あらすじ
范閑(ファン・シエン)をかたくなに嫌う兄 林珙(リン・ゴン)の気持ちが理解できない林婉児(リン・ワンアル)。范閑の命を狙ったのが皇太子派の林珙だと知った范若若(ファン・ルオルオ)は、内庫の利権が絡んでいると推測する。滕梓荊(トン・ズージン)の復讐に林珙を殺すと息まく范閑に、林婉児との縁談を諦めることになると諭す范若若。迷いの生じた范閑の前に五竹(ウージュー)が現れる。翌朝、林珙は都を脱出していた。
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ネタバレ感想
林婉児(リンワンアル)の言葉も、兄、林珙(リンゴン)には何一つ通じず。
人柄など重要ではない。誠実で善良だとしても、都にいてはならぬのだ。
そう言った兄の言葉を不審に思った林婉児は、どういう意味と聞き返しました。
今まで辛い思いをさせた。どう償っていいか分からなかった。父が会いに来ないのは大局のため、林家のため。だが己の家族も守れないで、どんな意義がある。嫁がせたくないのは、巻き込みたくないからだ。お前を守りたい。
そう言って、林珙は短剣を渡し、范閑には会うなと言って去って行きました。
兄、全く妹の問いに答えてませんよね?
それでほっこりと兄の手をとって、引いちゃう林婉児もどうなの?
范閑と結婚すると、林婉児にも危険が及ぶの?
林婉児の結婚相手に内庫の権利を渡すというのは、皇帝の命。巻き込みたくないも何も、元々台風の目の位置にいるのは、林婉児のほう。相手が范閑でなくても、問題は起きるのでは?
范閑憎しの勢力は、なぜそこまで目の敵にするんだか。コイツじゃ御しにくいってことなんでしょうけど、范閑の人となりなんか全く分からない時から、命を狙ってましたよ?なんで?
そして兄貴よ、この短剣でいざとなったら自害でもしろと?日本では、武家の女性が持つ護身用の短剣って、そういう意味もあるよ?この短剣、懐剣にしちゃデカかったけども。
街を歩く范閑の元に、若若(ルオルオ)が合流しました。
ひと気のない場所で、俺を狙ったのは林珙だと告げる范閑。なぜと呟く若若ですが、思いのほか、驚いてはいません。彼は皇太子派、内庫の利権ねって。
范閑は、利権が欲しいかなんて誰にも聞かれなかった、俺は利権なんていらない、ヤツらにやると言うのよ。ほんそれ。勝手にそういう話にしたのは皇帝です。
ううむ。元々これ、皇帝の、長公主放逐の筋書きだったんじゃありませんか?
どんなに悪辣な人物だと分かっていても、長公主って立場の人間を簡単に排除できないから。せいぜい抵抗させて謀略を巡らすよう仕向けて、どうにも言い逃れのできないことをしでかした時に、はい、お疲れさんと、切る。
それに抵抗して生き延びることができるかどうか、できないようでは、范閑もその程度の人物だという、虎の穴的試練も含めて一石二鳥。長公主に操られて駒として動かされるような奴らの追放も含めれば、一石三鳥にも四鳥にもなる。皇太子と第二皇子の、真の実力を見極めるのにも使える。
范閑が皇室の別荘で騒いだのは、林珙に殺す機会を与えてみたんだって。それで、林珙の手下達はみな七品以上で、程巨樹(チョンジューシュー)の捕縛も可能だと分かった。葉霊児(イエリンアル)にも会って、真犯人は林珙だと確信したと范閑。
ただ、林珙は皇太子の一味だけど、直接皇太子が噛んでいるかどうかは不明。今の復讐相手は、林珙一人だと言います。
范閑は、滕梓荊(トンズージン)の復讐のために動いてはいるけど、その過程で散々、ただの護衛だろうという身分のある人たちの言葉を聞いて、辟易しちゃったのね。身分も力もない一般の民衆がいてこそ、彼らが幸せに暮らしてこその国家なのに、そういう普通の人達の命を大切に思わない権力層。彼らは虫けらではないと、権力者に伝えるためにもって言うんだけど。
でも若若は、自分のためには?と聞きました。
林珙と林婉児は、私達と同じ兄妹よ。私が婉児に殺されたら、婉児を娶れる?
一番痛いところを突かれましたな。
敵を討ちたいのも不服なのも分かる。でもその手で林珙を殺せば、婉児とは結ばれない。
さすがの范閑も、座り込んで盛大に悩むことに。
林婉児は葉霊児と会っていました。
林珙が范閑を殺そうとしたと聞いて、驚く葉霊児。
何を言っても林珙は聞いてくれない、2人の間に何かあったのかと疑ってしまうと言う林婉児に、葉霊児は尋ねました。
想い人と家族との間に取り返しのつかない何かが起きたら、どちらを選ぶ?
林婉児の答えは、とっても優等生的。明確にどちらかは選べない。でももしどちらかが過ちを犯してしまったなら、天が正しい判断を下してくれるのを望むと言いました。
ただ兄貴がやらかしたのは、国を裏切ること。敵国北斉と繋がってたんだから反逆罪。誰が手を下すかは別として、范閑を監視している鑑査院にバレるのも時間の問題じゃない?もう林珙に生き延びる道はないよね?
ただ、林珙が誰に唆されたのかってとこなんだけどね。
范閑が夜行着で歩いているところに現れたのは、久しぶりーな五竹(ウージュー)でした。
帰れと言う五竹。牛欄街の黒幕は林珙だと言う范閑。
五竹は、迷っていると言います。心が乱れている。そのまま行けば死ぬだけだ。
憤る范閑が、滕梓荊の死に関心はないとと聞くと、そうだと言う五竹。
その返事にショックを受けて五竹に向かっていく范閑ですが、そういう感情を五竹に求めてもダメだよねえ。そんなこと私でも分かるぞ?(笑)
今は、情の部分じゃなくて、冷静になって出直さないと、ただの無駄死にだと言われてる訳だわよ。万全の状態で勝算があれば、五竹も止めないと思う。それにすら気付かない精神状態なんだもの、五竹は行かせる訳にはいかないわな。そして范閑は五竹には勝てないわな。
ひとしきりやり合って、五竹は、成長したなと言います。次の瞬間、屋根から転げ落ちていく范閑の手を掴んだ五竹。范閑、失神させられてました。
だが、慎重さが足りない。
はいな、その通りっ(笑)
翌朝、自室で目覚めた范閑。五竹を捜すものの、どこにもいません。
若若がやって来て、五竹が范閑の世話をしてくれてたことは分かるんだけど、もういなくなったみたい。そのまま、林珙を殺しに行くと出て行こうとした范閑は、若若に去ったわと言われてしまいます。
林珙は、今朝早く都を去ったと、葉霊児が知らせてくれたらしい。
昨日、あんなに息巻いていたのに。一晩で何があった?
田舎道を走る馬車。窓から顔を出した林珙は、山羊を抱いて歩いていた村人と目が合ってしまいます。奴を殺せ。私の顔を見た。
は?アンタが顔出したんだよ?おっちゃんは、ナニゴト?と見てただけだよ?
ほんっと、こういうヤツなんだよ。宰相家の次男。やっぱさいってー。
葉霊児に会いに行った范閑。
逃げたって?
多くの護衛を連れて。
林珙は、朝早く皇太子に会いに行って、屋敷に戻ると慌てて出て行ったらしい。
それは身の危険を感じたってことだよね?
これさ、范閑にバレたっていうより、司理理の証言で鑑査院に北斉の密偵のリストが渡ってしまって、足がつきそうになって逃げたんじゃないかな。でも宰相の次男が大量の護衛と共に行方不明って、すんごく頭の悪い失踪劇のような気がする。
葉霊児が昨日林婉児に会いに行ったのは、この子なりにいろいろと考えた末なのね。
葉家のことを考えると、皇太子に敵対はできず、鑑査院で証言もできない。だけど、北斉を野放しにするのも嫌。そして林珙の犯した罪は、国を裏切る許しがたい大罪。
だから昨日、もしどちらかが過ちを犯したら、天が正しい判断を下してくれるのを望むという林婉児の言葉を引き出した。それで、親友の兄とはいえ、その動向を范閑に伝え、探して欲しい、詳細が明らかになるのを望む、その罪はきっと陛下が罰すると言ったんですね。范閑に仇討ちをさせたい訳ではない、公の裁きを受けるようにと。
でもきっとそれが、范閑にとっても一番いい方法だよねぇ。
林珙がどこかの田舎の屋敷に落ち着き、船で南下しようなんて言っている頃、范閑は追跡の達人(笑)王啓年(ワンチーニエン)と共に、話し合いながら歩いていました。
でも范閑も、なんで王啓年はそこまでしてくれるのか、ちょっと疑問を持ったわね。いくら金払いがいいと言っても、この人の周辺は毎度毎度かなり危険。平穏を望んでいるという建前の王啓年にとっては、むしろ避けるべき相手です。そこを突っ込まれて、答えに窮してしまった王啓年。范閑も、言わないなら聞かないよってさ。追い詰めたい訳じゃないし、その手腕に助けられてるのも確かだし。
ま、言えないよねーえ。皇帝か侯(ホウ)公公か、どちらかの密命を受けて、助けつつ報告入れてるだなんてさー(^m^)
と、そんな二人の前に立ちふさがる人物が。
誰だ?って言ってから、あ、次男坊んとこのヤツかと范閑。
以前、靖王世子殿下の屋敷でいきなり攻撃してきたヤなヤツなー。第二皇子の護衛、謝必安(シェビーアン)。突然殿下に会えと言われ、急用があるって言ってるのに、殿下は近くにいるんだと。
范閑が仕方なく第二皇子に会いに行っている頃、林珙のところには五竹が現れました。
あああ、五竹おじさんっ。こりゃ、みなさん方、あっという間にやられますわー。
第二皇子は、街中の一画の人払いをし、そこに台やら卓やら衝立やらを持ち込んで、紅楼を読んでいました。どうせ范閑が通るのを待っていたんでしょうが、そんなことのために、この周辺で生活している人々は、有無を言わさず追い払われたんでしょうねえ。
急いでいる范閑の応対はつっけんどんですが、第二皇子も早々に本題に入ります。
今朝、林珙は東宮で皇太子と面会した。語気も荒く、范閑の名前が外にも漏れていたらしい。そして急いで都を出た。皇太子と第二皇子はお互いに、間者を入れているらしいよ。
第二皇子は、林珙を追っているのかと聞き、ならばと、謝必安を貸してくれると言います。「光陰を断つ」って異名を持っていて、都の剣士で右に出る者はいないんですって。
光陰を断つ?
一瞬だ。
ミラクルだな。
この「ミラクル」に、第二皇子も謝必安も反応するんです(笑)
ママ葉軽眉(イエチンメイ)、こんな言葉も持ち込んでたのか?
第二皇子は、ぴくっと顔を上げ、謝必安は、剣術に詳しいのか?と聞き、確かに「みらくる」の力は必要かもしれん、未来から来る力をな、と言います。
ちょっと待て。なに「みらくる」って、未来から来る力として、この世界で認識されてんの?范閑は、会話が成立してるって驚いてるだけでしたが。
第二皇子は范閑に協力する理由を、才気に感服をと言ってから、内庫を継承するおまえを抱き込んでおきたいと付け加えました。
范閑も、忌憚ない言葉に感服した、だってよ(笑)
でも今回は不要と言われた第二皇子、怒りはしませんでしたが、権威ある皇太子を選ぶのは当たり前だとジャブ。有望なのは殿下だよと言って、范閑は先を急ぎます。
ややこしいなあ、もう。自分の手を取らないなら、皇太子派なんだね?とか。中立はないんかい。
さてさて、五竹おじさん。林珙の部下は、五竹に真気は感じないと言ってたんだけどね。そりゃ、やっぱ人じゃないからかな(^m^)でも五竹だと、林珙から何も聞きだせないまま、終わっちゃうだろうなあ。
ゆーっくりと屋敷に入ってきた五竹は、因果応報だ、范閑を殺そうとしたなと言います。
林珙は即、殺せと命じました。部下は遣わした者を確かめなくていいのかと言いますが、林珙は、ヤツを殺せば首謀者が出て来ると。
でも、七品の部下が一太刀でしたよ。
五竹は、標的はお前ひとりと言うんだけど、わらわらと手下どもが囲んできちゃった。
仕方ないわね。こりゃ、全滅ね。
林珙は何もできないまま、命乞い代わりの言葉も途中で、仕留められてしまいました。
王啓年と共に街を歩く范閑。
やっぱりな。第二皇子が人払いをしたあの一画。雑貨や軽食を扱う屋台が多いところなんですって。范閑もそこにひっかかったよね。そういう一般の人達を、当たり前のように追い払う所業。
人に貴賤があるなら、何の問題もないって范閑の言いたいことが、王啓年にも分からないみたい。
林珙の行方を捜すために、林家の屋敷前に立った2人ですが、屋敷前は石畳でした。馬車の轍は追えません。それにもう日も高く、だいぶ遠くまで行ってしまっただろうと。
その頃、鑑査院では、朱格(チューゴー)が何かもぐもぐしながら、一心に書類と向き合っていました。傍らに、ふと黒い袖の手がなにやら紙を置きます。うん、この袖、五竹だぞ?律儀だな、お知らせかいな(笑)気配も完全に殺せる人。
朱格が気付いた時、既に五竹は消えた後。
置手紙が映ったんだけど、結構これは分かり易い漢文でございました。
林府林珙は、京都の南40里、蘆城?郊外の荘園で暗殺。林珙と同行の護衛全員生き残りなし。そんな感じですよね。
急いで現場に向かった一処のみなさん。お手紙通り、現場には生存者なし。
鑑査院に運んだ林珙の遺体の前で、言若海(イエンルオハイ)は朱格から手紙を見せられます。筆跡は整い過ぎていて癖がなく、鑑定も無理。でも殺した後、なぜ情報を寄こして遺体を回収させたのか。
この傷は剣によるもの、かくも腕の良い剣士は京都には一人しかいないと言若海。
第二皇子の門客、謝必安。
…あら、なんかごめんね、濡れ衣を(^m^)
林珙は皇太子の門下、これは陛下にご教示を仰ごうってことになりましたよ。
その頃、范閑は自室で木工工作中。
そこに思轍(スージョー)が夜食のお菓子を運んできます。どうやら、店舗に最適な場所を見つけたんだと言いに来たみたい。でもその思轍は、やって来た五竹に、ちょいっと眠らされてしまいます。
外に出た范閑と五竹。
昨晩邪魔されて、今朝林珙を逃がしてしまったから、范閑は怒りまくってますよ。
五竹は、奴を殺したと言いました。
なら昨夜はなぜ阻止したって噛みつく范閑なんだけど、うん、この人、昨日の五竹の忠告が全く身に染みてなかったー。とはいえ、一緒に行けば果たせたかもしれないけどな、イコール、林婉児とは完全に破局ですわ。五竹おじさんには、感謝しないといかんのになあ。
ここから、多分滅多にみられない、よく喋る五竹、慌てる五竹のシーン(笑)
お前の心は乱れていたと五竹。
誰が許可したと范閑が怒鳴ると、お嬢さまだと五竹は言います。
お前の代わりに俺がやる。
おまえは決めかねていた、おまえを狙う奴は殺す。
だったら!牛欄街の騒ぎの時、おじさんはどこにいた。
瞬間詰まった五竹は、あの時は京都にいなかったと言い、少しあけて、すまないと。次は気を付けると。
五竹さあ。どんだけ精巧なアンドロイドなんだろうか…ママンがめっちゃ可愛がっていたんだろうことは、よっく分かる。あ、アンドロイドって決めつけてますが、それ以外にないっしょ。
あの時、五竹は江南に行ってたんですって。
お嬢さまの箱はと言われて、自室に戻る范閑。
箱を前にして五竹は、この箱を開けたいが、覚えているのは鍵は都にあるということだけ、場所は分からないと言いました。でも微かな当時の記憶で、江南で箱の話をしたことがあったのだと。
行ってみて確信したらしい。鍵は2か所にある可能性がある。
1か所は宮中。宮中にあるとすれば多分、洪(ホン)という太監のところだろうと言います。宮中には四大宗師の1人がいるらしく、むやみやたらに忍び込めないみたいなんだけど、五竹は強行突破だって(笑)どこぞの藍湛みたいなコトを言う(^m^)ここではまだ明らかにされてはいませんが、その洪四庠(ホンスーシャン)こそが、四大宗師の1人なのよ。
2か所目は、お嬢さまが当時住んでいた場所、都の近くにある太平別院。手伝ってくれ。
五竹はしばらく都にいると言い残し、父上に頼んでみると言った范閑がまだ話の途中で、消えました(笑)
翌朝。若若にも林珙の件は伝わっていたようですが、自分ではないと言い残して范閑は范建の書斎へ。
林珙が死んだと言われても、頑張ってすっとぼける范閑。手を下したのは剣士だと、范建は五竹の行方を尋ねます。
じいーっと見る范建と、随分会ってない、おじさんが何か?と聞く范閑。
ふ。息子の勝ち。
尋ねてみただけだ、もう行けと言われた范閑は、逆に近づきました。
太平別院を知っていますか。母上の居所だったと聞いた、故人の地で忍びたい。
でもパパはダメだと即答です。
母の身分は知られてはいけない。先に内庫を引き継げ。
引き下がった范閑だけど、いつもの、コイツはまるっと信じられんって顔になってるね。ならば勝手に動くだけっていう。パパに向けては、よくこの顔になります。
書斎から出た范閑を待っていたのは思轍。書店の話を始めたところで、使用人が、皇太子が東宮に来るようにと現れ、すぐにもうひとりが林宰相が屋敷に来てくれと現れ。
大物の呼び出しに思轍も驚きつつ、書を記してからだと叫ぶと、書斎から范建が出て来たもんだから、慌てて逃げて行く次男坊(笑)めっさ逃げ足早い(^m^)
どうやら林珙の死と関わりがあるなと言われても、俺とは関係ないと范閑。行ってみれば分かるだろうとパパ。
宰相の方から行けだそうです。皇太子とは一線を画すが、どちらが先でも機嫌を損ねる。
と、そこに、大内禁軍が陛下の命を伝えに来たと。今度は皇帝かーい。
選択の余地はなくなりました。
次回、初めての謁見っ。
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