あらすじ
韓早を死に至らしめた東廠(とうしょう)の秘毒・弾刹(たんさつ)散の薬性と効果を確かめた結果、毒は貴妃から賜った緑豆汁に盛られていたと判明する。弾刹散を宮中に持ち込んだ太監の両親から、ある人物の名を聞き出した唐泛と隋州は、それを手がかりに文書を調べ始める。だが同じ頃、その情報を密かに入手した汪植は、いち早くその人物のもとを訪ねていた。結局、宮中内の秘事として事件が伏せられることになり、汪植と隋州は、それぞれ新たな任地へと赴くことに。
成化十四年~都に咲く秘密~ 公式サイトより
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ネタバレ感想
皇太子との謁見を求めて、隋州と共に参内した唐泛ですが、皇太后の協力を得て皇太子に話を聞いていたところに、万貴妃もやって来てしまいます。皇太后と万貴妃のバチバチが始まろうとした時、聞きつけた汪植が機転を利かせて皇帝と共に現れ、頑張って話を進めてくれているー。それにしても皇帝も大変ね、嫁と姑の間で。
そしてやっぱり唐泛だけ、あの皇帝の笑顔の裏に気付いていません。汪植が文句を言いたくもなりますわなあ。隋州も苦い顔ながら、言い返せません。まあ一応は、事件解決のためなんですけどね。万貴妃だって手をこまねいていたら犯人に仕立て上げられちゃうんだから、ツンツンしてる場合じゃないんだけど、うっかり信じたりしたら、どこからどう陥れられるか分からないのが宮中ってことなんでしょうね。
唐泛は汪植から東廠の弾刹散を手に入れ、裴淮(はいかい)に見て貰います。韓草の体の大きさから2時間後の致死量を計算、そこで裴淮、さっさと自分で人体実験。猛毒で解毒剤はないという弾刹散、それでもやる?えー?と思っていたら、それを先に伝えていなかった唐泛、マジか。細っこい少年と大人で体格のいい裴淮だと、体重にしても3倍近く違うと思いますけど、それでもねえ。
途中でやめなかった裴淮先生の医者魂。
ちなみに話の途中に出てきた、裴淮のあこがれている神農っていうのは「神農本草書」っていう中国で一番古い薬の本のタイトルにもなっている伝説の人、医療と農業を司る神。薬草毒草様々なものを試して、本草学、漢方の薬学の礎を作ったと言われてますよ。
そんな裴淮の体を張った実験により、毒は緑豆汁に混入していた説が濃厚になります。
いつもの東さんのお店で、うぇっぷうぇっぷ続ける裴淮と、唐泛、隋州の元に、やって来た汪植。宮中に弾刹散を持ち込み、自害した陳福林の家族情報を伝えます。
万貴妃の周囲は調べたのかと隋州に聞かれた汪植、厳しい顔になりました。
万貴妃なあ。別に汪植は侮ってる訳じゃないんだけどねえ。
自分の側近たちを調べる=側近に謀られていたことも気付かない万貴妃=侮ってる
となるのでしょうか。
それでも言葉を重ねる汪植に、万貴妃もようやく頷いてくれました。
汪植サイドで分かったこと。緑豆汁は2椀とも毒見済。
福林の遺族の豆腐屋を訪ねる唐泛と隋州。友人を騙って香典?代わりのお金を渡し、信用させて話を引き出します。福林の死後、劉乾爺の指示で人が来てあれこれと処理をしてくれたと。乾爺とは、宦官になる際に必要な後ろ盾、仮親のことらしいです。ふむ。福林はその人に逆らえなかったってことか。
汪植の元にも、唐泛と隋州の動きが伝えられていました。福林の遺族のことを話したのは、唐泛と隋州にそっちを探らせて情報を先取りするためだったのね。万貴妃に関わる件だから、汪植は信用できないとして汪植の手を借りずに劉乾爺を探す2人でしたが、時間かかっちゃいましたね。ひと足先に、汪植に足を運ばれていました。
15年前、劉太監の勤めていた蔵書閣には、賢く聡明な紀という女官がいました。訪れた皇帝とも詩経について語り合うこともできる才女だった彼女は懐妊、紀淑妃となり今の皇太子を産んだものの、万貴妃によって消されてしまった訳ですね。皇太子の命と引き換えに。なるほど、史実ほど悪い人には描かれてはないようですが、ある程度やることはやってるんだ、万貴妃。
劉太監は復讐ではなく、皇太子のために万貴妃を葬り去らねばと思っていたようです。だとすると、緑豆汁を直前で皇太子に飲ませなかった側近もグル?かなり手の込んだ計画だったけど、汪植が来た時点で諦めたんですね、劉太監。皇太子を頼むと言い越して自害しました。巻き込まれた韓草が哀れ過ぎるわ。
首謀者死亡で捜査打ち切り。これ以上続ければ、多くの人を巻き込む。それが陛下の意志。唐泛も隋州もやるせない。
そして汪植は、しばらくの間、非難を避けるために遼東へと出張となりました。
そういえば、子供量でもあれだけ裴淮は反応が出たのに、毒見役はなぜ無事だったのか。
その答えは確かしばらく後で出てきたはず。今は謎のままです。
唐泛より、法に真っ直ぐな隋州のほうがクサってますね。
そこへ汪植が一時お別れの挨拶に。韓草事件をここでお終いにしたお詫びの奢りですって。相変わらず東姉さん、あからさまに隋州の皿は大盛りです。そこで黄元米果という江西の伝統料理を食べた直後、隋州にも江西へ出張の命令が下りました。
汪植は遼東でのモメ事の平定と、馬市の無事の開催を。
隋州は江西、吉安府での囚人の大量死について捜査を、刑部と巡按御史と3人で。
頼りになる隋州と、腹黒いけどやっぱり頼りになる汪植、2人がいなくなって、唐泛大丈夫かぁ?
それにしても錦衣衛のボス万通、万貴妃の弟ですが、嫌味をそのままイヤミったらしく言いますねえ。言われても隋州は無表情で、全く反応しませんけど。
隋州が外に出ると、賈逵(かき)が待っていました。隋州のひととなりを信頼している賈逵は、金の入った財嚢を妻と子に渡し、賈逵は処刑になったからこの地を離れろと伝えて欲しいと言います。なぜかと聞く隋州に、こうするしかないという賈逵。特赦の詔書を下したのは陛下以外に考えられぬと隋州が言うと、それを自分から伝えるなら命を頂かねばなりませんと。ま、皇帝直属の機関、西廠の隠密として働く訳ですからねえ。ご想像のままにってことだけど、言葉で伝える訳にはいかないんだね。
のっけから素手でサシで勝負した従軍経験者の二人。何か通じるものがあるのでしょうね。
さて、隋州宅では、山羊さんにご飯をあげている冬児に、文字を教えてやろうと言い出す唐泛。
唐泛兄さんが3日で覚えたと自慢する本を、さて冬児はというと、1時で充分よって、その場で覚えたわ。1時って2時間でしたっけ?出来が悪かったら棒で打つぞとか言ってましたけどね、兄さん。
そこに帰宅した隋州。
勝手に私の部屋をいじるな
生き物を中に入れるな
と言い残し、江西に旅立ちます。
山羊も牛もって言ってたけど、隋州兄さん、下手するとこれから牛も来そうだとか、思ったの?
そして唐泛は、そうか、2人がいない間、こっちの話になるのか。あ、ドゥルラね。唐泛は外套を返しに行くものの、林朝東捕り物騒ぎの時に、ドゥルラが引っ張ったまま振り切って走り出したから、裂けちゃってるみたいなんですよね。
ドゥルラ、ひどいわって悲しんでるところにいい音楽流れてますけど、元々唐泛、さほどの悪さはしてないと思うんだけどなあ。あの場に借り物の外套、着てくるべきじゃなかったけど。
二人とも互いの執着状態を見れば、その外套と箸箱がそれぞれにとって大切なものだと分かるでしょうに、なんでこうなるのかなあ。自分のことしか考えてないからだぞぅ!?
美しい翡翠の箸が一本、真っ二つにされてしまいましたよ。
たかが箸でしょ、修理に出すわという冬児に、お前に何が分かるという唐泛。
うん、誰にも分かりませんよね、言ってくれなくちゃ。
仕返しのために、自分にも扱える武器をなんとか探し出し、再度鉄市に向かう唐泛。武器、それしかなかったんだね、ふっ。
一言謝ってくれればいいと、毅然と?立ち向かうんだけど。ま、結果は知れたものですよねえ。
顔はよせっ ← ひひひ。
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