やっぱり、そうは問屋が卸さなかった残り15話。
だけどだんだん、なんだかなーとなってきた後半戦。
私も復讐と書いて来ちゃったけど、彼女は、運命に抗って大事な人達を守りたいってのが目的。だから彼らを脅かす相手には容赦しない。そのためには自分の心や評判なんか二の次。それは分かるんだけどな。
そもそも、やることなすこと先回りして邪魔されれば、嫌でも悪目立ちしてターゲットにされる訳だし、どこかで方向転換する道もあったんじゃない?と思っちゃってねえ。澹州行かない選択とかさ。
所感 ネタバレです
だって父親にすら、もういいじゃないかと言われてるんだよ。
陸安然(りくあんぜん)が細かいことを説明しないせいもあるけど、義弟の昀(いん)が、ひねくれて軍に入って、実質人質になっちゃうとかさ。昀を返して欲しければ、慶王府に側室として来い、とかさ。
もう、ほっといてもいいんじゃ?とも思うけど。ただまあ、今まで散々穆澤(ぼくたく)の邪魔してきたから、今回も昀が駒に使われたり、最前線に送られて見捨てられたりする道はあるんだよなー。
あ、それ前に、陸安然の母、沈蘭渓(しんらんけい)は、都の店での暴動に巻き込まれて亡くなってしまいました。陸安然が、穆川の品種改良米の完成祝いで踊っている間に。2人はここで、一緒に生きて行く未来をはっきりと思い描いたんだけどねえ。

暴動の時、穆澤の側近の黒い人が現場に。この人は蔡望津(さいぼうしん)みたいに独断では動かないダロと思ったんだけど、やっぱり指示したのは慶王妃、陸欣然(りくきんぜん)。
自分の母親の復讐ね。先に手を出したのはアンタ達だった癖に。毎度思うんだけど、先に手を出した側が復讐復讐騒ぐの、おかしくない?
ただ母親の死がショックなのは分かるけど、陸安然も、ここまで心配して送ってきてくれた穆川に、帰ってって叫ぶのは、どうなの?そういうトコだぞ?
陸欣然との不貞で投獄されていた蔡望津もまた、陸安然が策略を巡らせるのは陸家を朝廷の闘争から遠ざけるためだと気付いて、陸安然に気を付けろと穆澤に言い残し、自害してしまいます。
昀の件は陸安然が、腹違いの弟なんかもう気にしない、死んでも側室にはならないと穆澤に宣言したことで、人質としての価値はなくなっちゃった。
すると穆澤は、精神を病んだフリをしていた陸欣然の計略に乗り、敵国と通じた罪で父親の陸軽舟(りくけいしゅう)を捕えます。これは前回と同じですな。
更に陸欣然は、陸安然のことも、山の中の棺に入れて生き埋めに。
だけどそれを聞いた穆澤は豹変。陸欣然を脅して陸安然の居場所を吐かせようとするんだけど、陸欣然は絶望して飛び降りてしまいましたよ。ふぅ。
その頃、穆川も沈長青(しんちょうせい)達と共に必死に捜し、ようやく陸安然の棺を見つけます。
その様子を、遅れてきた穆澤も見ちゃってた。相当複雑だったんだろう。寝込んでる陸安然のところにやって来て、陸軽舟を人質に、お前が憎いから娶るって宣言しちゃう。
全く。陸欣然の言ってた通り。穆澤は陸安然を愛しているのに、虐げて憎むっていう、なんってめんどくさい拗らせ方なんだっ。
だけどそれも、安然ねーさんのせいでもあるんだよね。ほどほどで止めときゃ良かったのに。
自分でも生き埋めの時に、やり直す機会を貰ったのに、なんで全てを捨てて穆川と生きる選択をしなかったかと後悔してたけど。こんな宣言されてしまったら、もう全てを捨てて逃避行も無理ですわよ。
更に皇帝も、陸軽舟の無罪を頼みに行った穆川を、陸家の事業が手に入るこんな好機はないと言ってはねのけ、双魚令と譲渡証を渡しに行った陸安然にも、父親を解放し、陸安然に水運の管理を任せる代わりに、穆川とは二度と会うなとの条件を出しました。
皇帝はめっちゃ穆川を可愛がっている模様。国の希望の星と謀略を巡らせる陸安然とでは、釣り合わないんだってさ。
そうなれば、どうせ安然ねーさんは本当のことを告げず、悪ぶって穆川を遠ざけて慶王の側室になるんだろうよと思ったら案の定だよ。苦渋の決断だとは言っても、この傷つけ方はないわ。穆川ほとんど廃人になりそうだったじゃんっ。
話し合っても簡単には納得してくれないだろうし、穆川が騒いだら立場を悪くさせちゃうと思ったんでしょうけどさー。
穆澤も、安然と九弟を傷つけてしまった、なんて呟いてましたが。何言ってんの、他でもない元凶が。
確かに今回のこの人は、冷酷な皇帝だった前回とは違う。
だけど相手を疑って疑って、条件出して脅迫して身動きが取れないようにして思い通りにさせるという手段を講じておいて、自分の真心を分かってくれない、心を開いてくれないって、それは無理な相談よ。
彼の悲惨な生い立ちも出てきて、だから歪んでいるのは仕方ない的な描き方だったけど、ならば何したって許されるって話じゃない。それは陸安然にも言えることだけど。
ただ、陸安然も相手を操ろうとしたのは同様だけど、少なくとも安然は、自分の気持ちを分かってくれ云々なんてのは、全て除外してた。陸家と穆川の命を守るが目的だったから。だから穆川にもあの対応だった訳だけど。それは分かるの、分かってるんだけど、ワンコ顔穆川の悲嘆が辛かったのよっ(泣笑)
でも、自分では真心だと思っている穆澤の歪んだ執着を演じる経超(ジンチャオ)が、お上手なんですよねえ。この人、こういう歪みを抱える役が多いのかなあ。「流光城市」もそんなだったよね。だから見ていてつい絆されちゃう気持ちも分かる。私はダメだったけど(笑)
蕭驚雀と蕭映将軍の謀り事解決に何話使ったんだろうな。
可哀そうな霊奚(れいけい)事件、沈長青(しんちょうせい)の心臓は逆だから左胸を刺されても助かる事件、穆川激高して陸安然を刺しちゃった事件、冬青の偽装仲違い事件、蕭兄妹の謀り失敗誅殺事件、穆川暗殺未遂事件などなどを経て、よーーーやくだよ。よーやく穆川が陸安然の秘密と真意を知りました。27話かな。
なんだかんだ、やっぱり沈長青と冬青兄妹の存在は大きいね。
どこぞの兄妹と違って、こっちの兄妹のやり取りは毎度、ほっとするとこある。
穆川は、普通では信じられないような陸安然の、自嘲の混じった号泣の告白を何の抵抗もなく信じました。愛する穆川を守ろうと必死で遠ざけたのに、その願いも空しく死なせてしまったと思ったからこそ、相手は死んでると思ったからこそ、やっと口に出せた真相だったからねえ。

そして穆川くんも立ち上がります。
君の犠牲で得た平穏などいらないって台詞が良かったよ。考えたらそういうことだよ。
よくよく考えたらこれも全て、「よかれと思って」の罠かもしれない。中国ドラマにはものすごく多い、相手の意思を無視した「よかれと思って」(笑)
穆川は、水路事業の完成に便乗して陸安然を連れ去ろうとしたんだけど、陸安然はあなたを残して逃げられないと、自分を信じてくれと言って、慶王府に戻ります。
でもそこで、いつも余計なことばっか囁くばあやに唆された蕭驚雀の最後っ屁(笑)
蕭映将軍の死について、皇帝への直訴ですわ。それを信じてしまった皇帝は、元々疎んじていた慶王と陸安然に怒り心頭。
そもそも穆澤は、このおっさん(^m^)が、酔った勢いで良妃の侍女に手を出して出来た子。だけど良妃は自分の子とした。で、子供だった穆澤自身に、本当の母親への毒杯を渡させ、目の前で死なせた。良妃は最期まで白状しなかったらしいけど、皇帝は侍女の子だと知っていたから、穆澤を卑しい出自なのに野心ばっか強いと疎んじてた。け。アンタのせいで出来た子だろーに。頑張っても認めて貰えないから、必死になり過ぎて歪んだのに。
穆川のほうは、嫁いで来ても全く自分に靡かないどこぞの公主の子だったらしいんだけど、公主は穆川を育てもせず、自害しちゃったらしい。だから穆川は、皇帝の中では出自の尊い不憫で有能な欲のない可愛い子。
ついでに、そんな2人は子供の頃、食べる物にも事欠く生活をしてたんだけど、穆川がお腹をすかせた穆澤に、もう一個あるからと渡した焼餅。それを穆澤が食べきった時、フラフラになってた穆川の懐に「もう一個」はなくて、穆川も餓死しかけてた。だから穆澤にとって穆川は、自分も死にそうなのに、食べ物を譲ってくれた優しく愛しい義弟だった訳だ。
その後、この2人がどうやって生き延びたのか不思議だけど、まあまあ、そこは目をつぶろうか(笑)
ってな訳で、皇帝の元に呼ばれた、穆澤と陸安然ですが。
皇帝は元々穆澤を太子にする気などサラサラなく、金杯と普通の食事を並べて、太子になりたいなら金杯を、慶王として恙なく生きたいなら普通の食事をと選ばせます。
金杯を選んだ穆澤に、それは毒杯だと言って、だけど一旦手に取ったからには手離すな、でも死にたくないならそれを陸安然に飲ませろと迫りました。
結局、穆澤は毒杯を陸安然に飲ませようとします。
と、そこに穆川が現れた。
陸安然が穆澤から受け取ろうとしていた毒杯を取って、その場にぱあっと捨てちゃいます。
穆川は以前、斉王の位も貰っていたし、皇帝からこっそり兵権を委ねる詔も貰っていて、心が決まったら受け取れと言われてたんだけど、権力はいらないと保留してた。それを使い、大事な人を守りたいから権力が欲しいと訴えます。
ここは刑場ではない、罪名さえ決まらぬ者を殺してはならないと。
皇帝にとっては、玉座を継がせたい可愛い息子がやっと決心してくれたのが嬉しい訳で。
あっさりとそれを飲み、陸安然と穆澤の命を助け、穆川に兵権を委ねて、実質次期太子は穆川みたいな流れに。
権力なんかより、自由のまま国のためにできることをしていきたいと願っていた穆川が、自分のために権力を手にすることを選んでしまった。感動もするけど、後悔も大きい陸安然は驚いちゃうし、長年渇望していたものをサラリと搔っ攫われた穆澤は、呆然としちゃうし。
家に帰った穆澤は、この事態を引き起こした蕭驚雀の元に。自分の罪だと縋るばあやを刺し貫き、蕭驚雀も手にかけようとしたんだけど、寸前、蕭驚雀は妊娠していると飛び込んで来た陸安然。
助けられた蕭驚雀は、嫁いできたのは穆澤と闘うためでしょ、なら頑張ってよと呟きます。
陸安然は蕭驚雀に、以前の自分を重ねちゃってるね。前回も今回も霊奚を死なせた敵だけど。
監視の目を搔い潜って、穆川と密会した陸安然が、いろいろと諦めて心を決めた穆川に、そんな冷酷な顔は初めてよって言ってたけど。うん、そんな冷酷に見えなかった(笑)仕方ない、そういうタイプの顔じゃないのよっ(^m^)
翊王もまた慶王同様、狙ってた兵権を奪われてるから、燃灯大典の日に、皇帝と穆川共々暗殺しようとしてました。気付いた穆澤が穆川暗殺の仕掛けだけ潰し、だけどこの騒ぎに乗じて、皇帝と翊王を消そうと企てた。それに気付いた陸安然も慌てて、皇宮へ。
だけど炎の中で、自分が皇帝に立つ宣言をした穆澤の後ろから、死んでなかった皇帝が出て来ちゃいます。皇帝も、翊王と慶王の動きは全部把握済みでした。
流石にね、もうお終いだと悟った穆澤は、今まで溜めに溜めていた鬱憤を皇帝にぶつけます。
誰のせいだ。国に報いようとどんなに尽力しても、努力も熱意も踏みつけられ、何をしても疑いの目で見られた。私だっておまえの息子だ。どうして蔑む。
このおっさん、息子がそんな思いで必死に食らいついてたことを、全く予想だにしてなかったらしいよ。お陰で息子は、歪んだ承認欲求と権力欲を、こんなに肥大化させちゃったんだぜ?
そこに陸安然が駆けつけるんだけど、穆川!と叫んで走ってくる。
分かっちゃいても、穆澤の驚きの顔よ。んで、穆澤は陸安然を人質に。
2人揃って殺されそうになったのを止めたのは、穆川でした。
逆賊として身を隠さなくちゃいけなくなった穆澤。蕭驚雀は同行を拒否して自害。
陸安然は隠れ家に捕えられてましたよ。だけどようやく本音をぶつけてるわよ。
穆川は私に毒杯を飲ませたりしない。自分を愛さない者には愛を強要する癖に、蕭驚雀の愛は踏みにじった。
その頃、慶王府を調べた穆川は、隠し部屋にあった品を皇帝の元へ。
穆澤の本当の母親の位牌や、昔の思い出の品、調べていた役人達の汚職の証拠、だけど翊王に潰された跡、子供の頃の手習いに皇帝が評価を入れた半紙、戦場から凱旋した時に皇帝から貰った賞状なんかも、大事に保管されてた。そこに残されていた想いを、ようやく皇帝も思い知ります。
要するに、自分が長年下手打ったせいで、上手く使えば相当な傑物になるはずだった1人の息子を破滅させた訳だよ。アンタが一番反省しなはれ。
慶王、翊王、斉王の他の息子はどーなってんの?は分からないけど、虐げられて育たなければ、心根が真っ直ぐに育っていれば、皇帝としての資質は慶王、その良心として懐刀として支える資質は斉王、だもんね。それが一番、国が栄えたんではないかなと思うわよ。
穆澤さえ歪まなければ、陸安然の不幸もなかったかもしれなかった訳で。元凶はこのおっさんのほうだった…

こんなふうにね。この2人だけはしっかり心が繋がってたのにね。
穆川の働きのお陰で、穆澤を呼び戻して、釈明の機会を与えてやらねば、となったのに。
あのプライドの高い穆澤が、この現状に甘んじているはずもなく。
怒りに任せて陸安然の首を締め、意識を落とした隙に、蜂起してっちゃいました。必死で居場所を捜していた穆川くんも間に合わず。
最後は道連れにはしなかったんだねえ。気を失った陸安然のうわ言を聞いて真相を知った、そんな悪夢に囚われていたのか、みたいなテイにしてましたが。ちょいと無理がある。でも確かに一人だけ、何も知らずにジタバタしてたから、種明かしはしないと可哀そうではあったけど。
穆澤は離縁状を残していました。
まあ、こうするしかないでしょうなって結末ではありました。
これだけのことをしちゃって、太子となった穆川と即結ばれるってのもないしなー。
陸家と父親と昀は守れたし。
ただこれ、番外編があるようです。
5年の歳月が必要だったってことらしいよ。そしてそこでもまた、沈長青と冬青兄妹が、すんごく暗躍してくれたらしいよ。
やっぱりいいわー、あの兄妹。見られないのが残念です。
冬青役の韓烨(ハンイエ)は、「明蘭」や「紳士探偵L」にも出てたらしい。どこかで見たことあると思ってたけど、記憶には残ってなかったー。
沈長青役の楊彤(ヤントン)は、初めてかな。慶余年二期に出てるらしいけど、あんまり出番は多くはなさそう。
ひとつ不思議で調べたのは、穆川が太子を拝命する時に、冕冠(べんかん)を被ったこと。
これって皇帝だけのものじゃないんだ?と思って。
そしたらあれは皇帝専用ではなく、儀式用の礼服みたいなもので、身分によって、すだれの数や玉の数が違うんだそうな。知らなかったー。
途中、主人公が過激過ぎて、ちょっとなーはあったものの、それもまた自分の心なんか殺しても愛する人を守りたいからだと分かっちゃいるものの。ショックに打ちひしがれるワンコ顔穆川が、カワイソ過ぎたんだよねえ。翟子路(ジャイズールー)くん、とってもお似合いの役でした。
作品情報
- 制作 2022年発表 全30話 芒果TV
- 原題 「覆流年」
- 監督 易军
- 脚本 徐燕 、 陈瑶

人物相関図

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