ずっとずっと見たかったこのドラマ。
うちはケーブルテレビの環境もないし、WOWWOWにも入ってないし。あちらのサブスクに課金する気もないしで。ひたすら待ち続けてようやく、ですよ。いやー長かった。
ただ、こうやって待ち続けてると、その間に「安楽伝」みたいに期待が高まり過ぎて、あら?にならないようにしなくちゃと思ってはいたんですけどね。気を付けようと思ってから、見放題解放になったのに気付いたのが早過ぎた(笑)
同じように「大理寺日誌」も待ってるので、ちょっと期待はテキトーにしておかねば。
あっ、こちらオープニングの主題歌もまた、劉宇寧(リウユーニン)だよー。
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所感 ネタバレです
1話目だけは、以前見ていて、成毅(チョンイー)ってこういう演技する人だったんだーと思ってました。役柄が役柄だからだけど、ちょっと人を食ったような、サラリと達観した感じがすごく似合うなと。
ま、「永楽帝」も見てはいたんだけどさ。
実はそれ以外は、彼の古装恋愛物は、ぐずぐず悩んでる男主が多いと巷の噂を知って、あまり見る気にならなかったんですよ。なので李蓮花ってキャラクターは、過去作の中では、ちょっと異質なのかもしれないけど、1話見ただけで、この感じは好きかもー、と。
ただ、監督も脚本家も「沈香の夢」や「瑠璃」の方々で、↑ぐずぐず悩む男主成毅を作って来た人達なんだよね。だからちょびっとだけ、ダイジョブかな感も孕みつつ。
冒頭は、10年前のド派手な戦いから。

江湖随一の速さを誇る剣神、李相夷(りしょうい)は15才で血域の天魔を下し、17才で四顧門を設立、20才で武林の盟主となる。一躍有名になったけど、当然の如く、打倒李相夷勢も現れる。
金鴛盟(きんえんめい)の盟主、笛飛声(てきひせい)もその一人で、李相夷の師兄、単孤刀(ぜんことう)を殺して、決戦の場に李相夷をおびき出した。
船上での戦いなので、飛んだり跳ねたり、水しぶきが上がったりと、まー派手。
白い四顧門勢と黒い金鴛盟勢。身軽そうにひょいひょい飛ぶ白い李相夷と、別に鎧とか着てないのに、見るからに重厚そうな黒い笛飛声ね。

肖順堯(シャオシュンヤオ)兄さんがこれまた、ひっじょーにお似合いです。
「長月輝伝」で「軍師連盟」以来久々に見た時は、ちょ、どうしようこの太りっぷりとクズな役…と思ったんだけど、こちらでは頬のラインもシャープに、顎も元気に割れてました(大笑)
でも調べてみると、撮影時期はだいたい同じ頃だったらしいってのはこれ如何に。
あちらでは頬のラインがゆるっゆるに見えたのも、メイクだったんでしょうか。
李相夷は、自分と戦いたいがために師兄を殺したと怒り心頭、遺体のありかを尋ねるんだけど、知りたくば俺に勝てって江湖流儀の笛飛声。
ま、武林のみなさんあるあるの、いわゆるコミュ障よね(^m^)
だって笛飛声は、単孤刀の死には直接関与してないっぽいってことが後から分かるんですよ。でもそれを言わない口下手江湖人。例えば部下の仕業だったとしても、それはトップである自分の責任なんてのもあるのかもしれませんが。
ただ何よりもこの人、李相夷と戦えるってことで頭が一杯な訳よ。平気で人を殺す反派組織の長ではあるものの、その実、純粋な武芸勝負には卑怯な手を使わないっていう、いかにもな武芸バカだったんすよ。そんな勝ち方したって、本当の覇者とは言えないから。
だけどこの時点では、李相夷にそんなことは分からない。ここで説明されたところで、聞く耳も持たなかったでしょうが。
少し前に、李相夷は四顧門として、金鴛盟との休戦協定を笛飛声と結んでたらしいんだよね。
なのに単孤刀を手にかけやがってって、脳みそ沸騰してるし、上記の通り、笛飛声は弁明しないし。
てか、お互いに胸だか肩近くだか刺し合ってるのに、それでも元気に動き回ってるってナンなん(笑)
ここで李相夷は笛飛声に、英雄を気取る傲慢な心がお前の弱点だと言われてしまいます。
その時、李相夷の体に異変が。何やら毒を盛られてたっぽい。
ここではどう考えたって、これもオマエの仕業かーと思うわな。違うんだけども。
同時に、四顧門の本拠地付近にも火の手が上がり、笛飛声は李相夷を刺して、自分の勝ちだと叫ぶんだけど、投げられた李相夷の剣に笛飛声も刺し飛ばされ、ほぼ相打ちとなった2人は海に落ちていきました。
そして10年後。
命は助かったものの、あの時の解毒ができないまま内力を失い、相貌も変わり、武芸者としての道も断たれた李相夷は、蓮花楼という4頭立てのキャンピング馬車(笑)に乗ったさすらいの医者、李蓮花となっていました。余命いくばくもない体で。古巣にも自分の生存を隠したままで。狐狸精というワンコだけを相棒にして。
それを知っているのは、10年前から治療を続けてきた、普渡寺の大師、無了(ぶりょう)のみ。

この子が駆け寄るのがカワイイの。尻尾めっちゃ振ってくんの。
相貌も変わったってことなんですが、演じるのは成毅だからね。
見ているこちらは、何も変わらん…のだけど、変わったんだよってコトで、そこは視聴者が暗黙の了解をするところ(笑)他のドラマにもあったな、そんなん。
ちなみにドラマ「陳情令」では、全編通して肖戦を使うためでしょうか、莫玄羽(モーシュエンユー)が自身の命をかけて舎身呪を使い、魏無羨(ウェイウーシェン)を体ごと蘇らせたってことにしてました。
原作では違うんだよね。自分の体に魏無羨の魂を呼び戻す、献舎をしたことになっています。だから原作では、顔も違えば身長もちょっと低くなってる設定。
一応、声は李相夷の時は声優さん、李蓮花の時は成毅自身のようです。
ご自身の声、意外に低めの落ち着いた声だね。
そういえば蓮花楼は、東海の戦いで壊れた船が流れ着いていたのを拾って使ったって台詞がありましたが、それって自分達が壊した船に住んでるってことなの?(^m^)

当然映像では外観こんな巨大ではないけど、室内の描写はこの倍くらい広そうに見えます(笑)
その頃、百川院って組織では、江湖の捜査員、刑探の選考試験が行われていました。
仮面をつけた方多病(ほうたへい)が、袁健康(えんけんこう)って偽名で1位合格したものの、仮面を外されて、身分がバレてしまいます。
この人、天機山荘ってところの嫡男で、パパは朝廷の戸部尚書、ママは天機山荘の荘主っていうエエトコのボン。3年続けて不合格だったから、身分を偽って受験したんだけど、両親は大反対で事前に、愚息を入門させたら百川院を養豚場にするって手紙を送りつけてた(笑)
百川院っていうのは、四顧門が作った、朝廷からも認められている江湖の専用警察みたいな組織。李相夷が行方不明になって四顧門が瓦解した後も、当時の理念のまま百川院は存続していて、門主の姿絵が残されてたりします。
方多病のママは、息子が江湖に関わることをかなり嫌っている模様。
だけどぼったんは、体の弱いガキんちょの時に一度だけ会い、言葉を交わした李相夷に憧れ続け、その時貰った木剣を持って、李相夷の弟子だと自称。
門主の意志に背くのかと言葉巧みに説得し、見習いの身分をゲット。
四院主、石水姐さんの腰牌を借り、実家から連れて来たお供の旺福(おうふく)と離児(りじ)を引き連れて、丁度問題の起きていた、嘉州にある霊山派に向かうことに。
この子、陛下から賜った公主との結婚話から逃げて家を飛び出しているので、結構必死みたい(^m^)
だけどそういう家出に、従者を2人も連れて来てるところが、ぼったんのぼったんたる所以です。
その嘉州には蓮花楼医館、李蓮花が滞在していました。
風火堂ってヤツらに、死人を生き返らせろと迫られ、飄々とかわしていた李蓮花だったけど、とうとう実力行使に出られてしまい、方多病が休んでいる店に連れ込まれてた。
だけど李蓮花は方多病の腰牌を見て、わざと彼のテーブルに飛ばされるんだよね。
百川院なら、理不尽に乱暴されている人を放ってはおかないと目論んで。
ただこの出会いで、逆に付き纏われるのは自分のほうだったのは、李蓮花も計算外(^m^)
本採用を目指して手柄を立てたい方多病は、李蓮花の推理力や洞察力に助けられたもんだから、べったりと纏わりつき、睡眠薬盛られて寝てる間に置いてきぼりにされても、ちっともめげません。
李蓮花から見れば方多病は、出自バレバレの玉をこれ見よがしに付けてたり、捜査員だってのに年若い従者を引き連れて悪目立ちしてたり、検視もテキトーだったり、刑探の腰牌に入ってる名前は石水のだったり、それなりに腕は立つものの、世間知らずな未熟者。言動も傲慢でプライドが高く偉そうだけど、育ちの良さから来る人懐っこさと、真っ直ぐな正義感と、憎めない素直さを持ってるお子ちゃま。
この、一歩間違えば鼻持ちならなくなりそうなのに憎めないってキャラクターは、この人じゃなきゃ難しいかもと思わせるくらい、お上手です、ぱっちりタレ目の曾舜晞(ツォンシュンシー)。顔か?やっぱり顔なのか?(笑)

だけど、李相夷を師匠と呼ぶ彼の思い出話を聞き、あー、あの時のガキんちょかと、思い至った李蓮花は、なんだかんだと一緒に行動するようになる。
もう命の期限は余り残ってないんだけどね。だから新しい人間関係なんて築きたくはないし、早く師兄の遺体を見つけて、師匠のお墓の両脇に、自分と並べて埋葬したいのに。
それでも、李相夷を真摯に思い、悪評から必死で庇おうとまでする方多病を、つい可愛く思うようになっちゃう。結果的に育てることになっちゃう。小宝と呼ぶようになっちゃう。
更に小宝ぼったんも、ちゃんと教育されて育てられてるので、知識が豊富で頭の回転も早く、ぐんぐんツーカーになっていく。
そのうち、彼が取り組む事件と遺体探しがリンクしていき、単孤刀の死には当初考えていたのとは違う事情があったことが分かってきます。
それに気付かせてくれたのは、こちらもまた生存していた金鴛盟の笛飛声。
この人もあの時の大怪我から復活するのに、10年かかってた。
だけどこちらの事情も複雑で、腹心だった角麗譙(かくれいしょう)の歪んだ忠誠心が、当人の思いを飛び越えて、様々な謀略を巡らせてました。

この人「長安二十四時」の聞染だったらしいんだけど、あの子の顔、全く印象に残ってなかったー。
決戦の前に、四顧門、百川院の雲彼丘(うんひきゅう)を使って、李相夷に毒を盛らせたのもこの女。
それを知った笛飛声はめっちゃ怒る。そんな細工をされては勝ったことにはならないと。
んで、なんとか解毒をさせて再度挑戦しようと、こちらもちょいっちょい纏わりついて来ます。
そうやって交流してみると、反派のトップだとはいえ、武芸者としてはかなり真っ直ぐな人だったんだよね、笛飛声。朴念仁で残念なとこあるけどね(^m^)
それに、四顧門の門弟だった人達は、相貌の変わった李蓮花を見ても李相夷だとは気付かないのに、笛飛声だけは即、気付いちゃうんだよ。これはもう、ライバルとしての愛だねっ♪←
そんな3人が揃ったり、時々誰かが欠けたりしつつ、事件を解決するごとに、単孤刀の死に纏わる様々についての真相も徐々に明らかになってく。
そんな流れの物語。事件は10件くらいあるのかな。
そそそ、もうひとつあった。
李相夷だった頃の恋人がさあ。喬婉娩(きょうわんべん)っていうんだけどさあ。
中の人がまたあの「長月輝伝」の、自己憐憫で出来上がってる妖怪女だったんですよう。
引きずっちゃいかんと思いつつ、同じ顔で、私可哀そう台詞を言われると、かーっ、この人またかよっ!になっちゃってっ(笑)

確かに、李相夷は仕事と武芸一直線で、恋人だった喬婉娩にだけ、寄り添う男ではなかった。
それが寂し過ぎたって理由で、この人は自分から別れの手紙を出した。李相夷がそれを見たのは、笛飛声との決闘でボロボロになりつつ、やっとの思いで四顧門に辿り着いた時だった。
門の陰から四顧門の門弟達が自分を見限ったような言葉を吐いてるのを聞いてしまった後でそれを読んだ李相夷にとっては、踏んだり蹴ったりなんてーもんじゃない絶望だったでしょうよ。
なのに、なんで被害者面してんの、あんた。
あんな手紙を書いて、自分から別れようとしたのに、アタシ、10年待ち続けただと?
だけどまあ、そのお陰で李相夷は、一旦は周囲を恨み、武芸者として使い物にならなくなった自分を思い、最終的には才に溺れて傲慢だった自分に思い至ったんだけどね。
だから李相夷を神格化してるみたいな方多病の言葉に、毎度水を差すようなことを言って、方多病がムキになっちゃうんだけど(笑)
ま、余命のこともあって、李蓮花は決して受け入れはしない訳ですが。
ずうっと喬婉娩を想い続けていた、見栄っ張りでちょいと小者の肖紫衿(しょうしきん)と結婚が決まってもいたから、ただただそれを祝福する訳ですが。
あ、肖紫衿は「山河令」葉白衣(イエバイイー)パイセンですっ。
いやあ、器のちっさい小者もまた、似合うよねえ(^m^)
だけどさ、思い出を大切にする余り、当時約束した一番甘い飴を結婚祝いにあげるのはどうかな。気付いてって言ってるようなモンだったわよ?実際、気付かれちゃったし。
ま、そんなこんなで現在の李蓮花は、師兄の遺体を探すことだけを目標に、残された日々を静かに生きようと、それ以上のことは望まなくなってた。
自分の命もすっかり諦めてしまい、解毒延命の可能性も、自ら求めようとはしなくなった。
李相夷を診察し続けてきた普渡寺の大師も、何度も何度も命を大事にしろと言い続けてきたけど、もう、そんな言葉も全く響かなくなってた。
そこに一番必死になってるのは、笛飛声だけ。再度戦いたいからではあるけど。
序盤、彼の命の期限を知っているのは、大師と笛飛声だけなんだよね。中盤で喬婉娩も肖紫衿も、同じ人だとは気付くんだけど。
なので、妙に心の底で繋がっているような李蓮花と笛飛声を見て、方多病が嫉妬して張り合おうとしたりするのも、カワイイのよっ(^m^)時々ちょっとメンドクサイけどっ。
作品情報
- 制作 2023年発表 全40話 爱奇艺
- 原題 「莲花楼」
- 原作 「吉祥纹莲花楼」藤萍
- 監督 郭虎(沈香の夢、美人骨、運命の桃花~宸汐縁~)、任海涛(沈香の夢、雲間の月は輝きて ~運命の恋人~、運命の桃花~宸汐縁~)
- 脚本 刘芳(琉璃~めぐり逢う2人、封じられた愛~、長安 賢后伝)、王威、李惠敏、程妤
人物相関図

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