突きつけられながら、渡された銃を的に向かって撃つんだけども。構えも姿勢も撃ち方も、きっとダメダメなんだろうと思うよ。
林樵松は、若来の家に指紋だらけの銃があった、君は撃てるはずだって言ってたけど、それは自室で何度も構えてみてたからだけの話だものなー(^m^)
文彪(ウェンビャオ)が4発当たったと、林樵松も6発中4発命中なら、捜査隊に入れると言うんだけど、ウィリアムは、姿勢が違う、最初に手を離しかけた、発砲経験はなさそうだと分析。
演じたのかもと林樵松が言っても、普通の人は緊張で銃を握る手が力み、銃口が少し下がる、この4発はその状態だとウィリアム。
資料によれば、李晟達は胸を撃たれていた。この容疑者が撃ったとしたら、そこまで正確に狙えない。相手が倒れるまで、何発も撃つことになる。少なくとも彼の撃ち方は、李晟達の傷口には合わない。
ウィリアムが現場を見に行くべきだと言っても、林樵松はまた、必要ない、だって。
近真がさすがに、不完全な証拠で有罪と決めつけたいのかと言うと、あなたの役目は通訳だ、だとさ。でも近真も、現場検証は彼の意見、絶対に見に行くべきだと言っていますと言い、鄧処長も、我々を現場に連れていくべきだとアシスト。
ほら、どんどん裏工作がひっくり返されてくぞー(^m^)
林樵松は、いいでしょうと承諾しつつ、次はどんな裏工作を?なんて捨て台詞。そっくりそのままお返ししたいわね。
兄貴と呼ばれている牢名主は、若来の革靴まで奪ったんだな。最高級品だぞ、それ。
そこに、看守から新聞が届きました。雑居房って新聞まで差し入れてくれるんか。
彼らは株価を追っているみたいね。恒美ってところの株を買っているみたいで、儲けたらアレコレ買ってやるなんて言ってるんだけど、それを聞いていた若来は、夢物語だと呟きました。
恒美の主戦場は贛南(かんなん)、江西の内戦がすぐ終わると思うか?と。
男達は、恒美は武漢と長沙でも儲けたって言うと、なら健闘を祈ると突き放します。
株が分かるのかと近付いた来た牢名主は、姜虎豪(ジャンフーハオ)と名乗りました。
恒美は暴落すると言ったなと聞かれ、若来は、一文の価値もなくなり破産は目前だと答えます。
姜虎豪は、若来の履いていたスラックスを触り、最高級の生地だと気付きました。
央銀でやり手だったのか?と言われた若来は、僕を探るな、大損させたくないだけだと。
若造、優しいじゃないかと笑った姜虎豪に、若来は、損して腹を立てれば、また八つ当たりされる、て。ほんそれ(笑)
姜虎豪はちょいと気まずそうに、確かに賢い、痛いもんな、だって(大笑)
若来は、まず大損する前に恒美を売れと言うんだけど、男達は、恒美は安定していると言って聞かないの。周(ジョウ)さんと同じね。無知な癖して。
姜虎豪は、5日の間に3銘柄の動向を予測して全て当てたら立派なもんだ、お前を認めると言います。だけど、1つでも外したら騙したと見做すって、アンタ、バカなの?それがどれだけ大変なことか分かってない。ま、いっか。きっと若来は、ご期待に沿えてしまうのでしょう。
さて、現場検証組のみなさん。
ウィリアムは撃たれた傷の位置、倒れた姿勢、撃った角度、射程距離、犯人が発砲した場所等々、細かく検証していきます。
その場所に、足跡が残ってたんだけど、若来のサイズは26.5センチ、残っていた足跡は24センチ。
李晟達を撃った銃の型を調べたいと言われても、林樵松は凶器は若来の家から見つかったとだけ。
まだ被害者が、その銃で撃たれて殺された証拠がないのでは?とウィリアム。
被害者の法医鑑定書もない、遺体の写真もないというお粗末さに、ウィリアムも呆れてます。
さすがに鄧処長が出て来ましたよ。
証拠が多いと調査も速やかに進む、捜査の進行を妨げる行為は、全て南京に報告し厳正な抗議を行う。
ふふん。頼みの綱の南京に、林樵松はダメダメと報告されてしまうわよー(^m^)
ウィリアムも、遺体も法医鑑定書もなければ捜査できないと言ってます。ドイツ語で。
鄧処長は、捜査は不可能、蒋主席侍従室の明達主任に訴える、と言うと、林樵松は遺体に残された弾ならあるって言うのよ。アレよ、すり替えた、アレ。けっ。
でもこの捏造証拠を、鬼の首を取ったみたいに最初から言いたてなかったのは、専門家にバレた時に、全部自分に返ってくるからだよね。でも追い詰められて、持ち出さざるを得なかった。
ってことは、今までの専門知識と検証仕事を見ていれば、この程度の捏造はあっさり見破られるのではないかと、この人は恐れてもいる。
この辺りもまた、虞世清(ユーシーチン)や康少捷(カンシャオジエ)に代表されるような古い価値観、昔ながらのやり方と、沈図南や近真、ウィリアムに代表されるような、新しい価値観とより進んだ文化的専門知識の対比みたいに見えます。以前なら、こんな冤罪のでっち上げも、この程度の工作で簡単に出来てたんだろうよ。
その間、近真は狙撃者がいた位置の地面を、ひとりで調べていました。
先に捜査隊が行ってしまった後、何か見つけたんでしょうか。でも徐諾(シューヌオ)を浮かび上がらせる訳にはいかないし。大丈夫かな。
雑居房にはまた新聞が届けられ、若来は真っ先にそれを手にして読み始めます。
紙とペンって言ったら、渡されたのがチョーク(笑)
若来は、チョークで壁に何やら書き始めました。
大恒(ダーハン)製粉、新民(シンミン)紡績、浦江(プージャン)航運。
それらは現状イマイチな銘柄らしく、男達は口々に文句を言うんだけど、若来は、5日で上がり、二か月で倍だと言うのよ。
数日経ち、若来の提示した3つの銘柄は下がり、新聞にもネガティブなニュースが載っていて、男達は騒ぐんだけど、若来は、先に悪いニュースで意志の弱い者を排除するんだと、冷静。
嵌める気かと騒ぎ出したヤツらにも、5日の約束だ、数えられないのか?と堂々としてるし、上がったら、いい寝床に移れるのか?って聞く表情もなかなかのモンです。
沈家の朝。
沈図南が進捗状況を聞くんだけど、林樵松が非協力的で進まないと近真。普通なら拷問に耐えられないけど、若来は大丈夫だと近真は言います。だけど沈図南が伝言を頼みたくても、近真も監視されてて無理なんだそう。
雑居房内も約束の5日目の朝。
若来の言った3銘柄は全て、かなり上がっていたらしい。大喜びのみなさん、若来も嬉しそう。
若来はめっちゃ気遣われて、上座に移動させられましたよ。いい寝床も提供されたよ。牢名主さん交代、みたいな(笑)
姜虎豪は若来を認め、今後は仲間だ、なんでも頼ってくれ、だって。
そういえばモブのみなさんの中に、よく見るあの人、いたよね。
「陳情令」で夷陵老祖の弟子だと言ってた詐欺師。「成化十四年」にもいた、丸顔の(^m^)
さて、例の弾と銃の口径は一致しちゃってました。当たり前だ、林樵松がすり替えたんだから。
でもあの時、近真は現場で、薬莢を見つけていたようです。ウィリアムと鄧澤処長も、一緒にそこで確認したんだそう。証人3人。
その薬莢は、大口径銃のもの。若来の部屋から見つかった張鳴泉(ジャンミンチュエン)の銃は小口径。
こんなもん、法医鑑定書があれば、傷口の口径なんて既に分かってる話なのにな。
林樵松は、別の事件の時のものかもしれない、なぜそれが李晟達を撃ったものだと断言できると言うんですがね。
近真は、すり替えられた弾を持ち上げ、李晟達は10日前に撃たれた、血痕と酸化後のサビは10日も経ったものとは違う、見たところ、5日も過ぎてはいないはず、法医学者の介入を求めますと言いました。
この銃弾の血痕と李晟達の血液型の比較も必要、そうでないと証拠は無効。
近真はもう、オマエら、やっただろ?って顔で言ってますわよ(笑)
鄧澤処長もまた、蒋主席の侍従室の監視下で、偽証を提出する度胸があるか?と言うよ。
追い詰められた林樵松は、まさか、と、管理室の物証が多く、取り違えたのかもと見え見えの苦しい言い訳。これ以上、押し通したら、徹底的に調べられて、偽証のアレコレまでバッチリ暴かれちゃって、自分のクビが危ないもんな。
押収した拳銃を使って人を撃ったのか、偽証のために、捜査隊の隊長が、へええ?つってねえ(笑)
すり替え前の銃弾を持って来ざるを得なくなった林樵松を呼び止めた近真は、次は間違えないでねと微笑みます。
はい。李晟達を撃った銃弾は、若来のものではないと、検証が終わりましたよ。
鄧澤処長に、数々の物証から、真犯人は別にいる、若来は銃は奪ったが人は殺していない、捜査は終了してもいいと思う、魏若来は本件に関係がないと、結論づけられてしまった林樵松。
帰っていく3人を追い、近真を呼び止めます。取り引きしたい、だとよ。
どうか沈顧問にと言われた近真は、今更和解を求めても手遅れでは?と答えました。
でも、若来はまだ牢だ、私次第で生きては出られない、だってさ。ひでー。アカラサマだ。
少し先で、鄧澤処長も聞いてるよ。
若来の命は守るから、沈顧問も私を困らせないで欲しい、だそうです。けっ。
なら最初から、入院してる図南に頼んだ時のまま、捜査隊の内通者になって、黒ドジョウと連なるおっさん達の動向をリークしてれば良かったのでは?康処長からの指示にはモダモダせざるを得ないから、リンチは受けるでしょうが、その方がまだマシだったのでは?沈図南なら、今の内なら、なんとか上海を出してくれたかしれないのにね。大きな判断ミスでしたね。
近真は、考え過ぎよ、反撃するにしても、用はない、こんな小者には、と言い捨てて去っていきます。
差し出された袋は、引ったくって持ってったけどね(笑)
カッコイイんだけど、だけど、これだけ強気に出ちゃうと、今度は林樵松から疑いを強く持たれちゃう気がする、それが心配。
林樵松は、李晟達が病院にいることで、病院内には証人だらけ、それがバレて捜査隊全員がクビになるよりは、みたいなことを文彪に言ってます。戦っているのは上層部だから、彼らを怒らせたら、金塊で撲殺されるから、だとさ。
雑居牢の中の若来は、みんなにもてなされて、上海で何かあったら全員駆けつけるなんて言われてる。姜虎豪が履いて広げちゃった革靴も、返して貰えたよ。
だけど若来は、ここを出たら株は辞めてよと言いました。
まだ株は資本家の遊び、大損できないなら離れたほうがいい。いつか政府が金融改革を果たしたら、健全な株式市場が生まれ、庶民の投資の楽園になるから。
彼らに、その話の意味は分からなかったみたいだけど、若来が言うのなら従おうと思ってくれたらしい。
周さんといい、姜虎豪と仲間達といい。普通の庶民がこうして一攫千金を狙うしかない現状や、央銀に纏わりついて来る富裕層の現状。そんなこんなを次々と見せられ、経験したことは、若来の中に積み上げられていきます。
だけど、その意識に変化が生まれるのは、もう少し先。ここに、政府上層部の腐敗を目の当たりにするってのが入ってくるんだよねー。まだまだ大きな出来事が続々と降りかかって来ます。
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