あらすじ
伴月(はんげつ)楼の舞姫・謝好(しゃこう)が舞台上で殺され、蘭珏の誕辰(たんしん)祝いの宴(うたげ)に集まった高官のうちの誰かが売国奴だとにおわせる血書が観客の前でさらされた。謝好の手を借り、密書の入った玉を洪羅から奪う計画だった蘭珏は、自分と礼部尚書(しょうしょ)の座を争っている郭允(かくいん)の謀略が明るみに出るよう仕向ける。伴月楼にお忍びで来ていた皇太后が事件捜査に目を光らせる中、蘭珏は親友の刑(けい)部侍郎・王硯(おうけん)を呼び寄せ、張屏よりも先に玉を見つけだそうとする。
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ネタバレ感想
血書を見た蘭珏(らんかく)は、幼い頃のことを思い出してしまったようです。
「逆賊はどこにいる」って歌みたいなの。
顔に傷をつけて悲しそうにしている子供。
これが蘭珏の少年時代のようだけど、いじめられてたってことなんだろね。
この子、丸顔でね。中華街で売ってるお面みたいな感じの子で、可愛いの。
長じたら、蘭大人より、も少し目の印象の強い人になりそうだけど(^m^)
いずれにしても、蘭珏が探していた玉は、謝好(しゃこう)が洪羅(こうら)から奪って、蝋燭を繰り抜いた底に隠しておいたけど盗まれてしまい、代わりに「今宵、売国の罪を暴く」と書かれた紙が入ってた。
謝好は蘭珏の身代わり、というか、見せしめのために殺されたっぽい。
洪羅は単純に金で動いている商人だし、あの感じでは、こんな複雑なことができる男じゃない。
でも他に、密書のことを知っている人物が何人もいるのかね?
今のところ、ライバルの郭允(かくいん)が怪しいけど、郭允には仕事を与えて遠くに派遣していたはず。
郭允がどれほどの知謀家なのか分からないけど、郭允の他にも密書のことを知っていて、蘭珏を恨んでいる人物がいるのかも。
蘭珏は刑部から、仲良しの墨聞(ぼくぶん)=刑部侍郎の王硯(おうけん)を呼び出すことに。
更に、張屛(ちょうへい)は知り過ぎているからと、追い出そうとしてるんだけど、その張屏はとっとと動いて、もう謝好の遺体を検分しちゃってますよ。まだ誰も来てないうちに。
そこへ、なぜか郭允がやって来ました。急いで仕事を終わらせて飛んで来たんだとー。
蘭珏の誕生祝い、多分呼んでないと思うんだけど(笑)
でも礼部の龔(きょう)尚書と挨拶しちゃってるので、蘭珏も慌てて出て行きます。
トゲトゲを隠した挨拶を済ませて、みんなでコトの起きた舞台へ。
蘭珏が、危険だからと、客達を帰そうとしたところ、血書にはここに貪官(たんかん)がいると書かれているから、残って身の潔白を示したいと郭允が言い出して、みんなも同意しちゃう。
その時、部下達を引き連れて刑部侍郎の王硯が現れました。
郭允が声をかけようとしたのに、完全無視の王硯(笑)真っ直ぐ蘭珏の元へ。
敵の狙いは自分、でも事情があるので、上手く覆い隠して欲しいと蘭珏は王硯に頼みます。
王硯の、私とおまえの仲じゃないか♪なんて台詞が出て来たよっ。検閲もこの程度の台詞は許容なんすね?(^m^)
さっくりと了承した王硯が、部下達にきびきび指示を出し、客達を帰そうとしたところ、貴賓席みたいな高いところから、帰ってはならぬとの声がかかってしまいました。
皇太后付きの宦官、応熹(おうき)でした。
お忍びで皇太后が来てたらしいのよ。
てか、店、誕生パーティでも貸し切りじゃないんだ?
あれは誰だと見上げるみなさんの中で、ひとり、郭允だけは笑ってましたね。
さっきの挨拶見ただけで、含み顔を隠せないこの人が、皇太后を動かせるほど力があるとは思えないけど、皇太后の登場は予測してたってことかな?うーん。だけど、こんな複雑で大胆な手口を実行した相手としては、郭允も小物っぽいんだよなー。
その場を取り仕切っちゃった皇太后。
蘭珏の緊張っぷりを見るに、この人にいろいろバレたら即、身の破滅な訳ね。
それにしても応熹、皇太后の顔色を見ただけで、言いたいことが分かるっぽいのはスゴイ。
蛇足なんですが、皇太后、ハクション大魔王のアクビ娘のおばちゃん版みたいに見えちゃって(笑)似てません?耳の目立つ感じが(^m^)
そこに、張屏が捕まってきました(笑)
あ、まずいって思ったね、蘭珏。
張屏は、ただの挙子だけど、独自に捜査していたと言います。王硯にも、刑部、来るのが遅いとか言っちゃって(^m^)舞台裏に手がかりがあるので調べると言ったら、王硯に怪しまれて、連れて行けと言われちゃった。
でも、応熹がそれを止めました。話を聞いてやろうじゃないか、と。
張屏は、蘭珏の名前は出さず、ある人を問い詰めようとして来たら、こんなことになったと答えました。遺体を調べると、先に絞殺され、後に吊るされて焼かれたことが分かった。舞台裏に手がかりがあるはずなのに、調べ終える前に連れ出されてしまったと。
謝好の支度部屋に髪油の瓶の跡があり、燃えた謝好の髪と同じ、梨花の香りだった。瓶が持ち去られているので、なんらかの方法で、髪油が発火するように仕組まれていたはず。
もうひとつ、張屏は、底の繰り抜かれた蝋燭を持ってきていました。
蘭大人、おま、それ持って来ちゃったのか!的に目が開く(^m^)
張屏の行動で、蘭大人がいちいち驚くのを見るのが、妙なツボに入っちゃったわ(笑)
底の穴には玉の彫花に似た跡が残ってます。
張屏にはそれが、あの時の玉の彫りの跡だと分かってるんだけど、一応そこは言わない。
さっきも蘭珏の名前を出さなかったくらいには、皇太后の前で迂闊に口にしてはいけないことがあるのは、分かってる訳ね。
密書に関して知っていた郭允が、なぜその蝋燭の下の形が玉の彫刻だと分かったのかと口を挟みます。張屏が返答に困っていると、なぜこの者が明かさないかは知らないが、憶測が飛び交うだけなので、捜査に加わらせてはいかがでしょう、なんて蘭珏が言い出した(笑)
単にその場の疑いを逸らすためだった訳だけど、張屏は、刑部とは別に単独で、皇太后からの命として捜査することになっちゃいましたよ。
皇太后はあの血書を見て、雍の一大事だとして、徹底的に調べよと。
密書の内容がバレれば、売国奴として蘭珏は死罪。郭允はそれを狙ってる。
蘭珏は、生きるか死ぬかの賭けに出るしかないと動き出します。張屏より先に犯人を見つけて、密書を探し出さないと、と。
そして張屏は、王硯の部下に見張られて、何か調べようとしても、徹底的に邪魔されることに。
それでも、この事件を調べれば、蘭珏が玉を盗ませようとした理由が分かるはずだと、陳籌(ちんちゅう)と共に頑張ります。
陳籌は、今実権を握っているのは陛下じゃなくて皇太后だから、前途は明るいなんてお気楽に言うけど、張屏はあくまでも、自分が疑問に思ったことを突き止めたいだけだからねー。それにあの皇太后は、そんなに甘くはないよね。
蘭珏と王硯は、梁の仕掛けに目を付けました。隠し階段があったのね。
いつもはその仕掛けの上で、謝好がひとりで準備し、用意が出来た合図があると縄の仕掛けを動かして謝好を下ろす手筈。準備しているところは、下からは見えないらしい。
でも今日に限って、準備中にいつもより激しく縄が動いてたんだって。
2人は一座の座長を使ってテストし、多分謝好は準備が終わった時に殺されたのだろうと推測します。
その仕掛けは一座の秘儀で、座長も仕掛けに関して口止めをしてきたくらいなので、謝好を殺したのは、それらの事情を知っている一座の人間以外にないのではないかと。
張屏が探していた謝好の髪油の瓶は、中庭に空っぽで転がっていたみたい。
だけどそれを見つけたのは刑部で、王硯と蘭珏は張屏に見せてくれません。意地悪。
あちこちで邪魔されてるので、さすがの張屏も怒って、やっぱり玉を盗ませたのと関係があるんですね、邪魔を続けるなら皇太后に申し上げると言いました。
だーよねえ、さっきは一応、庇ってやったんだぜ?蘭珏の名前を出さないで。
いやいや、それはマズイマズイの蘭珏の目が、王硯を二度見(大笑)
慌てて王硯が、望みはなんだと聞きます。瓶は刑部の押収物だから見せられないと言われて、では舞台裏を調べさせてくれと要求する張屏。
仕方なく了承した蘭珏に、張屏は、いくら阻まれても真相を突き止めますと宣戦布告。
ほんっと、蘭大人、やり方が下手過ぎる。張屏って子を見誤り過ぎてるー(^m^)
蘭珏と王硯は、急いで一座のメンバーを審理することに。
一座の中に犯人がいると言われて、驚くみなさん。
王硯はひとりずつ話を聞きますが、ロクな証言は得られません。
張屏たちは、髪油の中に助燃物が混ぜられていたのだろうと、余った髪油はどこに捨てたのか考えます。他の舞姫の髪油はたっぷり入っていたことに気付き、謝好の瓶の残りは、他の舞姫達の瓶に少しずつ入れられたのではと気付きます。
全部の髪油をひとつに集めて、ぐるぐると回し、油と助燃物を分離させる張屏。
張屏の師匠がこのやり方で、乳酪を作ってくれたんですって。チーズかバターか。ふむ。張屏には師匠がいるのね?
だけどそれも、王硯の部下に見張られていますよ。何してんだ?アイツ…の顔で(笑)
その頃、蘭珏は琵琶師の含煙(がんえん)の部屋で、安胎薬と流産後の滋養の薬を発見してました。部屋の中にあった琵琶にも目を留めた蘭珏。何かに気付いた模様。
含煙を呼んだ蘭珏は、郭侍郎の指示で謝好を殺したのはお前だと言いました。
取り引きをしよう。玉を返すなら、見逃すよう頼んでもいい。
でも郭允との関係を認めない含煙。めっちゃ郭允を信じ込んでる含煙のふてぶてしさよ。
蘭珏は、あの琵琶を床に雑に倒します。とても高価な琵琶らしいよ、一介の座員になんか買えないくらいの。その上、書かれている歌は、郭允と含煙との関係を匂わせるもの。
張屏が分離させた油は、松脂油だった模様。あっと言う間に火がつきます。
それを楽屋のカツラに沁み込ませて、舞台に急ぐ張屏。
含煙は郭允との関係は認めたものの、謝好殺害は認めません。
郭允に対して幸せな夢の中にいるみたいな妄言を吐く含煙だけど、アイツはなあ、ちょっと見ただけで、ロクでもないヤツだろうよと分かるタイプよぉ?(笑)
それでも、玉を盗んだのは含煙ではない感じなんだよね。
じゃあ、郭允は何しに来たよ?
皇太后がお忍びで今日伴月楼に来ることを掴んで、蘭珏が玉の密書を取り返すために行動するだろうと目論んで、それを皇太后の前で暴こうとした?どうやって?
玉を盗んだり血書を使ったりする犯人がいることも、知ってたんだろうか。
それとも、自分達が何かする前に、犯人がやらかしてくれたってことでしょうか。
蘭珏も、郭允の差し金で含煙が密書を盗んだと思ってたみたいだけど、どうも違うのではないかと思い始めてるんじゃないかな。
だけど、郭允は薄情な男で、舅を恐れて妻を怒らせたりはしないらしい。だから愛人が妊娠したと聞いて、安胎薬なんて送る訳がないと気付きます。
張屏は舞台に油をしみこませたカツラを持っていって、謝好の吊るされた高さに掲げてみますが、何も起きません。ふと見ると、舞台のライト代わりの松明の下に、火珠という水晶玉があるのを見つけます。
要するに、水晶玉やレンズみたいなので起きる収れん火災だね。
急いで伴月楼の楼主の元に走る張屏。
そしてそれを監視している刑部の部下は、蘭珏に報告。
その頃、伴月楼の外で、また違う血書が、盲目の物乞いの手で掲げられました。
「逆賊、密書で敵に通じる。子は恥を知らず、父に倣う。」
驚く蘭珏と王硯。どうやら蘭珏の父親も逆賊とされていたらしい。
冒頭の歌も、顔に傷を作って悲しそうにしていたお子ちゃま蘭珏も、ソレだったのね。蘭珏の怪しい動きも、そこに起因してるってことかな。
血書は、紛れもなく蘭珏を指し、糾弾する内容だった訳だ。
盲目の物乞いは、若い娘に頼まれて、亥の刻に行くよう指示されてました。
金吾衛にも伝わっているので、皇太后の耳にも入るのは間違いない。
もはやこれまでなのかと思いつつも、ここから一発逆転を仕込めるのが蘭大人ってことかねえ。
こんがらがっていた物事を、追い詰められたこの一瞬で整理して、反撃に出られる。この人も張屏に負けず劣らず、頭が切れるんだよなあ。
とはいえ、毎度、ギリギリの綱渡りみたいなことしてるから、胃にきちゃう訳ダガ(笑)
蘭珏は、含煙に白状させる、と言い、安胎薬を持って含煙の元に行きます。
これさ、含煙は殺してないのよね?
だけど白状させるってことは、彼女がそう偽証したくなってしまうように仕向けるってこと。
それは多分、信じ切っていた郭允に対して、これ以上ないってほどの疑念を持たせること。
安胎薬を持って行ったので、あんな男が、遊びで手を出し駒に仕立て上げた女の妊娠を喜ぶはずがない、そこを突くのでしょう。
張屏は、楼主の許可を得て、松明に火薬を使い、あの時のように一瞬火の勢いを強めます。
水晶玉に集約された光は、陳籌の掲げていたカツラに火を点けました。
これで、謝好が燃えたカラクリは解明ね。
張屏は水晶玉についていた油に気付きました。
楼主は、琵琶師が爪を保護するために塗る油だと言います。
琵琶は普通バチで弾くものだけど、爪で弾くのが近頃の新しい弾き方で、必ず爪の手入れをするんだって。でも爪で弾ける琵琶師は少なく、この一座でもそれができるのは含煙しかいないんだって。
張屏は、含煙を審問するため、皇太后に報告することに。
その頃、含煙は蘭珏によって現実を突き付けられ、打ちひしがれた後。涙目。
応熹が迎えに来た時には、蘭珏が助かるよう上手くやれば、自分は罪を被ったとしても、秘密裏に王硯から逃がして貰えると、どう行動すればいいかと、取り引き済だった訳だ。
ただ、本当に含煙がそう動いてくれるかどうかは、ある意味、郭允の態度次第。
蘭珏にとっても大きな賭けだったでしょうが。
こんな綱渡りの毎日、そりゃ、胃にもきますわー。
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