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追風者 第8話 あらすじとネタバレ感想

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追風者
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目次

あらすじ

許諾は背後から魏若来に協力を強要し、李晟達に黄金を引き出させてから銃撃して黄金を取り戻す。李晟達の持ち逃げに勘づいた林樵松は魏若来を調査するが、魏若来は事前に巧妙な手口で“通報”と“自首”をしており、共産党との内通を否定する。関税自主権を奪還すべく外資銀行との戦いを決意した沈図南は、家族に危険が及ぶことを懸念していた。

みるアジア

ネタバレ感想

若来に李晟達(リージェンダー)のことを相談された阿文(アーウェン)は、刃物を取り出して、自分がヤツをやるから金塊を持って逃げろって言うのよ。
若来は自分はもう捜査隊に目を付けられてるから、動けばすぐバレるって阿文を止めました。

若来の部屋では李晟達が、なかなか帰って来ない若来を待ちつつ、勘付かれたかとウロウロ。

金塊は兄の遺志だから、正しく相手に渡したいって若来に、阿文は共産党だぞ?って言うんだけどさ。
阿文の言う、国民党と共産党の争いなんて俺たちには無関係だって気持ちは分かる。本当は自分達の未来を託すことになる訳だから、きちんと考えなくちゃいけないんだけど、一般庶民はねえ。これは日本の現代でも同じでしょうね。
捜査隊に金塊を渡して自首しろって阿文に、分かったと若来は答えたけど、座り込んじゃった阿文の顔は、これはそうしないだろうなって分かってる顔だね。

部屋に戻ろうとした若来は、階段を上ろうとしたところで、後ろから口を塞がれピストルを突き付けられました。
え、誰かと思ったら、徐諾(シューヌオ)さんだったわよ。若来は顔を見てないけどね。
水道のある小部屋に入り、徐諾は言いました。

君の兄、魏若川(ウェイルオチュアン)は地下組織の人間、私は同志で受取人。
本来の受取人は裏切った。
そして、しらを切ろうとした若来に合言葉も伝えます。

良かった。相手が分からず若来は不安でしょうが、少なくとも李晟達とサシで勝負せずに済んだよ。徐諾おじさんが絡んでくれれば、きっとなんとかなるはず。
でも若来のこの顔は、この声をしっかり覚えようとしてるのか、聞き覚えがあるなと思っているのか。
若来と徐諾って面識あったっけ?

ソワソワウロウロしている李晟達のいる部屋に、若来は帰って来ました。
調子よく話を合わせて、鍵と印鑑を渡した若来は、今後自分は一切関係がないから、もう来ないでと告げます。李晟達は、金塊が手に入ったと思ってご機嫌よね。これで同志が救われるトカほざいてますが。

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ハグされても若来は硬い表情。
当時の電気の通っていない庶民の生活空間なので、このドラマ、暗い場面が多くて、よく見えないことが多いんよなー。

李晟達がいなくなった後、ベッドに転がって回想する若来。
やっぱり徐諾を信じたんだね。兄の同志なら僕を傷つけないはずだと言うと、徐諾は兄ちゃんに敬意を表してくれた。
徐諾は、捜査隊に情報が漏れているかもしれないから、李晟達に央銀に行かせて金塊を持ち出させ、その後、奪還するつもりらしい。
更に、兄ちゃんが死んだのは、あの反徒のせい、だけど同志を救うのが先、それでも彼の無念は我々が必ず晴らす、だから協力して貰いたいと言いました。

小狡そうでワチャワチャ話す李晟達より、姿形は見えなくても、理路整然としていて知性を感じる徐諾の言葉のほうが信頼できるのは、ワカル。
若来は、徐諾が成功するよう願い、もし失敗したら自分がどこまでも李晟達を追い、必ず復讐すると誓います。後に、えっ!?と思うようなことがあるんだけど、ここで若来は既に兄ちゃんの写真に誓ってたんだよねえ。

央銀で金塊を引き出した李晟達。なによ、ちゃんと新しいメガネ持ってるじゃないのっ(笑)
だけど案の定、李晟達は監視の目を欺いて、金塊を持ち逃げ。
捜査隊の張り込み、下手だなー。

林樵松(リンチャオソン)と文彪(ウェンビャオ)は、孤星が何を運んで来たかを知らないので、李晟達が何か価値のあるものを若来から渡されて、持ち逃げしたと推理。それは金塊ではないかと予想しました。
駅や港に検問を置き、書店の店員も拷問ですってよ。

その頃、李晟達は港なのかなあ、そんな感じの川べりに人力車で到着してました。
文彪のほうでも、今夜の香港行きの乗船券を買っていたことを突き止めてますよ。

船着き場では、文彪たちが厳しく検問中なんだけど、李晟達は別の場所から個人の舟で上海を出ようとしていました。暗がりで船頭に待たされている間に、徐諾が来て李晟達を撃ったわよ。
李晟達は倒れて、そこにあった石に頭をぶつけました。
普通、これなら死んだかと思うじゃん?でもさ、ネタバレだけど、コイツ、なかなか死なないんだよねえ(笑)
とりあえず、徐諾は金塊のカバンを持ち去ります。

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失敗した文彪たちを叱り飛ばす林樵松。おまえらみたいな風体の奴らが大勢で立ってたら、李晟達がのこのこ出て来る訳がないだろうと(笑)
林樵松は若来を見張れと指示します。
えー、もう若来の手を離れたのにぃ。いつまでも付き纏われるのかあ、かわいそだー。

路面電車の中で徐諾は、仲間に金塊のカバンを渡してましたね。中年女性。

鴻芳(ホンファン)服飾店に戻った徐諾を、沈近真(シェンジンジェン)がワンタンを用意して待っていました。助けに行こうという沈近真に、徐諾は、君の仕事じゃないといい、兄から目を離すなと。
彼女が沈図南(シェントゥーナン)から盗み出した金融に関する構想は卓越していて、共産党にとっても重要な情報だったらしい。
沈近真は、引き続き情報を盗むにも兄は慎重だから、若来が突破口になるかもと言うんだけど、徐諾には、李晟達が行方をくらますと、捜査隊は若来に目をつけると分かってました。
そうすると、沈図南はどう出るか。

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おじいちゃんと孫の団欒みたいに見えてしまうー(笑)

職場にいた若来は、黄秘書から沈顧問が待っているから、金庫管理室に行けと言われます。
沈図南と鄧澤(ダンズー)処長のところには、林樵松が来ていました。
若来が向かうと、扉の周辺を文彪達が、がっつり固めてるよ。うわあ。

若来は林樵松に、先日央銀の貸金庫を確認したな、中身はなんだと聞かれます。
金の延べ棒20本と正直に答える若来。うお、大丈夫か?
林樵松は、我々の知る限り、共産党のものですと沈図南に言いました。
若来が、兄の遺品なんですと言うと、兄は共産党かと沈図南に怒鳴られちゃう。

若来は、自分は何も知らずに巻き込まれた、共産党員ではない、自分の手には余るものだから、鍵と印鑑は日新書局の李晟達という人に渡した、自分は日新書局を通報もしたと言いました。
あー、あの通報の記録がここで生きてくる訳か。共産党員だったら、通報なんてしないからね。

それを聞いて、形勢逆転。沈図南と鄧処長は、それなら問題ないと態度が変わります。
それでも共産党に通じたと林樵松が食い下がるんだけど、若来は、それならもう自首しました、だって。数日前、捜査隊に成り行きを全て記した手紙を書いた、と。え、いつの間に?
林樵松と文彪は、そんな手紙が届いてることなんて、気にも留めてなかったんでしょうよ。
若来ってば更に、破産した印刷会社から貰った電力会社の封筒です、なんて言ってる(笑)

捜査隊には無記名の手紙が届いており、中には若来の言う通り、私こと魏若来は、って書き出しで、成り行きの告白文が入っていました。
目論見通りにいかずに、動揺を隠せない林樵松。手紙を確認した沈図南。

若来は、出頭すれば拘束されるから、金塊を守り共産党を捕まえて欲しいと手紙にしたんだって。阿文と話してる回想シーンなんだけど、投函してたのは昼間のシーンだったので、李晟達に鍵を渡す前に、もう投函してたってことかな。だとしたら、徐諾にも会う前だよね。そこまで考えて事前に動いていた、と。
そっか、すごいな、若来。徐諾が来なかったとしても、逃げ切れるよう手は打ってあったって訳ね。
あれ?そしたら李晟達の来る晩、阿文に相談した時にはもう投函してたの?なら、阿文に話して、むやみにハラハラさせなくても良かったんじゃ?(笑)まあ、ひとりで抱えるには重い話だから、誰かに言いたくもなるってことか。

若来は、無記名で電力会社の封筒なら、捜査隊では目に留まりにくいから、きっとすぐには気付かれずに済むと想定してた。
重要なのは、事前に自首していたということだから。捜査隊が気付いた時には、自分は央銀にいるから、公衆の面前で無茶なことはしないはずだ、と。よくキレる頭だわー。

沈図南は、つまりあなた達が来る前に若来は自首をしていて、金塊を奪われたのは手紙を確認していなかった捜査隊の不手際だと言います。彼は悪くない。
消印で投函日は分かりますと若来が言うと、苛立ってる林樵松は、おまえは黙ってろ、だって(笑)
沈図南に、結局若来は共産党員なのか?イエスかノーかだと聞かれた林樵松は、ノーです、でも関与の疑いはあると続けたものの、自首したろうと言い返されます。
ぐぅの音も出ない。

若来は巻き込まれただけ、それも兄の関係で仕方なく。血縁関係で立場が立証できるのか?
加えて、ただちに通報もしている。
確かに、すぐに報告しなかった若来にも落ち度はあるが、共産党員だという証拠はない。
若来の処分は央銀がする。

更に沈図南は、若来が共産党員なら、自分が責任を取ると言いました。
林樵松は引き下がるしかなくなり、帰って行きましたよ。
だけど若来、めっちゃ沈図南に睨まれる(笑)

外に出た林樵松は、あの日、央銀には共産党員もいたはず、若来の協力で金塊を手にし、李晟達を消したのではないかと思いつきます。
若来を尋問しましょう、ただの助手だから失踪しても誰も気にしないとか、文彪が不穏なことを言ってるー。林樵松は、南京からの仲間は俺たちだけだから慎重にと、今のところは康(カン)処長にも気付かれないように、様子見ってことになったけど、これは危ないなあ。すっかりロックオンされちゃった。

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で、若来は沈図南からの質問を受けております。
兄はいつから共産党に入ったのかと聞かれても、そんなの若来だって知りたいわな。
知りません、上海に来てから兄は仕事、自分は学校、生活の苦しい中、兄は3年前に失踪したので、死んだと思っていたと答えます。
でも数日前に突然現れて、頼み事をした後、息絶えた。
すぐに報告しなかったのは、兄が共産党だと聞いて、自分の将来に影響すると考えたから。

私に隠してでもか?と言われて、虚を突かれた顔になった若来。
いえ…としか言えなかったね。
若来の立場ではさあ、目をかけて貰ってるのは分かってても、入ったばかりの上司にすぐに言えることじゃないよねえ。

金塊を李晟達に渡したのは、捜査隊の情報屋なら、共産党に渡るよりいいと考えたからだと答えました。
最初はそうだったかもしれないけど、徐諾が現れて変わったよね。
兄ちゃんの遺志を継いで徐諾が手にし、兄ちゃんを売った李晟達を始末してくれればいいと願っていた。けど、そんなこたー言えない。

ただここで、李晟達が捜査隊の情報屋だったってこと、さらっと当然のように言ったね。
さっき林樵松は、李晟達のことをすっとぼけて、ほら、共産党員に鍵を渡したお前も党員だろうという詰め方をしてた。情報屋だから、繋がっていたからここに来たってことを隠して。
沈図南ならばこれで、共産党員だった李晟達が裏切って捜査隊の情報屋になり、金塊の受け渡しの情報を流したせいで若来の兄ちゃんは死んだけど、更に李晟達は捜査隊も裏切り、金塊を持ち逃げしたから、林樵松は焦っていると、そこまで気付くってことなんでしょうか。
私なら、無理(大笑)

共産党をどう思うと聞かれた若来は、兄以外には接触していないから余り知らないが、思うに、健全な社会は資産を上から下に分配すべきだと言います。
合理的な法律で富裕層の経済活動を管理すれば、貧窮層にも拠り所を作れる。今のように、大部分の富が一部の、とまで言って、言い淀みます。

これって一瞬、共産党の考え方に近いのかなと思ったけど、孫文の提唱した中華民国の政治理念、三民主義の民生の安定、貧富の差の是正ってことになるのかな。
なので沈図南も、それは確かに理想的な社会の形だと、そのために自分は命をかける覚悟があると言いました。
若来も、この命を顧問に捧げます、と。

ひとまず切り抜けたけども。沈図南も思案気だし、林樵松の動きも不安だよー。

で、その淞滬(しょうこ)警備司令部軍法処。
共産党員8名が釈放されたとの知らせに、ヒゲを剃って貰っていた林樵松は飛び起きます。カミソリ危ない。厳しい顔してるけど、顔に泡つけたままよっ(笑)
金の延べ棒20本で釈放したと聞き、林樵松は荒れました。
釈放された共産党員たちは、徐諾が暗がりに隠れて見守る中、あの路面電車にいた中年女性の元、舟で逃亡を果たしていましたとさ。

沈図南は、宋(ソン)先生と電話中。
次のターゲットは、未だ外資銀行の手中にある関税保管権のよう。
それが大事だってことは分かっていても、強硬派の沈図南を、宋先生も蒋介石も少々不安視してるっぽいなあ。外資銀行の利益に関わるから、何をされるか分からないと。
それでも、命をかけて強硬するという意志の揺るがない沈図南に、宋先生も折れました。
央銀の代表として、関税保管権を奪還せよの指示を出します。

大きな失態を犯した林樵松は、康少捷(カンシャオジエ)から鞭で打たれてました。うわあ。
自分の部下にさえもこの仕打ちなんだ、この人。
林樵松って人は、そこそこ残酷なことも卑劣なことも出来ちゃう人ではあるけど、上司に恵まれなかった訳だねえ。
以前、南京に返り咲くみたいなことを言ってたし、南京からの仲間は俺たちだけだとも言ってたから、元々は南京政府のお膝元にいたエリートだったんだろうなあ、やっぱり。頭は良さそうだもんね。それが上海の、こんなロクデナシ上司の元に左遷されて来た感じでしょうか。

お前は本当に黄埔の卒業生か、俺が教官なら恥じ入って死にたいくらいだと、康処長。
ん?この人は黄埔軍官学校の出身じゃない?だからそのコンプレックスで林樵松にキツク当たってる?
ありそうだね。あのエリート学校出じゃなくて、処長クラスになれるのかどうか分からないけど。
自分のメンツが潰れたことを怒る処長と、全ては自分の責任で部下は関係ないという林樵松。
文彪をはじめとする彼の部下達が、それなりに林樵松の命にきちんと従ってるのは、こういうところかもね。

沈図南は家に戻って、娘の魚児(ユーアル)と妻の辞書(ツーシュー)とお食事。
沈近真は近頃忙しいらしく、帰りも遅いんだそう。仕事以外に、いろいろあるしね。
沈図南は、関税の件で家族に危険が及ぶことを危惧し、近真と魚児を連れて、しばらく実家に帰っていろ、叔父の具合が悪いから見舞ってくれと言うんだけど。
辞書は、そんなのは口実だなと、すぐに気付きます。
なるべく外に出ないようにする、家族は一緒にいるべきだと。

まー、分からないでもない。だけど、ドンパチがあったりするんだよなー。
既にこのダンナは、自分の乗る予定の車を爆破されたりもしてる。
家族が理解して近くにいてくれることは心の支えにはなるけど、ウィークポイントを手元に置くことになるんだよねえ。
まあ普通の人は、日常生活にそこまで命の危険が迫ることってないからねえ。

若来と沈家の家族に危険が及ばないことを祈るばかり。
若来はきっと無理だろうけども。

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