所感 ネタバレです
これね、陥れられて毒を盛られ流産した上、命も危うくなった皇妃、姚莫心(ようばくしん)の、このまま死んでたまるか!の思いが、その魂を、見舞いに来た妹、姚莫婉(ようばくえん)と入れ替えてしまったってお話なんですよ。で、姚莫心は着実に復讐を果たしていくんだけど。
でも皇妃姉妹より印象に残ったのは、どうしようもない暗君皇帝、夜鴻奕(やこうえき)と、その弟、夜君清(やくんせい)のほうでしたねえ。
夜鴻奕は自分が、たいした才もないことを、本心では知ってるんだろうね。帝位も本当は、皇帝にも周囲にも愛されていた弟のものだったかもしれなかった。だからこそ皇帝として人前に立つと、妙に威厳を見せたがるし、権力を振りかざして簡単に人を罰しようとするし、嫉妬と劣等感から弟を疎んじるようにもなってく。そんな器のちっちゃさが、どんどん浅ましく滑稽に見えてきます。
片や夜君清は、文武両道、民への想いも厚い、自他ともに認める皇帝の器っぽかったんだけど(それにしちゃー、わーわーめーめー泣き過ぎだったけども(笑)、成り行きで、嫁も帝位も兄に譲る羽目になっちゃってた。それでも昔のアレコレを呑み込んで、辺境の将軍として兄を支えようと、一応はしていたのに。
これは、夜君清役、陳哲遠(チェンジャーユエン)を愛でるドラマかなと、中盤くらいまでは思ってました(^m^)
この方のお顔は、全部が丸っこいのね。目も鼻も唇も。これってすんごい特徴だと思うので、ぜひ、手を入れないで頂きたいんだけど。どうかな。もう入ってたりします?
なので前髪なしの古装ヅラより、前髪ありのほうが似合う人ですね。古装でも多分。
趙露思(チャオルースー)の相手役で出ている現代劇の「ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ」も、かなり評判がいいらしいので、そのうちU-NEXTで見てみようと思ってます。

あ、丸っこくんなので、女装は似合ってましたよ(^m^)
も少し気合い入れて作り込んで欲しかったけど、状況が状況だったから仕方ないか。
隣にいたお友達の寒錦衣は面長なんで、女装ってより、ただ女物着ただけって感じだったけど、夜君清は可愛かったわ。
てか、2人も揃ってあんなデカイ侍女いないからっ(大笑)あ、そのシーンは34話です。
上記、中盤くらいまではというのは、序盤は姉の魂が入った妹が、山道を転げ落ちた拍子に記憶喪失になっちゃって、そのドタバタが続くからです。
自分が皇妃であったことも、体は妹のものであることも、自分の名前すらもすっかり忘れて、偶然助けられ助けた夜君清に、嫌がられても嫌がられても縋りつきまとわりつき、抱き着くわ、足にしがみ付くわ、やりたい放題する訳ですよ。
それに困惑しつつ塩対応ながらも見捨てられない、根は良い人夜君清くん、気付けば結構絆されてる夜君清くんをたくさん見せられるんだよ。それを陳哲遠の丸っこさでやられると、カワイイっちゃーカワイイんで。
ただこれが、積み上げて来た経験や道徳心等々を全て取っ払った時の、姚莫心という人の素なんだってことなのよね。この、人の迷惑顧みない傍若無人さ、生存本能の強さが。
見た目は妹なので、記憶喪失になった妹の所業に見えちゃってヤヤコシイんだけど、妹の魂は瀕死の姉の体の中。だからここで記憶喪失になって、やりたい放題してるのは、姉の意識のほうなんだよねえ。薬の知識を持ってたのも姉ですしね。最初に自分には知識があるって、血を流しながら言ってたよね。
そもそも妹は、引きこもり気質のおとなしい子だった訳で。記憶があろうがなかろうが、活発なのは姉の方。
だからさ、結局、そういうコトなんだよ、この人。でなきゃあんなに毎度独断で動いて、夜君清を傷つける選択ばっかりしないんじゃない?
それにしても、書庫が火事になって閉じ込められてたのを、助けに来てくれた夜君清を火の中に引き止めて、私のことをどう思ってるのかと、返事するまで逃げないってのは、やり過ぎですよ。人の善意を迷惑で返すなっつーの。
そんな序盤を、楽しいと思うか、この女は…(-”-)と思うかで、ラブコメ好きかそうでないかが分かるかもしれない(笑)
私はあの火事場さえなければ、厄介だなとは思いつつ、比較的スルーできたんですけどね。1.5倍速で。

ただ、後半からは、姚莫心の記憶を取り戻した見た目姚莫婉が、ガラリと変わります。
衣裳も、ふわふわパステルから原色系に。分かり易い。
で、自分を陥れた人達を、ひとりずつ仕留めていく訳ですが。その中には皇帝夜鴻奕も入ってます。
姚莫心は元々、夜兄弟双方から想いを寄せられていたんだけど、天灯会の日に助けてくれた仮面の男を夜鴻奕だと勘違い。夜兄弟はその日、お揃いの仮面をつけていて、助けたのは夜君清のほう。でも弟が犯人を追っている間に、恩人を捜した姚莫心の先にいたのが同じ仮面の兄だった。
その誤解に気付いても、兄は自分が助けたことにし、弟もそれを知ってぐるぐるしたものの、兄を嘘つきにする訳にもいかず、黙っているしかなかった。
ってな訳で、姚莫心は夜鴻奕を選ぶんだけど、最初から兄の人間性…って話だったんだよねえ。
そんな兄は皇帝の命で、姚莫心の義姉の姚素鸞を娶ることに。だから姚莫心は諦めようとしたんだけど、婚礼の晩、花嫁を放り出して姚莫心の元に来て、勝手に結婚しちゃう訳だよ。
その夜、弟が姚莫心に想いを告げ、天灯会の日に助けたのは自分だと告白しようとしたところに、兄が駆け込んでくるというね。
で、今度も、見た目は姚莫婉、中身は姚莫心に惹かれてしまった夜君清に、姚莫心はまた同じようなコトをしでかす。記憶がなかったからとはいえ、あれだけまとわりついた夜君清を振り切って、入内します。復讐のためとはいえねえ。夜君清のハートブレイク再び…
そんな経緯で結婚したのに、というかそれだったからこそ、姚莫心を手に入れた後もずうーっと、兄は嫁と弟の不義を疑い続けてた訳だ。妊娠したのも、自分の子じゃないかもしれないと、堕胎薬を盛るなんてことまでしてた。なら最初から、嘘ついて奪い取るなやって話よ。
で、姚莫婉のことも、夜君清と仲が良かった?しかも姚莫心の妹だ?じゃ執着♪そして疑念っていう。
だけどそのうち、実は夜鴻奕は皇室の血なんか引いていない、先帝時代の忠臣、洛浜将軍の息子だったことが判明するんですよ。夜鴻奕の母は、元々洛浜将軍の恋人で妊娠もしていたのに、将軍が出征している間に、先帝に入内を迫られてしまった。彼女は息子を守るため、皇帝の子だと嘘をつき通し、亡くなってた。洛家男子には代々、赤い痣があるってのが決め手で、それを母から絶対に人には見られるなと言われていた暗愚皇帝も、信じざるを得なくなります。
自分があれだけ疑ったコトを、少し状況は違うけど、自分の親達がしてた、みたいなお話。
だけどこの将軍さんもさあ、先帝の免死券を持っていたから、最初は死罪になる淑妃の父親に頼まれて、淑妃を助けるために都に出て来たんだけど、姚莫婉が入内した途端に、後宮周りの人々が次々に失脚してるのを知ると、全部姚莫婉のせいだと決めつける。
まあ、姚莫心の死因を知らなければそれも仕方ないのかもしれないけど、そもそも後宮なんて、いろんな思惑が渦巻いてるんだから、先帝の時は平和だったなんて言い分だって、武官のこの人が何も見えてなかっただけなんじゃないの?と思いましたよ。何より自分が煮え湯飲まされてたのに。
で、国のためだのなんだの言いながら、莫婉に突っかかってみたり、攫ってみたり、殺そうとしてみたり、ジタバタジタバタしてましたが。
アナタ自身がそもそも忠臣のつもりだったのに、皇帝に恋人も息子も奪われて恨んでたんじゃないの?忠臣のふりをしつつ、とっとと引退隠遁したのは国のためだったかもしれないけど、自分の子が皇帝になるのを止めなかったのも、お国のためですかね?皇室に対しての復讐心、全くなかったと言える?
自分は人を見る目がある、淑妃は人を殺そうとするような娘じゃないなんて言いきってる辺り、人を見る目もなかったし(笑)
とはいえ、今更そんなことを言われても、夜鴻奕としてもね。もうそれを知っている生き証人は洛浜将軍だけとなれば、まあ、消すよね。
父親殺しまでしてしまった夜鴻奕にはもう、怖いもんなどなくなってしまう、と。
そしていや増すサイテー度。ちょっと邪魔だと思えば、みいーんな排除。兵も民衆も関係ない。
結果、ますます孤立していきます。
そんな皇帝への不満が国中にも溢れ、姚莫婉も夜君清も、とうとう決意する訳だ。
姚莫心にとっても、残るは皇帝と義姉、姚素鸞だけになりましたし。
それにしても夜君清、ここまで随分と傷だらけ、死にかけって繰り返しましたな。
蘇りの皇弟(笑)
いや、しっかし、ものすんごく大量に人がいなくなりました。
後半は、ちょっと話を長引かせるために消した人達もいた気がするよ。
愛情に執着する重たい人も多かったねえ。夜兄弟もその類だけど。
それでも諦められないって気持ちは分かるけど、どんなに想ったって、同じ想いが返ってこないことなんて普通だと思うんだけどなあ、世の中、割と。
それでも、やっと自分の気持ちに決着をつけた途端、あんなコトになった長風公主は可哀そうでした。
夜君清のお友達の城主、寒錦衣とか、寒錦衣の部下の殷雪、夜君清の従者の奔雷、姚莫婉の侍女の汀月とか、味方のみなさんの印象はみんな良かったです。寒錦衣以外はそんなにたくさんは出てこなかったけど。でもなんで汀月がさあ(涙)
寒錦衣は、強いわ優しいわ隠密もこなすわで、ほぼ、何でも屋みたいな感じで役立ってましたが、途中でどこぞの城主と知ってびっくりだったよ。最初は泥棒だったのに。
この人時々、霜降り明星、粗品の上位互換みたいに見えちゃってね(笑)だから女装は似合わない(^m^)
後半は多少、君たち準備良過ぎ、その割には詰めが甘い、ってのもありつつ。いーっぱい人が亡くなり、自分のせいだと姚莫心が何度か落ち込んでましたが、いや、最初からアナタの復讐心のせいでは?ってのもありつつ(笑)
ま、お話は、暗君成敗に繋がるので、そうなれば多大な犠牲を払ってでも国を正しい道へ、と進むのは仕方なかったのかもしれません。
ただ、汀月と魂姚莫婉だけは、なんとかならなかったのかしらんとは思う。それで自分達だけはハピエンだしな…
あれ。こうして振り返ってみると、あちこち、なんだかなあー、はあっても、意外と面白かったんだな。
で、次はどうなるどうなる?と見進めることができるドラマでした。
作品情報
- 制作 2020年発表 全36話 爱奇艺
- 原題 「凤唳九天 -Renascence-」
- 原作 「凤唳九天」曉雲
- 監督 刘海波(総監督)、沈阳
- 脚本 仇星
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