あらすじ
姜虎豪ら車引きたちは、上海で日本軍と戦う第19路軍に命がけで物資を届け、魏若来も自ら参加し、救国のため決死隊員となった林樵松ら囚人に命を救われる。日本軍が撤退すると沈図南は建設公債を発行、彼自身や魏若来も購入し、央銀をはじめ各銀行にも団結して購入を呼び掛けるが、虞世清は罠を仕掛ける。
みるアジア
ネタバレ感想
沈図南(シェントゥーナン)は、虞世清(ユーシーチン)がまとめる上海銀行公会の会合に出向いてました。
みなさんに2つ、頼みがある、と。
上海銀行公会は、日本への抗議のため、無期限休業に応じて欲しいこと。
十九路軍の軍人俸給の調達。
どちらも難しいと虞世清。
日本は租界には絶対に手を出さないと、英米の領事に約束している。
抗議のために一斉休業したら、租界と商工部門を困らせる。
中国人なら、まず国民の利益を考えるべきって図南に、張鳴泉(ジャンミンチュエン)は、勿論考えているが、南京と武漢の公会から、大局を重視せよと電報が来たと言います。彼らは休業には納得しないはず。
でも図南は、こんな時こそ団結が必要、休業で自分達と諸外国の態度を示すべき、でないと日本は各国に支持されていると考える、休業してこそ国際世論はどちらが正義かを悟る、と主張。
虞世清が賛成し、3日間の休業が決まります。
十九路軍への軍人俸給については譲れないと図南。
十九路軍には二か月欠配が続いているが、政府の口座には残高がないんだそうな。
七宝街では、怪我人の世話やなんやで大変なことに。
日本は住宅街を爆撃していて、病院も満員、薬もない。
租界にも10数万人の人が逃げ込んだらしいけど、租界警察が追い出してるんだって。
そこに近真が、マントウを運ばせて来ました。
危険だから帰ってと言う若来を怒鳴りつけ、こんな状況なんだから手伝うわと。
そう言った近真は、若来の手に紙に包んだ銃を渡します。護身用よ、使わずに済めばいい。
ここ数日、別のドラマ等々見ていて改めて気付いたんですが。イボくんや李沁、王陽の表情の作り方はやっぱりすごいね。
王一博という役者は、ここ数年の経験で、かなり上手くなったんだなあと感じます。
その時、十九路軍からの街頭アナウンスが聞こえてきました。
日本軍が東北三省を占領。国は滅亡に瀕している。最近の上海の殺人や放火は、世界から見ても暴挙。海には戦艦、陸にも軍隊が上陸。
それから、我々は正当防衛を成すのみ、最後のひとりになっても抗戦すると、決意表明が続く。
牢の中で林樵松(リンチャオソン)も、それを聞いていました。
牢に入れられている囚人たちも、俺たちに戦わせろと叫び、林樵松も看守を呼んで、戦闘に志願する、ここで死を待つより戦場で死ぬほうがマシだと叫びます。
租界に入る橋は閉鎖され、若来のように仕事の証明書を持っている人しか入れなくなってました。
若来は図南を乗せて、街を車で走ってます。租界の中も、道端に人がごろごろと。でも七宝街の比じゃないね。痛ましい顔をしている図南と、もっと酷いのを体験している若来の表情の違い。
あれ、貧乏学生だった若来、いつ免許取ってたんだ?ってのは、言わない約束ってことかしらん(^m^)
閘北(こうほく)にいて無事とは、君は幸運だと図南。
近所では死者7人、負傷者も出ていると若来。
委員長が宋先生に軍費を懇願したので、図南も資金集めに走っているんだって。各銀行から集めたお金は外資銀行の口座にあるので無事だけど、銀行公会が用意した薬や食料は、埠頭で差し押さえられてしまったんだとか。物資を租界から十九路軍に運ぶのは至難の業だと。
誰が差し押さえてるんだろう。自分の国の危機なのに。
この辺り、いろんな国の思惑が介入している当時の上海は、難しいのね。日本もあちこちに紛れ込んでいるらしいし。
自分がやってみると若来。どうやってと図南。
物資を運んでいると知られれば、途中で殺されるかもしれないと言われても、試す価値はある、僕は臆病じゃない、て。言い出したら聞かない弟子だよ(笑)
引き留めるのは無理だと思った図南は、状況を見極めろ、君の命は物資より重要だと言いました。
七宝街では、みんながそれぞれできることを必死でやってました。
周(ジョウ)さんは、血で汚れたり穴の開いたりした服を洗濯し、おじいちゃんは檄文を書き、春苗(チュンミャオ)は街頭募金を募り。
帰ってきた若来は、阿文(アーウェン)や姜虎豪(ジャンフーハオ)の元へ。
若来は物資を車夫達に運んで貰おうとしたのね。トラックなんかじゃ、すぐに見つかっちゃうから。
今回は危険だ、自信もない、だから僕が高値でみんなを雇うと言います。一回分100米ドル。
厳しい顔をしていた姜虎豪は、運んでやる、央銀のためでも役人のためでもない、命がけで戦う十九路軍のためだと、言ってくれましたよ。カネはいらない、軍のために使え。
前回、あんな思いをしたのに、漢気溢れる兄貴だぁよぅ。
今度はひとりも死なないでっ。
闇に紛れて物資を積み、戦禍の中へと運ぶみなさん。若来も人力車を引いてます。
途中で数人の日本人に見つかり、襲撃されちゃったみんな。若来もあわやというところで、ライフルを持って顔に炭を塗った人達が現れて、助けてくれました。
うお。林樵松でしたよっ。魏助手と声をかけられて、若来、ぽかーん(笑)
林樵松は、囚人たちを率いて決死隊を指揮してました。
命を大切にな、戦争が終わったら片をつけると若来に言い残して、颯爽と去って行きましたよ。
てか、生き生きしとるわ、林樵松。この人も、本当はこういうことをしたかったんでしょうね。命がけ云々は別として、国のために正しく立ち向かうお仕事。
物資は七宝街に集まっていました。
人力車を空にして若来たちが戻ると、そこで沈図南も物資運びを手伝ってた。
周さんに、戦争はいつ終わるのと聞かれた図南は、軍は奮闘し商工はストライキ、国際世論も沸騰、これが続けば日本は持たないと、周囲のみんなを励ますように大きな声で言いました。
みんな沸き立つ。うん、こういうのさせたら、上手いよね。隊長向きの人だわ。
夜、一旦本日の輸送を終えたみんなが帰ってくると、図南はもう奥でご飯食べてた。口に合うのか心配する若来だけど、図南も、もう最初に七宝街に来た時、匂いに顔をしかめてた人じゃない。すっかり馴染んでますよ(笑)
この戦いも来週には終わりが見えるはずと聞き、良かったという若来に、図南は、その後を心配していると言います。また、国庫が底を尽きそうだから。インフラ整備が後回しになるから。
若来が、アメリカのように戦時公債を発行してはと言うと、図南は可能だと答えるけど、それには信用が足りないんだとか。信用は金融にとっての基盤で生命線、一朝一夕では築けないと。
そのうちに日本軍は撤退し、上海にもひとときの平和が訪れました。
ちなみにこれが1932年の第一次上海事変だと思うんですが、その後、1937年に起きる第二次上海事変は、映画「無名」にも出て来たカトちゃんペみたいな大山海軍中尉殺害事件が発端になった模様(本物の大山中尉はああいうタイプじゃなかったっぽい)。これが盧溝橋事件と共に、日中戦争の発端となってます。映画の舞台は日中戦争真っただ中の1940年代でしたが。
それに、このドラマでは英雄視されている十九路軍も、本当は別の思惑もあったみたいだね。
上海の街中では中国が勝ったと沸いてたけど、その実、結ばれた協定には、上海から中国軍を撤退させるというのが盛り込まれてた。
怒りを隠さない図南。でも若来は、屈辱的な停戦協定だけど、中国は諸外国に決意を示したと言います。
図南も、今後日本は数年はコトを起こさないはず、我々は時間を勝ち取ったと。
うん、結果、5年間の時間だね。
包帯用のガーゼを洗い続けた周さん、人々を鼓舞して募金を集めた春苗、全財産を寄付した踊り子、命がけで無償で物資を運んだ車夫、爆弾を持って装甲車に突っ込んだ兵士。
若来は、それらを全て見ていましたよ。
「国難を前に民心を用いよ」だと図南。そんな故事があるのかな。
大姐のところに呼ばれた虞世清、張鳴泉、康少捷(カンシャオジエ)は、門前で武器を押収されます。
大姐もちょっとピリピリしてるみたいね。
虞世清は、建設国債の件だろうと推測してました。停戦後に誰が買うんだと張鳴泉。虞世清も分からないけど、民心を用いよとだけ言われた、と。ここでもか。全く逆の意味でしょうよ。まあた、ロクでもないことして私腹を肥やすんでしょうよ。
財政部が建設国債の発行を発表。
でも道端には、以前国債を買って破産した人が転がってたよ。
財政部は央銀にも800万元分の国債発行を割り当てたんだとか。期限は一か月。
政府は信用を取り戻したって若来に、黄秘書は、政権交代のたびに国債は紙切れとなった歴史があるので、人々は嘲笑っていると言います。
図南は、国民党は軍閥とは違い、信用を重視すると言い返すけど。
上層部が腐ってるんだから、その実、違わないのよなあ。
央銀は、建設国債購入奨励会を開き、招待した人々に国際購入を勧めました。
戦時国債ではなく、上海復興と民生福祉の拡充、今回は関税が担保、当行の出資に加え、関税もあるので、不履行はあり得ない。ですからまず私が、10万元買います。
こういうアジテーションの上手い沈図南ですよっ。
国債はどんどん売れ、若来も買ったけど、メガネくん王善賓(ワンシャンビン)は様子見ですって。意外としっかりしてるな、この子。
奨励会は大成功。図南は、電話で宋先生に報告しますが。
その電話、まだ捜査隊に盗聴されてたよっ。
安定と信用が大事だから、央銀が相場を仕切る、そうすれば安定し、資金も産業に流せるって話を、文彪(ウェンビャオ)が必死に書き留めています。
国債で利益をかすめ取りたい大姐も、必死ね。てかさあ、こんな時勢の中、そこまでして人の金、盗み取りたいて。どんだけ鬼畜なんだよ。
文彪の報告書を見ていたのは、虞世清と康少捷。
沈図南は自ら罠にはまり込んだ、ですと。
大姐の言う通り、沈図南は才知はあるが視野が狭い。央銀とその周辺しか見ていない。この罠は沈図南に合わせて作り上げた、だとさ。
民衆の恨みも、全て沈図南が買うことになるんですってよ。はああ。クソ野郎どもだ。
清朝は滅びたけど一部の高官の子孫は、今も贅沢三昧。西晋の頃に争った多くの異民族の中で勝ち残った者は、何千年と続く名家になった。一勢力の興亡など、我々には関係ないって、虞世清のご高説。
国なんかどうなっても、個人が資産という力を持っていれば関係ないと、そう思ってる訳ね。
共産党の支配下になった時、こういう人達はどうなったんでしょね。
上海証券取引所では、刻々と値上がりする国債を買い求める人々で溢れてました。
してやったりの沈図南と若来。
そろそろ価格を固定しようと図南が動き、若来が各銀行の頭取を集める電話を掛けます。
集まった頭取たちの前で、図南は、皆で団結して国際の相場に介入すること、秘密保持と指令の徹底を告げました。違反する銀行は上海から消えて貰う。
怒りまくる張鳴泉は、仲間たちを集めて会議。
財政部ですら国債で儲けようとしている、我々は金融業、慈善施設ではない、規則違反をしても、儲けようと持ち掛けます。
いや、大姐は知らんが、宋先生率いる財政部は、インフラ整備の資金集めなんですけどね。
国に資金がなくなって倒れたら、大姐や虞世清くらいまではなんとかなるかもしれないけど、張鳴泉や康少捷は切り捨てられてお終いな気がする。
各銀行が50元で買わされる抵当証券は、規則では証券取引所で直接の売買ができないところ、50元以上で売りさばき、50元で買い戻せば、バレないし儲かる、みたいな唆し。
各銀行が承諾したのを、急いで虞世清に報告する張鳴泉。
虞世清は、市場に出た抵当証券を買いまくる作戦らしい。更に高値を付けたところで、全て手放して紙切れ同然にするってことかな。
そんこととは知らない若来が七宝街に帰ってくると、周さんが姜虎豪たちをもてなしてました。
周さんが国債を買って、30元儲けたんですって。ご機嫌だけども。ああ、こうして一旦いい思いをしてしまうと、更にこの人、言うこと聞かなくなるよね…
新聞には、国債を買うべき買うべきばかりが報じられていました。
若来はみんなに、今回買うべきかと聞かれて…
本当ならインサイダーになっちゃう話よ。言っちゃいけないのよ。頷いてもダメなのよっ。
でもな…
ああ、何も知らない貧しい庶民が巻き込まれる(涙)
コメント