あらすじ
張屏は鳳凰の頭が巨大な天灯(てんとう)で雲霄(うんしょう)山に運ばれ、山中に隠されていると読み、蘭珏、王硯らと共に雲霄山へ向かう。案の定、巨大天灯や鳳凰の頭は見つかったが、犯人である普請場の熟練工・常巍(じょうぎ)は、取り調べの最中に吐血し死んでしまう。重要参考人が死に、猶予である2日間で事件解決ができなかった張屏と蘭珏は、連行され、投獄されてしまう。だがその直前に、蘭珏はある物を王硯に託し、命懸けの勝負に出ていたのだった。
(C)Tencent Technology (Beijing) Co., Ltd
ネタバレ感想
ぬーんっと、雲霄(うんしょう)山に仁王立ちの王硯。
その背中に、なんちゅーか、彼の心情が現れていて笑っちゃったわよ。
天灯を飛ばした夜は北向きの風だったので、皇宮の北側にあるこの山に天灯を回収した痕跡が残っているのではないかとの張屏の推理。
あれだけの大きな物、処分するだけだって目立つし大変だから、何かまだ残っているんじゃないかというね。
王硯の号令で、刑部の皆さんが山に散らばっていきます。
蘭珏は、昨日怒られたけど助けてくれた王硯さんに、ありがとって言うんだけど、王硯は捜査は手伝うが命までは保証できないって、未だプンスコです(^m^)
蘭大人はいたずらっ子みたいな顔してるんだけど、アナタ、命がかかってるんですけどね?だから王硯さんは怒ってくれてるんですけどね?
まあ、計略を練る頭脳は健在ではあるけど、この人も、龔(きょう)尚書の告白と張屏の鏡花水月で、だいぶ毒気が抜けたかもしれないなあ。パパ蘭林に近付いているというか、その心根を正しく思い出したというか。
山の南と北には痕跡なし。だけど旭東が、裏手で見つかったと走ってきます。
そこに残っていたのは、鳳凰の上に作られていた三角の木枠や赤い覆い布や足場でした。張屏の推理は正しかったー。
残骸には石弓で射る鉤がついていて、それで空の天灯を引き寄せたみたいね。
近くからは、桐油漆の入っていたらしい桶と打竹が見つかります。
翻訳は「打竹」となっていましたが、「打竹」は日本の忍者が使っていた火種のことで、中国古装ドラマの、ふたを開けると筒からボッと火が出るあれは「火折子」というらしいです。ちょっと仕組みは違うみたいだよ。
ただ、千秋儀のてっぺんは当日無人でした。どうやって火を点けたのか。
そのカラクリを解明しないといけません。
だけどま、三人寄れば文殊の知恵だよ。
千秋儀は精巧な計時装置。打竹の蓋は、千秋儀の歯車に繋いであって、時間がきたら蓋が開き、桐油漆に火が点くようになっていた。そして浮かんだ天灯が鳳凰の頭を吊り上げた。
更に、周囲にあった縄は、「ほぞ継ぎ」という方法で台座に固定されていた鳳凰を、回転させて台座から外す仕組みに使ったもの。
って、犯人、めっちゃ頭いい(笑)
使われていた滑車はとても精巧で、腕のいい工匠でないと作れないものでした。
王硯は部下に、引き続き鳳凰の頭捜索と、足場の回収を指示。
普請現場に戻った3人が王大匠に尋ねると、これほどの仕事ができるのは、常巍(じょうぎ)という工匠ひとりだけらしい。
んで、その常巍は、明日はお休みらしい。
急いで常巍の家に向かうと、家の中は無人だったんだけど、庭に何かを引きずった跡が。
蘭珏が家に残って手がかりを探し、王硯と張屏が跡を追って、常巍を探しに。
林の中には、天灯を作るための材料が落ちていました。
見上げた空に浮かぶ天灯。
その時、林の中から人の声。常巍が、お墓の前に座り込んでましたよ。
常巍は、誰からの指示かも分からないまま、病気の母親の医療費が欲しくて実行したものの、貰った銀はほとんどが贋金だったらしい。病気の母親は、なぜか息子の所業を知ってしまい、怒って血を吐き、亡くなってしまった。
なるほどね。黒幕が母親にバラしたんだわね。血の涙もないな、ソイツ。
ちょっとおかしくなっちゃってた常巍だけど、天灯を見上げて、内緒にしていたことがあると叫びました。20年前、私はとんでもない悪事を働いた、口封じを恐れ、何年も逃げ回ったから、母親を病気にさせてしまった、私は親不孝だった、と。
その時、空の天灯が爆発しました。
どうやら、母親の骨が入っていたらしい。
うん、この感じ。20年前の悪事って言葉。
摩籮村の一件と同じ方法なのでは?
と思ってるうちに、既に毒を煽っていた常巍は絶命してしまいましたよ。
誰の指示だと聞いても、そもそもこの人も知らなかったしね。
ただ、20年前の件も、もう少し聞きたかったよね。
鳳凰の頭は、洞窟の中から見つかったらしいけど、でももうじき、皇太后の期限の時刻。
難しい顔をしていた王硯は、何も知らない張屏に、柳太傅(りゅうたいふ)が危ないんだぞと、本当の事を伝えます。
常巍の遺体と鳳凰の頭を見つけたところで、真の黒幕が見つからない限りは、柳羨(りゅうせん)に無実の罪が着せられるからね。皇太后の指示はむしろ、柳羨が黒幕である証拠を見つけ出せ、みたいなもんだったからね。
王硯は蘭珏に、こうなったら黒幕は柳太傅だと、供述書を捏造しろと言い出しました。
怯む蘭珏に、お前が嫌なら私が書くと。
その紙を、必要ありませんと、張屏がむしり取っちゃった。
私が騒動を起こしたせいです、私が責任を取ります。
うーん。無理だわ。キミの命なんて、何の役にも立たないよ。
王硯さん、思い上がるなって怒っちゃったよー。
だけどこの期に及んでも、張屏は、なぜ私が責められるって言う。
うっそー。皇太后の思惑には気付いてなくても、これだけの大騒ぎになって蘭珏も介入してしまった今、皇太后にとって、一介の挙子の責任云々なんて、たとえそれが命を懸けるってことだったとしても、そこには何の価値もないって、まだ気づいてないのかなあ。
一見正しいその道理は、蘭珏共々死罪への道だってことに。
ほら、佩之(はいし)を道連れにする気かと、王硯に殴り倒されたぞ(笑)
皇太后はお前を許した訳ではない。柳太傅を陥れるために利用されただけ。
佩之は命がけで、この2日を張屏のためにもぎ取った。
皇太后の意に沿う結果が出せなければ、佩之は命で償うんだぞ。
自分のためにあの瞬間、蘭珏が命をかけてくれたなんて、思いもしなかったんでしょうね、張屏くん。あそこに皇太后が来てしまった時点で、蘭珏が一番驚いていた時点で、もうこの流れは決まってしまったみたいなもんだったんだけど。いかに聡明でも、平民にはあれだけで気付けってのは無理か、そうか。しかもこの人ぁ、人の裏が読めない張屏だったよ(笑)
蘭珏は張屏を置いて、墨聞と話をしてくると、王硯を引っ張って小屋の中へ。
ここで一か八かの悪巧み、否、窮余の策を考えるんすね。てかもう頭にはあるんだろうな。
ぼんやり外に突っ立ったままの張屏。
そこに、蘭大人、報告の刻限だと、皇太后の宦官、応熹(おうき)が来ました。
翌日。宣政殿。竇方(とうほう)より伝えられます。
礼部侍郎蘭珏は、門生、張屏の妄言を黙認した。よって皇太后を侮辱した罪で斬首に。
本日午の刻、刑場にて刑を執行し、世の戒めとする。
聞いてる王硯の目が赤い。
鳳凰の頭紛失の件は、将作監左校、陳飛が罪を認めた。
その背後には、恩師である柳太傅の指示があった。
寝耳に水の柳羨は驚き、声を挙げるけど、竇方は、千秋儀建造に不満だった柳太傅は、鳳凰の頭を盗み皇太后を辱めよと密命を下したと陳飛が証言したと続けます。
すかさず玄機(げんき)が、なぜ蘭侍郎の門生が妄言を認めないのか腑に落ちなかったが、どうやら裏で事件を煽り立てる者がいたようだと言いました。
その頃、刑獄司では、張屏と蘭珏が、最後のお食事。
張屏が、蘭大人、すみませんと言うと、蘭珏は、おまえはよくやってくれたと答えます。
でも父君の事件をと言いかけた張屏を止めた蘭珏は、もしやり直せても、また事件の調査をするかと聞きます。はい、でも蘭大人を巻き込みませんと答えた張屏に笑って、初志を貫くお前を守った甲斐があったと。事件の究明が悪なら、この世は間違っている。
非常に落ち着いた聖人然とした蘭大人と、張屏は盃を合わせました。
宣政殿では、柳太傅が捕えられ、皇太后と玄機が似たような顔で笑ってるよ。この2人…
皇太后が目を閉じ、はぁ~、ようやく厄介払いができたー的な顔になった時、待てと声がしました。
王硯さん、はっと振り返ります。
そこにやって来たのは陛下でしたよーっ(^ー^)m
その頃、張屏と蘭珏は時間だと牢を出されて歩き出しているので、ホント、ギリギリよぅ。
永宣帝は、いつものようにちょいと人を食ったようなズレたような話を始めます。狩りをしていたら獣たちが大きな吉祥物を守っていたのだ、と。
そして運ばれて来たのは、鳳凰の頭、本物でした。
それを見た玄機の目の動き加減(笑)
王硯のこそっとしたほくそ笑み。
最近、世に出回る流言飛語は実にでたらめなもの。鳳凰の頭は盗まれたのではない、鳳凰は貴重な宝物ゆえ、太陽や月の光を受け能力を得て、自ら飛び去ったのだ。紛れもなくこれは天意。母上の憂いを払いたいという私の願いに天が答えてくれたのだ。母上に捧げます。
皇帝のヨタ話(笑)も毎度のことだし。子供だましみたいなことを皇太后に言われても、陛下、全くそれを拾わずに自分の話を続けたよっ(^m^)
皇太后は、では柳太傅は冤罪だったと?と言いました。
皇帝は堂々と、その通りです、今後はこのような妄言もなくなるかと、と答えます。
千秋儀の最上部に再びこの鳳凰を据え置かれ、母上のご恩情を持って万民をお守りください。
陛下に上手に纏められちゃって、皇太后も、そうするのが一番のようねと答えました。
冤罪だったなら、罪臣たちは放免にしましょう。
いやあ、間に合ったー。陛下、ありがとーう。
だけど皇帝はくるりと振り返って、朝堂のみんなを見回します。
ただ、柳太傅への誣告の件はしっかり調べるべきです。いったい誰が背後で糸を引いているのか。
調べ次第、陳左校と共に斬首にせねば。
陛下、カッコイイ!この笑顔の後に、しゅっと真顔を見せました。
玄機は驚いて顔を上げ、皇太后はひじ掛けを握り締め、柳太傅は皇帝を見直した顔になる。
でもこれで陛下も、今までみたいなウツケを装ってはいられなくなったかもねえ。
これで一件落着だ、疲れたから質問は後にしてくれ。
2人で馬車に乗ってる蘭珏と張屏。そんな蘭珏の言葉にも、じいっと蘭珏を見るのをやめない張屏。
蘭珏はその視線から逃れたくて、身を縮めてますわよ(^m^)
あんた、この結果が分かってたのか?こっちは斬首の覚悟したのに。いつ、どうやってこの一発逆転を図ったんだよーって顔でございます(^m^)
仕方なく蘭珏は、解決できたのは陛下のお陰だと白状しました。
張屏を置いて、王硯を引っ張って小屋に戻った時。蘭珏は陛下に向けて手紙を用意してました。
差出人は内緒にして届けてくれと、王硯に頼んだんだね。
王硯は、陛下の遊んでいる狩り場近くの川辺に鳳凰の頭を置き、その手紙を添えました。
国のため民のために、皇帝としてしっかり立って欲しい、皇太后と向き合って欲しい。
手紙はそういう内容でした。皇太后と玄機の企みで、柳太傅が陥れられることも書かれてました。
それを正確に理解して、皇帝は立ち上がってくれた、と。
鳳凰の頭は陛下が返すのが理に適う。これ以外の手はなかった。
陛下は今後、皇太后と向き合うことになるがな、と蘭珏。我々が生き残るには、一か八かの勝負か必要だった。
それでも調査は続けるという張屏に、目立たぬようにしろと蘭珏。
さすがにね、恩人を巻き込んで共々死にかけてるんだから、少しはマシになるでしょうよ。
店の前で馬車を下ろされた張屏だけど、蘭珏に、常巍の天灯が爆発した時、夜空が一瞬光りましたよねと言います。摩籮村の伝説に似た情景があった。巨大な天灯ならば、それを空中で爆発させて、血霧を巻くコトも可能なのではないか。
そこに王硯が馬でやって来ます。
常巍の家から玄機とやり取りした文が出て来たと。だけどそれは20年前のもの。
手紙で玄機は常巍に、摩籮村に行くよう指示を出していました。しかも指定された出立日は、蘭林と同じ日。やっぱり蘭林は、摩籮村の事件に関係があった。そして今話した張屏の推理も証明された。
陳左校も玄機が黒幕だと証言し、陛下も捕えよと命じたらしい。
捕まってしまえば、摩籮村の話は聞けなくなるからと、3人は玄機の家に急ぐのですが。
玄機府では、葬儀の白い飾りつけがされていて、玄機が心臓発作で死んだと知らされます。
いやあ、アナタ、これはタイミング良過ぎだろうよー。
元々動悸の持病があって、薬を飲んでいたとはいえ。
また、ここまで来て…ってことよね。
蘭珏の胃痛が再発してしまいましたとさ。自分が斬首されそうになっても胃は無事だったのにぃ。
てか、諸々重なったからでしょうけど。
蘭府に一緒に帰った張屏が薬を差し出しても、飲む気になれないらしいよ。
そこに旭東が玄機府を探ってきたと、薬の煎じかすを持ち帰ってきました。確かに心臓の薬らしい。
2人で医者に尋ねに行っても、それは間違いなく動悸の治療薬だと言われます。ただその処方は一般的なものではなく、他の病も加味したこの患者独特のものなんだとか。
蘭珏は時々痛そうにお腹を押さえるんだけど、そこ、胃じゃないよね(笑)
ベルトの辺りに手をやるんだけど、ちょっと下過ぎる気がしませんか?
たとえ玄機が死んでも打開策はあるはずだと張屏に言い残し、蘭珏は帰って行きました。
陛下のお陰で2人は助かったけども。
ようやく糸を引いてたのは玄機だ!と思った途端に葬式てなあ。皇太后にべったりだった人だから、自分を死んだことにして逃げる算段ってこともあり得ますわな。
20年前からの玄機の策略は、その先に皇太后がいるってことなんじゃないの?うおお?
コメント