あらすじ
鮮卑(せんぴ)との激しい戦いが始まり、劉平(りゅうへい)自身も兵士たちと共に戦場に立った。鮮卑優勢の苦しい戦いを強いられた劉平たちだったが、司馬懿(しばい)が率いる援軍が到着したことで情勢が一気に変わる。劉平を心配しながらも味方を鼓舞し続けた伏寿(ふくじゅ)は、敵が退いたと聞き安堵の涙を流す。司馬懿が戦場で亡くなった藩揚の死体を見つけるのだが…。
三国志 Secret of Three Kingdoms 公式サイトより引用
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ネタバレ感想
鮮卑(せんぴ)との戦いが始まってしまいました。
あの投石器はなかなかに強力ですな。人の頭ほどの石がガンガン飛んでくる。
曹節は救護、伏寿は士気を高めるための大きな太鼓を叩いてます。敵に背中を向けて叩いているので、危ない危ない。
城壁に梯子を掛けて上ってくる鮮卑達を上から阻止するものの、どう見ても劣勢。
その時、遠くの山間から、狼煙が上がるのが見えました。おー、援軍みたいよ。
中央を突破して援軍と合流するという曹植を止め、劉平は自分が左から攻めると城門から出て行きます。先頭に立つ皇帝よ。
戦車もボロボロだったはずなんですが、なんとか修復して使ったのね。
鎖に阻まれて馬から落とされた劉平、なんとか戦いますが、何しろ敵の数が多い。この人、かなり強いけどね。兵達も陛下を助けろと頑張ってくれるんですが、ぐるりと囲まれてしまいました。
城壁から見ていた曹植が、助けに行くと出て行こうとしたのを、伏寿が止めます。廬龍(ろりゅう)を守らなくてどうすると。
危機一髪というところで、来た来た、司馬懿が来たっ!
これですからね。白いの鮮卑。右端から司馬懿の軍。
勢いづいた赤い兵達、軻比能(かひのう)は堪らず退却。
狙われた劉平を助けて合流した司馬懿は、後ろには潘揚(はんよう)がいる、任せておけば逃げた軻比能を討ち取ってくれると言います。
城壁の上も沸き、太鼓を叩き続けた伏寿も涙を流します。
両手をあれだけ頭上に上げて大太鼓叩くって、撮影でも相当大変だったと思うわ~。
背後のみなさん達はまだ戦いの真っ最中。
おや、盧毓(ろいく)さんも強いですね。儒学生だよ?
そこへ、馬で軍勢を引き連れた曹丕もやって来ました。
盧毓達と共に戦っている潘揚を見る曹丕の目。
このドアップに耐えられる、檀健次さんの美しさよ。
潘揚は曹丕の剣を王越の剣だと見破った人ですからねえ。生かしておけば、また何を言いだすか分からない。
傍らの兵に向かって曹丕は、父上を殺そうとしたヤツだと言いました。
まあ確かに、それも間違いないんだけどもさ。
捕えますという兵に、不意打ちで殺せと命じる曹丕。
退却していく鮮卑達を見て曹丕は、軻比能を捕まえたら褒美を与えると叫びます。
逃げる鮮卑を追う赤い兵達を見て、瞬間気を抜いた潘揚、背後から刺されてしまいましたよ。
うわあ、曹丕にやられたかあ、潘揚ぅ~。
一刻な人でいろいろとめんどくさかったけど、頼りになる強さだったんですどねえ。
でもこれで憂いのなくなった曹丕は、軻比能たちを追います。
軻比能は敗走する背中を槍で貫かれ、副将は曹丕に剣を突き付けられて、鮮卑降伏。
廬龍の城内に戻った劉平と曹丕は、伏寿、曹植、曹節に迎えられました。
司馬懿は、潘揚のところに行ったと。瞬間、曹丕の顔が映ります。
戦場跡で潘揚を探していた司馬懿は、荷車に乗せられた潘揚の遺体を見ました。
軻比能を追っていた潘揚がなぜ死んだのか、誰も分かりません。
そこへ曹丕が近付きます。自分も軻比能を追っていた、そうでなければ何としてでも助けていたのにって。うわあ。司馬懿はもう曹丕を疑ってますよね。
劉平の前に、捕らわれた鮮卑の副将。司馬懿、曹丕、盧毓もいます。
死んだ兵の恨みを晴らさねばならぬと言いながら劉平は、なぜ漢に背いて攻めてきたのかと聞きます。殺せと叫ぶ副将に、司馬懿は廬龍が手薄だと伝えた者がいるだろうと言いました。
でも副将は、それが誰かは分からないみたい。袁紹と馴染みの部族から手紙が来て、漢王朝の者から聞いたと書いてあったらしく、軻比能はそれを信じたけれど、黒幕までは話さなかったと。だから軻比能は陥れられたんだって副将は言うんだけど、いやいや、黒幕は本気だったはずさ。
部族同士で争っている鮮卑。劉平は、軻比能の弟に後を継がせろといい、その代わり、非道なことはしないと誓わせます。他の鮮卑達とも争ってはならない。望むなら作物の種も与える。漢と親交を結べば、戦をするより多くの物が得られる。
鮮卑の副将は劉平に頭を下げました。
途中、司馬懿の目付きが面白かったのですが、恩を与えながら威厳も示せたと褒めてくれましたね。あら、珍しい。←
司馬懿は、人に矢を向けられない劉平が、どうやって廬龍を守るんだろうと考えながら来たみたい。劉平は、あの頃は殺さないことで品格ゃ信念を守れると思っていたけど、それも司馬懿に守られていたからだったって。ようやく分かったか。でもまあ、これだけ間近な人達の生き死にを見てきて、それでも以前のままの甘ちゃんじゃ、ちっとも成長なしですからねえ。
そんな2人の会話を聞いている曹丕の顔よ。
このなぜかやたらと堅い絆の間には、入れないよねえ。
司馬懿は、郭嘉は本当に死んだのかと聞きます。
答えなかった劉平の表情を見て察し、なぜか曹丕を見やって、ニヤリとする司馬懿。
郭嘉の墓前で、皇帝と曹操が手を組み、天下を平定するのが郭嘉の願いだったと言う劉平。そのためなら曹操と手を組んでもいいと言うんですが、司馬懿は、曹操はそうは思ってないだろうと言います。
そこなんだよね。郭嘉が生きていれば、上手く間に入ってくれたかもしれないけど、いないとねえ。まず信用しちゃくれないだろうしね。
まずは曹操と共に天下を平定し、その後、曹操と争うことになっても、犠牲は少なくて済む筈だと劉平。曹操は年だが、曹丕との絆は固いと。
曹丕との絆?って、司馬懿は笑いました。
人の心が戦より恐ろしいと分からぬのか。
確証がないとは言っても、だいぶ遠回りで思わせぶりな言い方だよ、それ。
潘揚ほどの腕利きが死ぬには、きっと裏があると言う司馬懿に、潘揚と曹丕の間に恨みはないという劉平なんですが、いやいや、アンタ達も知らないところにあったんだってば。
おまえが廬龍に来てから、おかしなことが続く。
王越に襲われ、鮮卑が攻めてきて、潘揚が死んだ。
おそらく、お前の命を狙う者がいる。
いいや、曹操も殺すつもりだろう。
すごいよね、この人。許都で動けないフリしてたのに、ちゃんとそこまで考えが及んでいる。
劉平は、楊修ってことはないだろうな、なんて言ってますが。
別口で噛んでますけどね、楊修も。
証拠がないから分からないが、曹操と劉平が死んで一番得するのは、曹操の跡継ぎ。
曹丕、曹植、楊修、おそらくこの中の誰かだろうって、司馬懿。
劉平は変わらず、曹丕を信用しきっちゃってるんですけどもねえ。
司馬懿は笑いますよ。お前は分からぬのかって。
分かんないんだよ、この人、すっかり信じて懐に入れちゃったつもりだから。曹丕の本当の歪みになんて、全く気付いてないんだよ。敢えて自分で手を下すことはないかもしれないけど、皇帝なんて別に死んでもいいや、そうなれば曹操の立場が悪くなるしって思ってるんだよ、今や、曹丕は。
伏寿が部屋に入ると、司馬懿と高覧がいました。おおう、高覧さん、生きてましたねえ♪
劉平が袁紹の配下だった高覧を29話でたらし込み(^m^)、お陰で30話では袁紹から助けてくれた人です。
陛下はいないのですかという伏寿に、いたら困ると司馬懿。劉平抜きで、漢王朝の危機が去る策があると言った司馬懿に、廬龍を押さえると?とめちゃくちゃ察しの良い伏寿です。
司馬懿も当初の予定にはなかったみたいですが、幸い今回の援軍として高覧が来てくれたことで思いついたよう。曹操は高覧が漢王朝の味方だとは知らない。高覧の率いる兵は袁紹軍にいた者達、司馬懿の率いる兵と合わせて2万、ここで曹操を阻む。烏桓(うがん)討伐の後で、曹操軍に余力はないはず。そうすれば、曹操は二度と中原の地は踏めないだろう。
それには、まず廬龍にいる曹家の者を抑えないと言った伏寿に、曹軍の将と曹家の子女を殺せば、今、皇帝に心服している廬龍の兵達は漢王朝につくと司馬懿。
伏寿、交流しちゃったからねえ。「曹家の子女を殺す」に難色を示します。
20年待っても、このような好機は来ないと司馬懿は言うんだけども。
司馬懿は、伏寿に劉平を連れ出してくださいと言いました。劉平は反対するはずだから、見せられない。だから私がやる。
廬龍は、兵達も劉平達も祝宴の真っ最中。
曹植が詩を詠み、曹丕が剣舞、曹節が琵琶を弾きますと。
その頃、庭には高覧が率いる兵達が忍んでいました。
ご機嫌な劉平に緊張する伏寿。ちょっと心が痛そうだけど。
お酒の匂いで頭が痛いと言って、伏寿は劉平を外に連れ出しました。
曹丕は司馬懿の傍らに座り、陛下のためなら父を欺いて兵を動かすこともするのだな、自分と司馬家のことは考えぬのか、と言いました。
偽の虎符の件がバレているってことよね。お前が必要だから助けたいと曹丕は言いますが、司馬懿は、悪いが張繡のようになるのは御免だと。
ん?張繡がどうしたって?
曹丕は、あれは戦死だと言い返します。言い方キツイね。そうか、殺したのか。
若様が恨む張繡は、この遠征で都合よく戦死したと言う司馬懿に、曹丕は尚も、自分は司馬懿を求めている、陛下は一度目はおまえを救えたが、二度目は無理だと言います。そして口説く口説く。これから自分を殺そうと画策している司馬懿なのに。
司馬懿は曹丕を立たせ、その話はもうやめようと言って曹丕から注がれた酒を飲み干します。そこへ酔った弟と妹が絡みに来てしまい、曹丕は連れていかれました。
空になった椀を持った司馬懿は、その椀を床に叩きつけます。
それが合図だったのでしょうが。
高覧は来ず、代わりに、司馬殿は飲み過ぎだなと言いながら、劉平が戻って来ました。
伏寿、話しちゃったのね…
司馬懿を連れ出した劉平。庭には潜んでいたはずの高覧達は既に消えていました。
部屋に劉平を押し込んで、扉を閉めた司馬懿は怒ってます。
私に隠しておいてなんだと言う劉平に、司馬懿はおまえの愚かさが伏寿に移ったって。笑うとこじゃないんだけど、笑ってしまった。計画を聞いた時から、曹操と子供達とは違うって伏寿言っちゃってたもんなあ。移りまくりなんで。
司馬懿は劉平をグーで殴り、無駄な優しさだと言います。
一緒に戦った者達まで殺せないという劉平の言い分も分かる。けど、司馬家が取り囲まれたあの状況を、劉平は見ていないから、実感していないからな。あの時はあわや一族全員、死ぬかもってところだったんだけど。味方してくれたとはいえ、見ず知らずの兵より司馬家だろうって、曹操は人殺しと策略しか考えていないっていう司馬懿の言い分も分かるよね。
だが曹家の子女を殺せば、曹操と同じになる。
何より大切なのは、天下を救うことだ。
天下は平定するもので救うものではない。
必ず後で悔いるぞ。
そう言って、司馬懿はとても厳しい表情で出て行きました。
焦点が違ってきちゃってる感じですよね。
こうして道は分かれていくのでしょうか。今すぐではないかもしれないけど。
この後、決定的な出来事があるんだよねえ。
宴の声を聞きながら、庭でひとり伏寿は座り込んでいました。
陛下、私は間違っているでしょうか。
この「陛下」は劉協ですね。確かにな、劉協なら黙って司馬懿の策に乗ったでしょう。
翌日、廬龍に曹操がやって来ました。
向かえる曹家の子女3人と、劉平、司馬懿、その後ろには帰順した鮮卑達もいます。
曹操の到着に、駆け寄ろうとした子供達3人ですが、弟と妹が駆け寄ったのを見て、一歩足の出ない曹丕の心情よ。こういう小さな積み重ねなんでしょうが、でも上の子ってそうなんだよね。下の子が素直に甘えるのを、自分も甘えたいけど下の子に譲って、我慢して見ている。そういうものなのよ。だけど親って立場になってしまうと、その上の子の我慢には気付かないことがある。哀しいけど。
そして曹操も、娘の曹節には甘々だねえ。
曹植が、廬龍を守れたのは陛下のお陰だと言いました。
曹操は真っ直ぐ劉平の元に。隣で父上と言う曹丕には目もくれない。皇帝を立てるためもあるから、仕方ないのでしょうけど。ここの一連の流れの中での曹丕は可哀そうでした。でもこれがいつものことなんだろうなと思うとね。郭嘉が亡くなった時に、多少心が通じたとはいえ。
ただもう精神的には父親を見限っているはずなのに、情は残っちゃってるんだね。自分を見て欲しいって、まだどこかで思ってるんだねえ。
曹操は烏桓(うがん)を討ち、劉平達は鮮卑を退けた。北方の憂いは大分解消されたってやり取りの中で、劉平はわざとかな、虎符の件を口にしました。感謝していると。
覚えのない曹操は訝し気な表情になって、横目で司馬懿を見ます。
兵を率いて、朕を助けに来た、それを罪に問えば、曹司空は不忠だと誤解されるのでは?
やっぱり、みんなの前でワザと口にしたんですね。司馬懿が罰せられないように。
曹操は、私が与えたとおっしゃるのですか、陛下が嘘をついていると言う訳にはいきませんと言いました。
今大事なことは何か、曹司空なら分かるはずだと、郭祭酒は言っていたと劉平が畳みかけると、私が信じられないから、奉孝まで持ち出すのですねって、曹操(笑)
バレバレか、そこまでいえば。やり過ぎたか。
でも曹操は、奉孝、遅れて済まぬと空を仰ぎました。
ひとまず虎符のことは問わないでくれるかもしれませんけど、司馬懿が足が動かないって嘘をついていた件については、かなりきつく糾弾されるんでしょうねえ。
許都に戻ってから、またひと悶着ありそうですなあ。
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