あらすじ
魏無羨は暁星塵の骸のもとへ導いた白瞳の娘の記憶に入り込む。10年前、失明したふりをして盗みを働いていた阿箐は、ある時 同じく失明した暁星塵に出会う。阿箐は暁星塵と旅をするようになるが、道中瀕死の男を発見、義城の義荘で治療してやることに。その瀕死の男こそお尋ね者となっていた薛洋だった。阿箐は薛洋を悪人だと疑うも、薛洋は正体を隠して目の見えぬ暁星塵と平穏な日々を送っていた。だが3年後、義城に宋嵐が訪れ…。
ドラマ公式サイトより引用
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ネタバレ感想
さて、しんどい義城編。
魏嬰は、阿箐(アージン)に共情するため、精神安定に効力がある江家の銀鈴を持っている金凌(ジンリン)に監督を頼みます。師姐の形見のレンコン腰牌についてるのかな。
例によって何か文句言わないといられない金凌だけど、嫌なら私がやりますよと思追(スージュイ)に言われてしまい、自分がやるもん!ってね。
いるね、こういう子(笑)そしてそれを景儀(ジンイー)にすかさず突っ込まれる。そうね、金凌お嬢さまの軌道修正には、景儀くんみたいな人が必要かもしれない(^m^)
阿箐との共情で魏嬰の見た記憶。
暁星塵(シャオシンチェン)との出会い、薛洋(シュエヤン)との邂逅、宋嵐(ソンラン)のこと。
10年前、阿箐はひとり、盲目のふりで施しを受けたり、スリをしたりしつつ、逞しく生きてました。
ある日、町で、なぜか本当に盲目となっていた暁星塵にぶつかり、財布をすったものの、見えないとはいえ腕の立つ仙師の彼には、すぐに気付かれてしまいます。
逃げようとした時、少し前に財布をすった男にも見つかってしまい、それを暁星塵に助けて貰った阿箐は、彼と同行することに。
ちゃっかり者の阿箐の話を、笑いながら聞く暁星塵の表情にほっこり。
時系列としては、暁星塵と阿箐が出会ったのは、16年前の不夜天城の崖落ちから6年後なんですよね。共情をしている現在から10年前と言っているので。
で、後にまた出て来ますが、暁星塵と宋嵐は一緒にいることをやめてしまって16年です。
16年前、宋嵐が夷陵で倒れていたのを、金丹譲渡直前の魏嬰が見つけて、温情に治して貰ったことがありました。18話でしたね。
あの時、宋嵐は、門派の白雪閣を薛洋に滅ぼされ、自分も目を怪我させられて「暁星塵に伝えよ、俺からの贈り物だとな」と言われてた。白雪閣が狙われたのは、暁星塵のせいだって言われたのよね。
だからあの時、暁星塵については言葉を濁してた訳ですね。変な話だった訳ですよ。
宋嵐は暁星塵に連れられて抱山散人(ほうざんさんじん)の元に行き、目を治して貰い、その時の傷が治りきっていない状態で、魏嬰に発見されています。なので、温情は休めば治る的なことを言ったんだけど、ちょっとだけ、何か言いたそうにしていて、でも言わなかった感じではありました。
きっと気付いていたんでしょう、医者だから。
だってほら、今現在、暁星塵は目が見えないのです。
あの時、目を潰された宋嵐に、代わりに自分の目をやりたいと、師匠の抱山散人(ほうざんさんじん)にお願いに行ったとしても、おかしくはない訳で。暁星塵と魏嬰は、似たようなことをしたんだよね。
だけど、6年経っても包帯に血なのか?ふむ。
一緒に歩いていた時、阿箐は藪の中に倒れている男を見つけてしまいます。
でも、盲目の設定だからそれを言い出せず、疲れたからこの先の町で休もうと誤魔化すと、優しい暁星塵はおんぶしてくれるっていうのよー。
肖戦にも王一博にも負けず劣らずの細っこい宋継揚(ソンジーヤン)くん、大丈夫か?と思ってしまったけども(笑)
直前、暁星塵は、血の匂いに気付きます。惜しい。おんぶ未遂。
でも目隠しのまま、草の生えてる地面デコボコの藪に入ってくのに、全く躊躇いもない歩調がスゴイ。事前に、歩数とか歩幅とか数えてたんだろうかと思うと萌えるわ♪←
倒れていた男は、深手を負っているものの死んではいませんでした。
阿箐じゃなく、もっと重そうな男を背負って歩く暁星塵(笑)
この時、彼の目が見えていたらあんなことにはと。ホントにさ…
そこは義城の石碑の前、町の入り口でした。
義荘に連れて入り、男を座らせて、暁星塵は阿箐に何か使えるものを探してって言うんだよ。
阿箐はすぐに周囲を見て桶があるわって言っちゃったけど、暁星塵、全然疑ってないのね。かまどで水を沸かせって。
ここでしっかり男の顔が映ります。
薛洋でした。うう。よりによって。
見えない暁星塵は、まず薛洋の口に薬か何か入れて、あちこち触れて確かめるんだけど、右手は触っても、小指のない薛洋の左手には触らないんだよねー。偶然の悪戯。左手に先に触れていたら、すぐさま気付いただろうに。というか、意識のないうちに、どうしてもっと注意深く調べなかったんだー(涙)
血を拭われて、薛洋は気が付きます。目を開けたら、そこに目隠ししてる暁星塵がいたら、そりゃ驚くわな。見えてない、気付いてない、自分を助けようとしてくれてる、あの暁星塵が。
2人共、盲目だと知った薛洋は、即、知らない人の振りをしました。
でもさ、手当てして貰って、いろいろ注意を言われた時の薛洋の顔は、このまま騙してやろうっていうより、初めて人から受けた親切に驚いて、嬉しいと思ってしまった、みたいな感じだったんだよね。
悪党の本性は変わらないままに、そこに強い執着が生まれていくんですわ。
義荘の中での、奇妙な同居生活が始まります。
薛洋は、阿箐の目が見えないことを疑って、いろいろと試すんだけど、利発で肝の座っている阿箐は、尻尾を出しません。飴を投げつけられても、剣を突き付けられても。薛洋のことは本能的に、信じてはいけないと感じていたんでしょう。まあ、目の開いている盲目の設定だから、その表情も目に入ってるしね。
薛洋は幼い頃、好きだった飴が食べられず、成功したら食べきれないほどの飴を持つのが夢になっていたんだそう。これは本当のことね。
暁星塵は目が見えなくても夜狩に行き、邪崇退治をしていました。
屋根の補強のためにゴザを手にして戻ると、薪を集めてきた薛洋が、その作業を買って出ます。
その隙に阿箐は、薛洋にわざと「狩り」と言ったら「夜狩」だと、仙師でないと知らない言葉で修正された、身分を隠すなんてアヤシイって伝えるんだけどね。傷が治ればすぐ出て行くさって、呑気な暁星塵。
そこは、危機管理ができないと生きてはこられなかった阿箐と、腕が立つだけにそこら辺は素直でもなんとかなってきた暁星塵との違いかもなあ。
それに薛洋は、暁星塵にだけは油断なく、ひょうきん者を装っていて、君がいると笑ってしまって剣が握れなくなるなんて暁星塵に言わせるくらいだからねえ。
その後、夜狩に薛洋と共に行くようになった暁星塵は、薛洋に騙されて、傀儡にさせられた村人達を殺しまくるようになります。これ、傀儡にしてるのは薛洋だよね。こうしてあちこちでやらかしてきたのでしょう。罪もない人達の舌を切り、傀儡にして暁星塵に切らせるって形で。
これが「死体の傷跡から、凶器は暁星塵の霜華(シュアンファ)だと分かった」件の真相。
常氏の生き残り常萍(チャンピン)が両目を失って殺されたのは、薛洋なりのやり方かね。
それを目撃した阿箐だけど、ひとまず今のところ、死体はみな白瞳だからね。
ただ、薛洋の恐ろしさを知った今では、目の見えない設定は自分を守る事にもなるんだけど、優しい暁星塵が何も知らないまま、薛洋に騙されていくんじゃないかと心配はしてるっぽい。
そんな薛洋は、自分達を見てバカにするような物言いをする町の人を、暁星塵に隠れて脅して野菜を奪ったりしております。
そんな生活が続いて3年後。阿箐は相変わらず町でスリをしていて、その帰り、宋嵐に出会います。宋嵐は暁星塵を探していました。ただ、友達なのかと聞かれて歯切れが悪かったのは、以前と同じ、白雪閣の件があったからでしょう。でももう、この時点で約9年前のお話なのよね。当時の対応、多分白雪閣を滅ぼされた怒りを、宋嵐は暁星塵にぶつけてしまったんでしょうね。それを反省した後の、知己の手を自ら振り切ってしまった悔悛後の、歯切れの悪さかな。
というかさー。薛洋は暁星塵だけが追ってたの?10話で、宋兄はただの通りすがりだって、暁星塵の台詞がありましたが。納得して一緒に戦ってたんと違うの?恨みを持った薛洋が暁星塵をターゲットにして、周囲を巻き込んだ形ではあるけど。
そんな宋嵐がひとりで夷陵に倒れていたのは、罪悪感を抱いた暁星塵がそれ以上一緒にはいられなかったか、宋嵐が拒絶したか、どちらかでしょうね。両方かな。
阿箐に案内された宋嵐は、そこで仲良くしている暁星塵と薛洋を見てしまいました。
驚く宋嵐に、阿箐は悪玉だけど名乗らないから誰だか知らない、けど、白衣兄さんに救われてから、一日中べったりだと言います。
宋嵐は涙を流して、怒りに震えました。
でもさあ。相手は薛洋なのよ。
なんで真っ向から行ったのかなあ、ほんと、善人ってのはやり方がさーあ?
共情をしている魏嬰と阿箐の様子も、乱れます。
とぎれとぎれの映像では、首にヒビが入った宋嵐を、暁星塵が斬るところ。
心配した少年達が鈴を鳴らすと、一旦戻って来た魏嬰だけど、これからが肝心なのよ。
どうやら、暁星塵の霜華は、毒に侵され舌を失った相手だと、人間か邪崇かの区別がつかないのだそう。なるほどね。おのずと怨念を引き寄せるというのは、仙師の武器とはそういうもの、ってことでいいのかなあ。倒すことが仙師達のお仕事だからね。
目が見えぬからと、これほどまでに欺くとはと言った宋嵐に、薛洋は、その目は誰にくれてやったと思ってるんだと言います。
ハッとなってる宋嵐。いや、知らなかった訳はないんじゃないの?えー?
ここも、魏嬰・江澄みたいに、貰ったほうは大切なものを貰って復活したってのに、それを知らないまま恨んでたってこと?
普通なら、宋嵐のほうが遥かに強いんでしょうけど。
ここまでは優勢だったけど、精神的に抉られていくんだよ、ここから。
尚も薛洋は続けました。
白雪閣を滅ぼした時、宋嵐が暁星塵に何と言ったのか。
おまえは今、どういう立場で会いに来たのかと。
目を貰ったのに、宋嵐は会う必要はないといい、暁星塵は黙って姿を消したんだそう。
薛洋が白雪閣を滅ぼしたのは、暁星塵が原因。宋嵐が怒りに任せて、暁星塵との関係を壊したのは、まんまと薛洋の策略に嵌ったってことなんだよね。薛洋の思う壺になったんだよね。
言われて、ようやくそのことに気付いた宋嵐なんだわよ。
動揺したところを、薛洋に陰虎符を使われ、宋嵐は傀儡となって舌を切られてしまいます。
それでも薛洋に向かっていったところ、門の中から飛び出してきた暁星塵の霜華に背中から突き刺されてしまいました。霜華が導いたのだと暁星塵は言います。こういうことか。あ、御主人、傀儡がいたよ!って連れて来ちゃうんだ、霜華って剣は。
宋嵐は震える手で自分の剣、拂雪(フーシュエ)の刻印を暁星塵の指に触れさせようとするんだけど、直前で宋嵐の目は黒瞳となり、意思が持てなくなって剣を取り落としてしまいました。
宋嵐を蹴り飛ばして、何事もなかったかのように門の中に入っていく薛洋。
一部始終を見ていた阿箐。
意識を戻した魏嬰は阿箐に、本当は目も見えたし話せたんだな、薛洋のせいだなと念を押し、少年達を傀儡の襲ってこない義荘に残して、出て行こうとします。
景儀さえももう「莫先輩」と呼び、何を見たのかって聞くんだけど、魏嬰は話せば長いからいずれ説明すると、でも薛洋だけは生かしてはおけないって言い残します。
通りに戻ると、藍湛と薛洋、温寧と宋嵐はまだ戦い続けていました。
温寧に宋嵐を抑え込ませた魏嬰は、前回抜いたものの別のもう一本の刺顱釘(しろてい)を抜きます。
温寧に刺さっていた刺顱釘よりずっと細くて、材質も違うらしい。操る力も温寧のもののほうが強かったってことかな。
魏嬰は、これできっとすぐに理性を取り戻すって考えてるけど、でもなんであの時、2本とも抜かなかったんでしょね。抜いとけば、暴れ出さなかったでしょーに。
さて、薛洋と藍湛。
戦っている間に、暁星塵の霊識の入った乾坤袋は飛ばされ、魏嬰の手に。
返せと叫ぶ薛洋は、いつもの人を小馬鹿にした顔じゃなく、余裕がなくなってるかな。
藍湛は全く無傷で余裕ですが、薛洋はあちこち傷になっているようです。
決着はつかないまま次回へ。
次回は薛洋の異様な執着があきらかに。
とは言っても、あんな生い立じゃなかったら、ここまで歪んではいなかったんだろうか、どうなんだろうと、ちょっと考えさせられちゃう内容です。
薛洋役の王皓軒(ワンハオシュエン)くんも次回の、薛洋がひとりで頑張ってみるシーンが一番印象深かったみたいだよ。だろうなあ。
勿論、何一つ悪くない暁星塵は、余りにも気の毒過ぎるんだけどさあ。
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