山河令 第19話「陰陽の逆転」あらすじとネタバレ感想

あらすじ

息子に監禁されていた龍雀は20年前に何があったのか真実を語り始める。かつて容炫の志に賛同した義兄弟たち、容炫の妻・岳鳳児と神医谷の仲間たちは仲睦まじく過ごしていた。だが、手合わせの際に容炫を傷つけた高崇の剣に毒が塗ってあり、容炫を救うため岳鳳児が「陰陽冊」の禁術を使った結果、図らずも悲劇が起こり…。

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ネタバレ感想

➤ 山河令　登場人物 登場順一覧(16話～21話)はこちらから。

さて、龍雀(ロンチュエ)が語る20年前の真実。
ややこしいところも多いので、また長くなりそだぞぅ←

龍雀の妻は龍孝(ロンシアオ)を産んで亡くなったんですね。難産だったみたい。龍淵閣をこの山奥に移転させて引き籠ったのは、その「傷心」のため？いつ引っ込んだんだっけ？
あ、阿絮が17話で言ってましたっけ。自分が四季山荘に入門した頃、閣主はよく訪ねて来たけど、急に消息を絶って、師匠の秦懐章(チンホワイジャン)も探そうとしなかったと。そうしたら時期的に、20年前の青崖山の戦い後くらいってことか。やっぱりあの事件で何かがあって、龍淵閣は表舞台から姿を消し、事情を知っていた秦懐章も探さなかったってことでしょうか。

自分のせいで母が死んだことを恨んでいるなら、さっさと殺せば良かった、育てると決めたなら、なぜ陰陽冊(いんようさつ)を使って健康にしなかったと、恨みを吐き出す龍孝なんだけど。

だーかーらー、陰陽冊を使っても、アンタの病気は治せない。
それを何度言っても、コイツは信じなかった。それで勝手に歪んでいった。

でもま、それも陰陽冊という存在が武庫にあって簡単に手に入らないから、人々の妄想が勝手に肥大化してしまった弊害のひとつ。例えば神医谷が存続していて、治療を試していて、その上で無理でした、だったら、こうはなっていなかったかもね。性格は悪くても、ある意味この人は天才。龍淵閣を背負って立ってたでしょうよ。あ、でも結局禁術に手を出して、破滅してたかもしれないな。

龍雀は言います。
医者には親心がある。もし陰陽冊にそんな霊力があったら、神医谷は独り占めせぬ。
これ、この回のテーマなんですよね。

それに対してガタガタと言うやかましい龍孝を、老温は喋れなくしました。
ああ、良かった。コイツが口を挟むと話が進まないんだもん。

葉白衣が、岳鳳児(ユエフォンアル)を知っているかと聞きます。
容炫(ロンシュエン)の妻ですね。神医谷の三傑の１人だったんですって。あとの２人は甄如玉(ジェンルーユー)と谷妙妙(グーミヤオミヤオ)かな。

三傑の助けがあってこそ、私は羽追(ユージュイ)を娶れたって言う龍雀なんですが、何十年も前に死んだ妻のことを嬉しそうに話す顔を見たら、龍孝の執着心はこの父親譲りかもなあと思うわ。

容炫と岳鳳児に何が起きたかを知っていると言った龍雀に、老温が、質問があります、お答え願えますかと、とっても丁寧に聞きます。
龍雀は阿絮に、あの若者は誰だと聞きます。阿絮は、私の親友です、温客行と言いますと。
内心阿絮はまだ、老温は容炫の息子じゃないかと思っているので、正体を明かしていいものだろうかって考えてますが。

龍孝の話によると、高崇(ガオチョン)が武庫を開けるよう迫ったということですがって、老温は聞きました。それ、英雄大会にやってきた龍孝が、高崇を陥れるために口走った大嘘ですな。
案の定、龍雀は、前回高崇に会ったのは20年前のこと、瑠璃甲は五湖盟にあるのに、なぜ私に武庫を開けさせる？ってよ。容炫が、龍雀を脅して武庫を作らせたというのも嘘。龍雀は、そいつの言ったことは一切信じるなと言いました。

龍雀が、自ら望んで容炫のために武庫を改造したと聞いた老温の表情。いろいろと根底から覆ってる感じかな。
阿絮は、20年前の武庫の経緯を、全て話してくださいと言いました。
なぜ、容炫は武庫を作ったのか、武庫を巡って何が起きたのか。

容炫と最初に出会ったのは、阿絮の師匠、秦懐章。
そこから縁を繋いだのは、五湖盟の高崇、趙敬(ジャオジン)、陸太冲(ルータイチョン)、張玉森(ジャンユーセン)、沈慎(シェンシェン)、神医谷の甄如玉とその妻、谷妙妙、そして容炫の妻、岳鳳児、龍淵閣の龍雀。総勢11名。

今は容炫の武庫って認識だけど、武庫は容炫１人のものではなく、この全員のものだった。

それを聞いた成嶺が、私の父も…と言い、龍雀は成嶺が張玉森の息子であること、瑠璃甲を巡って鬼谷も混じった争奪戦が起き、高崇、陸太冲、張玉森が亡くなったことを知ります。
龍雀は、瑠璃甲を争奪したところで、あれは錠、容炫の鍵がなければ武庫は開かないと言いました。おお、アイテムは6つ必要だったこと判明っ。

鍵は龍雀も持っていないと言うのですが、葉白衣は信じません、世間も信じてくれないと言う龍雀ですが、今、世間は鍵の存在すら知らないよね？でも龍雀は、誰が持っているのか知っているけど、言わないと誓ったんだって。
パイセン、ちょいとイラチだからさ、カッとして龍雀を責めてますけど、でもこの期に及んでって気になるわよね。知りたいこと、とっとと話せよっとなるのは分かる(^m^)

阿絮は、老温が拳を握りしめているのに気付き、老温の元に向かってました。
老温、かなりショックを受けている模様です。

陰陽冊欲しさに武庫を開けたい龍孝も、父親の前で使用人や弟子を全員殺した後、父親の両足を切ったんだって。だから脅して喋らせようとしたって、これ以上何ができるって、龍雀は言うんだけど。
いや、話せよ。それが責任だろう。少なくとも、今現在の騒ぎには進展がある。江湖の争いを収めるには、長命山の剣仙としての立場は有効。
隠すから、欲望が妄想になって膨らむんだもの。奥義書を奪われた人達だって、戻って来ないから躍起になるんだもの。持ち主を庇ってるんだろうけど、その人、多分もう亡くなってるよ。あ、でも龍雀はまだ、パイセンが剣仙だって知らないんだっけ？

葉白衣は、何が起きたか、とにかく知りたいんだって言います。
なぜ武庫を作った後、容炫は正気を失ったのか。誰かが裏切ったのか？

ここで成嶺が葉白衣に、この方を苦しめないでくださいと言い、老温も無理強いはやめろと怒鳴るんですけど。
えー、ここまで来て、それは内緒とかないわー。龍淵閣の惨劇は親子関係のイザコザが直接の原因だから、剣仙としては、言ってみればどーでもいい話。それも自業自得だって自分で言ってたじゃん。話さないと誓ったんだもーんってのもさあ、武庫騒ぎの責任ってことを、も一回考えようや。イラチのパイセンの催促もちょい強めだけど、真相を目前にして、そんな悠長なこと言ってらんないのも分かるよ。
なんだこれ、尺稼ぎか？と思っちゃったわ、パイセン並みにイラチなあたくし。

もう涙目になってる老温は、パイセンに襲い掛かります。
あっけに取られてる阿絮(笑)
真相まで、あと一歩なのだぞ。
真相など知りたくない。

ほう、知りたくないとな？老温。
さすがに阿絮が止めました。

私は容炫の死因を必ず突き止めなければならぬ。弟子だからな。そう言った葉白衣。
容炫パパの容長青(ロンチャンチン)の名前、17話で独り言で出してましたね。親友の息子を弟子にしてたんだ。弟子でなくとも、大事な親友の息子の死因は、調べたいだろうさ。

その頃、趙敬は、岳陽派の屋敷にあったあの隠し部屋に、高崇の位牌を持って入りました。
並んでる位牌を一生懸命見てしまいましたよ、誰のがあるんだろうって(^m^)

封山剣というのは容炫のことですね。ようやくみんなを集合させられたと笑う趙敬。
かつてお前たちは、私を見下して疎外し、使い走りにしていたな、想像できたか、その私が、お前たちを弔うとは。
全く関係ないんですが、手前の蝋燭によく長い袖口が触れないなあと思う(^m^)

趙敬も容炫を恨んでたんですね。高崇も容炫に会わなければって言ってたっけ。
江湖にさしたる背景のない容炫は、大胆な発想で武庫を作ることを提案したけど、五湖盟に属する人達は、内心は武林を怒らせたくはなかったらしいよ。まあ、それは分かるけど。
魔匠、容長青の息子で剣仙、葉白衣の弟子、江湖の派閥とか武林の組織とは一線を画すところにいた人物だったのかな。だからこそ、門派の跡取り息子達には、容炫の話は新鮮だったんだろうな。

趙敬は使用人の子だったんでしたっけ？貧乏人から、苦労して太湖派の一番弟子にまで成り上がったのに、危うく転落しかけたって。奥義書を奪い集める辺りで、ひと悶着あったってことでしょうねえ。それで慌てて策を弄した？
容炫は「六合(りくこう)心法」という奥義書を手にしたけど、自分が体得できなかったから、他のみんなにも禁じたんですと。へえ、そういうジャイアン風味の人でもあった訳かあ。
趙敬、私こそが傑物だー、だそうです、はいはい。

さて、パイセン、やおら飛び上がり、剣法を見せています。封山剣法ね。
間違いなく容炫の師匠、そして葉家の剣仙、葉白衣。
まさか生きておられたとはと、龍雀も驚いています。100才越えですからね。
天残地欠の六合心法によって、本当に不老長寿を実現できるのですね、これぞ天人合一と龍雀。そしてその「六合心法」は武庫に保管されていると言いました。
容炫は、道理を弁えず過ちを犯したと心から悔やんでいた。妻の岳鳳児に、瑠璃甲の鍵を長命山の師匠に届けるよう頼み、起きたことを全て話して、自分の代わりに土下座して詫びて欲しいと言ってたそうで。でもそれが、あんなことになるとは。

ちょ、また一息タイムになっちゃったー！ ← イラチ(笑)
でもそれじゃ、瑠璃甲の鍵は、本当はパイセンの元に届くはずだったんだね。ならやっぱりパイセンは、全てを知らねばならん。はーやーくー。

お酒を欲しがった龍雀に、老温が渡します。久々に飲んでむせるおっちゃん。
イライラ葉白衣。私もイライラ。
お酒飲んでさあ、天が自分をここまで生かしたのは全てを明かすためでしょうって、ご機嫌に大笑いして、老温のお酒の携帯ボトル、投げ捨てるってどうなんだ、あれ、なかなか高級品だと思うぞ？
やっぱり似てるよね、龍孝は間違いなくこの人の血を引いてるわ。ちょっと劇場型。こういうところもしっかり描いているあたり、よくできてますよねえ。

容炫夫妻を中心として、みんなで宴会してる時も、趙敬はテーブルから離れた場所で、捻くれてます。これ自分から入っていかなかったのでは？コンプレックスで。みんなのほうが気を遣ってるじゃん。沈慎は昔からお調子者で、冗談だとしても人を愚かだとか平気で言い放つ人だったのは分かった。相手は甄如玉だぞ、愚かなのはどっちだよ。

そこに高崇が怒りながらやって来ました。泰山派に尻尾を掴まれたと、趙敬を責めます。
泰山派の奥義書を盗む役目は趙敬で、それがバレて、当時の岳陽派の掌門であった高崇の父のところに、泰山派の長老が犯人に姿形の似た弟子を寄こせと抗議に来たらしい。
高崇は趙敬に、おまえは何をやらせても失敗ばかり、クズだと言い放ちます。おお、血気盛んだった頃は、こういう人でしたか。やっぱりな。実は無骨ないい人でした的な描かれ方もあったけど、なーんかやり方、横暴だったもの。それに、失敗はイヤイヤ従ってた趙敬のせいかもしれないけど、そもそも盗みだからねえ。

趙敬は、自分が自供する、みなに迷惑はかけないと言うんですが、周囲が止めます。芋づる式にバレるのを恐れたのもあったでしょうが、なんとかみんなで策を練ろうって。
容炫は、武庫の発案は自分だから、責は自分が持つ、みんなを守ると言います。

龍雀は、容炫は私達の心に宿る炎だった、常々、門派間の偏見や江湖の規則は無用の長物だ、真の武芸者は胸襟を開くべきだと言っていたと言いますが。
それでも盗みには違いない。そしてそれを、秦懐章や甄如玉までもが容認していたとは。
みんな酔ってたんだろうな、目新しくて刺激的な自説を唱える実力者に。それを語っている龍雀も、未だ酔ってる感じなんだもの。私達は数年かけて天下の奥義書を収集したと言いますが、傍若無人に盗んで集めたんだよっ。いい話にすんなや。

あ、パイセンが食い付いた。
バカどもめ、他人の著作だ、それを競って盗むとは。
うん、ほんとそれ。
続くパイセンの言葉に、龍雀はまた不愉快そう。ほら、未だこの人は酔っている。根本的に、全員で犯した罪の意識がないんだなあ。そういう意味では趙敬のほうが、周囲を観察しながら、なんとか這い上がった人だから保身もあって、当時自分達がしていたことの是非には気付いてたんだね。生まれながらに恵まれた坊ちゃん達とはそこが違う。ま、この人はその後が最悪だけどな。
そして容炫は、一門に背いて出て行ったってことは分かったぞ。
で、パイセン、話が進まないからちょっと黙ってろと言われる。さっきと逆(^m^)

あっ、龍雀が、秦懐章も同じように私達を諫めたと言ってる。秦懐章は盗みには参加しなかったってことかな。だとしたら、甄如玉もやってないよね。2人とも、やってないけど止められなかったってことでいいのかな。

武庫の場所選びには苦労したけど、最終的に秦懐章が見つけた前王朝の地下宮殿を、龍雀が改造して完成させたんだそう。瑠璃甲も鍵も、秦懐章が遊歴中に見つけていたらしく、開けてみると、大した物は入ってなかったので、武庫として提供してくれたんだって。そういう形で関わってたんだ、秦懐章は。

容炫の死因については、龍雀も長年考えてきたけど、未だに結論が出ていないと言います。
そこに何があったのかは、推測でしかないのか。

五湖盟の５人を相手に、容炫が対戦することになったのは、六合心法を巡ってだった。この時、なぜか陸太冲が趙敬を振り返っている。この人、何か知ってたのかな。ただ、これについてはドラマ中、説明はなかった。
六合心法を手に入れたものの習得できなかった容炫は、他のメンバーにもそれを禁じた。
趙敬の言ってた通り。やっぱりジャイアンなの？自分ができないこと、悔しいからオマエラにも教えないよーだ！てか。けど、面白くない５人は力で手に入れようとした。だから容炫の、負けたらもう口答えするなって台詞なのね。

その対戦で、高崇の剣が容炫の腕を切ったものの、五湖盟の5人は総がかりでも容炫には勝てなかったみたい。薬草採りから帰ってきた神医谷の３人と龍雀も、腕比べが好きなのよーなんて、微笑ましく眺めてたんだけど、勝負がついた頃、大した傷ではなかったのに、容炫が倒れてしまって驚く。
駆け寄った岳鳳児、傷口に触れて確かめた谷妙妙は、三屍毒だと気付きます。高崇の剣には容炫の血。違うと言う高崇に、真っ先に、高大哥、なぜだと言って周囲を誘導したのは趙敬。
待て待て、みんな、よおく考えろ、自分の剣に毒を塗るなんて浅はかなこと、するバカがどこにいる？

殺し合った訳ではなく、六合心法を巡っての腕比べだったことに、老温は驚いています。だけど龍雀も未だ、誰が毒を塗ったかの解にたどり着いてはいませんでした。
高崇には理由がないと言う龍雀に、阿絮は六合心法欲しさでは？って言うんだけど、それなら自分以外の剣に毒を塗るよ、何かを欲して人を陥れることを考えるヤツが、真っ先に疑われるリスクなど冒すものか。
誘導なんだか分からないけど、ちょいちょい阿絮の発言はピュアだよね。天窗の首領だったくせにね(^m^)

岳鳳児が５人を遠ざけたことで、６人揃わないと開かない武庫が２度と開くことはなかった。
高崇の時に散々、早く開けとけばよかったのにって言っちゃったけども、容炫がケガをした時点でもう、それは無理だったのね。すまん。
龍雀も、高崇のはずがないと言います。では一体誰だと続けた時、急に老温の具合が悪くなりました。あ、これは多分、孟婆湯(もうばとう)による記憶障害の影響だ。老温は一番大きな恨みは忘れていなかったけど、そこに至る詳細や大切なことを忘れているみたい。でも小さな子供だったもんね、知らなかったことがあっても仕方ないよね。

葉白衣が言います。三屍毒は生気を奪うだけ、なのになぜ容炫は正気を失ったのかと。
龍雀は、それをあえて言うなら、夫人、岳鳳児だと言います。
愛が深かったからこそ、なんとか助けようと陰陽冊の禁術に手を出してしまった。

経脈が途絶えた者でも、陰陽冊で救えると？と聞く老温。これは阿絮のことですな。阿絮も、え、ずっと俺のことを気にかけてくれて…になってるけど。
でも龍雀は、陰陽冊にそんな霊力があれば、神医谷の者が使っていたはずで、禁術になるはずがないと言います。そりゃそうだな、禁術になるには訳がある。

骨肉を蘇生させる術は誰かの犠牲を必要とするんだって。あああ、そっちか。経脈を復活させるには、生きている人間から取り出した心臓が必要なんですと。移植ですかね。
立ち会っていたのは、神医谷の３人と龍雀。奥義書強奪に直接の責任はなかったけど、この人達は禁術実行に加担してしまったのか。生贄になったのは、鬼谷の鬼面のよう。

そして移植後、容炫はおかしくなってました。それがどんどん悪化していき、何かの拍子に岳鳳児を殺してしまった。岳鳳児に武庫の鍵を葉白衣に渡してくれと頼んだのは、移植後、辛うじて正気を保てていた頃だったんでしょうか。妻を殺してしまったことに気付いた容炫は、完全に常軌を逸して魔道に落ち、江湖の英雄達は容炫の討伐を呼びかけた。

禁術に手を出したせいで、岳鳳児は神医谷に戻れなくなり、代わりに戻ることになった甄如玉と谷妙妙は、治療法の調査と武庫の鍵を託されてました。
だけど青崖山の戦いの数日前、神医谷にいた甄如玉の元にも容炫討伐の件が伝わってしまい、甄如玉はそれを止めるために不眠不休で青崖山に駆けつけます。
容炫が討伐された、あの青崖山の戦いの時、甄如玉もその場にいたんだねえ。

甄如玉は、人々に取り囲まれた中で、正気を失い幻覚を見ていてる容炫を庇って自ら名乗り、周囲を説得してたんだけど、それで江湖の人々は、容炫と甄如玉の間には深い関係があると気付いてしまった。
容炫は、後ろから甄如玉を気絶させ、争いの中に飛び込み、自害してしまいます。
容炫は甄如玉を庇うつもりだったのかなあ、もういいよ、自分は死ぬよと。

だけど魔王容炫討伐なんてもっともらしい旗印を掲げたところで、人々の狙いは単純に我欲からの武庫の鍵だった訳で。容炫を殺しても見つからなかった鍵は、あの時庇いに来た甄如玉が持っているに違いないと、神医谷に押しかけ、甄如玉を襲い、谷主をも脅迫した。
甄如玉は秘密を洩らさなかったけど、神医谷を守るため、谷主から手足の腱を切られて追放された。人々の要求は甄如玉の殺害だったから、それでも命は残しておいてくれたってことね。養子にするくらい、買ってたんだもんね、何事もなければ神医谷の次期谷主だった人よ。善良だったばっかりに…
そしてその後、一家は狙われ続けるんだな？

なあなあ、その時アイツら、５義兄弟は何してたん？
確か、成嶺パパは巻き込まれないようにと爺様に監禁されてて、それを生涯後悔してたって言ってたけど。高崇の後悔は成嶺パパのことばっかりで、巻き込んでしまった甄如玉には言い及んでなかったですよね。位牌は置いてたけどね。
未だ江湖の噂では、甄如玉夫妻は道を踏み外して、谷主に武芸を廃され破門されたことになってる。全てを知っていたのに、五湖盟は名誉の回復を図ることもしなかった。義兄弟義兄弟ばっか言ってて、あの時の友人達全員のことは、どう思っていたんだろう。
そういうところに腹を立てて失望して、成嶺パパも陸太冲も離れてったんじゃない？誤解で行き違ったみたいなコト言ってた気がするけど、違いますよ、アンタら、容炫だけじゃなく、甄如玉一家も見捨てたんだよ。
老温が5人とも同じだと言ってたのも、あながち間違いじゃない。それぞれ掌門になっちゃった立場もあったんでしょうけど、結局はみんな、何もせずに口を噤んだのだから。

龍雀は、無数の者達を救っていた甄如玉ほど、高潔な者はいなかった。余りに高潔で純真だったために、汚れた世から排除されたのだと言いました。この話が龍淵閣に届いた頃、谷妙妙は手負いの夫と息子を連れて、姿を消していた。
そんな甄如玉一家を守るため、龍雀は龍淵閣が武庫を開けられるとの噂を流した。江湖で大成する機会を捨てて、龍淵閣を秘境に移した。なるほどなー。龍孝はそれを真に受けて、父親を責め立てたと。

私にできることは他になかった。でも甄如玉一家の行方は未だ知れず、幸せに暮らしているよう願うのみだと言う、龍雀を見る老温の目には涙。
あなたは友人のために一切を投げうった、このような友人を得られれば、あの世でも幸せでしょうと、老温を見ながら言う阿絮。気付いたんだなあ、老温が容炫の子じゃないってことに。

龍雀は、葉白衣に言いました。
隠した訳ではありません、でも鍵の所在は私にも分からない。鍵を葉白衣に渡すのは容炫との約束だったが、力不足で果たせませんでした、お許しください。
パイセンは謝罪はいらない、でも容炫もお前も、頭か悪すぎるって(笑)
何が武庫だ、そんなもの私が欲しがるとでも思うかと。
ただこれは容炫の後悔だと笑う龍雀に葉白衣は、お前は善人だ、容炫が迷惑をかけたって。一応、謝ってるんだね、偉そうだけどね(^m^)
望みがあれば言え、叶えてやると聞いて、龍雀は笑います。ただ死を待つだけの人生、望みなどない、でもひとつだけ分からないことがあると。
天賦の才に恵まれていた容炫に、なぜ六合心法を教えなかったのか。容炫だけでなく、武芸を学ぶ者なら、六合心法による天人合一の誘惑には勝てないって。要するに今の葉白衣のように、不老不死の上、とてつもない武芸者になれるってことですからね。

葉白衣パイセンは鼻で笑いました。誰も天意には逆らえぬ、長命山は孤独で物寂しい。
これはさあ、なってみればそういいものでもないって話なんだろうねえ。
六合心法以外の全てを学んだものの、どうしても六合心法を体得したい容炫は何度も抗議して、とうとう奥義書を盗んで山を下りたんだってさ。

六合心法が天残地欠と呼ばれるのは、後世の者に警告するため。
良いものなら教えないはずがない。
ああ、これに尽きるんだな。陰陽冊の禁術と同じだ。良いものなら正しく後世に伝わっている、師匠も教える、息子にだって施す。そうでないから秘匿される。良くないものだから、害が大きいから。
でも野心の強いヤツらは、そこに魅せられてしまうんだな。

葉白衣も涙を浮かべて、六合心法を破棄しなかったことを後悔していると言い、洞窟を出て行きました。

え、待って、容炫はいつ頃から悔やんでたんだろう。
嫁に残した、起こったことを全て話して師匠に謝ってって言葉から、最初は、禁術で蘇って江湖から狙われるようになった辺りかなと思ってたんだけど、もしかすると、もう少し前だった可能性もありますね。
「六合心法」が体得できなかったというのも、単に容炫が葉白衣より未熟で奥義書があっても体得できなかったのか、それとも六合心法の奥義書を見て、葉白衣がどうしても教えてくれなかった本当の理由を知ったからだったのか。
後者ならば「道理を弁えず過ちを犯した」ってのは、そこにもかかってくるので、仲間達にも教えなかったのは葉白衣と同じ理由になるよね。だけど口ではジャイアンを装って、自分も体得できない奥義だ、オマエらにも教えなーい、と言ってた、本当の意味で仲間を守るためにってことになるんだけど。
それは分からないままなのかもしれないなあ。

次回は龍雀の告白のラストと、四季山荘と老温の関わり～。

  
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