あらすじ
一連の事件の犯人は自分だと主張する楚天啓(チュー・ティエンチー)。だが杜城に賀虹の真実を突きつけられ、ついに穆偉失踪事件の真相を語り始める。楚天啓は所持していた賀虹の私物を杜城に託すが、その中には雷一斐が生前追っていた事件の手がかりが含まれていた。捜査が再び動き出す中、かつて沈翊に似顔絵を依頼した女の正体が判明するが…。
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ネタバレ感想
李俊輝(リージュンフイ)と連絡がつかないと、杜城の運転する助手席で焦っている蒋峰(ジャンフォン)。
路地裏で刺されて倒れているのを杜城が発見したけど、彼は既にこと切れていました。
霊安室で何溶月(ホーロンユエ)に遺体を見せられて、初めて、仲間の死を実感する沈翊。
これが警察だ。一度の事件で命を落とす。
それは明日か、今日か、数分後か。
別れを言う機会もない。
杜城の言葉が重い。
李俊輝は背後から3度、心臓を刺されていました。
凶器の形からも、雷一斐(レイイーフェイ)の傷と酷似していると何溶月。
李俊輝の死を悼んで落ち込むみんなは、犠牲になった戦友を悼むならすべきことをしてと、局長に発破をかけられます。
杜城は、楚天啓(チューティエンチー)を尋問していました。
賀虹(ホーホン)は何者だ。他に仲間は?
楚天啓は、今の賀虹が以前の賀虹と違うことをまだ信じてないから、賀虹を庇って、穆偉(ムーウェイ)を殺したのも強盗したのも自分だと言い張ります。
賀虹は赤の他人で小安もお前の娘じゃない、お前の愛した女は死んでいると杜城に怒鳴られても。
厄介よねえ、あんなに見事な美容整形。
小安は公安が保護して無事だけど、賀虹はあの晩から逃げてしまったみたいよ。
警察官を3度刺して殺したと言われて、楚天啓の脳裏には誰かの血の映像が浮かびます。
更に小安を置き去りにしたと聞いてようやく、賀虹は本当に別人だったのかと納得したらしい。自分はただ利用されていただけだったのか、と。
バッタリ会った時は、何か事情かあって自分のことを知らないフリをしていたと思った楚天啓。その後、オーナーの配達希望と追記のあるデリバリーの注文が、賀虹から届いた。
訪ねてみると、部屋には穆偉が倒れており、傍らには震える賀虹がいた。
小安が自分の子じゃないと口論になって暴力を振るわれたから、小安が心配になってやってしまったと。
小安は絵の先生のところに預けてたんだってさ。計画的じゃん、それ。
バッタリ会った楚天啓の反応で、あー、小安の父親はコイツかと分かって、使えるなと計画したってことだよねえ。
楚天啓は、自分が偽装工作をするから、失踪届を警察に出せと指示して庇った、と。
賀虹じゃないなら、誰なんだと言うけど、それは杜城達もまだ分かってないのよぅ。
どこに隠してあったんだか、穆偉の遺体が回収されました。
凶器は多分、李俊輝、雷一斐の時と同じもの、傷も3か所。同一犯だと思うと何溶月。
本物の賀虹の母親が育てることになった娘、小安のことだけを心配していた楚天啓は、沈翊の部屋でシャボン玉で遊んでいるところを、そっと見せて貰い、少し安心した様子。
楚天啓は、賀虹と一緒に暮らしていた頃の荷物が、店のカウンターの下に置いてあると言います。
本物の賀虹が生きていようが死んでいようが、捜し出してくれと願って。
本当に、ただ普通に愛していただけだったのにねえ。
とすると、7年前の強盗事件って何?
今回のはそれを模倣して、プラス血痕を残し、穆偉を犯人とするための楚天啓の計略だった。
7年前のは穆偉自身の犯行だったとして、なんでそれを楚天啓が知ってたの?
偽賀虹が知っていて、偽装工作のヒントを与えてたってこと?拳銃は元々穆偉が持っていたもので。
7年前に、容赦なくあのおっちゃんの頬を撃ったのは穆偉で。
小安を見送りに局の外に出た沈翊は、ママが渡せって言ったと、小安の書いた絵を手渡されました。
だけどその紙の裏には、何かのリスト。女性の名前とマルセイユとかチェンマイとかの地名。
雷一斐が追っていた事件はなんだったっけ。
9話冒頭で杜城が見せてくれた、雷一斐(レイイーフェイ)の資料を保管しているロッカーには「美容院誘拐、人身売買事件」と書いてあったよね。
じゃあこれ、人身売買のリスト?
下の方には手書きで「m」と書いてありました。
もし、あの女が整形して賀虹になっていたんだとしたら、沈翊が何者かも最初から分かったいたはず。小安にこの紙を沈翊に渡せと言ったってことは、あの時自分が利用した沈翊に、なぜかヒントを与えたってこと。
組織に使われながら、身を隠す生活には嫌気がさしたとか、そんな感じなんだろうか。だけど、普通に逃げても、秘密を知り過ぎていて消される。だから別人になって、小安を育てる生活に没頭してた。賀虹の顔で「優しい子供思いの母」をやっていれば、組織からは疑われないだろうから。小安のためじゃなく、自分のために。ってとこかな。
杜城は、楚天啓の店の家宅捜索。
魅蒂(メイディー)美容院というショップカードみたいなのを見つけてるんだけど、この文字、確か、雷一斐の資料のロッカーにも貼ってありましたわよ。
杜城は持ち帰ったカードを手に、分局のロッカーを開きます。
沈翊も分局の部屋で、あの女の絵を眺め、賀虹が来た時のことを思い出してました。
賀虹は「m」だったのかと。
やっぱりあの時の賀虹の「私にそっくり」って台詞だったねえ。
壁にはあの女と賀虹の絵が並んでいて、最初は賀虹の絵だけに当たっていたフォーカスが、なぜか隣のあの女の絵にまで、すうっと焦点が合っていった。「この絵」だよと、賀虹の絵を印象づけるなら、普通手法は逆だもんなー。
沈翊は、絵は正しかったと呟きます。
魅蒂美容院は、7年前、雷隊長が壊滅させた拠点のひとつで、無料サービスで若い女性を集め、手術時に麻酔をかけて誘拐してたんだって。
あ、美容院って、美容整形のほうですかっ。文字通り「美容院」だと思ってた。じゃあ、ショップカードじゃなく、クリニックの名刺みたいなもんか。
当時30人以上逮捕したけど、全員末端で、幹部ランクの人物はいなかったらしい。
あの時、似顔絵を頼んで来た女は、組織の幹部の1人かと沈翊。賀虹の顔に整形していたから分からなかった、「m」は組織のコードネームだろうって。
賀虹の顔の女が指名手配となりました。
あのリストは最初の列が被害者の名前、次の列が構成員の名前、最後の列が売られてった組織のある地名のよう。
どうしてリストを渡したのかは、組織に脅されていて身を守るためかもってのが沈翊の推理。
まず被害者を救い、彼女達の証言から「m」を探し出そうとします。
そこへ、蔡曼妮(ツァイマンニー)という女性が、帰国するとの知らせ。
彼女は、本物の賀虹を知っていました。船の中に一緒に監禁されていたらしい。
賀虹は妊娠してました。
彼女に目を付けた幹部の女がきっと「m」だね。そして、一緒にいたの、穆偉だよね?
なんだ、同じ組織の幹部だったのかっ。
「m」は当時、誘拐と渡航、国外取り引きの担当をしていた。
妊娠していた賀虹の商品価値は低い。賀虹は船上から「m」によって連れ出され、出産までは生かされてたんでしょうが、出産後、その顔も子供も「m」に奪われ、消されてしまった。
「m」はやっぱり、組織の幹部としてではない生き方を選んだってことらしい。
この時に、穆偉を引っ張り込んだのかなあ。それとも整形逃亡計画を知られて、ついて来られたのか。
最初の宝飾店強盗は、生活資金のためかもしれない。けど、顔を変えてない穆偉が一緒にいるのって、危険じゃない?よく7年も我慢してたもんだ。
失踪した「m」は逃亡を続け、半月前に監視カメラに映ったきり。
歩いていて、突然ガッと振り返って監視カメラに気付くって、すごくない?
この人はすぐには捕まらずに、きっとまだ引っ張るんだなー。
そんな頃、高層マンションの一室に荷物が届けられていました。
女性がドアを開けると、業者は、久しぶりだなと言って、無理矢理室内に侵入するんだけど。
結局、殺されて部屋に転がる羽目に。胸には見事にナイフが突き立てられてたよ。
そしてまた、傷は3つだってよ。別件みたいだけど。
通報者はキッチンの床に座って震えてました。
この女性が住人で、遺体は、夫、趙明哲(チャオミンジョー)。
私が殺しましたと、彼女は言いました。
あの見事な心臓へのナイフの一撃っぷりと、この人とが結びつかないけど、どうなんだろう。
陳秋雯(チェンチウウェン)と名乗った女性の本名は、周雲意(ジョウユンイー)。
夫から、酷いDVを受けていた被害者でした。
結婚後一週間から始まったDVで、腕も肋骨も折れたのに離婚できず、逃げようとしても阻止されて、もっと酷い暴力を受けていた。彼女は、生きるために殺したと言います。
部屋に鍵をかけられて監禁されていたけど、趙明哲が入ってきた時、物陰に隠れて後ろからトロフィーの台座で殴って逃走。
北江に逃げて、名前を変え、誰にも連絡をせずに暮らしていたのに、4年後、趙明哲は居場所を突き止めて来た。
趙明哲が来たのは、自分を殺すため。逃げたら殺すと言われていたから。
首を絞められた周雲意は、手探りで掴んだナイフで、趙明哲を刺した。一度刺しても二度刺しても、首に手をかけてくるので、最後はざっくりと心臓付近を刺した。
少し時間が経って、冷静になってから通報したけど、趙明哲は既に死んでいた。
私が殺したからと、泣き崩れる周雲意。
いたたまれない顔で聞いていた杜城に、周雲意は、正当防衛になりますかと聞きました。
趙明哲の遺体は解剖に回されるので、家族の許可を取ろうとしてたんだけど、家族を名乗る女性が拒否すると言ってきているらしい。
陸婷(ルーティン)というその女性が、遺体と対面する場には、沈翊、何溶月、李晗(リーハン)。
一目見て、すぐに目を逸らし、その後、遺体を見ないまま、彼女は趙明哲で間違いないと言いました。
いつ引き取れますかと聞かれた李晗が、刑事事件なので法に基づいて解剖後と答えると、静かに逝かせてあげられないかと。
沈翊に関係を聞かれた陸婷は、恋人だと言い、血縁はと聞かれて、自分のお腹に手をやりました。
えー、あのDV男、こっちの彼女には手を上げてないの?
うっそだぁ、あの手のヤツは誰にでもやるよね?
沈翊は、陸婷の態度にひっかかりを覚えてる感じ。じいっと見てるわね。
死因に興味はないと?と聞くと、陸婷は虚ろな表情で、奥さんに殺されたんでしょと答えます。
陸婷は、趙明哲が周雲意に会いに行ったことを知っていました。
そして、写真のせいよと、周雲意の写真の写ったスマホを見せます。
独身だと偽って、陸婷と付き合った趙明哲。でも1年ほど前、陸婷は趙明哲と周雲意が一緒に写った写真を見つけてしまいました。結婚記念日と写真の裏には書いてあったんだそうな。
腹が立って問い詰めると、逆上して豹変し、怒鳴りつけてきた趙明哲。目付きも表情も怖くて、今でも覚えていると。
三か月前妊娠が分かり、子供を婚外子にしたくなかった陸婷は、離婚して貰うために、周雲意の居場所を探した。ネットで写真を見つけたら、その写真を見た趙明哲は、瞳に写っていた景色から、地図アプリで場所を割り出した。
翌朝、趙明哲はいなくなったのだと陸婷。だから周雲意に会いに行ったのだと思った。
こ、こわあっ。写真拡大して、憑りつかれたみたいな顔して見てるっ。
てか、名前を変えてまで逃げてる人はさ、ネットに最近の自撮り写真なんか落としちゃダメでしょうにー。
私が見つけたからこんなことになったと、後悔していると嘆く陸婷でしたが、聞いてる沈翊の顔は、なんか疑ってるよね、これ。
陸婷と沈翊が廊下を歩いていくと、制服の女子警官に連れられた周雲意と鉢合わせしてしまいます。
視線も向けなかった周雲意に、陸婷は、ごめんなさいと呟きました。
んー?これは、額面通りに受け取っても良いものなのか?
外まで送った沈翊だったけど、陸婷は物音にやけに敏感に反応して、怯える様子を見せます。
こういうのってなんかあるんだよね、確かね。単純にHSPとかでなく。
DV被害者特有のPTSD的な怯えとかそういう感じの。
ちなみにHSPの気がある私も、突然の大きめな物音には非常に弱いです。
街中でも、うわっとか声が出てしまう(笑)怯えはしないけど、HSPって、ただ咄嗟に反応しちゃうんだよー。
蒋峰(ジャンフォン)の説明する2人の供述と、趙明哲の行動や流れは全て一致していました。
だけど杜城は、沈翊にどう思う?と聞きます。
頭が小さい。
は?(笑)
沈翊は現場で何か違和感を感じていたらしいんだけど、それは、趙明哲が一般男性としては頭が小さいってことだったらしい。
配達員の帽子は調節ができないタイプらしいので、彼には緩かったはず。
周雲意の供述でも、ドアの覗き窓から見た配達員は、帽子が大きくて顔が見えなかったと言っていた。
なのに、激しくもみ合ったはずの趙明哲の遺体は、緩いはずの帽子をきっちりと被ったまま。
矛盾している。
ちょ。それに気付くってすごくない?
沈翊先生の観察眼。
そこへ、検視をしていた何溶月から連絡が入ります。
趙明哲の心筋繊維の配列に、感電したような乱れがあったと。
更に趙明哲は心臓病を患っていて、低電圧でも心房細動が起きるリスクを持っており、刺し殺される前に抵抗力を失っていた模様。
刺し傷の形状にも問題があり、身長差を考えたとき、周雲意では趙明哲の体にあの角度で凶器は入らない、と。斜めに入るはずが、傷は水平でした。
現場の緑地からスタンガンが見つかります。
そこには指紋も残っていました。
さて、誰の指紋なんでしょう。
いずれにしろ、あのDV男はサイテーだけども。
命を狙われるほどの状況に陥った時でも、警察に通報して保護を求めるのが正解なんでしょうけど。接近禁止命令くらいじゃ気が気じゃないよねえ。たとえ収監されたとしても、どうせ数年でしょ。報復が怖いよねえ。
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