あらすじ
虞世清は康少捷に、魏若来の共産党との内通容疑を上司である沈図南、ひいては央銀全体に広めて強制捜査を実施させ、通商・興夏の接収や関税改革を覆そうとしたが、証拠は出なかった。あらゆる拷問を受けた魏若来も、銃の強奪は認めたが李晟達の銃撃については認めなかった。魏若来を巻き込んでしまった許諾と沈近真は、彼の救出をはかる。
みるアジア
ネタバレ感想
今回は、きっついシーンが続きます。みなさん、気を確かにっ←
撮影は、とっても寒い場所で時間をかけて撮ってたらしいんですが、イボくんは我慢強く音を上げずに頑張ってて驚いたと、林樵松(リンチャオソン)役の張天陽(チャンティエンヤン)が言うてたらしいよね。
繋がれて血だらけになりながら拷問を受けていた若来ですが、林樵松(リンチャオソン)にタバコの火を押し付けられても(ヒィ(泣)、何も言いません。
林樵松は、忍耐強いな、訓練を受けたか、共産党の兄に教わったのか、とか言うんだよ。
沈図南を待っているんだろうが、以前ならまだしも、江西で共産党に苦戦していて、南京もお冠の今は、共産党に関わる容疑者は誰にも救えないと。
僕は共産党じゃないと言った若来は、また殴られるーるるるる。気を失っても、叩き起こされます。
なぜ、李晟達(リージェンダー)を殺した?なんて林樵松は聞いてるけど、アンタ、生きてるの知ってる癖してっっっ。
若来は、銃を奪ったのは護身用、李晟達を殺してはいないと、終始、本当の事しか言いません。
沈図南の助手なら、申請すれば銃は貸与されるんですって。ほう。
でも沈図南に止められたんだもんね。
申請してもくれなかったと言った若来に、林樵松は、つまり沈図南は若来が銃を欲しがっているのを知っていたんだなと、誘導のとっかかりみぃつけた、みたいに前のめり。
若来が、顧問は僕に危険が及ぶのを心配したと、また事実を言うんだけどね。
事実を捻じ曲げて、なんとか沈図南を陥れたいこの人には、話が通じないよ。
共産党の家族だと知りながら解雇せず、昇給までさせたのは変だ、とかさ。
若来もその思惑に気付くんだけど、林樵松は、彼の政治的立場はいずれ上が尋問する、だが先に君が答えてくれって言うんだわ。
沈図南は金塊の輸送にどの程度関与した?
危険を冒してまで、君を守ったのは共産党の指示ではないのか。
全く。何一つ関与なんぞしてねーわっ。
若来は、僕を利用して顧問を潰すなど不可能だと言いました。
忠誠をはき違えてる云々言いながら近付いてきた林樵松に、若来、頭に来て頭突きっ。
そしたら金属棒を当てられて、電気ショックみたいなのまでされちゃってるよぅ(泣)
気を失った若来を見て、林樵松は部下に、焦るなよ、彼の自供は重要だと。
ふん。若来は李晟達と違って、ないことなんか絶対言わないからっ。
殺しちゃったら立場的にもまずいことになる訳だし、きっと若来もそれに気付いているでしょうから、どんだけ痛めつけられても、ウソは言わないはず。とはいえー(涙)
顔色も人も悪そうなおっさん達3人は、ご機嫌でお食事してました。
虞世清(ユーシーチン)、張鳴泉(ジャンミンチュエン)、康少捷(カンシャオジエ)、腹黒三人組。
若来が自供しないことを、康処長は、骨のある男だ、まだ耐えていると言います。
急がないと茶々が入ると言う張鳴泉に、ただの助手だし、沈図南も救わないし救えないと。
虞世清は、大姐に頼んだんだってさ。孔(コン)先生から宋(ソン)先生に圧力をかけ、軍法処にこの事件の捜査権限を与えるんだとさ。沈図南と関係の良好な者は尋問を受けるから、沈図南は孤立する、だってさ。
虞世清は更に、沈図南のしてきた改革全てを共産党と結び付けようとしていました。
早急に特別捜査班を央銀に送り込んで、沈図南が共産党と通じていたという事実を掴め、て。ないわ、そんなもん、捏造する以外。
必ず有罪にしてくれというこの言葉は、そういうコトなんでしょうね。
報道機関にも金をばら撒いて、世論を焚きつけるんだとさ。
こんな腐ったヤツらの親玉の、大姐と孔庸之(コンヨンジー)夫妻って。
ちなみに史実では、孔庸之は1933年、中央銀行の総裁になったり、宋子文が辞任した財政部長の座についたりするんですよ。でも日中戦争の後半、1944年にはその不正行為を糾弾され、財政部長を免職となり、中央銀行総裁も辞任して、大姐と共にアメリカに逃げます。
うーん、まだまだ10年は続くってコトだー。
央銀では、沈図南が往診を受けていて、ほぼ回復しているみたい。でも医者から、輸血をした青年もぜひ再検査をと言われてました。採血をし過ぎていたらしく、体に負担がかかっているから、と。
そんな体調で、あんな血だらけの拷問を受けてるのよぅ(泣)
そこへ黄従匀(ホアンツォンユン)が、共産党の内通者だっていう若来の記事だらけだと報告に。沈図南の名前も出ちゃったことで、顧問の名を汚したと怒ってます。
でも沈図南は、これは若来だけの問題ではなく、敵の狙いは私と宋先生、それから長年の金融改革の成果だと。宋先生とも話しても、やっぱり共産党絡みなので手が出せないらしいよ。自分達で切り抜けるしかないって。
そんなところに、黒ドジョウ率いる特別捜査班が、央銀に乱入して来ちゃった。林樵松も後ろについてます。
央銀は封鎖され、書類等々、押収されていき、行員達も取り調べを受けることに。
沈図南は、康処長と対峙し、助手のために大げさだと言うと、処長は、すまんな、上からの指示だ、だとよ。
そういえば沈図南は、コイツがあっちに寝返ってること、気付いてたっけ?まあ、信用ならん相手ってのは、分かってるんでしょうが。
央銀は蒋介石の金融戦略の中枢、落ち度は許されないと聞いた沈図南は、それには頷きますが、2日で特捜班が出来、もう央銀にいるとは、その「上」とは誰ですかって聞くのよ。康処長は官界では上に媚びるしかないと言って、沈図南の停職を告げました。
まんまとオオゴトにされちゃったなあ。
沈図南自身も一点を見つめてるけど、これ黄秘書が若来に怒りまくるんじゃあるまいか?
その頃、沈近真は、新年のご挨拶のテイで鴻芳(ホンファン)服飾店へ。
共産党は、革命の犠牲者である魏若川(ウェイルオチュアン)の弟、若来を、組織の裏切り者の排除に巻き込んだことで、なんとか彼を救えと指示してきたらしい。頼みの綱はここか。
近真は、若来は兄の助手、何かあれは自分も巻き添えを食うから、自分のためにも手を貸すはずだと言います。そう願うと徐諾(シューヌオ)。
沈図南は宋先生に電話してました。
新年のご挨拶に伺いたいと言うと、今はよそうだって。
黒幕は分かるかと言われ、沈図南は、当然関税改革で既得権益が侵害された輩、私を引きずり出し処刑したいはずと。
宋先生は、若来を切れと言うんだけど、沈図南は、若来を切るにはもう遅いと答えました。
若来は共産党員ではなく、銃を奪ったのも私を守るためだった、個人的にも彼を切れないが、奴らは、今、若来を切ったところで、今までの全てを共産党と結び付け、猛追してくるだけ。
ですから、反撃します。
おおお。表からは兄が、裏からは妹が。
辞書(ツーシュー)は、康処長夫人、虞世清夫人、もうひとり呉夫人って人と4人で麻雀してましたよ。
妻たちの間のやりとりも、なんか怖い。
でも辞書は負けてませんでした。席を立とうとした虞世清夫人に、今日は忠告しに来たのよ、人に濡れ衣を着せるのも、度を越せばツケが回ってくる、名家の皆さんならお分かりでしょう?と言って、先に帰っていきました。
うほう、なかなかやるな、辞書も。
央銀で、行員に乱暴な態度を取る特捜班に、彼らは容疑者ではない、態度を改めろと沈図南が言ってる時、悠々と現れたのは虞世清。央銀理事会に特別顧問を頼まれたって、えー、あり得ない。なんなんだ、理事会。よりにもよってコイツかよっ。
沈図南が帰ろうとすると、車にまで封鎖の紙が貼ってありましたよ。
鄧澤(ダンズー)処長が、自分のを使えとキーを差し出します。巻き込みたくないって沈図南に、君を信じてるって。車どころか処長の椅子もやる、とか(笑)
信頼が嬉しいね。若来のことは、最初反対したし、出来る子なのは分かってても、不安は拭い去れないかもしれないけど、沈図南のことは間違いなく信じてくれている。ただこの人、いい人なんだけど、あんまし頼りにはならんのだよな。あの関税の投票現場しかり。
沈図南は、淞滬(しょうこ)警備司令部軍法処に出向いていました。
軍事委員会の上級参謀、沈図南だって、身分証見せてるけど、これは何?宋先生から取り急ぎ貰っていたんでしょうか。
若来との面会を要請しますが、処長の指示書が必要ですと言われてしまいます。
その場で電話を借り、呉処長はと聞くと、昼に約束したってのに、外出中だってさ。溜息で、どいつもこいつもと呟く沈図南。
あら、呉処長って、辞書とマージャンしてた呉夫人のダンナか。
どこの処長なの?ここの処長は康少捷じゃないの?も1人いるんかい。
虞世清のところには、康少捷と林樵松。
央銀を徹底的に捜索したけど、不利な証拠は何一つ出てこなかったらしいよ。ほらみろ。
若来も、あらゆる拷問にも屈せず、何も供述していない。食べるのにも困っていた環境から引き立てて貰ったから、その恩を感じているのだろうと。
そしたら、虞世清の指示で、外国製の自白剤を使うことになっちゃった、うわあ。
とはいえ、若来は本当のことしか言ってない。自白剤を打たれても、何も出てこないよ。
自白剤を打たれた上での、林樵松の悪魔の囁きにも、案の定、若来は誘導されません。
銃を奪い、李晟達李晟達(リージェンダー)を殺せと命じられたんだろうと言われても、顧問はそんな人じゃない、そんなことは命じないって言って、気絶。
焦ってる林樵松は、水をかけて電流を流せと文彪(ウェンビャオ)に命じるけど、文彪はこれ以上は体が持ちません、死んでしまうと林樵松を止めました。
沈家の食卓には、近真、辞書、魚児(ユーアル)。沈図南は書斎にこもって出てこないらしい。
若来の件よと辞書に言われた近真は、書斎へ。
沈図南は考え込んでいました。これさあ、こんな難しい事態に発展しちゃったのは、若来に銃の所持を認めなかった、あの軽い一言だったってこと、後悔もしてるんでしょうよ。
近真が、若来が心配なのね、どんな様子?と聞くと、林樵松がもてなすとでも?と。
近真、いつ出られる?って本気で聞いてるのかね、これ。
兄も、無実が証明された日か、殺人罪で処刑される日だって言う。
拷問に屈して、無実でも罪を認めてしまう可能性は?
大いにある。
近真は、図南が宋先生に小者は切れと言われても、自分を守るために銃を奪い、大量の輸血をしてくれた命の恩人を救いたいと言ったことで、若来を守りたいのだと確認します。唯一の引っかかりは、本当に李晟達を殺したのかどうか。
近真は滔々と語りましたよ。
共産党に関する記事で見た。彼らは裏切り者を党内の専任者が始末する。若来に出る幕はない。ただの冗談にも赤面する彼が、血生臭い世界の人間を殺せるか?李晟達を殺したい者は多かった。共産党、黒幇、仇敵、若来に出番はない。これは賭けではなく、普段の言動に基づく判断。李晟達の件で若来は無実だと確信している。央銀には事実を解明する権利と責任がある。
ほほほ、近真の言葉には説得力があるな。まあ、こちらも必死だしね。
鄧澤処長と話し合う沈図南。
正直、彼を採用すべきではなかったと言う処長に、沈図南は、今も後悔はしていない、冤罪を覆さなければ、央銀の名も我々の苦労も無駄になると答えます。
共産党ではないと断言できるのかと聞く鄧澤処長。保証する、彼は共産党員ではないと図南。
沈図南は休職中だから、鄧澤処長に指揮を執って貰いたかったんだけど、相手は江湖の古狸、自分では歯が立たないと言われてしまいます。まあなあ、虞世清と戦うのに、鄧澤処長では厳しわね。
虞世清の背後に誰がいるか分かるだろう、南京からの電話一本で私は崩れると言う処長に、図南は、南京が動いたら?と言います。宋先生が蒋介石の副官を動かした、と。
苛立つ林樵松に、文彪が、いっそアヘンを使いましょうって、不穏なことを言ってるよぅ。
そこに電話。近真からの食事のお誘いでしたわよ。
一気に、表情が和らいで、約束する林樵松。
だけど、兄貴を陥れようとしてるってのに、妹とは楽しくお食事?でもま、この人もバカじゃないから、近真がこの件を探りに来るのかと気付いてるよね。
レストランに乗り付けた車の中には、近真と図南がいました。
できるだけ時間を稼げと兄からの指示。その間に、にーちゃん、なんかする気だな。
図南は多分、呉処長を動かして貰ったんでしょうね、軍法処内へ入ります。
近真のところに来た林樵松は、開口一番、若来の件でしょうと言います。
話せる?
無理です。上層部が自ら関わる重大事件、いかなる情報も漏らせない。
では結構よ、食事しましょ、あなたの奢りよて(笑)
近真は、私も来たくなかった、でも兄のため、若来が捕まれば、兄も頭が痛い、林隊長と親しいなら、探りを入れてくれと言われたと言います。
更に、若来が怪しいと思っている、彼は貧しい家に生まれて世界を知らない、でも突然、兄に気に入られて金融界に入った、だから誘惑には勝てない、兄の地雷よ、いずれ問題を起こすと言って、林樵松の警戒を緩めさせます。
でも、何を企んでるのと、切り込みましたよ。
康処長は兄を陥れれば得がある、あなたは?陥れる目的は?
林樵松は、若来は共産党員である可能性が高い、お兄さんが彼を守る理由が解せないと。
近真が、林樵松には共産党員の教官がいて、知らずに林樵松はその人を慕っていたって話をすると、林樵松は、だからこの手で殺したって言うのよ。うへー。そこからか。
卒業する時、上官に殺されかけたってのは、この関係なんでしょうか。
でも、家族も捕まえたから、仕事を失わずに済んだんですってよ。罪証は作れるってさ。若来は死ぬ運命にあるんだってさ。
どうよって、言い負かしたみたいに、フランスパンを口にいれる演技がキモ面白かったわよっ。
この時、李沁さん、噴き出しそうにならなかったかしらん(^m^)
その頃、血だらけで瞼を腫らした若来に会った沈図南。思わず目を逸らしてしまいます。
それくらい、酷い有様なのよー(泣)
顧問、すみません、僕のせいでと言う若来に、今は謝るなと言った沈図南は、李晟達を殺したかの確認をしました。若来は否定し、銃を奪ったのは認めます、でもそれは、と言って、言い淀む。顧問を守るためだったとは言わないのね。ただ、誰も殺してはいない、と。
信じていいかと言われて、若来、返事しなかったね。
本当は、銃があればと考えてもいたってことか?でも李晟達が逃げて、徐諾に撃たれた後だったよね、銃を奪ったの。理不尽に自分を殴って銃を向けた、張鳴泉への報復もあったのかな。
去って行こうとする沈図南に、若来は、僕が無謀過ぎました、どうか、ご無事でと声をかけました。
これだけは誓います、殺されても、あなたの名前は言わない。
厳しい表情で、だけど途中、ぐっと何かを噛み締めるようにして、沈図南は牢を出て行きました。
ここでエンディングに入るんだけど、大家の周(ジョウ)さんから借りた大きいコートを着て、央銀を振り返る、まだぽやぽやの頃の若来が映るんだよね。
この、周深の「非你所想」って曲は、本当にきれいな曲なんですよ。彼の独特の柔らかいハイトーンボイスは、中国ドラマを見ていると、あちこちで遭遇すると思うんだけども。
こんなシーンの後に流れると、どうにも切なくなってしまいます。
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