あらすじ
李晟達は共産党を裏切り、黄金引き渡しの任務を担う“孤星”を林樵松に売る。“孤星”との接触を試みた沈近真は異変に気付き、“孤星”を逃がしたことで林樵松の部下に疑われる。逃走の際に負傷した“孤星”は弟の魏若来に黄金の引き渡しを頼み、息を引き取る。
みるアジア
ネタバレ感想
証券取引所での沈図南(シェントゥーナン)の目論見は揺さぶり。
隣の部屋の通商銀行の張鳴泉(ジャンミンチュエン)と興夏銀行の王頭取は慌てて、背後のボス、江浙商会会長の虞世清(ユーシーチン)と連絡を取ってます。
それに気付いた若来だけど、沈図南に、揺さぶれたかなと聞かれて、まだですと答えました。
若来の分析した内容は、まだ結果を語るには早いってことね。こちらの資金力を計られて、足元を見られたら徹底抗戦されるから、と。
若来の見立ては概ね正解だけど、まだ考慮すべき要素があると沈図南は言いました。
一方、捕まえた日新(リーシン)書局の李晟達(リージェンダー)を拷問していた林樵松(リンチャオソン)。
ここで李晟達は「孤星」が来ると言ってしまいました。
共産党内でのコードネームっぽいね。次の作戦を担っている人物のよう。
お、沈図南のいる部屋に、虞世清から電話が入りましたよ。
沈図南はこれを待ってたのね。
パーティの日に捕まった中央銀行外貨局副局長の高峰(ガオフォン)は、虞世清の手駒というか、中央銀行内のスパイみたいなもんだった訳で、あの人が何を供述するかで、虞世清も無傷では済まされない。
通商銀行への介入を見逃す代わりに、高峰が虞世清の名前を挙げても、中央銀行が虞世清を庇うってことで話がついたみたいだ。
保身のために、張鳴泉は見捨てられた形。でもこの人、結構シブトイのよね…
沈図南は劉主任に、14.7以下で通商を呑み込めと指示。
一部始終を見て考え込む若来。勝負は場外で決すると分かったと言うと、沈図南は、兵糧は軍にとって重要だが、最も重要なのは弱みを握られないことだと教えてくれます。ひとつひとつが若来にとっては勉強ですねえ。
その頃、リチャーズホテルから出て、車で逃げた沈近真。
ひと気のない場所で、徐諾(シューヌオ)が車のナンバーを付け替えてました。共産党地下組織は細かいところまで用意周到。それでも、捕まったり寝返ったりする人達が後を絶たない訳だ。
だけど沈近真は、ホテルの階段を降りて来た時、エレベーターの前でイライラしていた林樵松に見られてたらしいよ。本当ならあと2人やれたと言う沈近真と、危険だから無理をするなと止める徐諾。
フランス租界の警察にはまだ8人捕まっているらしく、今なら保釈金を出せば釈放されるけど、淞滬(しょうこ)警備司令部に引き渡されてしまうと、仲間達は皆殺しになってしまう。
そのために「孤星」が、1人5000元の保釈金を持って上海に来るんだって。
その受け渡しの任務が、沈近真に与えられました。
証券取引所では、虞世清に見捨てられた通商銀行が、株の51%を奪われて終了。
沈図南は若来に、今日の振り返りをって、メモを元に考察させます。実地教育ね。
君ならどうしたと聞かれた若来は、偽情報を流して踊らせると答えるんだけど、正々堂々とやれ、まったくぅー(笑)って、窘められてしまいましたわよ(^m^)
きっとそういう手も当然アリの世界なんでしょうが、沈図南って人は、なんだかんだ正統派なんだよってエピソードでしょうね、これは。
2人が帰ろうとして廊下に出た途端、飛び掛かってきた張鳴泉。
今にも殴ろうと手を振り上げていたので、若来が間に入って止めようとしたんだけど、沈図南は若来に、手を出すなと言いました。
そんな落ち着いた態度の沈図南を見て、張鳴泉は振り上げた手を一応、下ろしましたね。
だけど、さらさらっと沈図南に言葉でやり込められちゃったぞ、張鳴泉。
沈図南が、歴史に学べって名前を挙げていた「西漢の鄧通」ってのは、文帝の寵臣だったんだけど、汚職に手を染め、文帝の死後は罷免され財産を没収され、何も残らなかった人らしい。
中央銀行の傘下に入れば、少なくとも衣食住には困らない、むしろ感謝しろ、と(^m^)
ただ、さっきも書いたけど、この張鳴泉って人、なかなかシブトイのよ。めんどくさいのよっ。
さて、さっきまで拷問されていてボロボロだった李晟達ですが、夜、日新書局に戻されてました。
文彪(ウェンビャオ)の監視付き。
多分、寝返って内通者になったんでしょう。でも共産党側はそれを知らないんだよね。
先に寝返った顧倫(グールン)が、淞滬警備司令部にどこまで話してしまったかを知らないまま粛清しちゃってるしなー。
そこへ、故郷の馴染みですと、スーツの男がやってきちゃったよー。きっとこれが孤星ね。
でもさ、李晟達は眼鏡もボロボロなのをテープで留めてるし、顔にも殴られた跡、鼻血みたいなのも出てる。義弟とケンカしたって言ってたけど、こういう立場の人が酷いケガしてるのって、ちょっと怪しいとは感じなかったのかなあ。
書店にあった、ルソーの社会契約論って本で、数字の暗号文を文章にしている孤星。
どうやら暗号は、保釈金用のお金の、引き渡し場所等々の情報の模様。
さて、中央銀行では新人研修が始まりました。
一応、若来も参加してるね。とってもやる気に満ちた顔で一生懸命なんだけど。
丁度出かけていく沈図南も、秘書の黄従匀(ホアンツォンユン)に、あいつにしっかり基礎を学ばせろと指示して行くんだけど。
若来が、硬貨を弾いたり、息を吹きかけたりして、本物か偽物かを見分ける授業を受けてると、そこに黄従匀が呼びに来るんだよ。
いや、酷いな。沈図南の命令を無視して、若来に研修を受けさせない気ですよ、この人。
ほんっとーにっ、こんな分かり易いことするんだー。小者め。
だけど若来もさあ、きっと何か問題が起きないことには、コイツの意地悪を声高に言い立てたりしないよなあ。
部屋で若来は、僕は研修に参加するなと?と聞くんだけど、ダメとは言ってない、でも助手の仕事があるって言うんだよ、このクソメガネ(失礼 (笑)
で、研修は受けさせず、考査は受けさせ、落ちたらクビなんですと。腹立つなあ。
しかも言うにコトかいて、それが沈顧問の決定だと、大嘘をつく。サイッテー。
そんな理不尽極まりないこと、あの人の指示じゃないなと、早晩気付くでしょうが。
まあ当然、後にバレるんですが、映像の中ではこの人、沈図南から叱られません。
ただ、別の形で、自分より遥かに勝っている若来の才能を、みんなの前で分かり易く突き付けられてしまいます。だけど、あれだけでは、自分のした底意地の悪い嘘つき言動の反省などしないだろうと思う。でもそれで過ぎてしまう。だから私は、こいつがキライ(笑)
ぽっと出の貧しい出自の新人に、尊敬する上司の信頼を奪われたと嫉妬してるのは分かるけど、こんなやり方は、自分の品位を落とすだけ。でもま、こういう人は、自分の品位なんてどうでもいいのでしょうね。何より忠誠を誓っている上司の命に背いてまで、意地悪してるんだもんね。それが本当の忠誠なのか?エゴだろう。
その上、助手の仕事はこうだと、だーっと並べ立て、自分の時間はない、24時間待機しろ、とか言うんだよ。どうしろってんだ。
めちゃくちゃ仕事を押し付けられた若来は、研修を欠席して、一生懸命働きます。
というかメガネ、おまえ、自分の仕事まで押し付けたろ。
その頃、孤星が、指定されたローズマリーカフェに現れました。
喫茶店とダンスホールみたいなお店なのね。
孤星は、窓際の席に座り、新聞を広げて不思議な形に端を折ってます。
現場には、李晟達を乗せた林樵松の車も到着。
李晟達を置いて車を降りた林樵松は、外国人の男性と談笑しながら歩いて来た沈近真が、孤星が入ったカフェに入ってくのを見てしまいましたよ。
林樵松は大慌てで周囲に潜んでいる部下達に、発砲はするなと指示しに走ってる。沈家のパーティで、にまにまと沈近真を眺めてましたもんね。うっかり巻き込んでは大変ってコトなんでしょうが。
なぜか「現場」に何度も居合わせる沈近真ってところには、まだ気づいていない模様よ。
カフェのカウンターで男性と話しながら、窓際の席にいるのが孤星だと気付いた沈近真。
接触しようとした時、カフェに林樵松が飛び込んできました。
瞬間驚いた沈近真だけど、対応は早かった。
大きな声で林樵松に声をかけ、同行者に紹介するテイで、林樵松の身分を明かします。
淞滬警備司令部の捜査隊隊長。黄埔軍学校出身で、私の新人研修の教官だった。
孤星に聞かせるつもりね。邪魔が入ったと。今は危険だ、と。
何も知らないフリで呑気に大声で話す沈近真に、林樵松の顔はかなり焦ってる。
でも林樵松はやっぱり黄埔出身でしたか。蒋介石が校長のエリート士官学校だよね。
どこかで何かやらかして飛ばされたのか、単純に上司運がなかったのか分からないけど。
決して満足のいく状況じゃないんじゃない?現状。
店を出て行こうとした孤星は、林樵松の部下にピストルを突き付けられました。
林樵松に、任務中だ、危険だからと言われた沈近真は、文彪に店の外に連れ出れます。
去り際、沈近真が気を付けてと叫んだのを、自分への言葉だと誤解して嬉しそうだったね、林樵松。沈近真は孤星に向かって言ったんだけどさ。でもわざと誤解させるように。
席に戻されていた孤星は、自分はビジネスマンだと言うけど、すっかりバレちゃってるからなあ。
せっかくだから話そう、まだ意識があるうちにと言われ、孤星も覚悟を決めたね。
道が異なれば、語り合うに及ばずと答えましたよ。
林樵松は、理想があるんだろ、俺を説得してみろと言い、それで見逃すのかと答えた孤星。
試せ、希望はある。
孤星は、レーニンは腐った帝政を容易く倒したと言いながら、スーツケースで林樵松を殴り、窓から飛び出しました。スーツケースの中身は、レンガかコンクリート片かみたいなのでしたよ。武器だったよ。
孤星は銃を持って、周囲を固めていた林樵松の部下達を撃ちながら走るんだけど、途中で車にぶつかっちゃったりして、うーん、こりゃ、無事でいるのは難しそうだ。
銃撃戦になっちゃったから、沈近真も同行してたウィリアムに現場から遠ざけられちゃうし。
このドイツ人は、留学時代の友達で、沈近真が共産党だとは知らない感じね。
車の中にいた李晟達は、様子を窺いつつ外に出て、落ちていたピストルで孤星を狙うものの、逆に腕を撃たれました。でもこれで、顧倫の後、更に裏切ったのは李晟達だと、孤星には分かったけど、それを知らせる余裕があるのかどうか。
どうやら本人もお腹辺りを撃たれてしまい、辛うじてマンホールの中に逃げ込みます。
林樵松たちは見失ったわよ。
情報が入っていた上で、これだけの人員を揃えて包囲して、たった1人の共産党員を取り逃がした失態は大きいよね。先日だって同様、顧倫もまんまと始末されちゃったし。
徐諾に報告する沈近真。孤星が捕まったら終わりだと、珍しく徐諾が悲観的。
ただまだ捕まってはいないらしいので、とにかく探さなくちゃいけない。孤星が持って来たのは金塊だったみたい。危機を脱していれば「晶報」という新聞に公告を載せて連絡してくるんですって。
沈近真は顔を知ってるから自分が捜すと言いますが、徐諾は動きが頻繁過ぎて沈近真自身が危険だからとそれを止めました。
ね、そうなのよ、気持ちは分かるけど、この姐さんは動き過ぎ。林樵松と近いところにいるんだから、もっと警戒しないと危ないよ。
でもじっとしていられない沈近真に、徐諾は、央銀で大きな動きがあったからと、それを調べることを指示しました。
で、案の定、林樵松は康少捷(カンシャオジエ)処長にめっちゃ怒られてます。
出て来た林樵松に、文彪は、お嬢様が計画を乱したんだと言うんだけど、林樵松はこれっぽっちも疑っていない。でも文彪には、疑いの芽が芽生えかけたかもしれないね。
林樵松は、沈図南の妹が巻き込まれたら、自分達は無事ではいられないし、康処長の進退も危ういと言います。まあ、そだな、沈図南は、国民党高官の宋先生のキモ入りで央銀に来てる人だもんね。
それに、沈近真に憧れている林樵松は、彼女に嫌われたくないっぽいしなー。
そんな沈近真は、何食わぬ顔で家に帰り、兄貴に探りを入れてます。
彼女も軍事開発研究所みたいなところの仕事をしてるらしいので、研究費がたくさん回ってくると嬉しい~とか、上手に聞き出してる。兄貴、意外と口が軽い(笑)
通商銀行を買収し、今後も続けて資金統合を進める話をしちゃってます。共匪粛清には金がかかる、戦うための資金調達が自分の役目だって兄貴の言葉には、さすがにちょいと暗い表情になったね。
中国ドラマ見てると、この「匪」って文字がよく出て来ますわな。
匪賊、とか。悪者って意味なので、共産党は敵だって言葉ね。
その晩、若来が自分の部屋に戻ってくると、突然後ろから、静かにと口を塞がれました。
孤星でしたよ。
孤星は若来のお兄ちゃん、魏若川(ウェイルオチュアン)でしたよぅ。
若来は、突然消えて連絡も寄こさず、今さら何だと、結構冷たいのですが。
部屋、暗いからね、にーちゃんの様子が分からないのよ。
そういえば、1話で、兄ちゃんと一緒に上海に出て来たとは言ってたけど、その兄ちゃんがどこ行ったってのはずっと触れられてなかったっけ。急に黙っていなくなっちゃってたのかー。
ランプをつけると、兄ちゃんのお腹からはどくどく血が流れていて、本人はもう手遅れだと言う。
そら、弟は慌てるわな。
水をくれと言われて、テーブルの赤いツバメのカップに水を入れて飲ませる若来。
このカップ、ずっと部屋にあるんだけど、若来自身は確かまだ使ってるシーンがないんだよね。意外と象徴的な使われ方をしてます、このカップ。
なんだけど、ここら辺は、お兄ちゃんが瀕死の状態で自分のところに逃げて来た、弟の哀しい演技をご堪能くださいって感じで。じーっくり見たわ。
病院に行こうと繰り返す弟に、兄貴はとっても大事なことを託します。
ブツは央銀の貸金庫に預けてあったのね。預かり証と印鑑を友人に渡してくれと。
26日午後3時、25日の申報という新聞を持って央銀に行け。相手も同じ新聞を持っている。
「為替レートは」と聞かれたら「黄物か緑物か」と聞く。相手は「緑が多め」と答える。
これを晶報の4面に載せろ。
病院に行こうと必死の若来に、無念のまま死なせたいかと言ったにーちゃんは、内容を復唱させます。若来だからね、全部一回で覚えた。復唱が終わった途端、にーちゃんは安心してこと切れてしまいましたよ。あああああ。
弟若来は、にーちゃんがどういう役目を担っていたのか、詳細は分からなくても、共産党の工作員だったんだと、任務の途中で撃たれて亡くなってしまったんだと、ちゃんと気付いたね。
だから、雷雨の中、夜中に一人で兄ちゃんを埋めに行った。うう。こりゃあ、哀しい。
そんなことがあった翌日でも、仕事には行かなくちゃいけないし、兄ちゃんの遺言は職場の貸金庫。
きっとヤバイことに巻き込まれたと気付いてたんじゃないかと思うのに、特に人目をはばかることもなく、普通に、貸金庫に行っちゃうのに、ちょびっと驚いたけど(笑)
で、ケースを開いてみたら、中には金塊ですよ。そら、びっくりするわな。慌てて閉じるわな。
これをちゃんと弟若来は、兄ちゃんの代わりに渡せるのでしょうか。
きっと引き取りに来るのは、沈近真だと思うよー。
だけど、新聞に載せたら、李晟達もそういう手段を知っていてバレそうな気がするんだが。
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