あらすじ
張屏と蘭珏は隠し部屋にいた玄機を捕まえ、摩籮(まら)村の一件の真相を問いただす。玄機によれば、摩籮族の妖女が蘭珏の父を操って罪を犯させたという。玄機は張屏が持っていた水器を見て、張屏こそ妖女の息子だと断言。張屏が摩籮族の印を克明に描けたことから、蘭珏も玄機の言葉を信じざるを得ない。その時、刺客が現れて玄機は凶刃に倒れてしまう。貴重な生き証人の玄機を失った蘭珏は、父親の名誉回復のため、ある非情な決断を下す。
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ネタバレ感想
玄機の他に、別の思惑を持つ人物の存在が明らかになった前回。
それを玄機は、摩籮村の生き残りが復讐しに来たんだと言います。
村を滅ぼした晩、玄機達は確認に行ったらしいんだけど、村人がみな硬直して亡くなっている中、笛の音がして、聖湖の湖面が妖術で沸き立ったのを見たらしい。
蘭珏があの笛の絵を取り出して見せると、玄機は、それは摩籮族の持っていた笛だと、この模様は摩籮族の印だと言いましたよ。玄機が、摩籮族を成敗するために関するものを集めたという箱の中に、同じ絵が入っていました。
でもちょっと待ってよ。成敗成敗って言うけどさ。
そもそもこの男は、ロクでもない嘘つきで、保身のためなら人を陥れるのも罪をなすりつけるのも平気でやるヤツ。
最初にコイツは、摩籮族は狡猾で残忍な南棟の間者だから、成敗に行ったと言った。
でも公文書には、玄機が摩籮族を成敗に行ったなんて記載はない。
摩籮村に行った理由から、嘘八百って可能性は高いでしょー?
蘭林も摩籮族も共に、いいように利用され、陥れられたんだとしたら?
だって、あの蘭林パパがそんな妖術に誑かされて国を裏切ったとか、こんな玄機みたいなヤツを頼ったとか、なーんかおかしくない?
だというのに、この模様をなぜかスラスラと描いた張屏を見る蘭珏の目がおかしい。
まあね、そこに疑いが芽生えるのも、分からないでもないけど。20年前、張屏はいくつだと思ってんのさ。
いかに玄機が生き残った最後の参考人だとしても、バカ正直な張屏よりも、腕の良い工匠の常巍(じょうぎ)よりも、なんなら必死で復讐のために毒薬を研究した埋葬人よりも、ずっとずっと信用ならん人物だというところ、冷静に秤にかけてみて頂きたいもんだわ。
苦節20年とはいえ、蘭大人、この件になると途端に視野狭窄になってしまうわな。
この期に及んでもこの男は、父君には悪いことをした、でも父君は私の名前を出さぬと約束してくれたとか言ってる訳よ。まぁだ見逃せと、皇帝と皇太后の元に突き出さないでくれと。信じられないわ。一連の告白は、ある程度は事実に沿った流れだったんだろうとは思う、でも自分の罪は誤魔化してるよね?
さすがに蘭珏も怒って、その首に刀を突き付けると、悪いのは私だけではない、元凶は摩籮族と妖術だって言うんだもん。これやっぱり、摩籮族に全部なすり付けてる気がするよ。
例えばさ、張屏が魘されるあの夢が、鏡花水月とあの水器が、摩籮村由来のものだったとしたら、苦若(くじゃく)と呼ばれていたあのちびっこ張屏は、摩籮村の生き残りの1人ってことでしょ。だから記憶にあったあの紋様の絵が描けた。でも当時の苦若は、どう見ても2、3才。泣きべそで逃げているようなチビ子に、何かができたとも、何かを知っていたとも思えない。
だから玄機が見た湖面の異変は、もう1人、生き残った人物がいるってことよね?
で、少なくともドラマの主人公の出自である不思議な村が、人目を忍んで山奥に隠れ住んでるような人達が、国に対してそんな悪さを仕掛ける理由がどこにある?南棟国との関わりも、でっち上げ臭くない?ってコトですよねえ。
だけど尚も、父君と私は被害者だと言い募る玄機。
妖術とはいったいどんなものだと蘭珏は聞きます。
玄機は、人の心が読める術だと言いました。一度かけられたら、どんな秘密も隠せぬ。
あー。この人、かけられたんじゃない?
手駒にしようと連れてきた摩籮村の女性に術をかけられて、何か秘密がバレちゃったから、慌てて村ごと滅ぼそうとしたのでは?それを察知したあの女性が、蘭林に助けを求めたとか?
こっちのほうが、納得する流れだけどなあ。
だけど、それを聞いた蘭珏は張屏を疑いの目で見ました。
張屏も、自分のカバンの中からあの水器を取り出します。それを見た玄機は驚き、どこで手に入れた、妖女の水器だぞって。
張屏は、自分に親はいない。師匠に拾われた時、これが側にあったと言います。
玄機は、もしやあの妖女の息子なのではと。かつて妖女は都で3才くらいの男の子を連れていた、と。
玄機達が摩籮村まで追った時、妖女はそれに気付いて子供を連れて逃げた。見つけた時には妖女しかおらず、子供と水器は消えていたらしい。
玄機があと一歩だみたいな感じでさ、張屏を敵の息子だと糾弾し、蘭珏に、お前の敵は目の前にいる、自分達は手を組むべきだと叫びました。
でもそこに刺客が飛び込んできて、玄機を襲います。張屏と蘭珏は、玄機を殺されまいと男に掴みかかるんだけど、蘭珏はあっさりと倒されてしまい、玄機を守れと張屏に叫びました。
逃げる玄機を追う男。それを追う張屏だけど、背中を刃物で切り付けられてしまい、2人に後れを取ってしまいます。玄機と男は階段を上って部屋に戻り、扉は閉まってしまいました。
扉の向こうで争う音や叫びが聞こえます。
なんとか張屏が、こちら側から扉を開ける仕掛けを見つけ、扉を開いた時、向こう側には、玄機と男が、2人とも倒れていました。先に殺されていた家令と共に。
家令と玄機は絶命。
辛うじて息のあった男に、張屏はお前を何度も見かけたと言います。
さっき、庭で荷物を運んでいた男。張屏が振り返って見た男。
楚啓児(そけいじ)の時にも、普請現場にもいた男。
摩籮族なら、何か知っているのならと、張屏は必死で呼びかけますが、男は死んでしまいました。
多分、逃げ出した玄機が男の刃に貫かれ、それでも必死に仕掛けを動かしたために、男は矢に当たってしまったらしい。
男の懐からは、あの笛が出て来ました。
倒れた蘭珏を背負って帰ってきた張屏。自分も背中に傷を負っているのにね。
目覚めた蘭珏は、玄機が死んでしまったと知り、取り乱します。
仕方ないのかもしれません。しれませんが。
蘭大人、メンタル弱すぎる気がするんですケドー!
必死で宥める張屏に、救えなかったのかと言う蘭珏。自分なんか、さっさと気を失ったクセに。
でもこれを見つけたと、笛を見せた張屏の手から、笛を叩き落としましたわよ。
で、言うにコトかいて自分も死ねば良かった、ですってよっ。
言い返した張屏に、蘭珏は旭東の剣を奪って突きつけちゃいました。はぁあ。
張屏、泣いてるよ。
父は冤罪で死んだ。
つまり私は蘭大人の敵ですか?
張屏は近付いて、自分の喉に剣先を突き付けます。
蘭大人の気が晴れるなら、殺してください。
蘭珏は剣を下ろし、自分達の間を斬るように剣を振って、お前とは袂を分かつ、去れと言いました。
お体に気をつけてくださいと言って、去ろうとした張屏は、傷のせいでその場に膝をついてしまいます。旭東が駆け寄って、深手を負っていますと言うんだけど、張屏はその手を振り払って、出て行きました。
立ち尽くす、しょーがねーおぼっちゃんを置いて、旭東は張屏を支えてったよぅ。とはいえ、外に出した途端、とっとと門を閉めたけどな?
張屏は、雨の降る中、蘭府の外で倒れてしまいます。
なんかさあ、いいシーンみたいに音楽流れてて、失意の蘭大人みたいな絵を見せられるけど、いやいや、私、腹立ってますよ?このメンタルヨワヨワぼっちゃんめ。
おまえ、今まで張屏の何を見てきたんだよっ。ったく。しかも玄機の言葉に惑わされて、だよ?
誤解が解けたとき、ちゃんと謝るんだろうな?え?
雨の中、倒れていた張屏を陳籌が必死で助け、運ぼうとして号泣してるわよ。可哀そうに。
メンタルよわよわのクセに、謀略だけは達者な蘭珏は、玄機の筆跡を騙って謝罪状を書き、真相を公にしようとしてました。旭東でさえ、これは偽証なのでは?って言ってるわよ。
しかも、その真相とやらの根拠は玄機の告白のみ。どこまで本当なのか疑わしいというのに。
でもそれが真実だと信じ込んでしまった蘭珏、黒化再び(笑)
張屏は張屏で、真相を突き止めたいと、こちらは自分の出自に関してもでしょうが、自分を拾ってくれた師匠の元、西川郡(せいせんぐん)の雲頭山(うんとうざん)へと向かいます。
もうじき科挙だと心配する陳籌を残して。
だけど、怪我も治っていないのに、一心不乱に馬で駆けたからね、山についた張屏はそこで倒れてしまいましたよ。
一方、絶賛黒化してる蘭大人。
王硯も傍らで、ちょいと呆れてる感じよ。君主を欺く罪だぞと。
蘭珏は、そんなもん、これが初めてではないと言い返します。郭允(かくいん)の時も龔毓貞(きょういくてい)の時もやった、しかも今回は父のためだと。
王硯は、今までは高官が相手だったが、今回は無辜の者を巻き込むと言います。
玄機の筆跡を真似ながら、極力巻き込まぬと呟いた蘭珏に、王硯は、張屏もだと言いました。
ギロリと王硯を睨んだ蘭珏は、息子なら母親の罪を償うべきだと叫ぶんだよ。
王硯は机を叩いて立ち上がっちゃったわよ。当時の張屏は子供だったのにと。
思えば、璃娘(りじょう)に逆恨みされた時も、この人、父親は冤罪だと叫んではいたけど、敵の息子にも償わせるって理屈で自分が殺されそうになったことは、結構納得してたんだよね。
何もしていない何も知らない子供が、親の罪を償うって。本当にそれでいいのか。しかもどう考えても、こっちも冤罪だよ。
言わずもがな、王硯のほうがまともよね。今のアナタは璃娘と同じ。
そっか、同じ闇を抱えてるから、璃娘の心理に納得できたってことか。
親友ならそれ以上言うな、10日後、謝罪状を取りに来いと言われた王硯は、怒って去って行きました。
だけどさ、必死で練習してるのに、玄機の字が書けないんですってよ(笑)
それはね、蘭大人、お父様が邪魔してるのよ。息子にそんなことさせたくないのよっ(^ー^)m
ほんっとーに、危うい人だよ、全く。
自分がしていることは、高潔だった蘭林をも汚す行為だと、なんで気付けないのか。
更に練習しようとすると、屋敷の中で猫が鳴きます。
旭東は野良猫だろうと言うんだけど、集中しているところで猫が鳴き、筆がぴょいっとなってしまう。
使用人が総出で猫探し。張屏のお椀にお魚が入っていて、それに猫が寄ってきていたみたいなんだけど、猫はどこにもいません。鳴き声だけがする。まるで化け猫ね。
てか張屏、いつの間に、人んちで猫に餌付けしてたんだ(笑)
イラつく蘭珏は、そのうち目まで霞んで来て、私の字を書くのは難しいか、郭允を陥れた時は、なんなくやってのけたじゃないかって、玄機の幻まで見えてきちゃった。はぁ、病み病み。
幻の玄機は、お前にはまだ非情さが足りないだとか、お前も私のようになれだとか言って笑うのよ。
ホントにね。あんなふうになりたいのか、アンタは。
その頃、張屏は師匠の家で目を覚ましてました。
庭のロッキングチェアみたいなのに座って、お酒飲んで寛いでた師匠、張大仙(ちょうだいせん)。
こんなにでっかい若いのを運んで来たのか?こんなおじいちゃんが?
すっとぼけてる師匠は、張屏に何も言わせず、座らせて傷の手当てをしてくれます。
かなり大きな酷い傷よ。そりゃあ、倒れるわー。
でも師匠は、張屏が自分の出自に疑問を持ってやって来たことに感づいてるみたい。何も聞かせない、言わせない。ただただ、心も体も休ませようとします。
とはいえ、張屏にとっては何よりも早く聞きたいことなのにねえ。何か言い難い秘密があるんだとしても、気を遣っているんだとしても、ここまで知ってしまったのに、こういう誤魔化され方はイヤだなあ。
それでも、ぽつねんと庭先の一画に座って、素直に薬を飲んでる張屏です。
ますます病んでいく蘭大人は、あの笛の裏側に「雍の者を殺し尽くす」と彫りこみ、証拠をでっち上げてました。さすがにさあ、旭東が何か言いたそうだよ。
だけど幻の玄機は、素晴らしい、だってさ。
これでもまだ目が覚めないんだねえ。玄機の幻と共に仲良く計画を進めて、すっかり玄機みたいになっていく自分に気付かないんだねえ。アホだな。
だけど、ようやく書けたと思って居眠りしている間に、その文書の上には猫の足跡(笑)
そしてまた、聞こえ続ける猫の鳴き声。
廊下に点々と続く猫の足跡を追う蘭大人が、見つけたと思って手を突っ込んだら、引っ掻かれてる。
旭東が、そこら中に張屏が猫の餌を置いてったのを、ぶつぶつ言いつつ片付けてるんだけど(^m^)
旭東達には、張屏が餌付けした猫が屋敷のあちこちで鳴いてて困ったな、程度のものが、蘭珏には自分を邪魔する化け猫みたいに思えてるんだろうな。
突然屋敷を出て、3日も帰って来なかったらしい蘭珏は、その間に、お金で偽証をしてくれる証人を探し出していました。偽証は一族皆殺しの大罪。無辜の者を巻き込まないトカ言ってなかったか?金に目が眩んだ庶民は「無辜」じゃないのか。
残るは供述書のみとなったらしい。蘭珏は最後に「張屏」の文字を書こうとしていました。旭東にさえ、本当にその名前を書くのですかと言われてる。てかさあ、積極的に張屏にも罪を擦り付けようとしてる訳ね。ホント、玄機に憑りつかれてる。情っけない。
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