あらすじ
張屏の「鏡花水月」の術によって、心の中をさらけ出した蘭珏は、父の蘭林(らんりん)が南方へと旅立つ直前、屋敷にやって来た謎の女の記憶をたどる。女が胸の前に下げていた飾り物を思い出した蘭珏だが、なぜか張屏はその模様までを克明に描いて見せ、蘭珏を驚かせる。翌日、張屏の麺屋台に、大勢の従者を連れた富豪の子息らしき若者がやって来た。麺を注文された張屏は若者の不遜な態度が気に入らず、追い返そうとするが、若者は意外な行動に出る。
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ネタバレ感想
王硯役の洪堯(ホンヤオ)さん、ご結婚、おめでとうございますー。
お相手は「瓔珞」の呉謹言(ウージンイエン)さんですって。同様共演されてたらしい「コウラン伝」のほうは見てないので分からないんだけど、瓔珞と弘昼カップルだー。
鏡花水月の心の世界の中に現れた、捕らわれの蘭林と処刑人の姿に心を乱した蘭珏は、水没。
現実の世界の中でも苦しむ蘭珏は、飛んで来た旭東(きょくとう)に、蘭の花を所望。
鏡花水月の術って、かかってる最中でも、現実世界の人が干渉できるのね。
蘭の花の香りを嗅いだ蘭珏は、ようやく落ち着きを取り戻し、子供の頃、蘭府にあった蘭の花を嗅いで楽しんでいた頃を思い出します。
この香りは、父親との思い出に直結しているっぽい。
蘭珏の「珏」というのは、澄んだ音を出す玉のこと、蘭は花の中の君子、高潔な君子たれという意味があるんですって。
ふむ。蘭大人よ。龔(きょう)尚書が、お父君が今のそなたを見てどう思うかと、思わず呟いちゃったのも分かるよ。
本当に正しく高潔な人だった蘭林の教えを、涙を浮かべて思い出している蘭珏。
傍らでそれを見ていた張屏は、心の魔を克服した今なら、冷静に思い出せますかと働きかけます。
その日、蘭林は異族の女性と密談しており、蘭珏は書物を読んでいた。
ふと、2人のいる部屋を覗いてみると、蘭林は遅くなるほど危ないと、遠方に行く話をしていた。
見えたのはほんの一瞬、姿かたちはどうしても思い出せない。
そう言った蘭珏は、女性の着ていた服と首飾りのことだけを思い出し、心の世界の中のちびっこ蘭珏とぶつかった衝撃で、目を開きます。
蘭珏が絵に描いたのは、異民族の装束を来た女性の姿と、胸にかかっていた三日月形の陶製の首飾り。
張屏はそれを見て、笛のようだと言い、どこかで見覚えがあると、すらすらと首飾りの紋様を書き足しました。
これ、あれだよね、何度か出て来たチビこ張屏の記憶の中にあった、木の紋様。
なんで私でさえ思い出せないものがと不思議がる蘭珏。張屏は何かの書物で見たのかもしれないと言いますが、これはもう、張屏がこの女性、もしくはこの異民族と何かの関係があるってことでしょーよねえ。
蘭珏が、摩籮村に関わるものか調べると旭東に指示して振り返った時、張屏はもうその場に突っ伏して眠りこけていました。
部屋の中で、眠っていた張屏は、あのチビこ時代の記憶に魘されてます。
それを見た蘭珏は、蘭の花を持って来させるんだけど。旭東はあの方法は旦那さまにだけ効くのでは?と半信半疑。自分には効かないのね(^m^)
気休めかもしれないが試してみようと、蘭の花を枕元に置くと、香りを嗅いだ張屏は、すうっと静かに眠り出しました。
え、効いちゃった。
うん。見ている人にだけ分かっている香嚢の謎。
8話で蘭珏が出立する蘭林に渡した香嚢が、9話の張屏の夢の中に出て来ました。
張屏は、蘭林とも面識があったのかもしれない。もしくは、あのお守り代わりの香嚢が、張屏の手に渡るなんらかの関連があったのかもしれない。
だから張屏にとっても蘭の香りは、小さい頃から慣れ親しんだもので、心を落ち付かせる効果があった、としか。
何度も夢の中で魘されるのは、それが失われている記憶だからじゃないのぅ?
翌日、張屏は普通に店に出ていました。
以前の時のように、死にかけることもなく、普通に眠るだけで回復してしまったらしい。なぜ?
もしや、それも蘭効果?
と、向かいの果物屋さんの前に立ち止まる一行が。
先頭の主人らしき若サマが桃をひとつ買い、その場で口にして、ぷっと吐き出し、去って行きます。
て、あれ。この人、皇帝じゃなかった?(笑)ふっつーに出歩いてんのね?
だけど張屏は、その行動を見て、明らかに面白くなさそうな顔になってるよね。この人が皇帝だなんて、知りゃしないもんね。
皇帝は張屏の店に気付き、お前がラーメン神探かと声をかけました。
返事もしない張屏に、陳籌がとりなしつつ返答するんだけど、煮卵入りの麺を注文されたのに、張屏は遊び半分で注文しないでくれと言っちゃいましたよ。
なぜそう決めつけるんだと言われた張屏は、裕福ゆえ、遊び半分で物を買っている、桃を買って一口で吐き出す者に麺は作らない、と。
慌てる陳籌に、私がものを粗末にすると決めつけるなと怒り出す皇帝。
私は食べると決めた、どけ、私で作る!て。
えー、陛下よ、麺作りからやっちゃいますかー(大笑)
張屏が途中まで作ってたのは、ぱらぱらの、日本蕎麦を打つ時の途中のほろほろ状態だったんだけど、陛下、そこにどしゃっと水を一気に入れちゃったもんだから、丁度王硯が作ってきたみたいなネバネバが出来上がっていくよー(^m^)
張屏も、ニヤニヤしちゃってますが。
陛下は、自分が食べ物を粗末にする金持ちボンクラ貴族だと誤解されちゃったのが、よほど悔しかったんでしょうね、作ってる途中でも、張屏に対してツンケンしててカワイイくらいよ(笑)
まあまあ、なんとか、少し細長いすいとんモドキみたいなのが出来上がりましたよ。
見かねた張屏が作り直すと言うんだけど、陛下はそれを断って、美味しくなかったんでしょうけど、しっかり完食しました。傍らに座る張屏が、笑いを堪えてるのにも気付いてたみたいだけども(^m^)
食べ終えて、にっと笑った陛下は、無駄にしなかったから少々尋ねてもいいかと言います。
他の店より安いのは、何か秘訣があるのかと。
粉は農家に出向いて、自分達で刈った麦を使っているから店で粉を買うより1文原価が抑えられ、卵も鶏小屋を作ったお返しに、安く仕入れさせて貰っているんですって。工夫してたんだね。
それを聞いた陛下は、素直に張屏を面白いと言います。
最初は高潔な君子気取りだと誤解していたと。
張屏も桃を吐き出すのを見て、ドラ息子だと思っていたと。
今年は雨が多くて桃は不作らしく、陛下は、芯が腐っていたから吐き捨てたんですってよ。
そして陛下の宣言。
だが、おまえを理解したから友にすると決めた。だって(笑)
陛下は自分を祁朱(きしゅ)と名乗りました。
で、ちゃんとお金を払って、麺づくりでは負けたが、他のことでは負けぬと言い残して去って行きましたわ。
おもろ。皇城でのウツケ皇帝の姿は、やっぱり演技だわな、これな。やっかいな皇太后への目くらましかな?
次にやって来たのは、大理寺の主簿。なんと、陶寺卿が張屏を呼んでいるんだって。
めーっちゃ喜んで向かった張屏ですが。
大理寺のあちこちが珍しくて嬉しくて、ついキョロキョロしちゃう張屏。
主簿のおじさんは、張屏を制御するのが上手いぞ(笑)
だけど、この間、蘭珏達と一緒に一度来てるよね。中までは入れなかったか。
菊の手入れをしていたマイペースな大理寺卿が張屏を呼んだのは、間違いなく大理寺で雇うためではあったんだけど、実は仕事は、掃除とお片付けだったのよね。
大理寺卿は調子のいいことを言って張屏を煽ててましたが、仕事内容はちゃんと話してはくれなくて。
張屏が、憧れの作家、暮葉生(ぼようせい)は、かつて大理寺に在籍していたのかと聞くと、一瞬止まった大理寺卿は「奇詭夜談(ききやだん)」の著者かと確認し、あのような娯楽本の中身は全て作り話だと断言しました。大理寺にいたなど聞いたこともない、と。
落胆しちゃう張屏だけど、あんなに詳しい内容や数々の事件は真実味を帯びていて、自ら経験しないと書けないものだと思うって食い下がっても、陶寺卿は笑って、自分は長年大理寺にいるけど、会ったこともないって言うの。
公文書庫に張屏を案内してくれた主簿は、おまえはなかなかの後ろ盾を持っていると言いました。大理寺で働きたい者は多く、工部侍郎の甥でも断られたんだって。え?と思う張屏だけど、あー蘭大人の口添えかと気付いたかな。大理寺卿には恩を売ってましたしね。
公文書庫の鍵と令牌を渡された張屏は、解決を急ぐ古い事件や怪事件の記録があれば、そちらを先に整理しますって言うんだけど、主簿はちょっと困ったように、お前の仕事は記録の整理ではなく、文書庫の掃除だと、ようやく伝えてくれましたわ。
瞬間、固まる張屏。
とはいえ、憧れの大理寺の公文書庫ですよ。
散らかってるのも見ても、そこを掃除するのも、張屏にとっては、わくわくすることのようで。
文書も手に取れるし、暮葉生が一晩腰かけて考えた蓮華鉢だの、推理をしていただろう部屋だの、本で読んで想像していた実物が、そこにはありました。
大理寺卿には誤魔化されちゃったけど、絶対にあれは作り話じゃない、20年前、ここに暮葉生はいたんだと、張屏は思いを新たにします。
そして、頑張る頑張る。
真面目な子だからね。蘭府での薪割り同様。
時々、文書を読みながら、お掃除とお片付けに励む張屏を、陶寺卿もこっそり覗きに来て、頷いてたりします。
公文書庫は、ぴかぴかになりました。
さて、夜の皇城、千秋儀の普請現場。
風が強いから、鳳凰が傷付いてしまうと気にして確認しに来たのは、張屏に息子の手紙を読んで貰ってた、馬おじさんかな?現場で作業員の仕事についていたのかな。
おじさんがかけてあった布をめくると、金の鳳凰のルビーの目から、赤い涙が流れているように見えました。びっくり仰天して逃げ出すおじさん。
だけどさあ、こういう時に、鳳凰が血の涙を流している、人が死ぬ前触れだと、一足飛びにそういう思考になっちゃうのは、なんなんでしょうねえ。それだけ昔の庶民は迷信深いってことなのでしょうが。
誰が、鳳凰の目に赤い何かがついてたら、人が死ぬって言い出したってんだよっ。と、これ言っちゃ、身も蓋もないな(^m^)
翌日。大理寺では、呑気な陶寺卿と主簿の前に、掃除と整理が終わったと張屏が報告。
更に、新しい発見があった事件と、判決に誤りがあった事件の文書をピックアップしてました。
陶寺卿は、さすがはラーメン神探とか褒めてくれますが、再調査をする気なんかサラサラないのよね。張屏は自分も関わりたいと告げるんだけどね。テキトーに誤魔化されて、こき使うのは忍びないから、今日はもう家に帰って休みなさいだって。
家に帰る途中で、張屏は、様子のおかしい馬おじさんを見かけます。
おじさんを家に連れ帰り、卵入りの麺を振舞う優しい張屏。
おじさんは、いつも届く息子からの手紙が今月は届いていないことで、何かあったんだと落ち込み、更に普請現場で金の鳳凰が血の涙を流しているのを見た、不吉なことが起きる前触れだ、うちの子易(しい)に何かが起きたんだと嘆きました。
張屏は、人が作った鳳凰が泣く筈はないよと冷静に言うけど、ま、悪いふうに悪いふうにこじつけまくっちゃってる人はさ、何言っても響かないよね。あるある。よくある(笑)
翌日、張屏は大理寺で貰った臨時の令牌を持って、普請現場に入り込みました。
その辺にあった作業員の服をちょいと失敬して、最上階の鳳凰のところに。
鳳凰の金は、色が不均等で、ルビーの目には継ぎ目が。
うん、すり替えられたな。これは偽物だな?
張屏は作業員の1人を引っ張ってきて、鳳凰に問題があると伝えるんだけど。
これさあ、ここの人にすぐさま伝えるのは悪手だろーがと思ったのは、私だけではあるまいよ。
一旦落ち着いて、蘭珏とか王硯とかに伝えなさいよ。誰が犯人か分からないんだし、現場の人間なんか一番怪しいじゃないのさ。
全く。そういうトコだぞー?分かってるー?
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