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山河令 第17話「最も憎い敵」あらすじとネタバレ感想

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山河令
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目次

あらすじ

傷を負った曹蔚寧は華山派の掌門・于丘烽の別宅で目覚める。その頃、桃紅と緑柳に捕らわれた高小怜は必死の抵抗を続けていた。そんな中、龍孝を人質にした周子舒、温客行、張成嶺、葉白衣の一行は武庫と琉璃甲の秘密を知る閣主・龍雀を訪ねるため龍淵閣を目指す。また、五湖盟の盟主となった趙敬はその本性を現し始めて…。

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ネタバレ感想

山河令 登場人物 登場順一覧(16話~21話)はこちらから。

桃紅(タオホン)と緑柳(リューリウ)から高小怜(ガオシアオリエン)を守ろうとして倒れた曹蔚寧(ツァオウェイニン)が、ようやく目覚めます。
眠っている間にたくさん見たという、だいぶ不吉な夢。
どの夢でも阿湘(アーシアン)を守れない、最後の夢では先に死んでしまい、三途の川で待っていた、何十年も経って年老いた阿湘が来るかと思ったら、すぐに来た、って。曹兄さん、確かにそれは笑えない呪いだっ。

高小怜は?師叔、范懐空(ファンホワイコン)が助けてくれたのか、みんなは?と我に返って慌てる曹蔚寧を押しとどめ、阿湘は、高小怜は攫われてしまったこと、華山派の掌門、于丘烽(ユーチウフォン)に助けられたことを話し、薬を持って来ると部屋を出ました。

山河令
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阿湘、以前の紫の濃い色も綺麗だったけど、曹蔚寧と出会って、心が動き始めると紫からピンクに衣装が変わっていくんですよね。このごく淡いピンクの衣装も可愛い。

扉の外には、于丘烽と柳千巧(リウチェンチャオ)。
心配する言葉をかける于丘烽のことを信用していない阿湘は、とんがった物言いをしますが、言い間違いをして2人に苦笑いされてしまうという(^m^)
でもまあ、鬼谷の人間に華山派の掌門が好意的なはずはないと、普通は思うわよ。

于丘烽がいなくなった後、なぜ華山派の掌門が羅浮夢(ルオフーモン)を助けたのか、口裏を合わせるからと柳千巧に聞く阿湘ですが、事情は話して貰えないね。五湖盟に殺された息子の敵討ちを手伝うと言ったと誤魔化されてしまいます。

それでも、阿湘にとって柳千巧はいいお姉さんなんだな。うちの無心紫煞(むしんしさつ)も愁いを知る年頃になったのね♪なんて、いい台詞です。
それにしても、鬼谷の女性達は情に篤いよね。羅浮夢も柳千巧も、鬼谷に落ちたのはそれが原因だったし。でもこの2人が女性のトップにいるから、温客行についていると言っても、阿湘もどこか守られていたんでしょう。男どもはしょーもないケド。

さて、捕らわれの高小怜はハンスト中。桃婆は相変わらず、緑爺のほうが多少はマシ。一応、殺すつもりはないようで、一安心だけども。
知っていることは全部話せと言う緑爺ですが、高小怜は何も知らないよー。

一方、龍孝(ロンシアオ)を連れて龍淵閣に向かう、阿絮、老温、成嶺、葉白衣。
阿絮と老温は馬、葉白衣は龍孝を乗せた馬車、そして成嶺は、阿絮の持つ縄にくくり付けられて、流雲九宮歩(りゅううんきゅうぐうほ)の修行をしながら付いてってます。うへえ、大変そう。ただ歩いてるだけでも疲れるだろうに、くるくるくるくる回りながら。しかも多分負荷のための荷物も、体に付けられてる(^m^)

老温はめちゃくちゃ阿絮を気遣っています。
成嶺はへろっへろ。座り込んでいると、鬼師匠の阿絮が、サボったな、半刻追加!
成嶺が言い返すと、口答えするか、1刻追加。

そんな阿絮を見る老温の顔。成嶺には優しい老温が、ちょっと口添えしてみると、阿絮の顔がピキキッ。それを見て、はははははぅ。
あ、はいはいはいって感じなのかな。これ、も一回言うんだよね。カワイイ。何か言ってみて、阿絮の反応を見て、はい、すいません、分かりました的な。

阿絮は成嶺の、限界を越えさせようとしてる感じでしょうか。スパルタです。
でも内心、老温は最近、いびられた嫁みたいだって。
い、び、ら、れ、た、嫁っ!(大笑)
いびりまくるイケズな白い姑も同行してますし?でもこの嫁は、姑には遠慮なく突っかかるケド。
老温は何か企んでるのかと阿絮は考えています。阿絮には、老温が自分の顔色を窺って、腫れもの扱いしてるみたいに見えてるんだな。

俏羅漢(しょうらかん)に案内されて、趙敬(ジャオジン)と蠍王の元にやってきたのは、無常鬼、急色鬼、開心鬼。あらま、真っ昼間に結構堂々と来たわね。というか、もう普通に毒蠍の四大刺客もそこにいる訳だ。2人しか残ってないけど。

無常鬼と趙敬の、一見にこやかな腹の探り合いを、シラッと見ている蠍王。
趙敬は、まだまだ働いて貰わねばと思ってるから、非常に扱いは丁寧ですが、無常鬼が瑠璃甲に関して少し突っ込んだ質問をした途端、ちょいと黒さを見せます。蠍王も殺気を出したわ。

山河令
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ねえ、義父、コイツもうシャーしていい?

無常鬼は、結局今、アンタらいくつ持ってんのさと聞いたんだけどね。五湖盟の5人で5つに割って持ってたんじゃないのか?谷主は吊死鬼が自分の瑠璃甲を奪って逃げたと言ったけど、みたいなとこね。
高崇が壊したのは偽物ってところだけは肯定したものの、趙敬も谷主の嘘を訂正する気はなく、引き続き吊死鬼を探してくれと言います。攪乱させるに丁度いい嘘なんでしょう。

趙敬と会った後の、無常鬼、急色鬼、開心鬼。
無常鬼は別に谷主になる気はないんだね。ただ鬼谷から出て俗世に戻りたい、そして誰よりも憎らしい敵を殺す。そのためには、まともじゃない趙敬と蠍王とでも結託する。
誰よりも憎らしい敵って誰?谷主?別にいるのかな、語られてない無常鬼の仇が。でもこれがサブタイトルになってるんだよね。
お前らはいいけど、この顔の俺は?病気もあるっていう開心鬼に、無常鬼は武庫にある神医谷の奥義書「陰陽冊」の話をします。死人も生き返らせる医術、あらゆる重病を治す、神医谷の聖なる秘術。
なるほどね、無常鬼達にも、武庫を狙う理由があると。

蛇足ですが、「陰陽冊」への執着は、古代中国の偉いさん達が、始皇帝とかね、不老不死の仙薬を求めて躍起になったのを彷彿とさせられます。あの錬丹術は、辰砂(しんしゃ)という硫化水銀の鉱物(丹 タン、ニとも言われるので、日本でも昔の薬、なんとか丹という名称はそこから来ています)や金や砒素が原材料なので、結局は中毒で死んでしまったという話よ。そしてこれはもうじき出てくるんですが、神医谷の妻がその秘術を使って、容炫(ロンシュエン)は異常を来したの、実のところ。
更に脱線しますが、丹は赤の顔料にもなりました。キトラ古墳の壁画にも使われていたようです。漫画「阿・吽」をお持ちの方は「にうつ様」がどういう里を率いていたか、見返してみてくださいな~♪にうつ=丹生都、和歌山に丹生都比売神社って美しい神社もあります。辰砂は深いんだよなーという鉱物好きのつぶやき。

さて、林の中で一息ついてる龍淵閣行きご一行様。
食べ物を探しに行くぞと言う阿絮に老温は、私が行くから休んでろと言い、孝行者の弟子も来いって。成嶺を逆に休ませようとしたでしょ。置いて行ったら、またシゴかれるだろうと。
でもそれに気付かない成嶺はへたりきっていて、指一本動かないと弱音を吐きます。そこですかさず阿絮、成嶺は鍛錬がある。
うっへぇ~みたいに、引き気味の老温が可笑しかった(^m^)

空気を読まないのか逆に読んだのか、葉白衣が魚の汁物が飲みたいから釣って来いとリクエスト。息を吸うように、老いぼれを汁物にしてやろうかと言い返す老温。行ってしまう老温に石投げるパイセンも可愛い。もう阿絮も呆れて首を振るだけで、止めませんな。

とは言え、川が映ってたので、なんだかんだ魚釣ったんだね、老温。
調理したのも老温しかいないよね。他の3人は生活能力なさそうだもんなあ。憎ったらしいくらいふんぞり返って、何もしない姑とダンナ。ふつーに腹立つぅ(笑)

阿絮に味見として最初の椀を差し出す老温から、お椀を奪う葉白衣パイセン。年長者が先なんだと。味見だっつってんのにっ。
次によそった椀を、阿絮は成嶺に渡し、龍若閣主に持って行けって。
3番目の椀を阿絮に渡して、老温はなぜ若閣主と礼を執った言い方をするのかと聞くと、汁物、美味しかったんでしょうね、なんかちっちゃくなって黙って飲んでいたパイセンが、横から口を挟みます。
龍雀(ロンチュエ)は秦懐章(チンホワイジャン)の親友だった。容炫(ロンシュエン)のロクデナシを紹介したのも秦懐章だ。

その言い方にちょっと老温、ひっかかったね。なんで容炫周辺の人間関係を、そんなに知ってるんだと。でも意地悪パイセンは教えてくれません。知りたがりだな、おばさんみたいだ、だって(笑)
これだけ容炫のことに詳しい、そして容炫をロクデナシと呼べる人、要するに葉白衣も容炫の関係者では?って、どうして誰も思い及ばないのかな。老温は怒らせられてるから冷静に考えられないんだろうけど、あ、でも阿絮なら、そう思ってもしばらくは黙ってるか。

今度は阿絮が、蜀への道は厳しいのに、なぜ龍淵閣を目指すのかと尋ねます。
蜀か。海沿いの江南地域から、内陸部に向かってるってことですね。今の四川省の辺り。
パイセンは、火付け役の他に存命の当事者は龍雀だけだから、直接会う他はないって。

成嶺に聞かれた阿絮が答えるに、龍淵閣の主、龍雀は師匠秦懐章の無二の友、四季山荘にあるカラクリも龍淵閣の技術なんだって。阿絮が入門した頃、龍雀は四季山荘によく来ていたんだけど、急に消息を絶ってしまった。何かあったんであろう師匠は探すこともなかった。でもある時、機関雀が助けを求める文を運んできて、行ってみたものの、龍淵閣が見つけられなかったんだと。

助けを求めるなら龍雀、場所と入り方も教えときなさーい!

噂では、山の中に動く要塞があるらしく、天窗がまだ育っていないころ、何度か探させたけど、住所は合ってるのにそこには何もなかったんだそうな。
それを聞いていたパイセンの悪口と、だが汁物は美味い♪に、殺したいほど口が悪いなと言う老温。パイセン、幸い武芸が達者だ♪にたっ。 もー、まんず、コイツらはっ(^m^)
さすがに阿絮も、葉先輩、汁物は毒入りかも~なんて珍しく冗談言って笑ってますわ。ただ、老温だけは笑ってねえ(大笑)

山河令
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親子三代珍道中。

岳陽城では、すっかり趙敬が五湖盟の盟主です。高崇がいた頃から調子の良かったあの辮髪?は、今度は趙敬にべったりね。
巨鯨幇(きょげいほう)と紫浪塢(しろうお)の当主は欠席だそうな。反趙敬派ですね。
このような事態なのだから、二心も仕方ないと言う趙敬。漕幇(そうほう)の幇主も、高崇が鬼谷と繋がっていたというあの謀略を鵜呑みにして怒っているのを、真面目な顔した趙敬が窘めるという、コレもうなんて茶番?

高崇の遺体を狙った者達が、この数日間に大勢殺されたと辮髪は言うんですが、ああ、こっちでしたか、あの雨の日に、趙敬が蠍王に指示していたのは。高崇と結託していた鬼谷が仇を討ったと思わせて、危機感を煽る。いやいや、鬼谷の鬼達、そんなに義理堅くないぞ?
でも浮足立った人達を、趙敬は上手いこと言って宥め、全力で五湖盟の名声を取り戻す!とぶち上げ喝采っていう流れを作った訳ですね。はいはい。

相変わらず、くるくると回りながら歩いていた成嶺。葉白衣パイセンは小石か何かを阿絮の馬のお尻に飛ばします。驚いた馬が走り出し、阿絮と成嶺、大慌て。
縄付けて、先の馬が走るって、撮影でも危ないわー。ま、阿絮が縄手放せばいいんだけど。
ニヤつくパイセンと呆れた老温はまた口ケンカですわ。

さて、こちらは巨鯨幇のお屋敷。幇主、汪默軒(ワンモーシュエン)は、英雄大会の時、高崇と盟約を結ぶと宣言した、見た目もクジラっぽい(笑)人でしたね。
汪默軒が、趙敬は臆病な凡人、五湖盟の盟主の器ではないと言っているところに、毒蠍を引き連れた趙敬が入ってきてしまいます。
趙敬が毒蠍を引き入れたことは、既に噂になってたんですね。汪默軒は、巨鯨幇は決して毒蠍などと手は組まぬと言って、人を呼びますが、巨鯨幇のみなさん、既に倒された後のよう。巨鯨幇は完全に五湖盟と袂を分かつ、度胸があるなら私を殺してみろ、なんていうからあ。蠍王が奥に入ってたじゃないのー。さくっと、本当にさくっと後ろからやられてしまいましたよ。
趙敬はみんなの前で、正道に戻ったのだ、むやみに殺すな、なんて蠍王を叱りますが、まあ、予定調和ですよね。
そしてこれも、見せしめのひとつとして、人々の噂の種になる。逆らう者が減る。

龍淵閣を目指す一行は、宿屋の中庭みたいなところで一休み。食べてたあのナッツをパイセンに勧めたら、全部持ってかれちゃって、阿絮師匠の見守る中、鍛錬に戻る成嶺。
老温とパイセンは酒盛りです。アンタら、お酒まで競い合うのかいな。
阿絮から成嶺に飛ぶ、余りにも厳しい檄に、また老温がちょいと口を挟みます。それを小馬鹿にしたパイセンに老温が、高名な弟子もいないクセにと言うと、パイセン何か含みのある顔。うん、弟子、いたんだよね。

真気を丹田に集めろという阿絮と、真気を全身の隅々に送り込めと言う老温。成嶺が老温に言われたことを試してみると、阿絮が怒る。どっちの言うことを聞いていいか、成嶺の中でぐちゃぐちゃになっちゃったのかな。倒れそうになったのを、すかさず助けに入る2人ですが、成嶺の背中に手を当てた老温は驚きます。

葉白衣は2人で弟子を殺す気かとツッコミますが、阿絮は涼しい顔で、大丈夫ですと。
老温は成嶺の体質が特殊で、生まれつき経脈が人より広いことに気付きました。阿絮はそれに気付いていたから、極限までしごきつつ、その広い経脈を生かすための修行をさせていたってことね。奇才と言ってもいいこの体質は、そもそも一般的な経脈の人より、時間がかかるんだそう。

見ていた葉白衣は、頭は悪いが筋骨は極上、天の傑作か失敗作か、なんてまた憎まれ口。老温にどんな逸材でももう阿絮の弟子だぞ、やらねーよーと言い返され、それ以上の者も見たと言って、寂しそうな顔になるんだよ。容炫のことなんだろうな、きっと容炫は葉白衣の弟子だった。間違いなく逸材だった。でも、あんなことになってしまった。師匠としてそこに責を感じている。そういう顔でしょ、これは。一瞬でしたが。

さて、趙敬が侍らせて爪の手入れをさせていたのは、ちょっと、びっくりよ、誰かと思ったわよ、アイツよアイツ、岳陽城で成嶺をとことんイジメていた謝無恙(シエウーヤン)ですよ。何コレ、この牙を抜かれた顔はっ。こりゃ、まんま稚児ですわな。

趙敬は、于丘烽がなぜ喜喪鬼を助けたのかが気になっていました。謝無恙に一緒にいた柳千巧のことを尋ねると、若く見えるけど若い女とは思えない容赦ない武芸だったと。
自分は戦いもせず、期待に背きましたという謝無恙に、趙敬は、岳陽派で掌門に信用され、自分のために働いてくれた、おまえも死んだ宋懐仁(ソンホワイレン)も自慢の息子だ、ですってよーっ!ですってよー、ですってよー(コダマデス)

そこへ蠍王がやって来ます。岳陽城を三白山荘みたいに、キラキラにするつもりなのかな。模様替えを任されているみたいなんですが、ふと、趙敬の傍らに侍る謝無恙が目に入ります。
趙敬に、おまえは下がれと言われた謝無恙、蠍王の傍らを通る時、ついっと顎を上げて、会釈すらしない、視線も合わせないという、いかにもな態度でしたねえ。
息子は自分だけだって言ってたのに…と思うわよ、蠍王も。でも、それは言わずに、岳陽派の部屋は簡素過ぎて義父上には合いませんとまくし立てました。
趙敬の答えは、この数年、富貴や享楽に溺れるフリをしてきたのは、視野の狭い者達の目を誤魔化すため、だが大きく羽を広げた今はもう、人目を欺く必要はない、だそうよ。

暗くなっても飲んでる2人と、瞑想している阿絮。
酔っ払い老温が、阿絮、コイツが私の口がデカイと言うよーなんて言っても、阿絮は知らんぷり。ふぅん…ってなった老温が葉白衣の元に戻り、髪に白髪を見つけます。ちょいと慌てる葉白衣。ここにも秘密があるんだよね、パイセンの…

へろっへろの老温に早く寝るよう言って、残った阿絮と葉白衣。
葉白衣は最近阿絮の、発作が少なくなっていることに気付いていました。それは逆に終わりが近い印。内傷に抵抗する力もなくなっているから。
死ぬべきヤツは必死でこの世にしがみ付くのに、なぜお前は死に急ぐと言われた阿絮は、私の道は2つだけ、まっとうな生か、悔いのない死か、と言って去って行きました。

秦懐章、お前の弟子は芯から愚か者だ。
長青(チョンチャン)よ、私達の若い頃もこうだったのか?
長青、容長青ですね、容炫の父、白衣剣を作った魔匠。

阿絮が部屋に戻ると、部屋でまた飲んでる老温。
阿絮がその手を止めると、老温は阿絮を見上げたまま、止まっています。

痛まないか?
やっと心を許せる友と出会ったのに。死なないでくれ。

酔ってるからね、やたらストレートな老温。
背中を向けたまま、なるべくなと答える阿絮。

私の顔を見て、もう一度言ってくれと言われた阿絮は、見たくない、仮面を被った噓くさい顔だ、真心の欠片もないって、辛辣だな。

老温は怖いんだと言うけど、やっぱり阿絮は「いびられた嫁」をそこに結び付けてました。
自分がいつくたばるかも分からないから、媚びて調子を合わせているのか、哀れみか辱めか。

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だって、阿絮がいなくなっちゃうのが怖いんだもんっ。哀れみなんかじゃないもんっ。

俺の余命を知りながら、嘘で適当にあしらうなと言う阿絮に、嘘じゃないもん、本気だもんの老温。結構キッツイことを言いながら、酔っ払いにお茶だか白湯だか入れてやって、手を引いて、さっさと寝ろ、俺もすぐには死なん(笑)って、世話してくれる阿絮兄さん。

バカだな、言っただろう、俺は賭けたんだ。

これはアレだね、俺はお前を信じるってやつだね。だから、余命僅かだとしても、顔色窺っておもねる様な真似はしてくれるなと。

お前はいつか心を開き、本心を見せてくれる。
勝負がつくまで、天命が下っても、俺は離れない。

心を開く?人の心は魔物だ。見なくていい。

見ないと助ける方法も分からない。

老温は何か根深く強い恨みに囚われていて、そこから抜け出すことができないでいる。助けられるものなら助けたい。側にいるから、ってことなんでしょうね。
せっかく阿絮がこれだけ歩み寄ってくれたのに、老温はまだまだ決心がつかず。
阿絮が行ってしまった後、老温は呟きました。

本心を見せたら、友人と思って貰えなくなる。

トンチキ道中が、なかなか複雑なシメになりました。
老温が怖いのは、阿絮がいなくなっちゃうことだけじゃなくて、こっちもだねえ。

さて、次回はトラップだらけの龍淵閣。

 今日の瑠璃甲(目立った動きなし)

  • 岳陽派(高崇)
    高崇の元にあったが、英雄大会の直前、危機感を持った高崇が清風剣派の掌門、莫懐陽に預けた。
  • 太湖派(趙敬)
    趙敬の命によって盗まれたテイを装い、宋懐仁が持ち出す。だが私怨を持っていた蠍王に宋懐仁は殺され、瑠璃甲は蠍王から趙敬に戻り、さらに趙敬から蠍王に預けられた。
  • 丹陽派(陸太冲 故人)
    泰山派掌門、傲崍子が丹陽派の生き残りと共に託されていたが、傲崍子は無常鬼によって殺され、長舌鬼から蠍王に渡されるはずが、纏魂糸匣と共に老温の手に渡る。老温により30個の複製を作られるが、その後、老温が町中でわざと方不知にすらせたものが、どうやら本物であった様子。
    その方不知も天窗によって殺され、方不知の持っていた2つの瑠璃甲は、韓英から晋王に送られて、晋王の元で本物だけが保管されている。
  • 鏡湖派(張玉森 故人)
    1人生き延びた三男、張成嶺の体内に、張玉森によって埋め込まれていたが、成嶺が阿絮の弟子になり瑠璃甲へのこだわりを捨てたため、高崇に渡された。現在は清風剣派の掌門、莫懐陽の元にある。
  • 大弧山派(沈慎)
    沈慎の元にあったが、英雄大会を前にして高崇に預けた。こちらも、清風剣派の掌門、莫懐陽の元にある。

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