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「恋心は玉の如き」どうしても比べられるドラマがあるけど、短いせいかこちらのほうがあっさり風味でテンポ良し。

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恋心は玉の如き
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所感 ネタバレです

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短いせいかって言っても、これも52話あるんで、決して短くはないんですけどね。
「明蘭」は73話、子役使った幼少期からあったもんなー。
だからこちらのほうが、あっさり風味というか、テンポが良かったですね。「明蘭」を見た後は、なんかものすんごく疲れたんですが、こちらはそこまでじゃなかったので(^m^)

ただね。
どうしてか、主役カップルに萌えなかったんですよー。侯爵も十一娘も、それぞれ根はちゃんとしたいい人なんだけども。
好みの問題って一言で片付いちゃう話ではあるけど、こういうのはなんなんでしょうね。感覚としか言いようないんですが。
譚松韻(タンユンソン)は「家族の名において」を見ているので、存在感とか演技力とか、すごいぞっていうのは分かってたんだけどねえ。ただ、この人は気にしないようにしてても、つい鼻とアゴに目が行っちゃうんだよなー…
鍾漢良(ウォレスチョン)は初めてだったんですが、余り好みのタイプではなかったからかもしれない。ただ、この侯爵、徐令宜(じょれいぎ)役には、合ってたんだろなと思います。

時代は明。明の時代のホームドラマってことでしょうね。
「家」っていうのが全ての基準になっていて、家を盛り立てるために邁進するみなさん。「明蘭」は宋の時代だったけど、それから100年経っても、あんまし変わってないのねえ。
家のために、跡取りプラス補助になりスペアにもなる息子をたくさん作っておかねばと、当主には複数の側室(このドラマでは姨娘と呼ばれています)があてがわれるんだけど、彼女達がもれなくトラブルの種になる。家のため家のためと、自らトラブルを招いている人達です。
そういう時代だから仕方なかったのかもしれませんが、こんな自縄自縛を何代にも渡って延々と続けてきているのだなと。
ま、お家騒動みたいなのは、中国に限ったことじゃないですけどね。

しかも毎度思うのは、当主は当主で仕事があって政敵なんかもいる訳だから、外ではそれなりのストレスを抱えてるんだけど、家に帰ってくれば、家のために自分にあてがわれた女たちが寵を争っていて、介入しようものなら、こちらもまた多大なストレスとなる。めんどくせーこと、この上ないだろうっ(大笑)
妻たちなんて所詮子孫を残す相手でしかないと、ダンナの心が冷えていってもおかしくはない。
もしくは「明蘭」父みたいに、あっちにヘコヘコ、こっちにベタベタとかさ(笑)基本女好きならこうなるのかな(^m^)
だからこそ、大奥様や正室が、いわゆる大奥総取締役になる訳なんだけど、まあ、それが上手に回ってたらドラマにはならない訳だ。

ってことで、この侯爵は、一応正室にはそれなりの対応をしていたみたいですが、長男を産んだ文姨娘や流産した秦石榴には、ほとんど興味を持つこともなく、べたべたと擦り寄ってくる喬蓮房に対しても、塩。
メンドクセーのは理解もするし同情もする。でも、この人は冷たすぎる。というか、ビジネスライクなんだよね。女たちに何の期待もしていない。ま、それも十一娘が来るまでなんですけど。

恋心は玉の如き
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主人公の羅十一娘は、羅家の庶子。十一娘って、11番目の子ってことだよね。どんだけいるんだ(笑)
羅家正室の長女、元娘は、徐家の正室になってたんですが、彼女が亡くなる前に、自分の後釜にと十一娘を侯爵家の正室に据えるよう画策して死んでいきます。自分の息子を守るためには、次の正室には血縁をってことですね。
羅夫人が相当な策略家で、家のためなら人を陥れることも当然って人だったのを、この長女もガッツリ受け継いでました。で、徐家で自分が産んだ息子のためにいろいろと励んでたんだけど、自分に向かってくる悪意には勝てなかった。どうもこの体調の悪さはおかしいと思いつつ、それを妹の十一娘にだけ打ち明けて、死んでいきます。
結果、毒を盛られてたんですけどね。正確には違うけど、ほぼ家族間で、毒殺だよ。
それだけで、徐大夫人、侯爵の母親が、徐家のために、家族がみんなで仲良く力を合わせて、なーんて言ってるのを見ると、アンタそれ、本気で思ってるんかい、どんだけ甘ちゃんの理想家なんだと感じてしまう訳です。

だってこの徐大夫人も、女同士の水面下の争いの中を生き抜いてきた正室な訳でしょう?なのに、にこやかに自分におべっか使ってくる女が、内心どんだけ黒いこと考えてるかとか、何一つ気付かないんだよねえ。何度も何度も突きつけられて、ようやく、ですからね。しかもこの人が特に目をかけていた2人が2人共なんだから。
基本、道理の分かるいいおばあちゃんではあるものの、人を見る目は全くありません。
だからホント、それでよく自分達が現役の頃、切り抜けて来られたねと思う。
ただ、理解してしまえば、自分の過ちを素直に認める正しい勇気は持ってるんだけどね。

家、家と言ってますが、十一娘は、自身も庶子で、望まぬ側室となって苦労してきた母親を見て育っているので、結婚に対する夢も希望も、サラッサラ持ってはいません。刺繍で身を立てている師匠から技術を学び、それが仕事になり得るレベルになっているので、本当は結婚なんかしないで、刺繍で生きて行きたいと思ってる。

ここが「明蘭」と違うところでしたね。
十一娘は家が大事なのも分かるけど、でも自分のライフワークはそれ以上に大切という、多分この時代には余りいなかったタイプでしょう。ってことだからさ、年の近い相手よりも、あー好きにしなさい♪尻拭いはしてやるからって言ってやれる、年の離れたダンナが向いてるって訳だね。

でもこの時代は、女が自分で仕事をするなんて…の世界。羅夫人は、庶子の十一娘に冷たい癖に、駒として家に縛り付け、思い通りに動かそうとする。後に、そんな羅夫人も、どんだけ人を陥れてきたか知りませんが、実の娘、元娘が毒を盛られて自分より先に死に、今際の際にようやく、これだけのことをしてきて一体私は何を得たのかと、気付いて亡くなるという。絵に描いたような因果応報でした。

あ、「明蘭」でもそうでしたが、こちらも、嫡男が良い人で良かった。
どちらも正室である母親も父親も、タイプは違えど問題ありまくりなのに、息子はちゃんとしていて、庶子の妹の事も心から気遣えるっていう。
あの時も思ったけど、今回も、なんで長男だけこんないい人に育ったよっ!←誉め言葉(笑)

姉の二娘の策略で、ロクでもない男、王煜と結婚させられそうになった十一娘は、偶然知り合った、林世顕の助けを借り、母と共に余杭への逃避行を計画します。余杭ってのは、十一娘と母が、羅夫人から追いやられて、3年間暮らしていた場所。そこから帰って来る時に巻き込まれたトラブルで、実は男主の侯爵に助けられてるんだけどね。でも、あの人、人質の私の命も顧みずに矢を放ったわ、酷い人だわって、もりもり誤解してるんだけどね。
阿呆、それくらい見極めて撃っとるわ、俺の腕なら、ってのが侯爵の言い分だろうが(笑)

ただ、林世顕と落ち合う約束の慈安寺で、母は何者かに殺されてしまいました。母が握り締めていた刺繍の切れ端だけが、犯人の手がかり。
逃避行は失敗に終わり、羅家に戻った十一娘に待っていたのは王煜との結婚。
母殺しの犯人を捜す過程で、徐家が関わっているかもしれないと思ったのと、王煜と徐令宜との結婚話が逆になったのは二娘の策略だと気付いた十一娘は、二娘の策略を暴き、自身が徐家に嫁入りすることに。

だけどこの計略ってのがまあ、お粗末なもので。
素顔晒して王煜を唆し、あたし、羅十一娘よぉん♪とやっただけ。それで王家から十一娘に話がぐいぐい来ちゃったんだけど、そんなもん、結婚式でバレるっしょ。王煜なら大暴れしてこれは破談だ!とやるでしょ。で、どうせ二娘も見つかる訳だから、ロクな結末にはならない。
でもこの一件で、二娘は終盤までずーっと、十一娘を逆恨みし続けます。

「明蘭」での墨蘭ポジですね、二娘は。
婚家での不遇具合も似たようなもの。かなり自業自得なのに、人のせいにしてばっか。
墨蘭は、母親の教育が悪過ぎたのが大きかったけど、二娘の母は、あそこまでではなく思えたのは、羅夫人が強大過ぎたか、先に見た墨蘭母がスゴ過ぎたか(笑)正室への最大の仕返しが、元娘の死の真相を病床の羅夫人に告げて、精神的に追い詰めたくらいですもんね。

ちなみにあの凄かった墨蘭母は「追風者」の沈図南の妻、辞書ですよっ。
役者さんって怖い(笑)

それにしても母親の、自分の人生への後悔が、呪いとなって娘に受け継がれる怖さよ。
だから二娘が、庶子だって正室になる手はある、正室でありさえすればって思いを強く抱えることなったのは分かる。とはいえ二娘の浅はかで分かり易いあざとさなんか、何の武器にもなりませんが。
そんな姉でも、十一娘は隠れて援助し続けてくれていたことを知った二娘が、終盤、徐大夫人に対して、一生懸命十一娘を庇う姿は、びっくりしみじみでしたよね。あれだけ仲の悪かった姉が、これだけ十一娘を庇うなんてってのも、大夫人の心を動かす大きなポイントになったんだもん。

ってことで様々な面倒を孕みつつ始まっていく、十一娘の徐家正室生活ですが。
ええトコのお嬢さんでありながら、元娘の計略で側室にされてしまった喬蓮房が、手ぐすね引いて待ってました。
この人の策略が8話から30話まで続きます。いやー、長い長い(笑)
良からぬことを考えているのは喬蓮房だけじゃなく、いろいろと絡み合ってはいるものの。

そんなこんなをひとつひとつ乗り越えながら、侯爵と十一娘の気持ちも信頼度も深まって行く訳です。
で、前半は口の端を多少上げるくらいで、ほぼ笑わなかった侯爵が笑うようになります(^m^)

恋心は玉の如き
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とはいえ、このダンナにとっても遅れて来た初恋になる訳でさ。
あてがわれた正室や側室に息子がいるとは言っても、別に息子の母を愛してる訳じゃないから。
十一娘はこんなこと言ってるけど本音は違うんじゃないか、本当は利用しようと思ってるんじゃないか、単に家のためじゃないかとか、いい年して内心のざわざわがヤカマシイ。

この人もめんどくさい男よ。結局気になって心配で放っておけないんだから、いちいち穿って考えるのやめなよ。他の女とは違うのは既に分かってるだろうに。
十一娘が結婚したくなくて、逃げようとしたってのに勝手にショック受けてたけど、あの時の結婚相手はアナタじゃなかったのよ。正直、あの時の十一娘は、相手が誰だろうと結婚して「家」に縛られるのなんか真っ平と思ってた。だから、自分は逃げ出すほど嫌がられてたんか…とか、無駄にプライド傷つけられなくていいってのに。
みたいなところに対して、口の達者な十一娘もきちんと説明をしない。ここら辺がちょっとね。自分の生い立ちはこうで、あの時はああで、だから結婚より仕事に生きたかったと、理路整然と説明したら、以降、侯爵もヤヤコシイこと考えて、スネスネモードになんかならないのに。

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それと、いくらライフワークだ手放したくないと言っても、十一娘が頑なに仙綾閣での刺繍講師を辞めなかったのも、ちょっとな、だったかもしれません。被災民の女性達のためにってのが表向きだけど、要は自分が家に籠りたくない訳だよねえ。外の世界を知ってる人は、あそこに籠りたくないのも分かるけど(笑)
単に刺繍の仕事がしたいだけなら、請け負って家ですることも可能。実際、外出できなかった時、簡師匠からの依頼の仕事を家でこなしてました。
多分、ここで退いたら負け的な意地とか、一度手放してしまったら二度と取り戻せないとかの危機感とかもあったのでしょうけど。
たけどさ、そんな最悪の状況でも被災民のためにやってるんだと折れなかったのに、被災民の女性達は新参者の甘言のほうを信じて踊らされ、簡師匠や十一娘を簡単に批判するんだよね。
あの状況では、自分が関わっているだけで仙綾閣が巻き込まれる訳だし、ひとまず退いて、徐家の中で足場を固めたりして仕切り直してからでも決して遅くはなかったと思うけど。それだけで、だいぶ進む道は楽になったような気はするけど。

ただ十一娘が頑なに主張したのは、仙綾閣のことだけでしたよね。母親を殺した犯人を突き止めること以外は。
ここら辺が、このドラマの十一娘ってことなんでしょう。家だけじゃない、自分のやりたいことも一番にしたい。両立は不可能じゃない。
そんな一筋縄ではいかない十一娘だったからこそ、自分の気を引くような媚びを売るような素振りも見せない嫁だったからこそ、侯爵は気になって仕方がなくなっていったので。

十一娘の考え方は現代的ですが、これ、現代でもなかなか難しい環境の人は多いよ。
私は手相観なんですが、中学生くらいまでのお子さんを持つお母さん達は、とても多い確率で、手にとある相を持っています。それは、子供からもう少し手が離れるまでは、今は自分のことは少しだけ我慢して後回しにして頑張る、の相。自分のやりたいことができる時間が作れるようになると、その相は消えていくんですよ。それくらい、現代の日本でも、お母さん達は自分を曲げて我慢してるんだよね。
それを良しとは思いませんが、現状の日本では、ある程度仕方がない場合も多いでしょうね。

そういえば最後に、割とアルアルの斬首騒ぎがございます。
それをギリギリでヒーローが助け出す、はい、メデタシメデタシなんだけど。
この手のエピソードは個人的に嫌いなんだよなあ。斬首。やだよね。考えるだけで。でも究極のピンチの演出にはもってこいだよねえ。あっちこっちで使われている。
十一娘はその間際までも凛として、心配して駆けつけてくれた徐家のみなさんに深々と頭を下げる、しっかりした嫁を印象づけてましたが。

そうそう、侯爵には息子が2人いてね。
元娘の産んだ嫡子の嗣諄(次男)と、文姨娘の産んだ庶子の嗣諭(長男)。
子供だから2人は仲良しなんですよ。だけど、嫡子と庶子を一緒に扱っちゃいけないとかさあ。大人達がいろいろと押し付けるもんだから、母に似ず賢い嗣諭が、ちょいちょい気を遣ってるのがカワイソだったよ。あ、この嗣諭役は「天才基本法」のちびっこ紀江ですよっ(^m^)芸達者くん。
嗣諄は、泣き顔がブサイクで妙に印象に残ってる(笑)まあ、4、5才の子に可愛く泣けってのも難しいか。

あっ、十一娘の侍女で、元は羅夫人から送られていた密偵の琥珀。
この人が、「星月楼のキケンな恋人たち」の目力ジューズーだったんだよねえ。
こちらではあれほどの目力は必要ないので(笑)アイメイクは控えめでしたが。
根っから悪い人じゃなかったのに、むしろ恩のある十一娘のために働くと決めていたのに、どうしてこれほどまでに十一娘や冬青の心を激しく誤解して、何一つ確認も取らずに思い込みで暴走したんだかね。
琥珀が探し続けていた姉の形見を使って懐柔し、煽った秦石榴が上手過ぎたってことかもしれませんが。秦石榴は大夫人の元侍女だったので、そう考えると、学はなくてもそれだけ謀れる侍女がいたのに、大夫人の裏の読めなさってどうなのよ、にも繋がってしまう。

ドラマ自体は、評判通り、出来の良いものだと思います。面白くストーリーを追いました。
最大の文句と言えば、十一娘が自分に向けたハサミを誤って侯爵に刺しちゃったことかな。これは、ストーリー上仕方なかったんでしょうけど、あなた、聡明なはずでしょ?アホかい、案件かも(^m^)
私はメインカップルの2人に嵌れなかったから、見方が少々厳しいかもしれないけど(笑)
鍾漢良(ウォレスチョン)ファンの方には、全編通してきゃ~♪なのかもしれないなー。
無表情から、屈託なく笑えるようになるまで、を追えるんですからね(^m^)

作品情報

  • 制作 2021年発表 全45話(U-NEXTでは52話)
  • 原題 「锦心似玉」
  • 監督 温徳光、楊暁波
  • 脚本 程婷钰

人物相関図

恋心は玉の如き 人物相関図
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