あらすじ
未来を描くという不思議な力を持った画家・沈翊(シェン・イー)は、ある女の依頼で写真の子供が35歳になった時の顔を描く。その絵は北江(ベイジャン)分局の刑事・雷一斐(レイ・イーフェイ)に酷似しており、雷は何者かに殺される。7年後、警察学校で美術教官を務めていた沈翊は似顔絵捜査官として北江分局に配属され、雷の元部下で沈翊に恨みを抱く杜城(ドゥー・チョン)の指揮する部署で任務に就く。
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ネタバレ感想
海沿いの廃虚のようなところで、ひとり絵を描いている青年。
壁や柱には、彼が描いたのであろう絵がたくさんあり、そのほとんどが人の顔、もしくは顔のパーツです。
そこに、黒い帽子を被った、赤いハイヒールの女がやって来ます。
未来の姿を描けるとか?35歳の姿を描いて?
そう言って差し出したのは、男の子の写真でした。
バスタブの中に沈む黒いバッグ。
部屋のインターフォンが何度も鳴る中、バッグを中から開けて顔を出したのは、北江分局刑警隊長の杜城(ドゥーチョン)。
張(チャン)局長が推理に納得しないから、自分で試してたらしいけど、いやいや、危ないって。
事件が起きたことを知らせるために尋ねて来た、同僚の蒋峰(ジャンフォン)も呆れてます。
まるでステージのような階段教室で、絵画を使って推理をするみたいな講義をしていたのは沈翊(シェンイー)。
生徒たちに資料を渡し、絵にある3つの嘘を考えさせます。
マンションのバスルームで女性の遺体が発見されていました。携帯だけが見つかっておらず、部屋を荒らした形跡はなし。
復讐か痴情のもつれと見なされて、調べは進んでいます。
犯人らしい男を見た配達員に、エレベーター内の防犯カメラ映像を見せると、この男は袖から水を垂らしていたと証言。
男は地下駐車場から、徒歩で外に出て行ってました。
講義を続けていた沈翊の元に、張局長から、急いで絵を描いて欲しいとの電話が入ります。
すぐ始めましょうって、どうするのかと思ったら、スマホで目撃者と繋いで、話を聞きながら、その場でチョークで黒板に絵を描いていくの。
これ、後ろに生徒たち、いるの?
その頃、杜城は蒋峰と共に、犯人が入っていったらしい大きなマンションの前にいました。
古い建物で防犯カメラもなく部屋数も多い上、犯人の顔も分からない。1部屋1部屋あたるという杜城だけど、張局長の指示は、似顔絵を待て。
仕方なく待つんだけど、イライラしてますわよ。
一旦書き上げた似顔絵は、目撃者の視点が考慮されてなくて、余り似ていなかったみたい。
座って見上げた時に顔を見たと聞いて、描き直す沈翊。
杜城と蒋峰は、回廊型のマンションの真ん中で、途方に暮れたみたいに見上げてました。
いったい何部屋あるんだ、これ(笑)だけどエレベーターを止め、手分けして探すと言い張る杜城。
沈翊の描いた、下から見上げた顔を似ていると言う目撃者。それを聞いて沈翊はまた、その顔を正面から見た絵を描き直します。
これをさささっとやっちまう沈翊さんっていう、初回のご紹介的な(笑)
マンションの廊下を、絵の男が歩いていました。
階段を上って杜城達が聞き込みをしているところに、上手い具合に遭遇だよ。
住人のおばちゃんに捕まってしまった杜城の横を、男は電話をしながら、さっきは持ってなかったのに、どこから調達したんだよっていう松葉づえをついて、階段を降りていきます。
何気なく杜城が部屋は?と聞くと、男は8階だと答えて下りていきました。
蒋峰が似顔絵が届いたと言った途端、杜城は、男を追いかけ始めます。
地下駐車場で、車にぶつかっちゃったのに、平然と追いかけ続ける杜城の強靭さよっ。
行き止まりの場所で、ナイフを持って向かってきた男を殴り倒す杜城。
ちょっと時計のガラスを傷つけられちゃったけどね。あっさり御用となりました。
追いかけてきた蒋峰がスマホに届いた似顔絵と見比べます。
そっくりだ、と。
杜城が似顔絵もなしに男が怪しいと思ったのは、電話中に質問されて、聞き返しもせずに答えたから。
なるほどおっ!ただの体力バカ(失礼 笑)ではないってことね。
傷ついちゃった時計は、杜城のお姉ちゃんからのプレゼントっぽい。
講義が終わった沈翊のところには、張局長から電話。
犯人は逮捕でき、警察学校の上層部が、沈翊の異動を了承したとの知らせです。
北江分局での合流を待っているわと言われて、嬉しそうな沈翊。
犯人は金で殺しを請け負っていた模様。
事件解決でみんなでご飯を食べてるんだけど、杜城、すぐに仕事だ、行くぞと出て行っちゃう。
忙しいのねえ、次々と。
沈翊の自宅の部屋には、キャンバスがいっぱい並んでます。
その中にあの時の、35歳の絵を描いてと依頼してきた女の絵があるんだけど、顔だけが思い出せないようで、赤でバツが描かれてる。
これが、この時の後悔が、似顔絵捜査官を目指すキッカケってことなんでしょう。
当時を思い出す沈翊。
絵を描きながら、誰だと聞くと、女は古い友達よと答えます。
そして、その似顔絵そっくりの刑事、雷一斐(レイイーフェイ)は、電話をしながら歩いている最中に拉致され、殺されてしまいました。
更にその後、自分が杜城に尋問された時のことも。
当時も今も、その女の顔は沈翊の記憶からすっぽり抜け落ちているみたい。
翌日、自転車で公安局、北江分局に向かった沈翊。
一階のロビーで連行される犯罪者を見て、薬物使用者、20時間眠っていない、女性と争った、なんて観察。
エレベーターを降りてすれ違った女性を見て、香水の匂い、長時間の立ち仕事、徹夜して、今、退勤、香水は死臭を隠すためか、顔にマスク跡、監察医だと。
この人は何溶月(ホーロンユエ)ね。沈翊の観察眼はばっちりですわ。
沈翊の配属先は、北江分局、刑事捜査大隊というらしい。
406室の場所を聞くために声をかけたのは、データ解析を担当している李晗(リーハン)。
黄金比の顔で、肖像画に最適らしいよ、李晗。当人は沈翊を見て、イケメン過ぎるってぽーっとしてますが(笑)
更に通路にいた予審官の閆(イェン)さんのことも観察しつつ、406室に向かう沈翊。
だけど李晗の横で、沈翊が向かったのが406室だと知った蒋峰が杜城に報告、杜城は勢いよく406室に向かっていきます。
406室って、殺された雷一斐の部屋だったらしいのよ。そのままに保存してたらしいのよ。
だとしてもさ、殉職して7年も、局長、むしろよくそんなに長い間、保存してくれてたもんだと思いますわよ、あたしゃ。
局内の部屋は個人の所有物じゃないんだもん。
だけど、ま、そこに入ったのが、よりにもよって沈翊だったもんだから。
久しぶりと言われて、嫌でも思い出しちゃう杜城ですよ。雷一斐の最後の電話の相手は、杜城だったみたいだもんね。
沈翊も、その部屋が雷一斐の部屋だったのは初耳っぽい。局長に言われて入っただけだしな。
沈翊に荷物をまとめて失せろと言い残した杜城が、抗議をしに局長の部屋に入った時、局長ってば、あ、やっぱ来たかって顔したよね?(笑)ノックもできないの?ってそっちを言ったけど。
沈翊の人間性を否定する杜城と局長が言い合いになり、嫌なら異動しろと言われた杜城が、IDカードを局長の机に投げ捨てた時、美容整形医院での殺人事件だと蒋峰が、まぁたノックもせずに飛び込んできます。
沈翊との同行を条件にIDカードを返して貰った杜城だけど、局長はどうせ連れてかないだろなと分かってたよね。
沈翊に電話して、同行しろと指示しましたよ。
沈翊が外に出ると、案の定、車は全て出払った後。沈翊くん、自転車で追跡です。
美容整形医院で、院長、梁毅(リャンイー)の死体。発見者は秘書。
杜城達が現場の5階に行こうとエレベーターに乗った時、沈翊が間に合いました。頑張ったっ。
4階までが医院で5階は自宅、エレベーターに監視カメラがないのは、美容整形だからプライバシー保護のためだそう。
争った形跡もなく、被害者には外傷もない。
一緒に部屋に入った沈翊は、壁の跡を見て、ここに鏡があったはずと推測してます。更に床を歩いていた亀さんを拾い上げて、テーブルに戻してる(笑)
ソファの上に転がった「4」とマーキングしてあるグラスに触れようとして、杜城に触るなと怒鳴られた沈翊。だけどさ、手袋もないんだものー。
一応、蔣峰に貸しやれって言って貰えたけど、杜城は沈翊を無視して階下に事情聴取へ行っちゃう。
杜城達が現場に戻って来た時、残されていた沈翊は、部屋を観察していたらしく、部屋の見取り図を描いて、この部屋は何かがおかしい、改造の跡があると気付いていました。
そんな沈翊の動きを、監察医の何溶月は見てたんだわね。この人、目の付け所が何か普通とは違うと思ったんでしょう。
部屋には、一見して見える部分以外に別の空間が隠されていると言って、廊下に向かった沈翊の後を、何溶月も追いました。
沈翊が鉛筆の芯を削って粉にし、廊下の壁に近付けると、粉が風で動きます。
何溶月と沈翊は、この壁の向こうだって気付くんだけど、ハナからバカにしている杜城には分からない(笑)何溶月に、部屋の内外の温度差で気流が起きると言われなければ。
何溶月は、賢いわねって認めてくれたぞぅ♪
更に沈翊は、壁にかけられた「真珠の耳飾りの少女」の絵を見ていました。
この絵って、耳飾りだと思われているところ、実はただの白い点なんですって。うっは、知らなかった。フェルメールに騙されてたっ(笑)
その絵の「白」がすり減っていると、沈翊が押すと、カチャリと音がして、背後の壁が開きました。
ピンク色のアヤシイ密室が出て来たよっ。
更に沈翊が見つけたのは、テレビ台の中にあった大量のDVDでした。
一回で認めろというのは無理かもしれないけど、キミ達だけじゃ、こんな隠し部屋、すぐには見つけられなかったでしょーよっ(^m^)
医院の外の監視カメラには、怪しい女性の姿が写ってました。
医院が閉まった後に建物に向かい、犯行時刻辺りに出て来ています。だけど顔までははっきり写っていない。
それを見た沈翊は、描いてみると言い出します。
杜城も蔣峰も、できるわーけがないって、嘲笑ってるんだけどね。
そんな杜城の元に、梁毅のDVDを調べていた捜査員から、辟易しちゃってるって連絡が(笑)
それは、全部同じ内容で、相手の女性だけが違うエロビデオだったらしい。
梁毅は立場を利用して、患者達を襲っていた模様。顔がみんな似てるんだって。
なるほど、患者を自分の理想の顔に整形して襲っていた訳だ。そりゃあ、恨まれてるだろなー。
ディスクは、32~36番までがなかったらしい。カルテナンバーはディスクのナンバーと対応しているらしいので、その欠番の患者が怪しいことになります。
沈翊は監視カメラの映像を拡大し、マスクの女性の似顔絵を作成中。
まずたくさんの角度の絵を描いて、壁に貼ってるね。
そこに李晗が、先生、お食事は?とやって来ました。壁の絵を見て、素直にスゴイと言ってくれる李晗を見て、沈翊は、君は身長163センチ、44キロ?って(笑)
観察力のスゴさねえ、当たってるらしいよ。
沈翊は、李晗に映像の女性と同じマスクをさせ、基本の形のモデルになって貰います。なんせ、黄金比だし?
顔をパーツに分けて、骨格の中で重要な部分を座標みたいな点々で表して、目鼻を推測するんですと。モーションキャプチャーみたいな点々を描いてますよ。
出来上がった点々とラインで描かれた顔を見た李晗は、なんだか奇妙だと言います。違和感のある顔なんだって。これを見てそう思えるアナタもスゴイわね。
沈翊は、整形失敗か?と言います。
杜城と蔣峰はエロビデオを延々と見続けてました。ご苦労様だな(^m^)
しかも動画の顔は整形後で、カルテの写真は整形前なんだってよ。照合も難しい。
画像を切り取って、医院に照合を頼もうと言って、杜城は出て行きます。
んで、沈翊の部屋に李晗がいるの見て、嫌がらせをしに入って来るのよー。
李晗にはカルテ整理の仕事があったらしいんだけどね。それはもう済んだって言うと、再確認しろと。どうしても沈翊に協力はさせたくないらしい。
どれだけやれるのか、どうせ無理だよと笑ってるだけならまだしも、こういう積極的な嫌がらせは、品がないよなーと思うのよ。いわゆるいじめっ子の心理と大差ない。
どれだけ相手を信用してなくても、過去はどうあっても、少なくとも公安局の試験を突破して入局してきた同僚で、少なくとも上司が認めて北江分局に引っ張って来た人物なんだから。
気に入らないならほっとけばいいのに、わざと足を引っ張るっていうのはないわ。事件を解決しようってベクトルは一緒のはずなのに。
こういうのを見て、実はしばらく、杜城って人の根っこはこうなんだなあって擦り込まれてしまったんだよなー。だって熱血ってそういうコトじゃないもん。コラ、脚本っ!(笑)
んで、邪魔して李晗を追い払ったクセして、描けないなら以前と同じように描けないと言って、荷物をまとめて出て行けと言う。
オマエにそんな権限があんのかと。
しかもアンタのその感情は、ただの八つ当たりだろうと思っちまいましたわ。
ま、人はみんな完璧じゃないのが当たり前で、欠点もありまくりってのは分かるんだけどねー。余りに感情的じゃんか。
だけど沈翊も負けてはいませんでした。
明朝までには描き上がると言い、描けたらここは僕の画室にすると、ちょいと微笑みまで浮かべて言うんだわ。
まあ、これくらい覚悟の上だってことなんでしょうね。
あら、杜城の文句ばっかになっちゃったかもっ(笑)
でも割とすぐに杜城も沈翊を認め出しますので、少しの辛抱デス(^m^)
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