あらすじ
逃亡中の高秉燭は、船着き場で特徴的な手戟(しゅげき)を持った刺客に襲われる。高秉燭は5年前、同じ手戟を持った人物に兄弟分たちを殺されており、それ以来自責の念にかられていた。兄弟分の家族に報告と謝罪をするべく不良井に戻った高秉燭だったが、ある疑念が生まれる。一方、百里弘毅は父の遺体に不審な点があることに気づき、調べ始める。
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ネタバレ感想
婚礼の日に父親が殺害され、新郎は帰ってこない百里家。
七娘(しちじょう)始め、みんなが心配する中、七娘の叔父の巽山公(そんざんこう)、柳襄(りゅうじょう)は、七娘に家に戻ろうと言います。一晩探して見つからない、義父の死で宴も途中で中止、この婚姻は無効だと。七娘が、寡婦になっても自分は百里家の者、婚姻を認めてくれた叔父がどうしてそんなことを言うと言い返した時、二郎が戻ってきました。
髪を乱したアーランは真っ直ぐ父親の遺体の元に行き、何も語らずただ跪き、そっと遺体にかけられた布を外して呆然としています。
そのまま、夫婦揃って明るくなるまで、側にいた様子。
感情が乏しいって役だから、分かり易く泣き嘆くってことはなく、だけどただ、固まって見つめているだけってのがアーランなんでしょね。自分の琴線に触れない場所からは、いつもとっとと離れて行っちゃう人だし。
一方、不良井では、大理寺亭長の裴諫(はいかん)が住民を跪かせ、高昇(こうしょう)の命だとして、高秉燭(こうへいしょく)が捕まるまで、不良井を閉鎖すると告げていました。食料も薬も、不良井の外に求めている住民達は驚き、騒ぎだします。不良使の王登成(おうとうせい)が住民達を宥め、代表して裴諫に訴えるものの、裴諫は認めませんでした。封鎖を解いて欲しければ、大理寺に協力して高秉燭を探せと。
ただ、この人、めっちゃ気まずそうな顔してるの(笑)だからそう悪い人ではないのかもしれない。まだ分からんけども。
だとしても、あの高秉燭が大人しく不良井の中に潜んでいる筈はないってことくらい、普通に考えれば分かるので、あ、立ち寄るかもしれないけどさ、ま、これは単純に高昇の愚策ってことでしょうね。上司の命令には従わざるを得ない訳だ。
百里家では、固まったまま使い物にならなくなったアーランを置いて、七娘と家職の五じいが部屋の外に集まっている使用人の前に出ました。アーランの代わりに七娘が、葬儀の準備を指示をします。皆でこの苦境を乗り越えましょうって、すっかり家主夫人ですわよ。がんばれっ。
大理寺に戻った裴諫の元には、高秉燭が積善博坊(せきぜんばくぼう)にいるとの知らせが入ります。
またもや積善博坊の客達を跪かせる大理寺の役人達だけど、だからさあ、普通に客として高秉燭がいる訳がないだろうってのよー。
そこへまた女将が、まったりと嫌味満載で出て来ます。今日も私の部屋を見に来たとか~?って。
そしてまた、女将の部屋に入った裴諫に、隠れていた高秉燭が暗器を突き付けました。
ああ、わざとだったのか。わざと目撃させて、女将の部屋に隠れて裴諫に接触したかったんだ。
最初に自首した時、裴諫だけは高秉燭が犯人だとは思えない、自分にだけは本当のことを言えって言ってたもんね。
高秉燭は、誰が不良井を閉鎖したと聞くんだけど、昨日も高官が殺されてお前は逃亡したままだから、当然高昇は怒りを不良井に向けると裴諫は言います。
官吏は人命より地位が重要かと高秉燭。
発端はおまえだと裴諫。おまえが捕まるまで、不良井の封鎖は解かれない。
裴諫を裴亭長と呼ぶ高秉燭は、大理寺で裴諫のためにこっそり動いたりもして、貸しがあるみたい。最初に本当のことを言えって言った裴諫の言葉は、そういうとこからだったんだな。
高秉燭は裴諫に、不良井への支援を頼みます。
俺が下手人を捕まえて、大理寺に送る。10日以内に片付かなければ、この首を差し出そう。裴亭長は約束を守る真面目な男だと、誰もが知っている。不良井は裴亭長の管轄、俺は住人を危険に晒す気はない。
裴諫は黙って去って行きました。
やっぱりね。高秉燭にとっても裴諫は、大理寺の中で一番話の通じる人って認識なんだろね。
話を聞いていた女将が、大理寺でも解決できないのに10日でなんて、何か方法でもあるのと聞きます。相変わらず高秉燭は、俺のことは知らないほうがいいと答えてるけど。
あなたが殺されたらどうしよう、手を引いてという女将に、高秉燭は、不良井を巻き込んだ以上、自分が解決する、5年前に俺は死ぬべきだったと言いました。
そう言われれば、互いに詮索しない約束でも、どうしてと聞きたくはなるわな。とはいえ、その時の話は女将にも何も話してはいない様子。
そこへ、賭博場から騒ぎが聞こえてきました。
船乗りたちが、払うお金がなくて捕まってるみたい。雇い主が死んでしまったので、葬儀が済み次第支払うって言ってるんだけど、雇い主が死んで手間賃がすぐには入ってこないの分かってる癖に、賭博しに来たっての?船乗りは信用を大切にするって自分で言ってるけど、じゃあ、なんか変じゃね?
女将に、雇い主は百里公だと言った船乗りたちは、積み荷を差し押さえて貰ってもいいとか言い出してる。女将は外で仕置きを命じます。
それを高秉燭が聞いていて、仕置きを受けて、へろへろ船に向かう船員たちをつけてったね。うーん、でもなんかやっぱり、この人達、変。
葬儀の準備が進められている百里家。
アーランは相変わらず固まってたけど、使用人が棺の蓋を閉めようとした時、それを止めました。
もう一度、百里延の顔を見たアーランは、首元の赤い斑点に気付きます。遺体には、斑点だけでなく、赤い痣も胸元にまで広がっていました。
検視では、こんな斑点があったとは聞いていないと、傷口のところまで着物を広げます。傷口普通の縦線だったね、あの手戟(しゅげき)の十字じゃなかった。
みぞおち近くの傷なら、血しぶきが飛ぶはずなのに、書斎に血痕はなかったことを思い出すアーラン。刺殺ではなく毒殺だと気付いて、飛び出してったよ。
南市の船着き場に戻って行った船員の後をついて、荷物を担いだ人足のテイで船に入る高秉燭。
雇い主に積み荷も引き渡してない船に、また何乗せるの?帰りの食料とか?一応荷物を運び出せとかも言ってるけど、乗り込んだ高秉燭を見る船員たちの視線が、やっぱりおかしいわ。
おびき出されたんだな。積善博坊での騒ぎから罠だったな?
と、高秉燭がそれに気付かない訳もなく。
船倉に荷物を運び込みながら、後ろについて来た1人を蹴とばして船倉の扉を閉めます。他の船員たちを入れないように。既に集まってきてたわ。完全に罠だったわ。
船に乗る時、手を貸して貰った時に気付いてたんだね、船乗りなのに手にマメがないと。
殴り倒した男は、金を貰って高秉燭をおびき出すよう頼まれたと白状しました。この船におびき出せば、後から来ると。この船すらも、百里延の仕事の船じゃないみたいよ。荷物も空よ。その上、目隠しして会ったから相手の顔も知らないんだとよ。
その時、開けろ開けろと騒いでいた外のヤツらが、倒されていく叫び声が。
隙間から覗くと、刺客と目が合います。気配が離れてから外に出ると、他の男達は全員殺されてました。そしてその傷跡は、あの手戟(しゅげき)の十字。
その時、背後で、生き残った1人も殺されます。覆面をした刺客は、あのパイライトの手戟を手にしてる。
戦うんだけどね。2人共強いのよー。高秉燭がでっかい斧を見つけてガンガンやっても、相手も負けない。
帆を巻き上げていた綱を切ってしまい、帆が広がって、船は動き出します。
だけどさ、ここで一度、もみ合ってる時に、刺客が軽く声を出したんだよね。それが女性っぽかったんだけど。えー?
男なら、力入れた時にうっと出る声はもっとドスが利いてるし、高秉燭のほうはソレだったわ。
コイツが女性て。これが新たな人物でなかったら、まさかまさかの?なんだけど。
高秉燭の斧で傷がついたマストが折れ、倒れてきた時、高秉燭の肩か腕に手戟が刺さり、高秉燭の暗器も刺客の腹に刺さりました。相討ち。
刺客はそのまま船から落ちていきます。慌てて追いかけ、飛び込む高秉燭。
その頃、アーランは、ゴミ箱をひっくり返して、あの時書斎に落ちていた器の欠片を手にしてました。
そこに何かこびりついてたのも、指ですりすりしてますな。大丈夫?それ、きっと猛毒よ?
高秉燭が泳ぎ着いたところには、黒装束の男が倒れていました。
腰にあの手戟を刺しています。
高秉燭は、満足そうな顔になって、手戟を手に取るんだけど。
うーん、だってコイツ普通に男だし。そんな簡単に死んだー?
神都郊外の西山という場所に、高秉燭は仲間達のお墓を作ってたんだね。小山が7つ。
あの手戟を持って、お酒を持って、敵を取ったぞと、嬉しそうに。
お墓にたくさん話しかけながら、だけどどうも虚しいって呟いてるなー。
だよなー、きっと違うと思うんだよなー、その勘は当たってると思うんだよなー。
だってアイツ、手戟を手にして落ちてったのよ。それで力尽きたのなら、手戟がしっかり腰のベルトに刺さってるって、なんか変じゃないか?死ぬほどの傷なら、落ちた拍子に手から離れないか?
だけど高秉燭は、おまえらの家族の生活を安定させたら、会いに行くと言ってます。その時に、直接詫びると。生きる目的はソレだけなんだね。切ないわ。
仲間達との思い出は、何度もフラッシュバックするんだけど、本当に高秉燭を慕っていた気の良い仲間達だったみたいなんだよね。みんな可愛い。高秉燭はいつか不良人達みんなが、普通に神都で暮らせるようにしてやろうと夢見てたんだね。
アーランは使用人達を集めて、あの日厨房がどんな様子だったかの聞き取り。
バタバタしていた厨房は、人の出入りも多く、百里延自身もそこにいた模様。臨時で人も雇ってないってことは、何か入れることができたのは、百里家の使用人ってこと?
使用人達を解散させて、アーランは白キクラゲの羹に毒が盛られていたと言います。
七娘が、高秉燭ね、阿月(武思月)に話すというのを、下手人は別にいると止めました。
高秉燭は不良井に来ていました。
前は笠で顔を隠して入ってきてたけど、今回は途中で笠を投げ捨てます。不良井の人達は、あ、高秉燭が戻ってきたのか?となってるけど、即、どうにかしようとはせず、後をついて来る。
高秉燭は、申さんと陳さんという2人に声をかけました。
報告に来た、小五、小七、陳不疑らの敵は俺が討った、と。
ちょっと違和感があったなあ。高秉燭は敵さえ取れば喜んでもらえると、本気で思ってたのかな。ちょっと誇らしげな顔してたから。5年間思い詰めていたから、考えがそこに凝り固まっちゃってたか。
だけど、親としてみたら、そこじゃないんだよねえ。違うんだよ。
案の定、申さんは、小五の死はおまえのせいだ、どの面下げてと叫びました。
陳さんも、うちの不疑だって、おまえのせいで死んだと。
だから敵をと言ったところで、聞く耳は持って貰えませんでした。高秉燭は跪いて許しを請うんだけど、申さんは、復讐がなんだ、何の役に立つと手にしていた野菜を投げつけ、それが合図だったように、周囲からも袋叩きにあってしまいます。せめて銭だけは受け取ってくれと叫んだけど、出て行け、ぶち殺せの声にかき消されました。
高秉燭が投げ捨てた笠を拾って洞穴の中に座り込んだ頃、叩きのめした被害者家族達も、彼が置いて行ったお金の小袋をそれぞれ見つけたみたい。
高秉燭は、哀しいのに辛いのに、自嘲の笑顔なんだよねえ。こういうのは分かり易く嘆くより響く。
罪人の汚名は返上できないか。
復讐が何になる。ここにも戻れん。俺は永遠に罪人だ。これから先もずっと。
ほろっとその目から涙が零れます。
だけど、そこで目を閉じ、高秉燭は思い出しました。
あの偽船乗りの言葉。自分は船におびき寄せられて襲われたこと。
死んでいた男はあの手戟を腰に差していたけど、腹を刺した時、右手に手戟を持っていた刺客は、水に落ちる際、それを手から取り落としたこと。わ、やっぱりかー。
まだ終わっていないと、飛び出していく高秉燭。
聯昉(れんほう)。
大慶元年4月、不良井の7人を殺害。
太成3年6月、密告者の父娘を殺害。
5日前には大理寺の陳闕(ちんけつ)を殺害し、昨夜は、工部尚書の百里公を殺害。
って、何、韓冬青(かんとうせい)が公子楚(こうしそ)に向かって読み上げてるけど、それ全部高秉燭の罪だとでも言うんですか?後半の冤罪は仕方ないところもあるけど、最初の不良井の仲間達が殺されたことまで、高秉燭がしたことになってるって訳?そりゃ、あんた、余りにも捜査が杜撰だろうよー。
公子楚は、船着き場の事件はと聞きます。韓冬青が内輪の争いとかと言うと、公子楚は、あり得んと。
韓冬青は、高秉燭も船着き場には現れていたようだと言います。
うーん、この人は聯昉なんて情報収集機関にいる癖に、裏がありそう判断もできないのか?大理寺の高昇(こうしょう)並みに、高秉燭のせいにしておけば丸く収まるとしたいタイプ?てか、間者はコイツ?それともミスリード?
公子楚は、密告者の件と関係がありそうだと言いますが、聯昉が異変を察知できなかったのは、やっぱり間者の存在かと。そして、最初の不良人7人が殺された事件を詳しく調べろと韓冬青に指示します。
百里家では、2晩完徹のアーランを七娘が心配しますが、アーランは全員を下がらせ、棺の部屋に一人になりました。部屋の扉が閉められます。
周囲は、それほどまでに旦那様の死がショックだったのか、次男坊よ…って思ってるけど、それはそれとして、きっと一人になりたかった違う目論見があるダロ?その一点集中みたいな顔は(^m^)
はい、来た、高秉燭。
来ると思ったとアーラン。
騒がないのかって高秉燭に、アーランは、父を殺したのは別の者だと言いました。
ここで次回。
本当にあっという間だなあ、このドラマ。
まだ4話目ですが、もし最初の頃から出てきている人物が後々いろいろ暴かれるとしたら、今のところ、武思月の兄ちゃんと女将かも。兄ちゃん、あんな、うっかり悪役に転びそうな顔してる(失礼)だけだったらいいんだけども…分かり易い高昇なんかは、単純に手柄と保身だけの小者でしょうしねえ。中の人はめっさ、あっちこっちでお見かけする馮暉(フォンフイさん)。
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