あらすじ
神都(しんと)最大の交易地、南市。美食家として名高い百里弘毅(ひゃくりこうき)は、大勢が見守る中で料理を品評していた。そこへ林仲(りんちゅう)という男が現れ、自分が“密告者”であることを告げる。その頃、武思月(ぶしげつ)が率いる内衛は、お忍びで南市にやってきた貴人を護衛していた。しかし賊の襲撃で街は大混乱に。騒動のあと、検視人の高秉燭(こうへいしょく)は死体を大理寺に運ぶよう命じられる。
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ネタバレ感想
舞台は、武則天の建てた武周の時代。
この人、日本では則天武后という呼び方のほうが一般的ですが、中国唯一の女帝さん。唐の高宗の皇后から後に自身が皇帝となって武周を作ったんだけど、結局、この人の死後は唐に戻るので、武周はこの皇帝一代、15年だけの王朝です。
その皇帝が即位した当初、混迷する朝廷を案じて、統治を盤石にするために、密告の制度を作ったんですと。民が都に入って陳情することが許された制度で、当初は盛況だったらしいんだけど、徐々に酷吏が一掃されていき、密告者はいなくなった模様。
そんな中、突如として密告者が現れた。
はじまりはじまり。
葬儀用っぽい紙人形や提灯、地図や壁の木に描かれた似顔絵や春秋道って文字の並ぶ物置のような部屋。
真ん中に置かれた棺の中から起き上がったのは、高秉燭(こうへいしょく)。まだ名前はクレジットされませんが。
棺をベッドにしてるのかな?
既に訳アリ感バリバリで、壁に書かれた南市という文字に視線をやります。
神都(洛陽)の南市は、とっても賑わっていました。ここが交易の拠点なんですって。
人込みの中を、女の子の手を引いたおじさんが、周囲を気にしながら先を急いでいます。
これが今回の密告者、林仲(りんちゅう)と娘の林煙(りんえん)。
少し後ろからは、2人の後をつける男。更にソイツを追っている高秉燭。
林仲は、当陽酒店という店を探していました。
南市の中には、内衛の月華君と呼ばれる武思月(ぶしげつ)もいて、お忍びで市に来た永川(えいせん)郡主の李鹿(りろく)の護衛をしている模様。
武思月は必死で周囲を警戒しているけど、郡主は能天気に街を楽しんでおります。こんな歩くだけでも人とぶつかるような人込みの中だけど、危険とか全く考えてもいやしないお気楽っぷり。見た目は大人の女優さんだけど、きっと比較的子供なんでしょね。
街中には、目付きの鋭い男達も点在していて、これも内衛の人達なのかな。もしかすると敵なのかな。
当陽酒店では、周囲に人垣を作って、一人の男が蘊蓄を語りながら、お刺身を食べようとしていました。食の品評をして、人々もそれを楽しむって文化があるみたい。ギャラリーいっぱい。
そこに、待たれよと入ってきたのは、百里弘毅(ひゃくりこうき)。
ギャラリーのお嬢さん方の目がハートになっているので(笑)百里弘毅は、この道の第一人者っぽい若様って感じかな。立派な腰牌もつけています。工部の員外郎って役職であるらしい。
百里弘毅(二郎←百里家の次男ってことみたいよ)は、向かいに座って、冷泉黒魚だけは生食をお勧めしないと言いました。薄切りにしてさっと熱湯にくぐらせるほうがいいと真っ向勝負。
先の男は、生臭さがあるならショウガを薬味にすればいいというんだけど、それでは辛みが素材の味を消し、ショウガの辛みしか口に残らないんだってよ。更に、大豆は雑味を取り除くから、その辛みは大豆汁で消せるって、大豆汁まで用意してくれちゃう。
ギャラリー、流石ね♪になってます。
続く二郎さんの蘊蓄に、男は降参でした。
この当陽酒店は、百里二郎が「上」と評価した店みたい。要するに高級店ってことだね。
当陽酒店にたどり着いた林仲親子は、テラスにいた百里二郎の元へ。どうやら先に、会いたいと手紙を出していて、この店を指定されていたみたい。林仲は、頼まれて奩山(れんざん)から来た密告者だと言いました。城外で既に襲撃され、護衛の官兵ともはぐれてあなたを頼るしかなかったという林仲。
ん?なんでアーランだったんだ?
と思ったところで、2人を追っていた刺客が、短刀で襲ってきます。
アーランは咄嗟に、さっきお刺身をくぐらせていた熱湯を刺客に浴びせ、2人を逃がしますが、割と早く復活した刺客も、2人を追って外へ。
店の外では、その騒ぎを高秉燭が見ていました。
街の中では、出店の人に紛れた目付きの悪い男達や、内衛の護衛達も入れ乱れてます。そんな中、走って逃げる林仲親子と、そのどたばたに紛れて、郡主を狙う出店の店主に扮した男達。
人込みの中、2種類の大騒ぎが起きてる。
アーランも親子を追うんだけど、侍衛の申非(しんひ)に止められてしまいました。
転んでしまった親子は、さっきの刺客じゃない男に狙われるんだけど、それを武思月が助けてくれました。親子を狙う刺客と、郡主を狙う刺客は同じ組織なの?もしかして。
アーランが申非に抱えられていなくなるのも、武思月が親子を助けたのも、高い場所から見ていた高秉燭。
官兵達がやって来て、刺客達は逃げきれないと見るや、次々に毒を噛んで自害していきます。
最初から親子を狙っていた男も、自害しようとしてる。武思月が気付いて止めようと走りますが、間に合いそうにない。高秉燭は見ていた場所から何か金属を投げて、男の自害を止め、自分はすかさず身を隠しました。
でも、武思月は誰かがあそこから自害を止めたってのに、ちゃんと気付いてるよー。
なんとか無事に物陰に隠れた林仲親子だったけど、刺客の残党がいたのかなあ、どうもその場で殺されてしまったみたい。
太初宮。
武思月と兄の内衛、奉御郎の武攸決(ぶゆうけつ)は、太子妃の杜氏と、杜氏に抱かれて泣いている郡主の元へ。そして平伏。
ま、殺されかけたもんねえ。郡主の我儘でのお出かけとはいえ、出かけることは機密だったのになぜそれが漏れたのか。
太子妃にちょいと嫌味を言われつつ、今後内衛のみなさんも大変そう。
武思月は現場で感じた不審な点を報告しようとするものの、武攸決に遮られてしまいました。お兄ちゃんはちょっと持病があるっぽいね。
てか、武思月よ、なんで遮ったと兄貴に詰め寄ってるけど、兄貴が上司なら、そっちに報告が先ではないのか?
賊は政に関係ない郡主を狙い、民の命も奪い、捕らわれそうになったら自害を図ったと、裏に何かあると指摘したかったみたいなんだけど、兄ちゃんによれば、それは内衛の職権の範疇ではないんだそうだ。内衛は皇帝と宗室を護衛し、神都を守ること。その疑問は、大理寺の仕事なんですって。
ああ、そっか、それが分かっているから、兄貴に先に報告しなかったってか。
実際、賊の襲撃に対応した武思月にとっては、護衛対象が殺されかけたのに、そこを切り分けて、それは大理寺の仕事と割り切ることはできないらしい。責任逃れだと思ってますが、兄貴は、そこら辺の切り分けはしっかりさせないと、自ら敵を増やし、墓穴を掘ることになるのを心配しているみたいです。
けどさ、この兄貴の顔は、ガラリと黒転して、実は悪役でした~♪ってなってもおかしくない感じに見えちゃうんだけど、これは私の穿ち過ぎでしょうか。
その太初宮の先のほうには、天堂という大きな建物の建設現場がありました。
急に消えないでくださいと侍衛の申非に叱られながら建設現場を歩く二郎は、工部の役人でしたね。南市は封鎖されて、親子の安否も分からないんだそう。
現場を見た二郎は、親方みたいな人に、組み細工をなぜ柳でなく、湿ると膨張してしまう松で作るのかとダメ出し。工期を守るために仕方がないんだと言ってるのは同僚かな。だけど工期を守るためとは言え、正殿の梁を支えられない木材で作った天堂なんて、危なくてしゃーないんじゃないの?
工期が遅れたら、陛下からお咎めがと言った同僚に、二郎は、別に構わない、今日で勤めは最後だ、失礼すると去ろうとします。
気付いたことを口にはしたけど、もうこの仕事も最後だし、どーでもいい感、いっぱい(笑)
と、正面に立ちはだかったのは、二郎の父親、工部尚書の百里延(ひゃくりえん)でした。
なんか怒ってるぞ?この日焼けメイクは、工部尚書、工事現場で日焼けしてる表現でしょうか。アーランは真っ白なんだけども(笑)
なるほど。縁談が不服で、職を辞して家に帰っちゃうつもりだったみたいだよ、二郎さん。
婚姻は決定だ、逃げられんぞって言葉を背中に聞きながら、すたすた行っちゃうアーランです。
南市では、遺体が集められていました。
やって来たのは大理寺の長、高昇(こうしょう)。
生き残った賊は、偶然居合わせた内衛に連れていかれたと聞いて、怒ってます。誰の縄張りだと。
ふむ、こういうことね。きっと武思月とモメるんだろな。
どうやらこの人、南市は神都の重要拠点、早く事件をまとめて復活させないと、自分の責任がーって感じの人っぽい。
そして、遺体を集めたり運んだりしている検視人の中には、高秉燭もいました。
夜。内衛府の武思月のところには、遺体と賊を奪われたとの報告が入ります。
大理寺が持ってっちゃったと。
遺体を運びながら、高秉燭は、事件が起こるとこき使われるって同僚に、だが給金は増えたなんてニヤニヤ笑ってます。検視人、高秉燭はこういうキャラでいってる訳ね。街で隠れて見ていた人とは、歩き方も表情も全然違いますわ。
と、そこに、林仲の娘の遺体が運ばれてきました。あの時の親子だと、ふと目を留めた高秉燭。
更に、生き残った賊は内衛府から身柄を奪ったとの話も耳にしました。
お、こりゃ、行くよね?
牢では、大理寺録事の陳闕(ちんけつ)が、死なせたら首が飛ぶぞと、周囲に発破をかけてました。
だけど、拷問を受け、大理寺の牢獄に捕まっていた昼間の男の元に、あっさりと忍び込む高秉燭。
牢番なんか一発で気絶させちゃってるよ。
高秉燭は男に、掌秋使(しょうしゅうし)の使いだと言いました。天を仰いで、道尊(どうそん)に会わせる、と。
笑う男と、笑いながら男に短刀を突き刺す高秉燭。
ふむ。賊は道尊とやらを信仰する集団なんでしょうかね。
引導に感謝すると男。
背を向けた高秉燭の表情はガラリと変わり、そのまま出て行こうとすると、男は、密告者の父娘は死んだ、春秋道の大事、ついに成し得る、死んでも悔いはないと言いました。
それを聞いて、戻った高秉燭。
密告状も処分したかと聞くと、男は密告状なんぞないと言い、春秋道の者ではないのかと気付きます。
高秉燭は、一か月、この男のことを尾行していたらしい。この5年の間に会った春秋道の賊は12人、拷問の方法も12種類、でも誰も口を割らなかったんですって。
あの手戟(しゅげき)の刺客は誰で、今どこにいると聞くけど、ま、言う訳はない。
高秉燭は、あの三太刀では死なない、また来る、よく考えておけと言って、立ち去りました。
大理寺、高昇を訪ねてきた武思月。なぜ内衛の捕えた賊を奪ったのか、陛下にそのようなご意志はないはすだと言いますが、高昇は、郡主の命を狙うのは謀反と同じ、これは大理寺の職責だと。
取り調べには加わると武思月が言っても、高昇は、奉御郎の印のある公験(くげん)もないなら、力にはなれないと言います。ま、兄ちゃん、そんな許可は出さないだろうよ。
尚も詰め寄る武思月ですが、大理寺は天下律例の執行人、不満なら陛下に奏上せよと言われてしまいました。武思月のこの行動も、越権行為みたいなもんなんでしょう。
と、牢に賊が侵入したとの知らせ。
急いで出て行こうとする高昇。止められた武思月は、賊が死んだら陛下に報告すると叫びました。
御前でも豪胆でいられるかな、と。
牢の男は虫の息だけど、高秉燭の言うように死んではいません。
高昇は絶対に死なせるな、手当てさせよと、大理寺亭長の裴諫(はいかん)に指示しました。
さてさて、室内にある周囲を池に囲まれた中州のような場所で、優雅にお食事のアーランさん。
白きくらげの羹を運んでた申非に、密告者の親子の消息を尋ねますが、未だ情報は入っていないらしい。申非は、なぜ親子はアーランを頼ったのかと聞きますが、それは自分も知りたいと。
なるほど、何も知らないまま、巻き込まれたってことね。
南市の棺材舗。
あ、ここが最初に高秉燭が起きたところだ。高秉燭の家?ねぐら?
壁の板に書かれた情報を書き足したり、修正したりしてる高秉燭。似顔絵は今、捕らわれてる男か。バッテン描いてます。
高秉燭は、大理寺の検視房に行き、林仲の遺体を確かめると、懐から証明書みたいなのが出て来ました。
「奩山から神都へ 高賓(こうひん)」と書かれてる。
書類を元に戻し、ふと見た林仲の傷跡は、十字のような特徴的な刀傷でした。
見つけた!って感じで、笑っちゃう高秉燭。他の遺体の傷は普通の刀傷なんだけど、林仲親子のものだけは十字型。この2人だけは、あの時いた刺客達とは別の人物に殺されたってことね。
そしてこの刀傷の形を、高秉燭は知っている。これがあの手戟での傷なんでしょう。
高秉燭は、親子が接触しようとしたアーランを思い出します。
翌日。内衛府では、武思月が兄ちゃんに叱られていました(笑)兄ちゃん、毛皮もこもこのあったかそうな外套を室内で着ています。病気だから寒いのね?
武思月が公験なしで大理寺に突撃したのは公務だから、悪くはないんだって。大理寺が賊の身柄を奪ったのは手柄を争うため、恵んでやれと言うのかって。んじゃ、何が悪かったってのよ?
唯一の生き残りが殺されかけた、高昇も抗議してきた、それは万一の時に、武思月に責任転嫁するため。
って、ただ取り調べに同席させろと言いに行っただけなのに?武思月が来たから、賊が殺されかけたって、違うダロ、めっちゃ言いがかりじゃん。
要するに、そういう足を掬われそうな行動を慎まないと、朝廷で庇い切れなくなるってことか。
じゃあ、どうすれば良かったってのさー。難し過ぎるぞ、それ。
アーランは今度は淳化房という乳菓子店で、スイーツ試食。またギャラリーいっぱい。
「可」の札を出しました。店主はめっちゃ喜んでるけど「上品」「甚好」「尚可」の3つはこの順番だよね。一つ星ってことかな。当陽酒店は「上」だって言ってたから、三ツ星ってことね。
星ナシもありそうだから、店主の喜びようも分かるんだけど、アーランは、メイヨー、可は可でしかないと釣れないお言葉。
帰ろうとするアーランに自分の店の料理をって話しかけた人がいたんだけど、アーランはそれには答えず、陶家の羊汁ができた頃だと言って、去って行きます。
彼の評価待ちの店は62もあって、この店は63番目になると申非が伝えてくれました。
アーラン、ちょっとコミュ障気味?
フテながらお菓子を食べていた武思月に、武攸決は、どうせお前は態度を改めないだろうから、公務を与えると言ってます。密告者の事案。
奩山から密告者が来るので、韋州の軍が護送するはずが龍門埠頭についた船には誰もいなかったんだそう。
その事案書に描かれていた似顔絵を見て、武思月は自分が助けた親子を思い出し、任務を受けることに。
南市の陶記羊汁館で、羊汁を食べるアーランの向かいに、高秉燭が座りました。百里二郎が品評した羊汁をと頼んだ高秉燭に、品評はしてないとアーラン。
名乗った高秉燭は、鶴州の奩山に聞き覚えはあるかと聞きます。奩山は銅山で有名なところらしい。世間話をしているようで、高秉燭はアーランに探りを入れ、アーランは奩山という度に高秉燭が自分の顔色を窺っているのに気付きます。
目的は別か、私に何の用だ?
幼い娘が父と神都に来て、神都を楽しむ暇もなく、死んだ。
アーランも、気にかけていた彼らが死んだことを、ここで初めて知る。
なぜ知り得たと聞いたアーランに、高秉燭は、親子は高級店の当陽酒店の客には見えなかった、呼び出されたんだと言います。
あれから会っていない、死因はと聞かれても、答えず、アーランに奢らせて帰る高秉燭。
結局、なぜ死んだのを知ったのか、死因はなんだったのか、何も答えてはくれなかったわね(笑)
高秉燭は、春秋道に狙われた密告者の親子が接触しようとしたアーランが、自分が追っているものと関係かあるのか、見極めに来たんでしょう。親子の死には関係なさそうだとは感じたかな。
それでも、また会おう、まだ終わってないと言い残してった。
申非が未だ親子の消息は掴めないと言いに来たんだけど、アーランはもう死んだと言い、大理寺へ向かいます。
その頃、武思月もまた、今度はちゃんと書状を持って、密告者が殺された事件で協力を願うと、大理寺に来ていました。
死んだ林仲が持っていたあの書状が公験ってもののよう。
死体に触った者を確かめるため、武思月の前に大理寺の検視人達が集められます。高秉燭もいるよ。
そこに、昨日の刺客が死んだとの知らせ。
武思月は、三太刀刺されても死なず、手当てしたら死んだ?と裴諫に詰め寄ります。大理寺が上手く口を封じた訳か、と。上からの命でなければ、内部に回し者がいる。
そこで、俺がやったと、名乗り出た高秉燭。
うお、どうする気だ?
丁度、アーランもやって来ます。高秉燭を見て、おや、あれはさっきの…って顔ね。
ってところで1話おしまいっ。
なんちゅーか、高秉燭から目が離せない。黄軒さん、お上手よねえ。
二郎さんは今のところまだ、食べてばっかし(笑)
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