あらすじ
高校の美術室で素描のモチーフに使われていた頭蓋骨は寄贈されたものではなく、失踪した高校生・任暁玄(レン・シャオシュエン)の骨だった。任暁玄の母親が遺品の中から見つけた日記には、クラスメイトからの嫌がらせなどの被害の他に、憧れの少年に関する記述もあった。沈翊たちは高校の美術教師である瞿藍心(チュー・ランシン)に協力を依頼し、日記の少年を割り出そうとする。
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ネタバレ感想
捜査会議。
任暁玄(レンシャオシュエン)は人付き合いが苦手だった、では犯人との関係は?なぜ犯人は頭蓋骨を交換した?とボードに書く杜城(ドゥーチョン)。
話を続けようとした時、沈翊が立て続けに言いました。
校庭に埋められていたが、学校との関係は?
白骨化には時間がかかるが、いつ交換をしたのか?
任暁玄の同級生からできるだけ関係者を探し出し、頭蓋骨が切り替わった時期を割り出して捜査対象を絞る。
杜城が方向性を提示した途端、会議終了の言葉を待たず、すたすたと出て行く沈翊。
なんなんだアレはって蒋峰(ジャンフォン)に、今日は閆(イェン)さんがいないので、代わりに李晗(リーハン)が、芸術家は個性が強いのって(笑)
確かにな。こういう態度が閆さんの言う「まだ若い」なんでしょうけどね(^m^)
沈翊は、独自の閃きから誰よりも早く手がかりを見つけることで、周りを納得させていかないといけないし、周囲の人達は今のところ信用も当てにもできないから、少々前のめりになってはいるんでしょうな。ふつーに性格かもしれないけども(笑)
沈翊は自転車で、学校の美術室にあった風景画の場所を探していました。
木と窓辺の花の絵。
そこは瞿藍心(チューランシン)の家でした。
どうして分かったのかって、あの絵にはタッチに左利きの人が描いた特徴があって、瞿藍心には左手に絵筆を持つ時のタコが出来ていたからなんですと。どんだけスゴイ観察眼だよ。
かわいい白猫と暮らしている瞿藍心の部屋には、たくさんの絵が並び、壁には、無数の釘を打って黒い糸を髪の毛のように垂らした不思議な絵も。風が吹くと生きているみたいに髪がなびくんだそう。普通の人は怖がるらしいんだけど、沈翊は、画家が作る不思議な世界は怖くないと言います。
沈翊は、学生達の模写を時系列で確認すれば、どの時期に頭蓋骨が入れ替わったのかが分かると考え、それが残っているのかどうか、残っていれば見せて貰えないかと、瞿藍心を訪ねたらしい。
学校に出向き、見せて貰った絵の中から、沈翊は、瞿藍心のタッチだと、彼女の描いた絵に気付いたりしつつ、頭蓋骨が入れ替わった時期も見つけていました。2017年の10月頃から。
2017.10.15と記されていた瞿藍心の絵も、任暁玄の骨を描いていました。
それらを借りて、分局に戻った沈翊が貼り付けていると、蒋峰が、こんなに描いてどうすると言います。生徒たちの絵だと言うと、だから?と。
え、マジか。気付かないの?この人、大丈夫?捜査官として。
そうやってイチイチ文句つけたいだけのために、突っかかるネタ探しばっかしてるから、大事なことに気付けないんだよ。
2011年6月頃に失踪、2017年10月頃に頭蓋骨の交換ということは、学校関係者かと杜城。
瞿藍心によれば、美術室に出入りできるのは関係者だけ。すり替えたのは、当時の先生か生徒だろうと沈翊。
ほら、沈翊はひとりで、先の会議の「頭蓋骨が切り替わった時期を割り出して捜査対象を絞る」をやってきちゃったよ。
そこに、任暁玄の母親が、日記が見つかったと持参してきました。
学校で大勢にいじめられたこと、気になる男の子がひとりいたことも書いてあったらしい。
その中にあった絵を見た沈翊は、学校の壁に飾ってあった机の天板の落書きに、同じ絵があったのを思い出します。線の細い少年を、真横より少し後ろから描いた絵。
日記には、いじめだけでなく、性的な嫌がらせを受けたことも書いてありました。
好きな少年への想いも。ただ、非常に詩的な文章で、ヤロー共には理解できないよう(笑)
李晗の出番みたいだよ。
だけど、李晗の分析もいまひとつで、抽象的で分からないみなさん。
閆さんがキーワードから似顔絵を描いて貰えばと言うと、李晗はグッドアイデア的に喜び、蒋峰は困らせ押し付けるために喜び。はー、品がないなあ。
沈翊はまたひとりで学校に行き、日記の絵と机の絵を比べると、美術室の黒板にそれを模写していました。
そこに杜城。
沈翊が、机の絵と日記の絵は、日記に出て来る子だと言います。やっぱり一歩先を行ってる。
杜城は、ポイントに印を付けて来たと日記のコピーを渡しました。
それを見て、漏れがあると沈翊。
「風が彼の髪を乱し、彼は長い指をそれを直す」
坊主でも五分刈りでもなく、やや長めの髪だ、と。こういう細かさは杜城達にはないだろう(笑)
だけど杜城の態度は、蒋峰とはだいぶ違ってきたように思えます。
沈翊の視点の鋭さに気付いてはいるよね。後は、感情が認めたくないってトコだけでしょ。
絵を描いてくると、出て行ってしまった沈翊。
杜城は、改めて日記を開き、憎い、憎いと、感情が剥き出しになった文に印をつけて考えます。
性的な嫌がらせをされても、何もいわず、抵抗もできなかった。まさか、教師か?と。
運動場の階段に座って、サッカーをする少年達を眺めながら沈翊が絵を描いている間に、杜城は教職員の資料を閲覧してます。見つけたみたいよ。
昔ここにいた美術教師、趙梓鵬(チャオズーホン)。
任暁玄が失踪した2011年の6月に、生徒へのわいせつ行為でクビになっていました。
名前を変えて、画廊を経営しててた趙梓鵬なんだけど、更にサイテーなことに、売春の斡旋をしてましたわよ。
画廊の絵に付けられたタイトルのところの制作年と取り引き回数のマークに、不自然さを感じた沈翊。
写真や版画は複製できるけど、複製できない油絵にも取り引き回数が複数個ついてます。
更に10数年前に制作されたものとしてあるのに、油絵には経年の痕がない。絵の技巧から2人の手によるものなのに、画家の名前は全部異なっている。
ここで行われているのは、絵画の取り引きではない。
趙梓鵬は、売春斡旋は認めたものの、任暁玄の殺害については否認しました。
でも、任暁玄へのわいせつ行為は認めたぞ。わいせつと言っても、後ろから覆いかぶさるように絵筆を取って絵を描いたってことみたいだけど、10代の少女だぜ、気持ち悪いおっさんにそんなことされるのは、不快でたまらんだろうよ。
でもその時、一人の生徒が入ってきたので、趙梓鵬は急いで離れた。未遂だとさ。けっ。
その生徒の顔は覚えていない、気まずくて直視できなかったし、酒も飲んでたしって、あーた、職場で、それも学校の教室で酒飲んでそんなことしてたのか。
沈翊が校庭で描いた絵を見せても、似ているか似てないかも分からないようです。
ただ、痩せ型でさほど背は高くなかったような気がする、と。
あっ。任暁玄は見つかった北江第七高校に編入した後、失踪前後で別の学校に転校してたのね。この学校で何かがあって、転校したけど…ってことか。
沈翊は、日記を持って瞿藍心の家を訪ねていました。
あの白いにゃんこがすっかり沈翊に懐いていて、膝に乗って撫でられてますわ。癒し♪
瞿藍心は、任暁玄の男友達に心当たりはないと言います。
画家はイメージを頭に浮かべないのかもと沈翊。私達は描いて記憶すると、瞿藍心は沈翊の語る日記の内容から、絵を描き始めました。
なんなく同じ絵を描く人として、シンパシーを感じてるっぽい2人。
任暁玄の日記から想起して描いた2人の絵は、似てるよね。
沈翊の絵の方がより女性的、瞿藍心の絵の方が少し少年っぽさが強い。
けど、あの文章からこれが描けるって、2人共すごいわ。
当時、美術クラスは全学年が一緒だったんだそう。
でもその男の子に記憶はないと、瞿藍心は言います。
当時の美術クラスの子達を集められないかと沈翊が頼んだのでしょう、瞿藍心は同窓会を開いてくれました。彼女もまた、真相が知りたいと。
瞿藍心と沈翊が仲良く準備している間、杜城が、すんごい疎外感たっぷりでお菓子食べてる(笑)
沈翊は、瞿藍心に、君はなぜ残った?と聞きました。
教師ではその才能が埋もれる。
瞿藍心は逆に、あなたはなぜ警察に?と聞きます。
並みの似顔絵師のレベルじゃない、と。
沈翊は、背後の杜城をちょいと気にしつつ、画家は不安定だけど似顔絵師なら月給制だと。
瞿藍心には、嘘だわと笑われちゃったけどね。
瞿藍心のほうも、その才能なら国内の一流大学で芸術家と交流できるのにと言われ、純粋な芸術は実現しにくい、名利や虚栄は人を惑わす、芸術を愛する生徒に教えたほうがいいと答えました。
会場の教室の片隅を物置状態にして、その中に隠れて杜城と沈翊は彼らを観察することにしたみたい。
そこに入った杜城は沈翊に、お前は嘘をついたと言います。
沈翊は全く動じず、先入観があれば、どう答えても気に入らないだろうと。
言われた杜城、気まずそうだわ。もう自覚してるからなっ(笑)
クラス界に集まったメンバーに、瞿藍心はゲームをしようと持ち掛けます。箱の中の紙に当時のメンバーの特徴を書いた、それを引いた人が絵を描き、誰だか当てましょうと。
トップバッターを自ら務めた瞿藍心は、特徴的な人物を描きだします。すぐにみんなは誰かを当ててしまいました。
どうやら残りのメモには、任暁玄の日記の文が描かれているらしい。
日記の少年自身か、その少年を知る者がいれば、何か反応があるはずだと沈翊は囁いてます。
瞿藍心は、みんなには簡単過ぎたようね、じゃあ、別の遊びにしましょう、同一人物をみんなで描くのよと、全員を黒板に向かわせました。
さすがは先生って感じのリードの仕方。
だけど、瞿藍心が任暁玄の日記の文章を読み始めた途端、反応した人物がひとり。
みんなが描き始める中、ひとりだけ棒立ち。
その反応を、沈翊も見逃さず前のめりになるんだけど、そこで杜城のお腹が鳴ります。
すかさず沈翊に、シィーッ!って言われる(笑)
お菓子を持ち込むべきだったと呟いたら、沈翊に食べかけの袋をほいっと渡される。ノールックで(^m^)
気まずそうに貰って口に入れた途端、ばりって音を出して、沈翊にめっちゃ厳しい顔でシーッ!と怒られる。…兄さん(大笑)
クラッカーだか成型ポテチか分からないけど、それ、音出さないで食べるの、難しいね。でも素直に口の中でもぐもぐしているよっ。
さて、会場では、全員が描き終えたのに、ひとりだけ未だ書かずに佇んでます。
瞿藍心に促され、仕方なく描き始めた彼を見る瞿藍心の目も、なかなかに鋭いな。
その様子を見ていた沈翊は、他の人達は迷いながら描いていたのに、彼だけは描き始めたら迷いなく一気に描いている、おそらくあの特徴を聞いた時に、誰を描くのか分かったんだ、と言ってます。
ぞろぞろと帰る人達。
瞿藍心は最後の彼、田林(ティエンリン)に、一番上手かったのに、描くのが遅かったのはなぜと聞きました。
確信が持てなくてと田林。
沈翊と杜城は、田林の描いた絵を見てました。
沈翊達の描いた絵にも似ているけど、もっと現実的な感じ。誰か特定の人物を想定して描いた感じ。
ずっと抑えていた気持ちを発散させたかのようだと沈翊。
これを描いた男は、知り合いか、もしくは日記を見ている、と。
同窓会のためだけに呼んだ訳じゃないなと田林が言った時、俺たちが頼んだんだと杜城と沈翊が。
田林を取調室に呼び、日記を知っているな、任暁玄の好きだった男子は君かと聞く杜城。
最初は、そう思っていました、と田林は話し始めます。
彼女を初めて見たのは校庭で、エイプリルフールの雨の日でした。
ちょっとびっくりよ。
田林は校庭でも授業中でも食事の時でも、余りにも任暁玄が自分を見ているし、笑顔を見せるから、そうなのかと思っていたけど、その他の場所では全く無反応だったので、日記を盗み見たんですと。
それで、自分ではなかったと気付いた田林は、嫌がらせを始めたらしい。
それは日記にも書かれていました。みんなの前で日記を取り上げて読んで、笑い者にして。死んでしまいたかったとまで書かせていました。
また罰を受けて校庭を走らされた。アイツのせいだけど先生に説明できない、私の味方はいないから。
教科書から死んだ鳥が出て来た。本当に怖かった。絶対アイツに決まってる。
雨の日の自転車は怖いのに、アイツに出くわした。水たまりの中に転び、アイツの背中を見た。
それ以上、聞けなくなって、そこまでにと言う田林。
これが日記の君だと言われ、「彼」が誰なのか知りたかったって言うんだけどさあ。
それでこんな嫌がらせをするって、ホントに高校生なの?クソガキ過ぎるダロ。勝手に勘違いしといて。
んで、男子全体を観察もしたけど、誰だか分からなかったんですと。
イジメの田林とわいせつ行為の趙梓鵬は、任暁玄の死には直接関与していない。
残るのは日記の少年だけだけど、現時点での関係者は誰も彼を知らない。
妙だよなと、運転しながら話す杜城だけど、沈翊はうとうと。
だけどもう、杜城は怒らないよー。普通に家まで送ってあげてるよー。
部屋に戻って、日記を見返していた沈翊は、気付いてしまいました。
田林は、彼女を初めて見たのは校庭で、エイプリルフールの雨の日でしたって言ってたけど、日記の4月1日は「晴れ」と書いてありました。
床に散らばっていた生徒たちの絵から、4月1日のデッサンを探した沈翊。影のつけ方等から、その日が晴れではなかったのではないかと気付きます。
任暁玄は、日記に嘘を書いていたのか?と。
次回、白骨死体事件解決編。
深く関わったのはこの人しかいないだろと思い浮かぶけど、その真相は、想定外だったー。
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