あらすじ
都の郊外にある鏡(きょう)湖に、鏡湖先生を名乗る謎めいた人物が現れた。科挙を控えた書生たちの悩みを見抜いて解決し、さらに未来を予知してくれるという鏡湖先生の評判を聞き、大勢の書生が鏡湖に駆けつけた。故郷から都に戻ってきた張屏(ちょうへい)は、鏡湖先生に会って教えを受けたという書生を訪ね、鏡湖先生が張屏と同じ水器を持ち、「鏡花水月(きょうかすいげつ)」とよく似た術を使うことを知る。張屏は、鏡湖先生と摩籮(まら)族に何か繋がりがあるのではないかと関心を抱く。
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ネタバレ感想
この間の蘭大人の黒化もイライラしたけど、今回も多分次回も、イライラする展開ですよぅ。
何か企む煽り役の存在で、簡単に誘導されて踊る烏合の衆。はあー、嫌いっ(笑)
さて、寧安郊外の鏡湖。
多分、挙子なのだろう3人が、舟の上で酒を酌み交わし、愚痴っていました。
許陸(きょりく)、秦瀚(しんかん)、王程(おうてい)って人達らしい。
伴月楼は、中書省の王舎人の甥が貸し切っていて、科挙を目前にして酒宴を開いているんだとか。
縁故を頼りに内々に合格してるんだろう、貧乏な家の子弟は報われないとか。
そこに、笛の音が聞こえ、一艘の舟が近付いてきました。
諸君の悩みを解きに来た、私は鏡湖先生といい、人の心が読め、過去や未来が分かる、ですってよ。いや、めっちゃ怪しいだろー(笑)
最初は疑う3人だけど、疑うならこちらに来てみろ、私が手助けすれは諸君の願いは叶うと言われて、王程が鏡湖先生の舟へ。
カーテンの向こう側にいて顔が見えない鏡湖先生は、張屏のものと同じ水器を、王程の前に差し出しました。
心を鎮め、この水器を見よ。あらゆる因果がこの中にある。
出たっ、摩籮村、もう1人の生き残りっ。
でも張屏と違って、ひっじょーに、怪しい。
都では、なぜか陳籌が、その晩の話を人を集めて語ってました。
鏡湖先生は、王程にある啓示を与え、再び霧の中へと消え去った、ですって。
都の事情通だからってか。張屏がいなくて店が開けないから、小銭稼ぎね。
その後、王程は自身の著作を思賢書店に持ち込み、有力者の目に留まって門下に迎え入れられた。
王程だけじゃなく、その場にいたみんな、願いが叶うよう導かれたんですって。
街では、状元(科挙最終試験一位)の予想が賭けの対象になっていて、木札にはしっかり張屏の名前もあったり、思賢書店の前では、科挙の必勝本が売られていたりします。
話し続ける陳籌を、店の外からちょっと呆れた笑いで眺めていたのは張屏。
陳籌は驚いて立ち上がり、帰ってきたのかーって。
そこにいた何宣(かせん)という顔の濃いぃ男が慌てて、鏡湖先生の居場所を聞きます。知らないけど、鏡湖に行ってみろよと言って、陳籌は嬉しそうに張屏のところへ。
街中では他にも科挙の噂話で持ち切り。
趙思懐(ちょうしかい)という挙子が、皇太后や陛下が推す者とは違い、今回は中立の立場の蘭侍郎が主席試験官になったと言うと、面白くなさそうに聞いていたのは馬廉(ばれん)。この人、蘭珏に貢物をしようとして突き返されたらしいわ(笑)
馬廉は江南郡守の息子で、国舅の娘を娶るんだそうで、蘭侍郎に取り入る必要はないだろうと言われてるけど、それでも、面子を潰されたとかなんでしょうか、不機嫌そうよ。なんか高そうな金の首飾りをしてますが、趣味悪いな。
ふうむ。こりゃあ、張屏、挙子たちも癖アリアリで、大変そうだなあ。
蘭珏は蘭珏で、主席試験官になっちゃったことに戸惑ってました。
漁夫の利を得たと風説が立ってしまっているが、陛下には何か思惑があるのやもと。
指名したのは陛下なのねー。けど旭東まで、用心して事に当たらないとと言ってるから、挙子だけじゃなく管理側も、科挙周りには、いろんな思惑が渦巻いてるってことだねえ。
張屏が陳籌と一緒に家に帰ると、家の中は書物で散らかりまくり。陳籌、勉強してたんだね。
陳籌の話では、鏡湖先生は、張屏が出かけてから少しして現れた超人で、張屏と同じく水器で心を覗く術を使い、更に未来まで予知するんだって。
鏡湖先生の噂は蘭珏の元にも届いていて、旭東が鏡湖を調べたけど、何の形跡もなかったと報告してます。摩籮村の生き残りなら玄機府で死んだのに、鏡湖先生とは何者でしょうって。あ、笛持ってただけじゃなくて、あの刺客もそうだったのか。じゃあ、張屏含めて3人いたのね。
鏡花水月の術は摩籮族と関わりがある、その者を見つければ転機になると蘭珏。
陳籌と張屏は、あの晩、舟にいた許陸を訪ねていました。
許陸は、多くは語れない、既に噂になっていて蘭大人も気にかけているから、騒ぎが広まって罰せられたら困る、だって。なんだか妙に偉そうになってるぞ。
なんとか陳籌が宥めすかして、話して貰ったところによると。
本当に心が読めるのか疑ったけど、鏡湖先生は許陸が幻の書と言われる「四書真注」って本を探しているのを見抜き、善行を積めば報われると言った。だから流民や物乞いに食べ物を施したら、ある物乞いが、ただで施しは受けないとくれた木箱の中に、「四書真注」が入ってたんだと。
偶然にしちゃあ、出来すぎだなー。
張屏が自分の水器を見せると、許陸は同じものだと言います。
先生は水を見つめろと言ったんだそう。それで許陸の心中は穏やかになったと。
貢院(こういん)という場所で、蘭珏は科挙のお題についての打ち合わせ。
蘭珏と、王硯パパの王勤(おうきん)と、柳羨(りゅうせん)と、竇方(とうほう)かな。
4人がそれぞれ考えた論題を、監査官2人が封じて保管、当日その中からひとつを選ぶんだって。
張屏と陳籌は、露店に座り込んで話してました。
鏡花水月と同じやり方だけど、鏡花水月の術は未来予知はできない。物乞いが現れたのも、偶然にしては奇妙。水器を持つ者は摩籮族と関わりがある、でも何か企みを感じる、と。
鏡湖は湧水で、水路がないから舟で入りようがないんだってよ。どこから来てどこに消えたのか。
陳籌曰く、鏡湖先生は、鶴の化身って言われてるんですってー(笑)
陳籌を先に帰し、張屏は一人でどこかに出かけて行きました。
監査官が論題の巻物の戸棚に鍵をかけている間に、柳羨が蘭珏に鏡湖先生の話を持ち出します。神聖な科挙の場に臨む者を籠絡するとは、何を企んでいるのか、主席試験官として目を光らせてくれ、と。
エライんでしょうが、この人、人にあーしろこーしろが多いな。エライからか。
張屏くん、思わず来ちゃった、蘭府(笑)
でも正面から尋ねられず、ウロウロしてあの猫ハウスの場所へ。
張屏の作った猫ハウスは、外枠が作られて、一回り大きく立派になってました。
スダレを開けると、中には張屏が作ったハウスとにゃんこさん達。にゃんこの居場所には布も敷いてありましたよ。蘭大人、立派にしてくれたのね。張屏の作ったのもそのまま利用して。
張屏は、持ってきたご飯をあげて、もう一度屋敷を見上げてから帰りました。
新たな謎に直面して、蘭珏に相談したいって、絶対思ってるよねえ。
次に猫ハウスを訪れたのは、猫ごはんの岡持ち持った蘭大人。
スダレを開けると、誰かがご飯を上げた跡が。
あー、張屏が来たかと、こっちも分かったんでしょうねえ。
全く。2人共、にゃんこさん通しての交流かよー。
鏡湖には、挙子達が大勢集まって、鏡湖先生の出待ち(笑)
陳籌もいたよ。陳籌の話を聞いていた、何宣と鄒曠(すうこう)もいたよ。
5日待っても現れなかったらしい鏡湖先生だけど、今夜は笛の音が。
だけど水面に現れたのは舟ではなく、大量の折り鶴。
中には「秋闈(しゅうい)の貢院、癸酉(きゆう)に鬼あり」と書かれていました。
科挙って、時代によって変化はあっても、何回かの試験を勝ち上がっていくスタイル。地方の郷試、中央の会試、最後の殿試みたいに。この間、陛下が張屏に言ってた、殿試まで来いというのは、最後が陛下自ら殿中で行う試験だから殿試、らしいんですが。
秋闈というのはこの郷試のことのよう。とはいえ、街では既に、殿試一等賞の状元予想が賭けになってたりしてる。ちなみに、郷試一位は解元、会試一位は会元だそう。地方の限りでは、郷試合格でも官職につけたらしいよ。挙子というのは、事前試験で郷試の受験資格を得ている人のことなんだって。
試験の前日、貢院に席決めのくじを引きに来た挙子達。
あの折り鶴のせいで、みんな癸酉の席を引きたくはないと言ってますな。
張屏と陳籌は、蘭大人と顔を合わせにくいな、何も考えずにいつも通りになんて話し合っていたのですが。それを聞き咎めたのは、顔の濃いぃ何宣。
何宣はイヤに突っかかるし、周囲を煽る。
それは蘭府に頻繁に出入りしていることか?おまえは蘭様の遠縁か?
縁者だとして何だってんだ。縁者に受験生がいたら管理者としては問題かもだけど。
それを誤魔化して、ズルして合格だろってことか。
こういう好戦的曲解陥れタイプ。ほんっと大陸ドラマは多いねえ。ズルだのコネだの不正だの謀略だのは、あって当たり前っていう世界観だしなあ。
日本の時代劇でも「そちも悪よのう」話はいっぱい出て来るけど(笑)その手の広がり具合、すそ野の広さは、日本の時代劇の比じゃない気がします。
そこに監査官の2人、礼部員外郎の邵志(しょうし)と季文(きぶん)が来て、くじ引き。
そこで、陳子觴(ちんししょう)という挙子が癸酉を引いてしまいましたよ。
ザワつくみんなの中で、陳子觴の驚きっぷりは尋常じゃない。目を見開いて固まってる。
そんな彼に何宣は、鏡湖先生の予言は的中するから護符でも焼いて厄払いしろとか言うのよ。ヤなやつ。
陳子觴は何も返答せず、そのまま帰ってしまいました。
更に何宣は、少しくらい文才があるからって見下す気か、高尚ぶって鼻につくとか言う。
それを聞いた陳籌は、よく代書を頼む癖に、お前たちは薄情だなって。
陳籌ムカついてるわね。コイツさっきは張屏にも突っかかって来たしさ。
張屏は、陳子觴の様子を気にしていました。単に、鏡湖先生の予言に動揺しただけとは思えなかったみたいね。やっぱりか。何かあるんだな?
さて、科挙郷試当日。試験は三日三晩かけて行われるんですと。ひぇー、大変だね。
遅刻すると入場禁止、外に出る者は答案を提出してから。再入場は不可なんだそうな。
みんな昨日引いた席につくんだけど、屋外の席もあったね。え、夜も屋外?それはそれでくじ運ないな(笑)
癸酉の隣だった張屏は、陳子觴が来ていないことに気付き、癸酉の席を確認します。
席そのものに、おかしいところはないみたいだけど。
出題者4人も集まり、論題の棚の鍵が開けられました。
また柳羨が蘭珏に、癸酉に鬼ありの流言を聞いたかって言うのよね。蘭珏は、周囲の警備も強化していて、異常はないと答えるんですが。
巳の刻、出題者と監査官の6人が会場に。
論題の巻物が運ばれて来た時、外で笛の音がして、みんなが振り返りました。
外の警備が空を見上げてるところ、いち早く飛び出した張屏。
鏡湖先生だと叫んだのは、あの何宣ですなー。挙子達はみんな、外に出て行ってしまいます。
飛んで来た凧からは、また折り鶴がたくさん落ちてきました。
庶人、鰲頭(ごうとう)を追うに似る
路行けば、心目明るし
一錠の金鑲玉(きんじょうぎょく)もなくば
正域は空にて四方嘆く
それを見た何宣が言うんだよ。てか、まーた、おまえか。
庶民が鰲頭(一位)を追うのは科挙のことだ!だそうな。
蘭珏は邵志に、何があったか調べよと指示。
許陸も、銭がなければ大志は叶わぬということかと言い出します。
もしや試験官を買収した者がいるのかと、何宣。ほんっとーにコイツは。
意図して煽ってるだろ、ソウダロ?
帽子男、王程も、既に論題が漏れたのではないかと。
中国ドラマあるある。大勢が手を挙げてやんややんやの大騒ぎよ。
蘭珏は、4人の出題者は陛下がお選びになった、礼部が監督しており、不正はあり得ないと言います。
根拠なき話で再び秩序を乱せば、法に照らして除名し、厳罰に処す。
一瞬、何宣は目を伏せたものの、気にくわぬ者を追い出すおつもりで?と挑戦的。
蘭珏にこれだけ言われても引かないって。
うーん、コイツの出しゃばり方は、単なる目立ちたがりだけじゃないのでは?
何かを知っていて、科挙の現場を荒らすのが目的なのでは?
もしや一錠の金鑲玉というのは、蘭様のことではとも言い出した。
ほう。ここで主席試験官を糾弾までする。やっぱり裏に何かありますわな。
煽られた挙子達は、すっかり誘導されて、やいのやいのと騒ぎ出しました。
ほんっと、中国ドラマの烏合の衆の浅はかさよ。
少なくともこの人達は、科挙を受けようとする人達。例え身分が低くても学はあるはず。
なのにみんな、なんでこんなバカなの?
人生かかってるのは分かるけど、こんな怪しい煽りに乗ってホイホイ踊っちゃうって。
官吏達が、私腹を肥やすことしか考えてないアホばっかなのも頷けるわ。
中国の書物の中には、徳や礼を説くものが、あれっほど多いっちゅーのになあ。
柳羨が、出題者全員を集めて室内へ戻り、この場の最高責任者、蘭珏を責めました。
急な事態を防げませんでしたと答えた蘭珏に、この詩をどう説明すると。
柳羨おじさんよ…あんた、先日危うく死罪となるところを、蘭珏と張屏に助けられてるのよね。百歩譲って、神聖な科挙の場に個人の恩云々は関係ないってのは理解する。
でもほんっとこのオヤジも、余裕なく反射行動しちゃう人だよなー。
蘭珏は個人の解釈です、これだけで私の不正を疑うなど無理がありますと言いました。
鏡湖先生とやらは、得体が知れず、元より信じられません。
外では、今度は張屏が何宣の矛先となっていました。
遠縁の蘭様から論題を聞いてるんだろう。
許陸も、さっき癸酉の席で何をしていたと。
鄒曠も、正直だと思っていたけど、実は腹黒い。白状しろ、だとよっ。
周囲を調べたらしい邵志が帰ってきますが、何も分からなかったらしい。
蘭珏は王硯を呼ぼうとしますが、パパの王勤がそれを止めました。
近親者と上司が出題者だから、王硯は関与できないんですって。
あっ、上司!竇方って、刑部尚書でしたかっ。今、気付いたっ。
柳羨は、これほどまでに無秩序な科挙は初めてだ、挙子たちを落ち着かせるには、蘭珏が試験官を辞するしかないっていうのよ。
蘭珏は、不正はしていない、辞すれば邪心を抱く者の思うつぼだと答えました。
さっきから柳羨は、責任を押し付けようとして言い返されて、ふむ、それもそうか…になっておる。責任を考えれば当然だと、本気で思ってるからの言葉なんでしょう。だから逆上しないだけマシだけど、ずっと黙って聞いている、王勤パパや竇方のほうが思慮深い。事なかれ主義かもしんないけど(笑)
外では、陳籌が言い返しているものの、鬼は張屏だ、追い出せと、何宣が叫んでるわよ。
この根拠のない自信たっぷりの攻撃。アンタの後ろ盾は何だよ、誰だよ。
騒ぎに気付き、エライさん達が出て行くと、張屏がみんなに追い出されそうになってました。
張屏は、蘭様とは何の関係もないと言うんだけど、何宣は、柳太傅(りゅうたいふ)、王太尉、さっき張屏が癸酉の席にいたのは、蘭様の指示かとって。
まー、何の根拠も証拠もないのに、よく言うよ。コイツ、きっとどこぞから唆されなくても、ロクなモンじゃないんだろなあ、仕官しても、仕事できない典型になりそう。
煽られて踊ってる王程も、まだ詭弁を弄するのか、賄に使う金はないはずだから、きっと蘭様の血縁だって。アンタなんか、真っ先に鏡湖先生に会って良い目を見たクセに。
掴み合いになりそうだったところ、蘭珏が急いで中に入り、張屏の身上書を持って来ました。
私と張屏は無関係だ、それほど疑うなら、張屏の証文を読み上げる。
曾祖なし、祖なし、母なし、父なし、兄弟なし、親族なし、家族なし。
母なしのところで、一瞬フリーズしてたけど(笑)
蘭珏は、皆、長く苦学してきた、その苦労は私も良く知っている、皆が私に疑いの目を向けるなら、公正を期すために主席試験官を辞し、大理寺の審問を受けると言いました。
さすがにざわつく挙子のみなさん。
ふん。何慌ててんだよ、自分達が追い詰めたんだろ。どう落とし前つける気だろね。何宣はきっと黒幕に加担してるんだろうから、真相解明後は科挙どころではない処分でしょうが、何宣に煽られて踊ったヤツら。冷静に状況を見据えて、反省しろよ?
更に、蘭珏が出題したものが引き当てられれば、それを無効とすると言って、蘭珏は主席試験官の印みたいなのを邵志に渡し、会場を出て行きました。
モブ達の大騒ぎは、中国ドラマ毎度のことなんですが、それでも見る度に、呆れてしまうのよー。
ほんっとーに、嫌いなんだよー(笑)
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